英語圏に旅行や滞在をした際、ホテルやアパートのエレベーターの中にいる時、美術館や博物館、映画館などのチケット売り場に並んでいる時、スーパーマーケットで買い物をしている時、公園のベンチに座っている時などに、見知らぬ人から話しかけられるという経験をすることがあります。コンビニやスーパーのレジでお金を払う時にお店の人から話しかけられるということも。
こうした時の簡単な会話は「スモールトーク(Small Talk)」と言われます。ちょっとした雑談や世間話ですが、偶然その場に居合わせた人の「緊張」や「警戒感」を解く効果もあります。
また、初対面同士だけでなく、久しぶりに会う友人や知人、同じ会社の人などと話す時にも会話の導入としてよくスモールトークをします。挨拶代わりともいえます。
さらに英語でのスモールトークは、ビジネスにおいても重要な役割を担うこともあり、この時に与える印象が、ビジネスの本題に入る前に相手との信頼関係を構築するための大事な手段になったりもします。
「信頼できる人」「感じがいい人」「話しやすい人」と思わせればこっちのものですが、慣れていないとなかなかうまくスモールトークができません。日本語でスモールトークはできるのに、英語ではどう言っていいのか難しい、という人もいるでしょう。
そこで今回はどんな場面でも使いやすい、スモールトークとして使いやすい話題や例文を取り上げていきたいと思います。ちなみに「スモールトークをする」「世間話をする」は「make small talk」と言います。
- スモールトークに使う話題のポイント
- small talk1:天気について
- small talk2:場所について
- small talk3:プランについて
- small talk4:相手の持ち物・服装について
- small talk5:食べ物について
- small talk6:質問をスムーズにするためのポイントと別れの挨拶
- small talkを挟んで賢く会話を広げよう!
スモールトークに使う話題のポイント
スモールトークの内容は、相手に考える負担を与えないこと、また「Yes」や「No」で簡単に答えられる内容が良いとされています。
逆に、年齢や体重、相手の健康、宗教・政治的見解などは個人的すぎる質問なので、聞くと失礼にあたることもあります。
日本人は年齢や「太ったね」など容姿に関連することを気軽に聞く傾向が多くあります。このあたりも含めて、外国人に聞いてはいけないこと、外国人と話す時に気をつけることとして、NG英語、特に初対面のアメリカ人と会話をする時のNGな話題を以前ブログでも紹介しています。
よかったらこちらもあわせてお読みください。
small talk1:天気について
英語でスモールトークをする場合、晴れていても曇っていてもコメントがしやすい「天気の話」は最適な話題です。
天気の話題は会話をする相手に考える負担を与えないテーマのため、日常のシーンからビジネスシーンまで幅広い場面で使われています。
天気にまつわる言い方は100以上もあるといわれています。覚えておくとスモールトークに役立つ事間違いなし!です。ここでは天気についての使えるフレーズを一部ご紹介します。
天気が良い場合
It’s sunny today.晴れていますね。
It’s gorgeous weather today, isn’t it?
今日は良い天気ですね。
We have great weather today.
今日は良い天気ですね。
It's nice and warm today.
今日は暖かくて気持ちがいいですね。
It’s a beautiful day, isn’t it? Not a cloud in the sky!
今日は素晴らしい日ですね。空に雲が一つもありません!
暑い場合
It's so hot.とても暑いですね。
It's 39 degrees. It’s boiling hot today!
気温が39度ですよ。今日は猛烈に暑いですね。
「boil」(沸騰する)という単語を使って、「うだるように(暑い)」という意味を表しています。「とても暑いですね」という意味の「It's so hot.」や「It’s very hot today.」ではなく、「もうめちゃくちゃ暑くて耐えられない」というような時に使うと気持ちが伝わりやすいです。
It's a scorching day.
焼けつくように暑い日ですね。
「何かの表面を焼く、焦がす」という意味の「scorch」を使って、「オーブンで焦げるくらい暑い」、「焼けるように暑い」という猛烈な暑さを表現します。暑い場合にその暑さを皮肉っぽく言ったり、冗談で吹き飛ばそうという意味合いでよく使われるフレーズもあります。
Is it hot enough for you?
今日はすごく暑いですね?
上の文は直訳すると「あなたに暑さは足りてる?」という意味ですが、極度に暑い時などに冗談っぽくこのフレーズを使うのをよく聞きます。
蒸し暑い場合
It's muggy today.今日は蒸し暑いですね。
It's humid.
湿気がありますね。
曇りの場合
It's cloudy today.今日は曇っていますね。
It's partially cloudy.
ところどころ曇っていますね。
It's overcast.
どんよりしています。
It's thick.
どんよりしています。
It looks threatening.
今にも降り出しそうな怪しい空ですね。
雨天の場合
It looks like light rain.軽い雨みたい。
It's been raining all week. When will this rain stop?
今週ずっと雨ですね。この雨いったいいつやむのでしょうか。
It’s sprinkling.
パラパラと雨が降っています。
It’s pouring.
土砂降りです。
It's a nasty day, isn't it? It’s raining buckets.
いやな天気ですね。ザーザー降りです。
霧がある場合
It's foggy.霧がかかっています。
It's misty.
霧がかかっています。
It's a thick fog.
深い霧ですね。
「深い霧」を「a deep fog」と言わないようにしましょう。霧が「深い」ことを表す場合「thick」の他に「dense」や「heavy」を使います。
風が強い場合
It's windy today.今日は風が強いですね。
It's breezy.
風が強いですね。
It's gusty.
風が強いですね。
It's a blustery one today.
今日は風が強いですね。
寒い時
「cold」を使って「It's cold today.」(今日は寒いですね。)と寒さを表現します。
他にも「chilly」(肌寒い)や、凍えそうな、凍てつくような寒さを表現する「freezing」「frosty」「icy cold」を用いて、自分が感じているのがどれくらいの寒さなのかを表現する単語を使うと相手にわかりやすく伝わります。
It's a bit chilly today.
今日は肌寒いですね。
It's freezing! I should have gotten bundled up!
凍えそうなぐらい寒いです。厚着をするべきでした。
It's icy cold this morning. Look! It's snowing!
今朝は凍りつくほど寒いですね。見て!雪が降っています。
It's frosty. It's -2 degrees.
本当に寒いですね。マイナス2度です。
small talk2:場所について
普段の日常生活の中で、英語でスモールトークをする機会が多い場所として、例えば駅、公園、動物園、図書館、美術館、散歩の途中、ドッグパーク、カフェ、猫カフェなどの動物カフェなどが挙げられます。
ここで何度も会うけれども一度も話をしたことがない相手や、受付やレジ担当の人などと会話をする時の例文を紹介しましょう。
公園/カフェ/図書館などで
This place is great!この場所最高ですね。
Do you come here often?
ここへはよく来ますか?
How long have you been coming here?
ここに通うようになってどれぐらい経ちますか?
Do you live near here?
この近くにお住まいですか?
美術館で
Wow! It's amazing! Have you ever seen the Millet exhibit?わあ!これはすばらしい! あなたはミレーの展示をこれまで見たことがありますか?
It's really cool. Which exhibit do you like the most?
すごいなあ! あなたはどの展示が最も気に入りましたか?
駅や空港で
So where are you headed?どちらまで行くのですか?
Are you travelling for business or pleasure?
ご出張ですか?ご旅行ですか?
どこに行くかを尋ねる時は、必ずしも相手が楽しい場所に行くばかりとは限りません。なので、あまり強く聞きすぎないようにし、相手の様子を見ながら会話をしていくことが大切です。
small talk3:プランについて
何をしていたか、またはこれから計画していることなどをスモールトークで聞くこともあります。
スモールトークは初対面の時ばかりとは限りません。例えば夏休み後に、久しぶりに会う学校のクラスメートや休暇を取って戻ってきた会社の同僚、しばらく会っていない友人・知人などと話す時なども考えられます。
やあ、今まで何をしてた?
B:I've been very busy studying.
勉強で忙しくしてたよ。
「What have you been up to?」は、同じく久しぶりに会う時に使う表現「How have you been?」と同じようなニュアンスです。
しかし、「最近どうしてた?」「何をしてた?」などという意味合いからわかるように、「How have you been?」よりも具体的にどう過ごしていたかを質問しています。このフレーズは教科書などではあまり見かけませんが、ネイティブは日頃からよく使っています。
久しぶり!積もる話がいっぱいあるのよ、今週末は何しているの?
B:Not much.
特になにも。
A:OK then, do you want to grab lunch?
じゃあ、ランチでも食べに行かない?
small talk4:相手の持ち物・服装について
相手が素敵なヘアスタイルにしていたり、とてもクールな腕時計や帽子、靴などを身に付けているのを見たらスモールトークの出番です。「I like〜.」などを使って褒めてみましょう。
おはようございます。杉田弘子と言います。お会いできて嬉しいです。
B:I'm Nancy Park. Nice to meet you, too.
ナンシー・パークです。こちらこそお会いできて嬉しいです。
A:Oh, I like your bag. Where did you buy it?
あら、そのバッグ、とても素敵ですね。どこで買ったんですか?
B:Thank you. I've been looking for it for a long time and finally I got this bag!
ありがとうございます。長い間探していて、やっと手に入れたんです。
Nice watch! Did you buy them in the US?
いい時計ですね。アメリカで買ったのですか?
I think the necklace looks really good on you.
そのネックレス、あなたによく似合っていると思います。
I think your shirt is wonderful!
そのシャツ、とても素敵だと思います!
small talk5:食べ物について
「食べ物」の話題もスモールトークに便利です。
例えば市場などに野菜や果物を買いに行った際、「味見をしたいな」と思った時以下のような会話もできます。
(指さして)それはどんな味ですか?
B:This fruit is a little tart and juicy.
この果物は少し酸味があってみずみずしいです。
A:May I taste it?
味見してもいいですか?
B:Sure! Here you go.
もちろんです、どうぞ。
A:Wow! It’s great!
わあ、とてもおいしいですね。
It’s good.
おいしい。
It’s wonderful.
すごくおいしい!
It’s pretty good.
わりとおいしい。
It tastes a little spicy.
少しスパイシーな味がします。
May I have a taste?
味見してもいいですか?
What kind of food do you cook?
どんな食べ物を作りますか?
Do you like Japanese food?
日本食は好きですか?
Have you ever tried eating natto?
納豆を食べたことがありますか?
I like strong taste. How about you?
私はしっかりした味付けが好みです。あなたは?
I like all kinds of food.
好き嫌いはありません。
I’m not a big fan of carrots.
人参はあまり好きではありません。
Are there any foods that you don’t eat?
苦手な食べ物はありますか?
アレルギーや疾患を持っているなど、医学上の理由があって食べられない場合、または宗教上の理由で食べられない時は、「can’t eat」を使います。
I can’t eat meats.
私は肉類を食べないことにしています。
I can’t eat grapefruits.
グレープフルーツを食べないことにしています。
一方、それ以外の時、例えば苦手な食べ物が食べられないなどの時は「don’t eat」を使って表現することが多いです。
I don’t eat green peppers.
私はピーマンは食べられません。
small talk6:質問をスムーズにするためのポイントと別れの挨拶
質問をスムーズにするためのポイント質問と質問の間に「so」を入れると会話の流れがよくなります。「so」などを入れずに質問ばかりすると、相手を尋問しているような雰囲気になったり、質問責めで相手に飽きられてしまうかもしれませんので注意しましょう。
また、「so」などのつなぎの言葉を入れるだけでなく、相手の話を興味深く聞くのも大事です。加えて、自分のことを少しだけ話したり、相手の発言にコメントを入れたりして、会話にメリハリをもたせます。
Hey! How have you been? So what do you do now (for work)?
久しぶり! それで今何の仕事しているの?
So how long have you been doing this job?
で、その仕事どれぐらいやっているの?
So what did you do before this?
それで、前は何していたの?
別れの挨拶
話が盛り上がっているけど、どうやって終わりを切り出していいかわからないとまごついている間に、せっかくいい雰囲気だったのに、なんとなく雰囲気が悪くなってしまうことも。
そこで最後にスモールトークを終わらせる時のフレーズを紹介します。下記のフレーズを言いながら、最後に握手などをするといいでしょう。
It was a pleasure meeting you. Thanks for chatting.
お会いできて嬉しかったです。お話してくれてありがとう。
I gotta go.(It was) Nice talking to you.
そろそろ行かなくちゃ。お話できてよかったです。
It was nice meeting you! See you later.
あなたと会えてよかった! じゃあ、また。
Nice talking to you. Catch you later!
お話できてよかった。じゃあ、また。
相手が先に上記のようなフレーズを言った時に「私も」と言いたい場合は、「Me too!」ではなく「You too!(私も)」です。
例えば「It was nice talking to you.」に対して「You too!」と言うのは、「It was nice talking to you, too!」という「私もあなたに話せて良かった」というフレーズが略されたものだからです。
お話できてよかった。じゃあ、また。
B:You too. See ya.
私も。じゃあね。
small talkを挟んで賢く会話を広げよう!
いかがでしたか?スモールトークは、挨拶だけでなく、よりよいコミュニケーションをするためのとっかかりのようなものです。
でもスモールトークも練習が大切。オンライン英会話でのスモールトークのレッスンはおすすめですよ。まずは難しく捉えずスモールトークを楽しんでみてくださいね。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.