英語の直接話法·間接話法って何?基本的な使い方について解説!

直接話法

突然ですが、次の文は英語ではなんと言えばよいでしょうか。

ジョンはあなたは美しいと言った。

次に進んでしまう前に、3秒でよいので是非考えてみてください。

話法って何?

さて、先ほどの「ジョンはあなたは美しいと言った。」という文を英語に訳そうとすると、実は問題が一つあります。

それは文中の「あなた」が誰を指しているのか分からないことです。

登場人物が2人しかいない状況では、「ジョンは『あなたは美しい』と(私に)言った。」ということになります。

しかし登場人物が3人以上いる場合、例えばジョンとあなたとメアリーがいる場合を考えてみましょう。

伝言ゲームのようにAからB、BからCという流れをイメージしてみてください。

まず始めにジョンが「メアリーは美しい。」ということをあなたに言います。

その後、あなたがそれをメアリー本人に伝える際、「ジョンはあなたは美しいと言った。」というケースが考えられます。

このような混乱を避けるために「話法」が存在します。

直接話法と間接話法の違いとは?

話法には一般的に、

直接話法

間接話法

の2つがあります。

簡潔に言えば、直接話法は「引用」、間接話法は「内容の伝達」と言うことができます。

例えば、

「ジョンが『メアリーは一輪のバラのように美しい』と言っていたよ。」

のようにジョンが言ったセリフを引用して直接そのまま伝えるのが直接話法です。

直接話法では、上の例のようにジョンが言ったことをそのまま活き活きとした表現のまま伝えることができます。

一方で、

「ジョンがあなたのことを綺麗だと言っていたよ。」

というように、間接的に内容を伝える方法を間接話法と言います。

間接話法では、簡単に言うと「誰が誰に何を言ったのか」という事実を伝えるのに適しています。

直接話法の基本的なルール

直接話法と間接話法の違いについて理解できたところで、次はそれぞれの話法の英語における基本的なルールを見ていきます。

彼は「僕は英語に興味がある。」と言った。

He said, “I’m interested in English.”

という文を例に確認してみましょう。

コンマ(またはコロン)を使う

例文の中でHe saidの後に,(コンマ)が使われています。

;(コロン)でも構いませんが、コンマの方が一般的です。

クォーテーションマークを使う

日本語における括弧(「」)のことを英語でクォーテーションマーク(quotation mark)(’’)、あるいは単にクォーテーションと言います。

英語にも二重括弧(『』)があり、ダブルクォーテーション(””)と呼ばれます。

アメリカ英語ではダブルクォーテーションが、イギリス英語ではシングルクォーテーションが主流です。

.(ドット)を打つ位置は、文章全体で統一できていればクォーテーションの前でも後でも構いません。

つまり、

He said, ‘I’m interested in English.’

He said, “I’m interested in English.”

He said, ‘I’m interested in English’.

He said, “I’m interested in English”.

のいずれでも問題ありませんが、どれか一つの形式に絞る必要があります。

間接話法の基本的なルール

直接話法ではクォーテーションを使うというルールがありましたが、実際の会話ではクォーテーションは目に見えません。

したがって、話し言葉では間接話法を用いるのが普通です。

間接話法では聞き手の混乱を避けるために様々なルールがあるのですが、この記事では基本的なルールをお伝えいたします。

さらに、この章では間接話法の基礎の基礎を解説していきます。

接続詞のthatを使う

間接話法では接続詞の’that’で文と文を繋ぎます。

言葉だけでは分かりづらいと思うので、先ほどの例文を交えて見ていきましょう。

彼は「僕は英語に興味がある。」と言った。

という文は直接話法では、

He said, ‘I’m interested in English.’

と表します。

一方で、間接話法では以下のようになります。

He said that he was interested in English.

日本語では「~と」や「~ということを」の部分に当たる役割を’that’が担っています。

ただし、say (said)やtell (told)の後に簡単な内容が続く場合は、thatは以下のようにしばしば省略されます。

He said he was interested in English.

He told me he was interested in English.

また、上の例文のようにtell (told)を使う場合は、say(said)と異なり「誰に言ったか」を示す必要があります。

時制や人称を揃える

時制の一致とは、文中における時系列を揃えることです。

日本語では、興味が「ある」と「言った」のように過去の事実について述べる場合でも現在形を使うことができます。

しかし英語における間接話法では時制の一致が不可欠です。

上の例では、’I’m interested in English’という文が’He was interested in English’のように’am’というBe動詞が’was’という過去形になっています。

これは英語で過去について語る時は、動詞を過去形に揃えるという基本的なルールがあるからです。

また、時制と同様に人称についても揃える必要があります。

人称とは簡単に言えば、’I’や’You’、’He’や’She’などです。

英語の間接話法では「誰が言ったのか」を明確にするために、人称を変えなければなりません。

具体的には、”He said, ‘I’m interested in English.’”の’I’m’が’he was’となって、’He said that he was interested in English.’のようになります。

このように英語では視点の変化によって様々な言葉を変える必要があります。

次の章からは、直接話法から間接話法に置き換える際の、時制や人称などに関する細かいルールについて解説していきます。

時制の置き換え

She said, ‘I’ll come back by seven.’

彼女は「7時までには戻る。」と言った。

という直接話法の文は間接話法では、

She said she would come back by seven.

と表すように’will’を過去形の’would’に直さなければなりません。

このように時制の置き換えに関しては、「間接話法のルール」というよりも「時制」そのもののルールに従う必要があります。

この記事では時制ではなく直接話法と間接話法について扱っているので、時制のルールに当てはまらない例外を2つご紹介いたします。

性格や一般的な事実など現在も変わらない事実について述べている文

私の父はおおらかな人です。

My father is an easy-going person.

この文をジョンが言ったとしましょう。

日本語の文は次のようになります。

ジョンは「私の父はおおらかな人です。」と言った。

これを今までの時制のルールに当てはめると、

John said that his father was an easy-going person.

となります。

しかし、人の性格など今も変わらない事実については、過去形には直さずに現在形を使うことができます。

したがって、「ジョンは『私の父はおおらかな人です。』と言った。」は、英語では、

John said that his father is an easy-going person.

となります。

同様に、「ニュースで納豆が健康に良いと言っていた。」は、

The news said that bananas are good for health.

と言うことができます。

助動詞の過去形を含む文

would、 could、 might、 shouldなどのように助動詞の過去形を含む直接話法の文は、以下のように間接話法でも同じ時制になります。

‘I would buy a new car’, she said.

She said she would buy a new car.

人称や指示語などの置き換え

ジョンとあなたとメアリーが登場人物のケースを考えてみましょう。

ジョンがあなたに「彼女(メアリー)っていい人だよね。」と言ったとします。

このことをあなたがメアリーに伝える時、「ジョンがあなたのことをいい人だと言っていたよ。」と言います。

英語と同様に日本語でも話し手の視点によって「彼女」という人称が「あなた」に変わります。

これは’this’などのような指示語でも同じです。

例えば、ジョンが新しい腕時計をしているなと思い詳しく聞いてみると、ジョンはその時計を買ったのではなく父親にもらったのだと言ったとします。

この状況を直接話法では、

John said, ‘My father gave this to me.’

のように表すことができます。

しかし、これを会話でメアリーに伝えようとすると文中の’this’が何か分からない場合があります。

したがって、そういった状況では以下のように’the’をつけて少し詳しく説明する必要があります。

John said that his father gave him the watch.

時や場所を表す言葉の置き換え

ここまで、話し手が変わることによって視点が変わると、時制や人称も変わることを見てきました。

さらに時や場所を表す言葉も視点によって変える必要があります。

時や場所を表す言葉とは、例えば’now’、’today’、’last year’や’here’などです。

例文を交えて見ていきましょう。

John said, ‘I’m very busy today.’

ジョンは「僕は今日忙しいんだ。」と言った。

この文を間接話法に置き換えてみましょう。

John said that he was very busy that day.

ジョンはその日は忙しいと言っていた。

‘today’が’that day’に置き換わっています。

ただし、Johnが忙しいと言っていたのが昨日のことであれば当然’yesterday’と言うことができます。

John said that he was very busy yesterday.

ジョンは忙しいと「昨日」言っていた。

また、ジョンが忙しいと言っていたのが今日の午前中のことで、そのことをランチの時に同僚と話していたとすればそのままtodayと言うことができます。

John said that he was very busy today.

このように、話をするタイミングや場所を考慮して言葉を選ぶ必要があります。

例えば、遠足で学校を8時に出るということを先生が言ったとします。

それを友達が聞き逃して「今先生なんて言った?」という質問に対しては、

The teacher said we would leave here at eight.

先生はここを8時に出ると言ったよ。

と言うことができます。

一方で家に帰ってから母親にそれを伝えようとする時、’here’と言ってしまうと「家」になってしまうので、

The teacher said we would leave the school at eight.

のように場所を示す言葉を変えなくてはなりません。

時や場所を表す言葉の代表的な置き換えフレーズ

以下は直接話法から間接話法に置き換える際の代表的な単語·フレーズです。

now→then

this/these→that/those

today→that day

yesterday→the day before / the previous day

tonight→that night

tomorrow→the next day / the following day

Last night→the night before / the previous night

The day before yesterday→two days before

The day after tomorrow→in two day’s time

ago→before

here→there

まとめ

今回は「直接話法」と「間接話法」の使い方や違いについてご説明いたしました。

基礎中の基礎と言える基本的な部分をご紹介したので、「習うより慣れろ」で、実際に日々の英会話の中で使うことで英語の話法の感覚を養っていただければと思います。

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