「一方で」「しかしながら」など!英語論文で使える接続詞フレーズ

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大学の卒業論文や修士論文または博士論文を書くとき、論理的文章にするために様々な種類の接続詞が用いられます。これは日本語だけでなく、英語の論文に関しても同様です。

接続詞は文や語句の関係を結びつけ、読み手に文脈がこの後展開してくことを伝えます。

文章は接続詞で決まると言っても過言でないくらいではないでしょうか?

「日本語では接続詞を自然に使えるけれど英語は難しい」

「同じ接続詞を使わないようバリエーションがあったらなぁ」

こんな風に考える方、ぜひこの記事をお読みください。

この記事では、接続詞「一方で」と「しかしながら」を取りあげます。それぞれに似た表現も紹介します。

英語表現を学ぶとともに、英語論文を素晴らしいものに仕上げるためご参考にしてください。

英語論文やエッセイには、接続詞のバリエーションが必須

大学の学位論文から博士論文にとどまらず、英文の論文を書く機会があります。例えば、研究者が書く学術論文や研究論文がそうですし、医師など医療従事者が書く医学論文もあります。

これらの論文をより論理的な文章にするために、接続詞が大きな役目を果たします

接続詞には種類があり、その役割が異なります。どのようなものがあるのかバリエーションを確認してみましょう。

- 順接の接続詞

だから・従って・ゆえに・それなら・そのため・すると・だとすると・さもなければ

- 逆接の接続詞

ところが・にもかかわらず・しかし・しかしながら・だが

- 並列の接続詞

また・そして・そのうえ・そればかりか・しかも・および・かつ・ならびに

- 対比の接続詞

一方・一方で・他方・反対に・それに対して・または・もしくは・あるいは

- 並べ立ての接続詞

最初に・はじめに・続いて・まず・次に・さらに・第一に・第二に・ひとつめに・ふたつ目に

- 言い換えの接続詞

すなわち・つまり・要するに・いわば・むしろ

- 例示の接続詞

例えば・実際に・具体的に・なかでも・ことに

- 補足の接続詞

なぜなら・というのも・なお・ただし・ちなみに

- 転換の接続詞

ところで・さて・では

- 結論の接続詞

このように・いずれにしても・以上

各論文のみならず、英語学習をする人にとってはIELTSなどのエッセイにも接続詞を使うことで、読み手に情報を与えながら論理な展開をとることができるのです。

以上のことから英語論文にかかわらず、接続詞は日常のビジネスシーンで書く文章にもよく使われ、バリエーションを覚えて使えればメリットが多くあります。

さて、本記事で取りあげるひとつ目の接続詞「一方で」

対比の接続詞と言われ、相違点や対立点のある物ごとを並べる際に使います。

次からは、「一方で」を英語論文に使うときの表現を詳しくみていきましょう。

英語論文で使える接続詞1:「一方で」の英語表現

”一方で”または”一方”は対比の接続詞です。

「~は○○である。一方で~は△△である」という書き方になります。

前半の○○と後半の△△という異なる物ごとを対比させています。

ここで「その一方で」の英語の表現を紹介しましょう。

1. but

2. on the other hand

3. whereas

4. while

以下、それぞれを例文とともに詳しくみていきます。

1. but

皆さん、ごく自然に使っているbutが「一方で」という意味で使われます。

You need to have a statement that is not only easy to understand, but one that is debatable.

- 分かりやすいだけでなく、議論の余地があるようなステートメントが必要である。

この例文を見ると、”分かりやすいステートメント”も良いけれど、それだけではなく一方で”議論の余地があるステートメント”というのも必要だということが述べられています。

さらに、butの位置にも注目します。文の半ばで使われていますが、論文やエッセイに使う「一方で」はカンマの後このような位置で使います。

私たちが英会話でBut I didn’t know.など文頭で使うbutとは扱いが異なるのです。文頭に避けるべきものとして、andやsoも覚えておくと良いでしょう。

2. on the other hand

on the other handも比較的馴染みのあるフレーズではないでしょうか?

「文章A. On the other hand, 文章B.」のように文中で使います。

Arranged marriages are very common in many Asian countries. On the other hand, in the West they are quite unusual.

- 多くのアジアの国々ではお見合い結婚はとても一般的である。一方で、欧米では非常に珍しいことだ。

お見合い結婚について、アジアと欧米諸国を対比しています。異なる見識を表わしますが、どちらかが間違っているというものではありません。

On the other hand,というようにカンマをつけた後に文章Bを置きましょう。論文ではこういった対比はよく使われる書き方であり、また議論にも使える表現です。

3. whereas

whereas(ホウェアァズ)は「~に対して・反して」「ところが実は」という意味を持ちます。

この単語を使う日本人はそれほどいないのではないでしょうか?実は、whereasは契約書の前文に使われ、英文契約書用語と言われています。

The hottest month of the year in the UK is usually July, whereas in southern Europe the hottest period is August.

- 英国では最も暑い時期は通常7月だが、南欧では8月が最も暑い時期である。

英国は7月が最も暑いけれど、(一方で実は)南欧は8月という違いがあることを述べています。

主語の違うものを比較するのがポイントと覚えましょう。

whereasに対して前出のbutは、主語が同一のときに使いますので、ここが大きな違いになります。

4. while

whereasと比べられることが多いのがwhileです。

皆さんご存知の「~の間に」「~しながら」という時間に関する意味を持つ一方(一方では割と使うフレーズですね!)、「~の一方で」というニュアンスでも使われるのです。

GB secured only one gold medal in Atlanta in 1996, while at Sydney in 2000 we ended up with eleven.

- GBチームは1996年のアトランタ大会では1個のみ、2000年のシドニー大会では11個の金メダルを獲得した。

whereasが比較するニュアンスを持つのに対し、whileは対照する2つの物ごとが存在しているといったニュアンスになります。

上の例では英国と南欧の暑い時期を比較しているのに対し、whileの例文ではGBチームの過去1996年と2000年にこういった事実があったことを示しています。

英語論文で使える接続詞2:「しかしながら」の英語表現

”しかしながら”は逆接の接続詞です。

「~は○○である。しかしながら、~は△△である」のように使います。

前半の文脈と後半の文脈の不一致を強調します。

「しかしながら」を論文英語で使いたい場合は以下になります。

1. however

2. although

1. however

どちらかというとカジュアルなbutに対し、フォーマルなものがhoweverです。butや次で紹介するalthoughにない使われ方があり、論文やエッセイに加え、ビジネスシーンでも必須の単語です。

howeverは文章のどこに位置するかを考えるとき、とてもユニーク。文頭でも文末でも自由に使えます。その上、文中でも登場させることができるのです。

また英語論文では同じ単語や表現を繰り返して使うことを避ける必要があるので、butやalthoughと合わせてhoweverのように他の表現を使えるようにすることは重要です。

Common sense tells us; however, that there is no easy solution.

- 常識的に考え、簡単に解決できるものではない。

However, at present - and for the future as far as we can see - growth in technology outpaces growth in wealth.

- しかしながら、現在そして将来に渡りテクノロジーの成長は富の成長を上回っている。

※howeverとセミコロン

howeverは接続副詞です。接続副詞とは、節と節をつなぐ働きを持ちます。

ひとつ目の例文を見てください。前半の文章のあとに「;セミコロン」がついています。このようにhoweverで繋がる「主語+動詞~」の後にはセミコロン、そしてがhoweverの後ろにはカンマ、これがルールですので合わせて覚えましょう。

2. although

althoughも「しかしながら」に使える接続詞です。

文頭または文中に置き、前後の文章をつないでフォーマルな書き方にすることができます。butが文中で使うべきなのに対し、althoughはもう少し柔軟な使い方ができるのです。また、butよりかしこまった文章にできることから論文やエッセイにぜひ使いたい接続詞と言えます。

Although the world is suffering, it is also of the overcoming of it.

- 世界は苦しみに満ちているが、それを克服するものである。

接続詞を多彩に使って、英語論文をより豊かに

英語論文で使える表現を紹介、解説しました。

・一方で→ but, on the other hand, whereas, while

・しかしながら→ however, although

それぞれのニュアンス、そして文章のなかで入れるべき正しい位置も合わせて理解する必要があります。良いものを書くには、英語の論文やエッセイを積極的に読むことも大変おすすめです。本記事で紹介した接続詞が必ず出てくることでしょう。

接続詞を効果的に使い、バリエーションを増やしていくことで論理的なライティングができるように取り組んでくださいね。