ワーキングホリデー(以下ワーホリ)に憧れていても、お金がかかりそうで断念している人もいるでしょう。お金があまりなくても、ワーホリは可能なのか?と疑問に思っている人もいるかもしれませんね。
そこでこの記事では、費用が十分にない人でもワーホリに行けるのか、ワーホリに必要な費用や格安でワーホリが叶う国などもご紹介しながら、解説していきます。
現時点であまりお金がない人も、ワーホリを諦める前にまずはこちらの記事をご覧ください。
お金がない人こそワーホリがおすすめな理由
結論から言えば、実はお金がない人・費用が限られている人にこそ、ワーホリがおすすめです。まずはその理由について深掘りします。
ワーホリは現地で働ける
たとえば語学留学や大学留学の場合は、現地で過ごす生活費の他に学費が必要な上に、特に語学留学の場合は現地でアルバイトもできないことが多いです。そのため、留学にかかる費用が支出のみとなり、総支出額が膨らんでしまいます。
一方で、ワーホリビザは自由度が高く、滞在中に語学学校などに通うことももちろんできますが、現地でフルタイム就労が可能となっています。ですから、現地で仕事をすれば、生活費をその収入で賄えるため、結果として総支出額が少なくなるのです。人によっては、プラスになって帰ってくることもあるのだとか。
ワーホリは初期費用が安くなる傾向がある
また、ビザ取得時に必要な費用もワーホリの方が断然少なく設定されている国がほとんどです。これは留学の場合は、学費+その学校に通っている間に必要な生活費の資金証明が求められる一方で、ワーホリは現地で数ヶ月生活していける資金の証明ができれば良いからです。
国によっても求められる額は異なりますが、留学ビザに比べると、ワーホリビザは必要な初期費用が少なくなる傾向にあるため、お金がない人が海外に長期滞在をしたいなら、ワーホリがおすすめなのです。
ワーホリに必要な費用の目安
では一体ワーホリには、どのくらいの費用が必要なのでしょうか。
ここでは、主要なワーホリ協定国において、1年間ワーホリをした場合の費用をご紹介します。こちらには語学学校の費用などは含まれていないため、語学学校に行く人は、その分をプラスして換算してみましょう。また、旅行やレジャーなどの娯楽費用は含まれていないため、最低限の生活ができる費用の目安となっています。
為替レートにより、かなり円換算値が異なりますので、あくまでこちらは目安と思ってください。
国名 | ビザ申請費用 | 渡航費 | 生活費(食費含む) | 海外留学保険等 | 総額 |
オーストラリア | 約6万円 | 10〜15万円 | 150〜200万円 | 10〜20万円 | 約150〜250万円 |
カナダ | 約3万円 | 10〜15万円 | 120〜160万円 | 10〜20万円 | 約130〜200万円 |
ニュージーランド | 約2万円 | 10〜15万円 | 100〜150万円 | 10〜20万円 | 約120〜180万円 |
台湾 | 無料 | 4~6万円 | 60〜120万円 | 約10万円 | 約80〜150万円 |
こうして見ると国によって必要な費用はかなり異なることがわかります。この金額を見て、「やっぱりワーホリは無理」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、現地でフルタイム就労ができれば、生活費はそれでカバーできることが多いため、実際の総額は異なることを覚えておきましょう。
資金証明も含めた初期費用と、現地で働くことを考慮した場合、費用は100万円くらい用意しておくと安心です。しかし、実際にはビザ申請費や渡航費、海外旅行保険などと資金証明で求められる額のみで渡航する人もいるため、100万円貯まらなくてもワーホリができないわけではありません。
ワーキングホリデーの費用が安い国
上記の費用目安を見てお気づきかもしれませんが、ワーホリに必要な費用は国により異なります。そこでここからは、ワーホリの費用が安い国にスポットライトを当てて、ご紹介していきます。
ニュージーランド
主要英語圏の中では、一番費用が安くなりやすいのがニュージーランドです。主要英語圏の中では比較的物価が安めで、治安も良く、住環境面でも優れているのが魅力的。
資金証明として求められる金額が40万円弱と少なめなので、初期費用も抑えやすいです。もちろん語学学校も豊富にありますし、ワーホリが盛んな国なので、ワーホリメーカー向けの仕事も多いです。
ファームでのお仕事も豊富ですから、ワーホリ中の収入で現地での生活費を賄いやすく、総額が安くなりやすい国です。
カナダ
カナダも他の英語圏に比べると物価がやや安め。さらに資金証明で求められる額が30万円弱となっており、初期費用をかなり抑えやすいです。こちらもワーホリが盛んな国ですから、都市部なら仕事探しに困ることはあまりないでしょう。
ニュージーランドと同様に、仕事が見つかれば総額をかなり抑えやすい国です。寒さが厳しい地域が多いので、寒いのが苦手な人だとちょっと苦労するかもしれません。しかし治安も比較的良好で、住みやすい国としてもよく名前が上がる人気国でもあります。
オーストラリア
オーストラリアは物価が高く、資金証明に求められる金額も高めなので、格安ワーホリが難しい国に思えるでしょう。しかしオーストラリアは時給もとても良く、2024年7月の最低賃金が約2,500円となっています。
これが最低賃金なので、仕事によってはもう少し時給が高いことも多いです。
つまりオーストラリアは初期費用はかかりがちですが、現地で仕事さえ見つかれば、生活費を十分に賄える収入を得ることができますし、貯金をして帰ってくるワーホリメーカーも少なくありません。
ファームでの仕事は豊富ですし、ワーホリが盛んな国なので、街中でのお仕事も見つかりやすいです。プラスマイナスで考えるなら、オーストラリアも費用が安い国と言えるでしょう。
台湾
上記でご紹介した費用目安の表を見てもわかるとおり、台湾は格安なワーホリが叶いやすい国です。物価が日本よりも安く、日本から近いので渡航費も安く、ビザ申請料も無料と、安くなりやすいポイントが盛り沢山。物価が安い分、語学学校も安いですから、中国語を学びたい人にとってはかなり魅力的なはずです。
ちなみに英語も学びたければ、現地の英語学校に通うことができます。難点は中国語や英語ができなければ、仕事が見つかりにくいことでしょう。
また、台北以外では仕事探しになかなか苦労するかもしれません。ワーホリ中にそこまでガツガツ働きたくない!もしくは、中国語や英語スキルを活かして働きたいという人なら、台湾でのワーホリがおすすめです。
ポーランド
ヨーロッパでは物価が安めなポーランド。2024年の円安傾向を加味しても、日本より物価が安い国です。
物価が安いと住環境が不安かもしれませんが、設備面では西ヨーロッパ諸国とほとんど差はありません。しかもポーランドは可愛らしい街並みが続く地域も多く、魅力的な観光地も多い国なんです。物価が安い分、ワーホリ費用を抑えやすいのですが、外国人向けの仕事はそれほど多くはないため、現地で働いて生活費を賄うことを考えての準備はおすすめできません。
ワーホリ中はちょっとしたバイトをしながらゆっくり過ごしたい人や、人とは違ったワーホリ体験をしつつ、費用を抑えたい人におすすめです。
ハンガリー
ハンガリーもポーランドと同じく、ヨーロッパのワーホリ協定国の中では物価が安い国です。日本から遠いため渡航費用は必要ですが、生活費は台湾と同程度なので、ワーホリの費用を十分抑えやすいです。
日本人にとってはあまり馴染みのない国かもしれませんが、意外と食は日本人好みのものも多く、中世を感じさせる街並みや景色が美しい場所もあるので、生活にも観光にも困らないでしょう。
ただしポーランドと同じくワーホリメーカーは仕事を見つけづらいかもしれません。ですから、こちらも、ワーホリ中のお仕事はバイト程度で抑え、現地での生活を楽しみたい人向けの渡航先です。
お金がないけどワーホリしたい人が取るべき行動・準備
お金はないけど、どうしてもワーホリをしたい!と思うなら、ワーホリを実行に移すために、費用面で困らないための準備をしておきましょう。ここからは、費用面に不安がある人が何をするべきなのかを解説していきます。
十分にお金を貯めてから渡航する
大前提ですが、現時点でお金がないなら、十分にお金を貯めてから渡航しましょう。日常の無駄を省いて、ワーホリ資金が貯まるまでは節約生活をしてください。
物価や初期費用が安いワーホリ協定国に行くことを決めたとしても、最低でも70万円くらいは用意しておきたいところです。
副業ができるなら、本業に加えてバイトをしてみるのも良いかもしれません。また、断捨離がてら、不用品をフリマアプリや中古品販売店に売ったりすると、意外と稼げるかもしれません。無理のない範囲で、じっくりお金を貯めていきましょう。
物価が安い国を選ぶ
ワーホリで人気の主要英語圏は、世界的に見ると物価が高めの国が多いです。英語圏の中でも物価がやや安いカナダやニュージーランドでも、日本よりも生活費がかかることも多いでしょう。
ですから、お金がない人は物価が安い国を選ぶのも一つの手です。物価が安めの国は、あまり日本人のワーホリメーカーがいない国も多いですから、他にはない貴重な体験ができるかもしれませんよ。
アルバイトが見つかりやすい国を選ぶ
ワーホリ中に働くことを考えているなら、アルバイトが見つかりやすい国を選びましょう。そうすれば、現地での生活費を現地収入で賄えるため、総費用が安く抑えられます。
アルバイトが見つかりやすい条件は、ワーホリが盛んな国であること、そこそこ都会であること、そしてあなた自身が現地の言葉が話せることです。
ただし台湾のように、中国語があまり喋れなくても英語と日本語スキルを活かして仕事を見つけられる国もあるため、事前リサーチは必須です。
現地の言葉を習得してから渡航する
「アルバイトが見つかりやすい国を選ぶ」と少し被ってしまいますが、現地の言葉を習得してから渡航するのもとても重要です。現地の言葉をある程度習得していれば、語学学校に行く期間を減らせますし、全く行かずに現地で生活することができるようになります。
そもそも言語を習得すること自体にお金がかかると思うかもしれませんが、ネイティブキャンプをご利用いただけば、月額税込7,480円(2024年12月現在)で、毎日何度でも英会話レッスンが受けられます。
たとえばネイティブキャンプで1日受けられるだけレッスンを受け、それを3ヶ月くらい続ければ、日常会話はなんとかなるくらいのレベルには到達するでしょう。
さらにネイティブキャンプなら、さまざまな国の講師が在籍しているため、お目当てのワーホリ協定国出身の講師がいれば、現地情報を聞くこともできますよ。
ローンを利用する方法も
どうしても初期費用を貯められないということなら、ローンを利用するという手もあります。ワーホリでは教育ローン、フリーローン、カードローンなどの利用が可能です。
条件や審査もあるので、誰でも借りられるわけではありませんし、返済の義務もあるため、ワーホリ後の生活が不安な人には不向きです。
しかしワーホリの年齢制限が差し迫っていて、どうしても初期費用を貯められないということなら、ローンを検討してみても良いかもしれません。
まとめ
あまり資金がなくても、ワーホリをしている人は数多くいます。ですから、資金が足りないからワーホリを諦めるのは、時期尚早かもしれません。
費用面で不安がある人は、この記事を参考にしてワーホリ費用を抑える方法を模索しつつ、自分にとって最適で有意義なワーホリが叶うように考えてみてくださいね。
◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。