Let’s go! 行きましょう! のように相手に提案する表現としてよく使われる”Let’s”。
実はこの”Let’s”は”Let us”の省略形です。省略しているだけなので“Let’s”と”Let us”は全く同じ意味でしょ?と思われがちですが、この2つには違いがあることを知っていましたか?
今回は”Let’s”について詳しく解説します!
- 優しい使役動詞 、優しい命令
- 意外と知らない”Let’s”の正しい返答方法とは?
- “Let’s”を省略せずに”Let us”と言うと意味が変わる!?
- Letを使いこなそう!
- “Let’s”、” Let us”、” Let me…”、” Let it…”
優しい使役動詞 、優しい命令
Letとは「〇〇させる」という意味の動詞で、使役動詞の一種です。
使役動詞とはmake、have、get、letの4つの動詞のことで、いずれも「誰かに何かをさせる」という時に使われます。しかし、その強制力の度合いには次のような違いがあります。
母に料理を作らせた
母に料理を作ってもらった
母に料理を(お願いして)作ってもらった
母に料理させてあげた
makeは強制力が一番強く、無理やりでもさせるというイメージです。
haveとgetは同じくらいの強制力ですが、getの方が自分から働きかけて相手を動かす感じが強くなります。
最後のletは許可するという意味があり、「〇〇させる」というより「〇〇させてあげる」という意味合いが強くなります。
この4つの使役動詞を強制力の強い順に並べると、
make > have > get > let
となり、letが最も強制力の弱いことがわかります。
次の例も見てみましょう。
座りなさい
座りましょう
来なさい
行きましょう
こちらは動詞の原形から始まる命令形の文章です。
「座りなさい」「来なさい」は日本語でもかなりキツい感じがしますが、「座りましょう」「行きましょう」だと柔らかい雰囲気になりますね。
このように命令形としてletを使った場合も、他の動詞と比べると優しい印象になります。その理由は”Let’s”のなかにUsがあることが関係しています。
命令形の元々の主語はYou、Lets’sのUsは話している相手と自分自身を指しているので、直訳すると「あなたは私達に〇〇することを許可する」となり、「一緒に〇〇しましょう」という提案や勧誘の意味合いを持つようになるのです。
(あなたは)座る=座りなさい
(あなたは)窓を開ける=窓を開けなさい
(あなたは)静かにする=静かにしなさい
(あなたは)私達に帰ることを許可する=一緒に帰りましょう
ちなみに、”Let’s”の否定形は”Let’s not”ですので、Let’s not go outside today.「今日は外に行くのはやめておきましょう」のように否定文の提案としても使うことができます。
意外と知らない”Let’s”の正しい返答方法とは?
”Let’s”と言われたとき、どう返答するのが一番正しいのでしょうか。
正解は、
Yes, let’s. / No, Let’s not.
です。あまり聞かない表現ですよね。
今夜映画を観ましょう
はい、そうしましょう
彼に電話をしましょう
いや、やめておきましょう
のように使うことができます。
ただ、このように返答すると相手にとても堅苦しい印象を与えてしまうため、一般的には
わかった
それいいね
といった返答をするのが自然です。
また、”Let’s”と言われて否定的な返答をする時には、
B:No, because it’s going to rain in the afternoon,
A:今日はピクニックに行こうよ
B:いや、だって午後には雨が降るから
のように理由を付け加えた方が、相手に失礼な印象を与えないので好ましいでしょう。
“Let’s”を省略せずに”Let us”と言うと意味が変わる!?
それでは、”Let’s”と”Let us”にはどのような違いがあるのでしょうか。
実は”Let us”と省略せずに言った場合、以下の2つを表現できます。
①フォーマルな提案
一つ目は”Let’s”と全く同じ意味の「提案」ですが、相手に与える印象がかしこまった感じになります。
それではミーティングを始めましょうか
連絡を取り合いましょう
このようにやや堅苦しい響きになるので友人同士での会話ではほとんど使用することはありませんが、ビジネスの場では適している場合もあります。
②要求
二つ目は意味が大きく変わり、強い要求を表します。
先程、”Let’s”のUsは話している相手と自分自身を指すと述べましたが、”Let us”と略さずに言った場合のUsは、話している相手を含まない第三者を指します。
例えば、子供たちが母親に駄々をこねているシーンを想像してください。
Mother: No, it’s already late at night.
パーティに行かせてよ!
ダメよ、もう夜遅いでしょ
この場合のUsは母親を含まない「子供たち」となり、主語であるYouとUsの関係が”Let’s”の場合と異なることがわかります。
“Let us”と略さずに言った場合のUsは、自分自身と話し相手ではなく、自分自身と第三者を含む「私達」を指すのです。
その結果、”Let’s”のような「一緒に〇〇しましょう」といった勧誘や提案のニュアンスはなくなり、「私達に〇〇することを許可しなさい」という相手への強い要求を表すようになります。
“Let’s”のUs = 話している相手と自分自身
“Let us”のUs = 話している相手を含まない、第三者を含めた複数人
Letを使いこなそう!
Letには他にも色々な使い方があります。
見てみましょう
見てみましょう
こちらの例文はよく聞くフレーズではないでしょうか。
直訳すると「見させてください」となりますが、「見てみましょう」「様子を見ましょう」という意味から発展して「えーと」といった、すぐに答えられない時の繋ぎ言葉として使われるようになりました。
“Let’s see”も”Let me see”もどちらも同じ意味なのですが、注目したいのがletの直後の部分です。
“Let’s”の所有格はUsですので「一緒に見てみよう」というニュアンスが強いのに対し、”Let me see”は「私に見せて」と一人に焦点が当たっているため自分の判断が強く入ってくるイメージになります。
Please let us know.
お知らせください
こちらも飛行機の中などでよく聞くフレーズです。
先程、”Let's"を”Let us”と略さずに言った場合は強い要求を表すと言いましたが、Pleaseがついていたり、使い方によっては丁寧な印象になります。
例えば“Tell me”だと「言ってください」と直接的な印象ですが、”Please let us know"とすることで「知らせてください」と丁寧な印象になるので、サービス業界やビジネスシーンでよく使われます。同様に、「あなたに教えます」は” I’ll tell you”よりも” I’ll let you know”の方がへりくだった印象になります。
他にも、
自己紹介させてください
説明させてください
のように同じ使い方を応用できますので覚えておくと便利です。
Let it go.
ありのままで
アナと雪の女王で大変有名になったこのフレーズ。
直訳すると「それが行くのを許可しなさい」という命令文ですが、「解放しなさい」「手放しなさい」という意味で使われ、「ありのままで」などと訳されるようになりました。
多くの場合、目的語のitは人の感情を示しています。
確かにそれは失敗だったけど前に進もう!
このように、大きな悩みを抱えている人に対して「それを忘れなよ」「気にしない方がいいよ」と言いたい時に適しています。
Let it be.
なるがままに
こちらもビートルズの歌で有名ですね。
”Let it go”と同様に命令文ですが、目的語のitは状況や状態を示しています。つまり「その状況をそのままにしておけばいいよ」「なるようになるよ」というアドバイスになります。
落ち込んでいる友人を大丈夫だと元気づけることもできる、シンプルかつ深い英語表現ですね。
“Let’s”、” Let us”、” Let me…”、” Let it…”
Letには本当に様々な使い方がありますね。皆さんは今までどれだけ使いこなせていたでしょうか?使役動詞の中でも一番強制力の弱い、特徴的な使い方をするLet。
相手に軽い提案をしたいとき、相手に何かを強く要求したいとき、相手に丁寧に言いたいとき、様々な場面で使われる不思議な単語ですよね。
でも、使い分けを覚えてしまえばとても便利だと思いませんか?この記事が皆さんの英会話をより豊かなものにする手助けとなれば幸いです。
これからも一緒に英語の勉強を頑張って行きましょう!
Let's keep studying English hard together!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.