英語で話す際と英語で文章を書く際に、文と文を繋ぐための接続詞を多く使いますよね。
中でも多く用いられる接続詞が、並列の役割を果たす「そして」という接続詞。これは日本語で話す際や日本語論文を書く際も同じことが言えます。
ただし英語という言語の場合、話し言葉か書き言葉かによって、この「そして」の使い方は大きく異なります。自分が「そして」を英語で表すとしたら、パッと思いつく単語はなんですか?
とてもベーシックで多くの人が聞いたことのある単語が「and」や「then」、そして「so」ではないでしょうか。実はこれらの「そして」と言う意味の単語、英文で書き言葉として用いる際は文章の一番最初「文頭」に用いてはいけないのです!
英文の初めに「そして」と言う表現は用いることを避けることも一つの手です。「そして」という接続詞を使用するのであれば、一文の中で完結するように接続詞を埋め込む方が、読み手にとってわかりやすいレベルの高く完成度の高い文章になるからです。
特に、英語論文などのフォーマルな文章では用いることはできません。論文英語では、「and」や「then」、「so」を文頭に用いることができないのであれば、どのように文と文を接続すればいいのでしょうか?
実は、代わりに代用可能な、便利な英語表現法が存在するんです。この記事では、論文に使える「そして」の英語について解説しましょう。
- 英語論文で「そして」を表現する方法
- ① 帰結の「そして」
- ②原因・理由の「そして」
- ③目的の「そして」
- ④追加情報の「そして」
- ⑤否定・逆説の「そして」
- ⑥強調の「そして」
- ⑦言い換えの「そして」
- その他、英語論文で接続を伝える表現方法
- 基本的な「最初に・次に・最後に」のパターン
- 「そして」の英語表現を工夫して、よりアカデミックな論文に
英語論文で「そして」を表現する方法
論文を書く上での接続詞の役割とは
大学の授業のエッセイや卒業論文、科学論文を英語で執筆することは、英語の文構造を学習するとてもいい機会です。
英語の文章を書き始めると、日本語の文章の作り方とは異なる点に気づくでしょう。
例えば日本語にはない冠詞。名詞の前につけるa/an, theなどのことを指しますね。また、流暢で明瞭な文章を書くためには適切な接続詞を効果的に用いることが大切になってきます。
間違った接続詞を使用してしまうと、前の文章と後ろの文章の関係性はチグハグになってしまい、論理的な文章を書くことができなくなってしまいます。
論文を書く際にとても大切なのが、論理的に話を展開して読者を納得させること。英語の接続詞を適切に、効果的に用いることでそれが可能になるんです。だからこそandなどに言い換えられる「そして」の表現を知ることが重要です。
英語の接続詞には大きく分けて7つの種類が存在します。
①帰結、②原因・理由、③目的、④追加情報、⑤否定・逆説、⑥強調、⑦言い換えの7つです。
簡単に一つずつ、どのような役割を果たす接続詞なのかを説明したいと思います。
前半と後半の文章をつないで、「〜だから」「〜ので」のように理由を表す際に用いることが多い。
①と同様に何故そうなったかと言う理由や原因を述べるときに用いる。
「〜するために」と訳される。
「その上さらに」「と同時に」「〇〇だけでなく△△も」などと訳し、もともと紹介されていた情報に加えてさらに他の情報も、と言う意味になる。
前の文章と反対の意味になる文章が後に来る。「しかしながら」「しかし」「〜にもかかわらず」など。
用いることでその後に続く文章のニュアンスを強くする効果がある。「特に」「確かに」「繰り返しになりますが」など。
前にある文章の内容を言い換えて書く際に用いる。「つまり」「すなわち」「要するに」「言い換えると」「いわば」など。
ではここからは、上記で紹介した7つの接続詞の項目ごとによく英語論文で用いられる表現を紹介していきたいと思います。
具体的な例文も載せてあるので、実際に論文を書く際の使い方の参考になればと思います。そして英語がどのように使われるのか、そしてが文頭にきている点など例文で確認していきましょう。
① 帰結の「そして」
therefore「ゆえに」
結果は、砂糖の消費が大幅に減少したことを示しています。ゆえに注目する点は...
thus「ゆえに」「それによって」
それによって、両方の指導方法は効果的もしくは効果的ではないと期待されている。
hence「この理由によって」「そのようにして」
したがってインドでは女性の約50%がフルタイムの仕事に就く機会があります。
according to 〇〇,「〇〇によると」
※〇〇は参照元を指す。例えばニュースや新聞、記事など。記事によると、一部の発展途上の国では、経済成長に大きな変化が起こると推測されています。
in consequence「その結果として」
第二次世界大戦の結果、何千人もの人々が死亡した。
Consequently,「結果として、それ故に」「したがって」
※あることの結果として必然的にそうなると言うニュアンスを持つ。Accordingly,「よって」「したがって」
※あることに従いそうなるべきであると言うニュアンスを持つ。Do to this「〇〇のために、故に」
その結果は、層間相互作用故にグループAとグループBの相関関係を示しています。
For this reason,「この理由から」
この理由から、留学生が学期全体を通して外向的でない傾向があるとされています。
As a result, 「結果として」
※なんの結果としてかは前文に必ず書かれているべき。②原因・理由の「そして」
※上記の「帰結」で紹介した表現も同じように使えます。
Because なぜなら」
※文頭に用いる際はコンマを使うが、文中で使う場合は使わないので注意。なぜなら、この新しい方法が、参加者の語学学習へのモチベーションに大きな影響を与えたからです.......
Since「なぜなら」
グループAは予備テストの前に練習を多くこなしたので、グループAの参加者の多くは高得点を得た。
A results from B「AはBに起因する」
This originates from 〇.「それは◯に起因する」
※This is originated from ◯.としないよう注意!originateは自動詞のため受け身にできない。彼らの祖先はインドに基づいている。
This is caused by 〇. 「それは◯が原因である」
この結果は生徒のモチベーション不足が原因であると推測されている。
This is due to 〇.「それは◯が原因である」
③目的の「そして」
so that 「〜とするために」「〜を目的として」
参加者はサンプルの内外的妥当性が高くするために、ランダムに選択されています。
In such a way that...,「〜とするために」「〜を目的として」
以前の研究によると、この伝統的な方法は、学生にとって有益とするために使用されてきました。
④追加情報の「そして」
基本的に硬くフォーマルな表現を用いる英語論文では、追加情報の「そして」そして「and」は使用できません。
今回はその代わりに用いることのできる「また」などの英語の論文に使える表現をお伝えします。
Furthermore「その上」「さらに」
さらに調査には、以下の方法を適用する必要があります。
moreover「その上」「さらに」
additionally「その上」「さらに」
In addition/ In addition to 「〜に加えて」「さらに」
さらに、子供が毎晩7時間の睡眠をとることは非常に重要です。
Besides,「さらに」
※必ず文頭で用いること。さらにビタミンBとDの他に、十分な量のビタミンEを摂取する必要があります。
as well, also「〜もまた同様に」
simultaneously「同時に」「一度に」
similarly「同じように」
as well as「〇〇だけでなく△△も同様に」
その計画は私たちの計画どおりに進んでいませんでした。
⑤否定・逆説の「そして」
however「しかしながら」
しかしながら、結果が異なる側面を示したことは注目に値します。
neverthless「それにもかかわらず」
それにもかかわらず、このトピックは議論する価値があります。
although/ though「〜ではあるが」
講演は無料でご参加いただけますが、事前に座席予約が必要です。
in spite that/ despite「にもかかわらず」
彼は大きな成果を上げたにもかかわらず、入学試験に落ちた.
On the other hand,「一方、」
※前の文も後ろに来る文も正しい。
In contrast,「それに対して」
incidentlly「ところで」
⑥強調の「そして」
It should be pointed out that「明記されるべき点は、」
Note that「明記されるべき点として、」
It is notable that「明記されるべき点として、」
明記されるべき点として、2 つのグループの平均スコアがかなり異なっていました。
It should be emphasized that 「強調して述べるべきことは、」
強調して述べるべきことは、学生の 1 人が毎週水曜日に授業に出席しなかったということです。
We should keep in mind that 「〜と理解しておく必要がある」
これは単なる例であることを理解しておく必要がある。
especially「特に、」
In particular「特に、」
今日は特にお伝えすることはありません。
generally「一般的に、」
一般的に、幼児は自分の動きを制御できません。
specifically「具体的に言うと、」
⑦言い換えの「そして」
in other words「言い換えると」
言い換えると、SNSはコミュニケーションの重要な役割をはたしています。
Weblio英語例文
https://ejje.weblio.jp/sentence/content/in+other+words
JM Translations 日英翻訳・英文校正サービス
https://www.jmtranslationservice.com/untitled-c1hwe
その他、英語論文で接続を伝える表現方法
ここまで、接続詞「そして」のさまざまな種類とその具体的な使いかたを例文で紹介してきました。そしてを表す英語にはand以外に多くの表現があることが分かります。
英語で学術論文を書く際、文章のニュアンスや目的によって使い分けてみてくださいね。
さて、導入部分でもお話ししましたが、読者にとってわかりやすく読みやすい英語の学術論文を書くためには、「論理的で明瞭な文章」を書くことが必要だとお伝えしました。
上記で紹介した7つの種類別の接続詞を適切に使いこなす力も大切ですが、学術論文全体の構成をはっきりと際立たせるためにもう一つ、重要なポイントがあるんです。
キーワードは、「最初に・次に・最後に」。どう言うことだかわかりますか?
実はこれ、短めのエッセイや作文などを書く際も同じで、特に文章全体の中の中心部分、Bodyパートで多く用いる機会のあるキーワードです。
具体的にどんな時に用いるかと言うと、筆者の主張をバックアップするための理由を複数述べていく際や根拠を羅列していくときに用いるもの。最後にこの「最初に・次に・最後に」のように使用できる接続語を紹介していきます!
基本的な「最初に・次に・最後に」のパターン
2. Firstly, Secondly, And finally,
I strongly believe that reducing the amount of plastic products has a positive impact on wild animal protection.
There are three main possible reasons. Firstly, ............. Secondly, .............. And finally, ......................... (理由を3つ順番に羅列する。)
プラスチック製品の量を減らすことは、野生動物の保護に良い影響を与えると強く信じています。
考えられる理由は主に3つあります。第一に……第二に……そして最後に…… ……
Firstly, Next, Then,...Then..., And finally,
「そして」の英語表現を工夫して、よりアカデミックな論文に
ここまで、英語論文を書く際に用いると良い英語論文表現の一つ、「そして」の様々な言い方を例文とともにお伝えしてきました。いかがでしたでしょうか。
まず覚えておきたいのが、もっとも使用される機会の多い「and」や「then」、「so」などはアカデミックでフォーマルな書き言葉では文の最初に使用しないことです。
ではどうやって「そして」を英語で表現すればいいの?と言うことで、代わりに用いることのできる表現は、7つの用途にわけられます。これらを使いこなし「そして」に当たる英語の言い換えをできるようにしましょう。
読者にとって論理的、明瞭で、話の論点や注目すべきポイントがわかりやすい文章にするために適切な英語の接続詞の使用は必須です。
ぜひ今後、英語論文を書く機会がある方は今回の記事を参考にしてみてくださいね。

出身地は静岡県の下田市です。実家の目の前にはエメラルドグリーンのビーチがひろがっています。小さい頃からスキンダイビングやボディーボードをして育ちました! フェリス女学院大学の英文科在学中にニュージーランドへ留学。そこで国際教育の重要さに気づき、横浜国立大学大学院教育学研究科へ進学。小学生の外国語教育の研究に携わる傍ら、アメリカからの留学生のチューター業務も経験。 修士課程修了後は、都内のインターナショナルプリスクールで5歳児クラスの担任を経験。外国人と日本人バイリンガルの2人体制でこどもたちと英語で探究学習を行う。日本語の授業も担当し、母語の大切さも伝えた。 現在は前職を退職し、英語を教えるだけでなく、国際交流•異文化交流の大切さをそだてるニュータイプのオンライン英会話をネイティブ講師とともに小学生に教えている。 ④ 趣味は洋楽をギターやピアノでカバーすること、ビーチでヨガ、サイクリング、ピアノ耳コピ、ダンス、犬と散歩。 夢は、英語をツールにして音楽やダンスや絵、スポーツなどの自分の得意なことを使って自分自身について表現し、世界の人と交流することを楽しいと思ってくれる子供達が増えるような「先生」そして「表現者」になること。 そしてもう一度大好きなニュージーランドにステキな家族、友人達と長期ステイすること!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.