「たぶん」「おそらく」の英語表現!度合いの違いやビジネス向き表現

「たぶん」「おそらく」の英語表現!度合いの違いやビジネス向き表現

みなさんは「たぶん」を表す英語は?と聞かれたら、いくつ答えられますか?もしかしたら”maybe”しか思いつかなかった人も、多かったかもしれません。しかし、会話の全てに”maybe”を使ってしまうと、誤解が生まれたりビジネスシーンでは信頼に関わる事態になることも!?

今回は、「たぶん/おそらく」を表す英語表現を複数紹介し、その違いや日常英会話での使い方をまとめていきます!

■「たぶん」「おそらく」という意味で使える英語は沢山ある!

英語を勉強している時、「たぶん/おそらく」という日本語で、”maybe” ”perhaps” ”possibly” など様々な英語表現が出てきますよね。

いろんな表現を習うものの、それぞれの細かい使い方やニュアンスについては学習する機会がなく、ここまで来た人も少なくないのでは?

日本語では「たぶん/おそらく」と一言で済むのに、なぜ英語では複数の表現があるのでしょうか。その理由と、それぞれの単語のニュアンスの違い、そして使い分けについて見ていきましょう。

■「たぶん/おそらく」を表す英語表現の度合い

英語では、「どのくらい可能性が高いか」、つまり確実性の度合いによって「たぶん/おそ人らく」の表現が異なります。

代表的な英単語を、「たぶん」以外の日本語で下にまとめてみました。

ニュアンスの違いがわかりやすいように「0%を可能性が全くない状態、100%を確実な状態」に設定してそれぞれの度合いを%で表してみました。

・probably、likely
まぁまぁ確実に、十中八九(可能性は70~80%くらい)

・maybe
分からないけどもしかしたら(40~50%前後、perhapsよりカジュアルな言い方)

・perhaps
分からないけどおそらくは(40~50%前後、”maybe”よりフォーマルな言い方)

・possibly
ひょっとしたら(かなり可能性が低い時に使う。50%にもいかない)


”probably”が一番可能性の度合いが高く、”maybe” ”perhaps”が50/50、”possibly”が一番可能性の低い時に使える表現です。

同じ文でそれぞれ上記の単語だけ入れ替えると、このような違いがあります。

質問:Are you going to Anna’s house tomorrow?
明日はアンナの家に行くの?

回答:Probably.
たぶん行くよ
→ほとんど行くつもりで、「たぶん行くよ〜!」というようなポジティブなニュアンス。

回答:Maybe.
たぶん。
→行くか行かないかはまだ分からない状態。「もしかしたら行くかも。」のような行かない可能性も十分ある時の「たぶん」。”Maybe”の一言だけだと、少し素っ気なくネガティブに聞こえる。

回答:Possibly.
たぶん。
→「ひょっとしたら行くかも(ほとんど行かないつもり)」というニュアンスで使う。

・・・と、受け取り方は人それぞれですが、大体このようなニュアンスで使っていることが多いです。

■「たぶん/おそらく」の英語表現・意味の違い・使い方

先ほど挙げた英語表現を、今度は例文とともに、より詳しく使い方をまとめていきたいと思います。

●probably:まぁまぁ確実に、十中八九(可能性は70~80%くらい)

前項でも紹介した通り、probablyはかなりの確率でそうなるだろうな、ということに対して使います。会話でもよく使う表現なので、覚えておくといろんな場面で役立ちます。

He’ll probably come tomorrow.
たぶん彼は明日来ると思うよ。
”But, I guess she won’t be pleased with the present.” “Probably not.”
だけど彼女、そのプレゼント気に入ってくれない気がするんだ ― 多分そうだろうね
You’re probably right.
きっと君が正しいね。

●likely:(まぁまぁ確実に)〜しそう(可能性は70~80%くらい)

今回の記事のテーマである「たぶん」とは少しニュアンスが違いますが、“likely”も”probably”と同程度の可能性を表す単語です。

しかし、“probably(副詞)”とは違い”likely”は形容詞なので、”It is likely that (to) ~”のような構文を使います。これを訳すと、「〜しそうだ。/〜する可能性が高い」という文になります。

また、“unlikely”で「〜しそうにない」と否定文にしたり、”more/most likely to〜”で「○○よりもっと〜しそうだ。」というような比較文を作ったりできます。

It is likely to rain.
雨が降りそうだ。
The prices are likely to go up soon.
たぶんまたすぐ物価が上がるよ。
This map is unlikely to do much.
この地図はたぶん役立たなそうだ。
Billy seems most likely to succeed out of all of us.
私たちの中で、ビリーが最も成功しそうだ。

●maybe、perhaps:分からないけどもしかしたら/おそらくは(40~50%前後)

“maybe”は50%前後の可能性を表す単語。

「〜かもしれないけど、そうでないかもしれない」というようなニュアンスで、”probably”より確実性は低いです。

“maybe”は会話でもよく使う単語ですが、自分の意志を伝えないといけないような時でも”maybe”を多用してしまうと、「なんだかはっきりしないなぁ」というモヤモヤとした印象を相手に持たせてしまうことがあるので注意。

使い方としては、

Maybe they are busy now.
おそらく、彼らは忙しいのでしょう。
Maybe she’ll also come.
もしかしたら彼女も来るかもね。(それか来ないかも)

のように、自分以外の人やものに対して、状態や状況を推測する時に使ったり、

Maybe you should tell her.
たぶん、彼女に言ったほうがいいよ。
Maybe we can go for lunch together?
よかったら一緒にランチでも食べに行く?

のように、アドバイスなどの提案したり、お誘いしたい場合に文頭につけます。アドバイスする場合は、強めの言葉であってもやんわりオブラートに包むことができるので便利です。

ちなみに”perhaps”は”maybe”のよりフォーマルな言い方です。

●possibly:ひょっとしたら(かなり可能性が低い時に使う。50%にもいかない)

一番確実性の低い「たぶん」の表現が”possibly”です。

可能性はほとんどなく「ひょっとしたら」の方が日本語訳としては合っているかもしれません。可能性がないとはっきり言い切りたくない時に、少し言い方を和らげるために使います。

She possibly misunderstood that.
ひょっとしたら彼女はそれを勘違いしていたのかも
Possibly he will win for the first time.
もしかしたら初めて彼が勝つかも。

■ビジネスで「おそらく」を使う場合に適した表現は?

●ビジネスシーンで”Maybe”は使わない

ビジネスシーンでは、日本語でも「たぶん」は信頼性に欠けるので使わないようにする、という認識が社会人にはあるかと思います。

英語でも同じで、商談や上司との仕事に関わる会話では”maybe”は控え、どうしてもどう転ぶか分からない時に使いたい場合は、比較的ポジティブなニュアンスの”Probably”を使います。

Would you send me the documents by tomorrow?
明日までにその書類をいただけますか?>
Yes. Probably I can submit it by tomorrow.
はい、おそらく明日までに提出できます。

かといって、何か相手から要求があった場合に”Probably”を多用してしまうと、やはり曖昧な印象を持たれてしまう可能性が高いため、上記で挙げた会話でより信頼を損なわない切り返しをするならば、

I think I can submit it tomorrow.
明日提出できると思います。

と言うともっとビジネスシーンにあった返事になると思います。

●その他ビジネスで使える「おそらく」の英語表現

他にも「可能性」を表す英語表現はたくさんあります。

There’s a good possibility sales are going down this term.
今期は売り上げが下がる可能性があります。

名詞の”possibility”を使った表現です。

“maybe” ”probably”のように確実性が50%、70%と決まっているわけではなく、”good(比較的可能性が高い)” ”high(可能性がとても高い)” ”low(可能性が低い)”などの形容詞をつけて、可能性の度合いを表します。

There is a good chance that we will propose to several companies for the project.
例のプロジェクトで数社に提案できるかもしれない。

こちらは”possibility”をよりカジュアルな”chance”に置き換えた言い方です。“possibility”と同様に、形容詞をつけて度合いを示します。

This movement is surely going to promote growth of this market.
きっとこの動きはこの市場の成長を促すでしょう

“surely”は「きっとおそらく」という自分の希望が入ったような、ポジティブなニュアンスです。

■「たぶん/おそらく」の英語表現まとめ

「たぶん/おそらく」を表す英単語はたくさんありますが、それぞれの単語が表す可能性の度合いはみんな微妙に違います。

「たぶん」という日本語自体、もともと曖昧ではあるので、会話の中では特に注意が必要です。誤解が生まれないためにも、ニュアンスの違いを知ってその時のシーンに合った正しい使い方をしていきましょう!

使うべき場所、使うべき表現を分かるようになれば、もっと英語にネイティブ感が出ますし、会話の幅も広がって英語学習が楽しくなるはず。ぜひ今回の記事を参考にして、勉強に活かしてみてくださいね!

参考サイト:
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/
https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/maybe-or-perhaps