アメリカの学校制度の特徴は?歴史や日本との違いを理解しよう!

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アメリカ在住の方や、仕事などでアメリカに渡航予定のある方は、お子さんを現地校に通わせたい方もいるのではないでしょうか。また、アメリカ留学を検討している方も多いかと思います。そこで気になるのがアメリカの教育制度です。

アメリカでは、多様な人材の育成を目的とした質の高い教育が提供されていますので、英語を学ぶチャンスだけでなく、さまざまな文化に触れる良いチャンスです。学校選びにあたっては、まずはアメリカの教育システムを理解することが重要です。

そこで今回は、アメリカの教育の特徴や日本との違い、その歴史などを解説していきます。

アメリカの学校制度の歴史

アメリカの義務教育制度は、19世紀末の頃に確立しました。日本では、文科省が日本全体の教育制度を管轄していますが、アメリカでは、政府による画一的な教育制度が構築されているわけではなく、各州に教育省が設置されていて、教育制度も州、郡、学区に委ねられています

政府は州や地方の教育機関に対して、学力水準の達成を要請したり、貧困家庭の児童に対する支援制度の確立、脱落者をつくらないための制度制定など、大きな視点からの制度設計を行います。2011年にはオバマ政権下で、子どもがロボットやIT技術に触れながら自分で学ぶ力を養う「STEM教育」が国家戦略として位置付けられました。

さらに2016年には、テクノロジーで学びを進化させるとして、オンライン学習、ブレンド型学習、コンピテンシーに基づく学習などからなるPersonalized Learningが推進されています。このように、アメリカは教育を重点領域と位置付けて、早くからEdTechやオンラインなどを取り入れながら教育を進化させています。

アメリカの学校の種類

日本では、小学校、中学校、高校、大学と進学していくのが一般的ですが、アメリカの義務教育は、学区によって様々ですが基本的にエレメンタリースクールが5年、ミドルスクールが3年、ハイスクールが4年の5・3・4年制です。エレメンタリースクールから高校卒業までを、1年生~12年生と数えます。ここではアメリカの学校の種類について解説します。

キンダーガーデン(Kindergarten)

キンダーガーデンは通常5歳で入学し、1年間通います。小学校進学に向けた準備期間として、読み書き計算の基礎や社会性を養う授業が行われます。 小学校の学年の1つとして考えられているので、小学校と同じ敷地内にあり、同じ校長のもとで運営されています。アメリカでは、公立学校に通う場合、キンダーガーテンから高校まで授業料は基本的にかかりません。キンダーガーテンを義務教育と位置付けている州は一部に限られますが、実際はほとんどの子どもが通っており、実質的な初等教育の始まりとされています。

エレメンタリースクール(Elementary School)

エレメンタリースクールは、主に6歳から11歳頃の子供が通います。(学区の制度により年齢は異なります。)日本と同じく、英語、算数、理科、社会、体育、音楽、図工などの科目を学びます。外国語は学校や学区によって提供される場合があります。。STEM教育が取り入れられており、学区によってはコンピューターが1人に1台貸与されたり、家庭用のホットスポットの無料貸与、オンライン教材や学級システムなどオンライン学習の環境が整備されているところもあります。

ミドルスクール(Middle School)

ミドルスクールは主に11歳から14歳の子供が通う学校です。エレメンタリースクールから環境は大きく変化し、勉強する内容も細分化して、選択した授業に合わせて教室を移動します。各クラスで宿題が出るので、学習量も増えます。日本と違って成績はテストの点数よりも、努力や参加する姿勢で生徒を評価する傾向が強いです。

ハイスクール(High School)

ハイスクールの期間は多くの州で義務教育期間と重なりますが、卒業までが必ずしも義務ではありません。しかし、ほとんどの生徒が卒業を目指します。基本的に住んでいる地域の学区内のハイスクールに通います。ミドルスクールよりも授業はさらに細分化されて、専門性が高く、選択科目のバリエーションも広がります。部活動、コンテストやコンペティション、プレゼンなど、自分でスケジュールを管理する能力が求められます。成績、内申書、大会などでの受賞歴などで大学の入学選考が行われるため、進学のために戦略を立てながら単位を取得する必要があります。

コミュニティカレッジ(Community College)

州や地元政府によって運営されているコミュニティカレッジは、公立の二年制大学です。学費の高い私立大学と違って、地域住民に安価で大学教育と職業訓練を提供するのが役割で、望めばだれでも学べることをポリシーに掲げています。キャリアアップを目指す社会人も多く在籍しています。卒業後に四年制大学に編入することもできるため、新たな脚光を浴びつつあります

ユニバーシティ(University)

アメリカの大学には、大きく分けて州立大学と私立大学があります。私立大学と比較して、州立大学は学費が安いのが特徴ですが、州民を優先して選考する傾向にあり、それ以外の学生の学費は高くなります。アメリカの大学は、日本の大学のような一発勝負の学力試験だけで合否が決まるわけではありません。高校の成績(GPA)、SAT/ACTといった共通テストのスコア、エッセイ、推薦状、課外活動など、多角的な要素で志願者の人物像を総合的に評価して選考が行われます。またアメリカの大学は課題も多く、かなり勉強しなければ卒業することはできません。そのため入学するよりも卒業のほうが難しいといわれています。

地域によって異なる学校制度の特徴

アメリカの教育システムが、日本と際立って異なるところは教育行政です。日本の教育は、政府が全国一律に教育方針や指導内容を決める中央集権的なシステムです。しかし、アメリカでは、学校教育の内容からカリキュラム、生徒の退学処分や図書館の本の決定まで、学区が最終的な判断を下します。

さらに保護者、教師、学区に加えて地元住民の意思も反映されるので、地域や学区によって教育に大きな差が出ることになります。成績の上がらない学校の校長やクラスの担任が異動になったり、辞めさせられたりするケースもあります。

日本と異なるアメリカの学校生活

アメリカと日本の学校では、学校生活を送る上でも様々な違いがあります。そんな違いについて、いくつかご紹介したいと思います。

授業のスタイル

アメリカの授業は参加型で、学生が授業中に質問や意見を自由に述べる傾向があります。ディスカッションやディベート、プレゼンテーションなど、積極的に自分の考えを表現する機会が多く設けられ、積極的に発言をする姿勢が重視されて成績に反映されます。一方で、日本の学生は、基本的に先生の話を聞いてノートをとるという、受け身で授業を受けるスタイルです。あまり個人の意見を発表したり、意見を戦わせたりする場面はありません。

給食がない

アメリカには、決められた時間に生徒が揃って教室で昼食を食べるという習慣はなく、カフェテリアや外のベンチなど、自由な場所で食事をします。家から持ってきたランチを食べる生徒もいれば、カフェテリアで買って食べる生徒もいます。日本の場合は、給食当番の生徒が配膳をして、教室でみんなで「いただきます」といって食べ始めるのが普通です。

義務教育でも飛び級や留年がある

アメリカでは、本人の持つ能力に応じた教育を受けさせるべきという考え方があり、優秀な生徒は、年齢以上の教育を受ける「飛び級」という制度があります。一方で、成績が振るわない場合、義務教育であっても留年することがあります。日本の場合、どんなに成績が良くても飛び級しませんし、義務教育で留年することもありません。

スクールバスで通学する

アメリカではスクールバスが一般的な通学手段の一つであり、多くの生徒が利用します。

バスが毎朝決められた時間と場所に迎えに来て、帰りも家の近くで下ろしてもらいます。通学時間が長いこともありますが、治安や子供の安全のためという側面が強いです。子供たちだけで登下校することが多い日本とは大きく異なる点です。

自由な校風

個人を尊重する考えが根付くアメリカでは、髪型、服装、化粧などのルールは比較的自由で、生徒の裁量に任される部分が多いです。しかし同時に罰則も厳しく、校則のハンドブックに保護者が同意のサインを求められます。個性を尊重しながらも、社会規則をしっかりと守るルールになっています。日本では、校則があったり進路指導があったりと、学校が子供の成長に関与することが多く、アメリカよりもルールは厳しいものの、学校側のサポートも手厚くなっています。

日本からアメリカの学校に行くときに気をつけるポイント

最後にアメリカの学校に行く際に気をつけるべき点を解説します。

住居選びは教育選び

アメリカでは同じ州の中でも郡や学区によって、カリキュラムや予算、レベルが異なります。学校運営が、プロパティタックスという、いわゆる固定資産税を財源になされているので、地価が高いエリアほど教育水準が高くて良い教育が受けられるのです。アメリカで住む場所を選ぶことは、学校を選ぶということです。どの学区のエリアに住むかは慎重に決めなければなりません。

現地校か日本人学校か

現地の生徒と同じ教育を受けさせて、英語習得に重きを置くのであれば、現地校がおすすめです。公立校は費用が安く、近所に友達ができるというメリットもあります。現地校へ通う場合は、日本語の学習機会として補習校へ通いましょう。毎週土曜日に、日本で使われている教科書を使って授業を受けることができます。

もう1つの選択肢は日本人学校です。文科省に認定されたカリキュラムに沿って、教育を受けることができます。すべて日本語なので、帰国する際も他の子供との学力の差が生まれにくいことや、親も学校や他の保護者とコミュニケーションがとりやすいことがメリットです。

まとめ

アメリカの教育制度について、日本との違いなどを説明して来ました。

日本では、校則や生活指導など学校が関与してくれる部分が多いのに比べて、アメリカでは、個人を尊重して自由がある一方で、自らの管理が求められるのが特徴です。子供をアメリカの学校に入れようと検討している方や、渡米する予定がある人は、これらの情報をもとに検討してみてください。

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