オペア留学とは?メリット・デメリットと費用、参加条件を解説

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海外留学には、語学留学、大学留学、ワーホリ、看護留学や音楽留学など、留学には異なるタイプがいくつもあります。ところで

「オペア留学」

という留学があることを知っていますか?

この記事では、現地の家庭に住み込みで働き、自由な時間に語学を学べる「オペア留学」について解説します。

「オペア留学ってどういう留学?ビザは必要?」という疑問から、オペア留学の発祥、メリットとデメリットから気になる費用や条件まで、幅広くオペア留学について紹介していきます。

オペア留学とは?

オペア留学というプログラムは、海外であなたがオペアになって外国のファミリーのために働き、空いた時間に語学学校などで英語といった語学を学ぶという留学です。

オペア留学の発祥はヨーロッパです。
au pair
はフランス語ということからも分かりますね。

ヨーロッパのなかでも、筆者の住むイギリスの家庭が家事を手伝う外国人女性留学生を住まわせたという習慣から始まりました。

オペア(au pair)とは?

オペアとは、ホストファミリーと一緒に暮らし、部屋代・食事代・手当てと引き換えに、育児や軽い家事をする人のことです。例えば、

・子どもの学校の送り迎え
・夕食のテーブルセッティング
・食洗機を空にする
・ときにはペットの世話をする

など、いわゆるお手伝いさんに近い仕事をします。オペア留学のオペアは英語にするとau pairになります。

そもそもau pairはフランス語ですが、この意味はメインとして、外国語の勉強を目的に、外国の家庭に住まわせてもらう制度のことを指します。

ちなみに、日本語ではオペアと表記しますが、英会話ではオーペアのように発音します。

オペア留学の目的

アメリカの政府によれば、オペア留学の目的は「チャイルドケアを基本においた教育と文化の交換」です。

語学学習の留学と異なり、国際文化交流プログラムになります。

ちなみに、チャイルドケア留学という留学があります。こちらは保育士になるために海外のカレッジや大学で資格取得を目指して勉強するもので、保育士留学とも呼ばれます。

一方、オペア留学では子どもの世話はするものの、保育が第一の目的ではなく、現地でオペア生活を送りながら、多くの人にとっては語学を上達させるための留学になります。

オペア留学のメリット

まずは、オペア留学のメリットはどのようなものがあるのかみていきましょう。

手当てが発生する

オペア留学はワーホリではありませんが、ホストファミリーからの手当てが発生します。

例えば、イギリス政府のウェブサイトGOV.UKで、Au pairsへの報酬に関するページをみてみましょう。

「オペアは、全国最低賃金と全国生活賃金を受け取る権利がある」

このようなルールがあり、雇用主が宿泊施設を提供する場合、全国最低賃金または全国生活賃金を計算する際にこれを考慮する必要があるとしています。

また、最低賃金を支払っていることを証明する記録も雇用主の責任です。

実際には、オペアは従業員ではないため給料ではなく、ポケットマネーと経費が支払われます。

ポケットマネーは週30時間で最低90ポンド(現在の為替レートで約17,700円)でなければなりません。

この収入があれば、外食や滞在中の旅行の足しにすることも可能でしょう。

滞在費がかからない

オペア留学では、ホストファミリーのサポートをする対価として、雇用主が宿泊費や食費など生活にかかる大きな費用を負担します。

語学留学であれば、学生寮またはホームステイが一般的な滞在場所ですが、オペア留学ではこれらの費用がかからないことは大きなメリットです。

現地の体験で英語力アップが期待できる

オペア留学はホームステイという貴重な経験を得ることができます。

しかも、ただホームステイするのと比べ、家事について打ち合わせをしたり子どもたちとのやりとりが発生します。

家族とより英語を使う機会が増えるという、チャレンジングな環境が英語上達につながる可能性大です。

また、子ども好きの人であれば単なる留学と比べ、オペアは保育経験にもなるやりがいのある仕事になります。

将来、海外でチャイルドマインダーになる目標を持っている人にも素晴らしい経験になるでしょう。

プログラムによっては、2歳未満の子どもの面倒をみる時間が200時間以上あり、それを証明できれば「Infant Qualified Au Pair」という資格を得ることができます。

オペア留学のデメリット

オペア留学のメリットを知ると、とても魅力あるプログラムに感じます。しかし、現実はそれほど甘くないという声も聞こえます。では、実際のデメリットとは何か、以下に紹介していきます。

仕事と自由時間の境があいまい

事前に契約内容を聞くものの、「家族と過ごす時間が仕事として感じ始めるようだとホストにうまく使われているのでは?」という疑問が湧いてきます。

特に、子どもが1人ではなく3人4人という家族では遊びなどがエンドレスになる可能性もあります。

お互いに慣れるにしたがって、ホストの要求が徐々に増えることもあります。

そして、英語学習に集中しようと思っても、可愛い子どもたちが部屋にくるのを断れないというケースも発生します。

家での学習時間が確保できなければ、第一の目的である語学学習に影響が出てしまいます。

ホストファミリーと相性が合わない可能性がある

家族の一員になって過ごす海外生活を思い描き、慣れない英語で一生懸命コミュニケーションをとる自分をイメージする、こういったポジティブな思いでスタートしたオペア生活も、ホストファミリーとの相性が悪ければ一気に辛いものになります。

場合によっては、家族の一員という受け入れ方ではなく、単なる手当てを払っている人という差別的な態度になるブラックホストもいるでしょう。

そうなると逃げどころもなく、オペア最悪!という印象になってしまうことも。

なお、環境に対して持つ感情は個人差があることをご了承ください。

疑問や不満は我慢することなくホストに相談することで、問題が解消されることもあるでしょう。

オペア留学に向いている人・向かない人

以下では、オペア留学に向いている人・向かない人の特徴を詳しく解説します。

向いている人:子ども好きと柔軟性がカギ

オペアとして充実した生活を送れるのは以下の条件に当てはまる人で、特に適応力は英語力以上に重要視されます。

向いている人の特徴 詳細・理由
子どもの世話が楽しいと感じる人 ・単に子どもが好きなだけでなく、予期せぬ行動などにも根気強く付き合える忍耐力が必要
・保育士資格は必須ではないが、責任感を持って子どもと接せられる人が好まれる
留学費用を徹底的に節約したい人 ・海外生活はしたいが資金が足りない人にとって、オペアは有効な選択肢
・滞在費が無料でホストファミリーからお小遣いも支給されるため、現地での出費を気にせず生活できる
異文化や他人のルールに柔軟に合わせられる人 ・オペアはあくまで他人の家での住み込み生活
・家庭ごとの独自ルールや生活スタイルをポジティブに受け入れられる柔軟性があれば、ファミリーと深い絆を築ける

向かない人:プライベート重視派は要注意

一方で、以下のタイプに当てはまる場合は通常の語学留学やシェアハウス滞在のワーホリなどを検討した方がよいかもしれません。

向かない人の特徴 詳細・理由
プライベートの時間を最優先したい人 ・オペアは雇用主であるホストファミリーと同じ屋根の下で暮らすため、仕事と自由時間の境目があいまいになりがち
・完全なプライベート空間や時間を確保しにくい側面があります
現地に行けば自然と英語が伸びると思っている人 ・子どもたちが部屋に来るのを断れないなど、家での学習時間が確保できないケースがある
・能動的に学習時間を確保しなければ、第一の目的である語学学習に影響が出てしまう
家事や料理が全くできない・したくない人 ・オペアの仕事には育児だけでなく、食器洗いや片付けなどの軽い家事も含まれる
・いわゆるお手伝いさんに近い仕事をするため、最低限の家事スキルは必須

オペア留学の費用

当然ですが、オペア留学にかかる費用は国または参加プログラムによって異なります。

また、自分でホストファミリーを探すのか、留学エージェントを通して受け入れ先を見つけるかによっても大きく違ってきます。

個人で契約する場合

自分でホストを探して進めていける人であれば、例えば、AuPairWorldというウェブサイトがあります。

このサイトは、世界中のホストファミリーとオペアをマッチングさせるためのプラットフォームで、紹介料はかかりません。

全サービスを無料で利用できますが、ホストファミリー側はオペアと個人的な連絡をとるためにプレミアムメンバーシップを支払う必要があります。

留学エージェントを通す場合

エージェントを通すと登録料と参加費用がかかります。

日本のあるエージェントの場合、登録に5万円、ホストファミリーが決定すると参加費用として21万円ほどを支払うことになります。

オペア留学可能な国の例と年齢などの必要条件

オペア留学を検討するために、留学の可能な国について例を挙げながら解説します。

デンマーク

デンマークは、デザイン・福祉・教育に関心がある方に最適な留学先です。オペア契約の透明性が高く政府によって労働条件が厳格に守られているため、初心者でも安心して渡航できます。デンマークでのオペア留学の特徴と必要な条件は、以下のとおりです。

ビザの種類:滞在許可証の取得が必要 年齢制限:18歳〜29歳 語学学校:ホストファミリーが授業料を支払う義務がある 英語環境:国民の英語レベルが非常に高く、日常生活は英語で完結する

デンマークのオペアは文化交流の側面が強いため、すでに結婚している人や子どもがいる人は申請できません。また、過去に同じビザを取得している場合の再申請は不可など条件が細かいため事前の確認が必須です。

アメリカ

「本場のオペアを体験したい」「キャリアにつながる英語力を身につけたい」なら、アメリカがおすすめです。プログラムの内容が法律で統一されており、給与や労働時間が明確に保証されています。アメリカでのオペア留学における特徴と必要な条件は、以下のとおりです。

ビザの種類:J-1ビザ(交流訪問者ビザ)が必須 年齢制限:18歳〜26歳まで 教育要件:滞在中に6単位以上の授業を受ける必要がある 費用:エージェント費用やビザ申請費がかかるため、初期費用は高め

アメリカではオペア留学の個人契約が違法であり、必ずアメリカ政府認定のエージェントを通す必要があります。また、週の労働時間が最大45時間と他国より長めですが、その分しっかりとした報酬と、2週間の有給休暇が保証されています。

オーストラリア

オーストラリアは、勉強も仕事も観光も楽しみたい方におすすめです。特に、午前中は語学学校に通い、午後だけ手伝う「デミ・オペア」と呼ばれるスタイルが人気となっています。

オーストラリアにはオペア専用ビザはなく、ワーキングホリデービザを使って滞在するのが一般的です。オーストラリアにおけるオペア留学の特徴と必要な条件は、以下のとおりです。

ビザの種類:ワーキングホリデービザ 年齢制限:18歳〜30歳 滞在期間:同一のホストファミリーのもとで働けるのは最大6ヶ月まで 給与:労働法が厳しく、条件によっては最低賃金が適用されるケースもある

最大6ヶ月のルールがあるため、1つのファミリーに1年間などの長期滞在は基本的にできません。長期滞在したい場合は半年のタイミングで別のファミリーに移るか、通常のシェアハウス生活に切り替える必要があります。

ドイツ

ドイツは真面目で規律正しい文化が根付いており、契約内容がきっちり守られる傾向にあります。英語+ドイツ語のマルチリンガルを目指す方にも人気です。ドイツにおけるオペア留学の特徴と必要な条件は、以下のとおりです。

ビザの種類:オペアビザ、またはワーキングホリデービザ 年齢制限:18歳〜27歳 語学力:基礎的なドイツ語力の証明を求められる場合がある 費用:ヨーロッパ圏内では物価が比較的安く、生活しやすい環境

26歳までと年齢制限の上限が短い点に注意が必要で、ドイツを希望する場合は1歳でも若いうちに行動を起こしましょう。

まとめ

本記事では、留学は留学でもホームステイ先に住み込みで住み、家事や育児のサポートをしながら英語学習をする「オペア留学」について紹介しました。

少しパターンは違いますが、筆者の近所には日本人のお母様、イギリス人のお父様、ミックスの男の子が2人という家族がいます。

お母様が子どもたちの日本語のために、日本から日本人のオペアを雇っていました。

生活には基本英語が必要になりますが、海外で日本人のいる家庭でのオペアというケースもあるでしょう。

今後、留学を検討する際に、本記事がお役に立てれば幸いです。

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