海外旅行先として人気のあるドイツ。
ロマンチック街道や古城などの名所がたくさんあり、毎年多くの日本人が訪れています。
歴史的にも文化的にも魅力ある国ドイツですが、その反面、近年ではテロ事件や軽犯罪が起きており、旅行する際は気を付けなくてはなりません。
今回の記事では、ドイツの治安に関する状況やその背景、都市や地域別の注意情報などをご説明していきます。
ぜひ、最後までお読みいただき安全な旅を送ってください。
- 現在のドイツの治安にまつわる状況は?
- こんな事例にご注意!ドイツで起きる軽犯罪の例とは?
- 軽犯罪に遭わないための鞄選び・貴重品の持ち運び方のポイント
- 気を付けたい!都市・場所別注意情報
- 犯罪から身を守るために~旅行者気分を捨てること~
- まとめ
現在のドイツの治安にまつわる状況は?
ヨーロッパの中では比較的安全とされてきたドイツですが、昨今は軽犯罪やテロなども増えています。
ここでは、現在のドイツの政治情勢や、近年起きたテロ事件などについてご説明していきます。
昨今のドイツの政治情勢について
ドイツは近年、他のヨーロッパ諸国の中では突出した数の難民を受け入れてきました。
受け入れ先の国は、シリアがダントツに多く、次いでイラクやアフガニスタンなどの中東諸国や、旧ユーゴ圏出身の人々を100万人以上受け入れてきました。
ドイツがなぜそこまでして難民を受け入れていたかというのには、大きく分けて二つの理由があります。
一つは人道的配慮、もう一つは政治的理由からです。
一つ目の人道的配慮に関してですが、第二次世界大戦でドイツはナチス政権によるユダヤ人迫害を行い、多くの人々を虐殺したという歴史があります。
その反省から、戦後のドイツは学校教育の中で同じ過ちを繰り返さぬよう、繰り返し指導してきました。
それらの教育から、ドイツの人々は人権意識が高く「社会が困っている人に対して人道支援を行うべきだ」という考えが根強く浸透しています。
メルケル首相はシリア難民が流入してきた2015年当時に、「憲法の保障する人間の尊厳について全力をあげて取り組まねばならない」とも語っています。
もう一つの政治的理由に関しては、ドイツもほかの先進諸国と同様に、少子高齢化とそれに伴う労働人口の減少が見込まれています。
少子高齢化が進むと当然国力も衰退していくので、難民を受け入れることにより「将来の労働力につながる」という考え方があったのではないかと言われています。
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テロの事例
具体的にこれまで、ドイツでどのようなテロが起きたかを見ていきましょう。
ベルリンのクリスマスマーケットへのトラック突入事件
2016年12月、ベルリンのクリスマスマーケットに大型トラックが突入するという事件がありました。
これにより、12名の方が亡くなり、53名の方が重軽傷を負いました。犯人のチュニジア国籍の男は、IS(イスラム国)への関与が深く、イスラム過激派との関連もドイツ当局に疑われていました。
そのため難民認定は下りず、チュニジアに送還になる予定でしたが、チュニジア側の準備が整っておりませんでした。
手続きさえ進んでいれば、防げたかもしれないということが悔やまれた事件です。
2019年10月のシナゴーグ襲撃事件
ドイツ東部ザクセン=アントハレ州ハレという街で、シナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)に銃火器を持った男が突入しようとしました。
扉が頑丈な造りで入れなかったため、男はターゲットを変えて近くを通りかかった女性とケバブ屋の従業員二人を射殺しました。
こちらの犯人は、反ユダヤ主義の思想を持ち、右翼の過激派であったとみられています。
近年のドイツでは社会への不満から、反ユダヤ主義や極右思想、白人至上主義に傾倒する人々が増加しています。
また、移民や難民が大量に入ってきたことに対し、不満を抱く人の割合も増えており、各地で移民排斥デモが行われることもあります。
けれど、多くの移民・難民の方はドイツ社会に溶け込むよう努力しています。
先に挙げたマーケットでテロを起こした過激派の犯人は特殊な事例ですので、移民=危険という先入観は持たないように気を付けましょう。
外務省発の情報
外務省が管轄している「危険・スポット・広域情報」は滞在国の現在の状況をレベル別に表しています。
レベル1の「注意が必要なレベル」から、レベル4の「退避勧告」まで滞在国の状況を、地域別に詳しく表示しています。
また、現地の大使館・領事館が出している犯罪やデモなどの情報についてもこのページで参照することもでき、大変便利なサイトです。
現在、ドイツをはじめとするヨーロッパ各国はこのような注意喚起は出されていませんが、渡航前には必ず目を通して、滞在地域の情報などを把握しておくとよいでしょう。
こんな事例にご注意!ドイツで起きる軽犯罪の例とは?
テロのように大きな犯罪だけでなく、観光客目当ての軽犯罪にも注意を払わなくてはなりません。
では、ドイツではどのような手口の犯罪が多いのでしょうか?
事例ごとに見ていきます。
スリ
一番多いのがスリによる被害です。
スリを行う犯人は、たいていグループで行動をしており、目を付けた相手に対し、親切さを出して近づいてきます。
一人に話しかけられて気を取られている一瞬の間に、他の仲間に財布やカメラ・スマートフォンなどの貴重品を盗まれるという事例が多く見られます。
具体的には、以下のようなケースがありました。
・混雑している車内で、ターゲットを身動きできない状況にし、貴重品を抜き取る。
・通りや繁華街で何らかの事情(署名活動や、世間話など)で話しかけてきて、そちらに気を取られている間に貴重品を抜き取られる。
・街角でアイスクリームやコーヒーなどを相手にかけ、拭いている間に貴重品を抜き取る。
・観光地で写真撮影をしている間に、鞄から貴重品を抜き取る。
置き引き
駅構内や、空港などで気を付けたいのが置き引きです。
地図を確認する時など、荷物から意識が離れた一瞬を狙って、荷物を盗むことが多いようです。
こちらもグループによる犯行が多く、一人が何かしらの用事でターゲットに話しかけている間に、もう一人の人間が荷物を盗むというケースもよく見られます。
軽犯罪に遭わないための鞄選び・貴重品の持ち運び方のポイント
このような犯罪の被害者にならないためには、まずは「自分は大丈夫」という思い込みを捨てることが大事です。
本やネットなどで事前に知識があるので、犯罪を避けられると思いがちなのですが、相手はプロの集団です。
普段安全・安心な日本で生活している私たちには思いもよらないほど、手際よく盗んできます。
「自分は大丈夫」という思い込みを捨てましょう。
その上で、
貴重品の携帯方法
バッグの選び方・持ち方
の二点に気を付けましょう。
貴重品の携帯方法についてですが、パスポートやある程度のまとまった現金は鞄に入れずに、セキュリティポーチに入れて肌身離さないようにしましょう。
服の下に隠せるようになっており外から見えませんので、万が一鞄の中身を抜き取られても、貴重品を守ることができます。
冬などの上着を着る季節でしたら、ジャケットやコートの中に隠すこともできます。
財布などのスリのターゲットになりやすいものを、徹底的に見えないようにすることがポイントです。
次に、バッグの選び方・持ち方についてです。
まず、リュックサックタイプは両手が空いて便利な反面、スリ対策には向きません。
背中が見えないので、混雑時にファスナーをあけられて中を抜き取られても気づかないためです。
リュックサックタイプを使う人は、可能であれば前向きにかけるようにすると安心です。
そのほかのタイプの鞄を使う場合に注意が必要なのが、肩掛けタイプのものです。
肩掛けタイプは瞬時に肩から外せるので、スリだけでなくひったくりの被害にも遭いやすいです。肩掛けタイプは使わないようにしましょう。
おすすめのバッグとしては、斜めがけができて口の部分にファスナーがあるバッグが安心です。
短めにベルトを設定し、ファスナー部分が脇の下にくるように調整しておけば、脇をしめることでファスナー部分を空けられないようにできます。
また、ウェストポーチも両手が空きますし、肌に密着させることができるので安心です。
スリのターゲットにならないように、どんな鞄を使うかもよく考えて選びましょう。
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気を付けたい!都市・場所別注意情報
ドイツで実際に起きている軽犯罪の例をここまで見てきましたが、場所や都市別の注意情報についてもご説明していきます。
よく軽犯罪が起きる場所は?
どの都市でも共通して言えるのが、駅や空港などの人がたくさん集まるエリアや、ホテルのロビー・朝食会場などには注意しましょう。
駅や空港は旅立つ人が多いため、荷物をたくさん持っていたり貴重品を持ち歩いたりしている人がたくさんいます。
スリや置き引きの犯人は始終ターゲットを探すために目を光らせています。
荷物がたくさんあったり、チケットを購入したりするときは意識が散漫になり、狙われやすいです。
ドイツの多くの駅では自動販売機でチケットを購入するシステムですが、慣れるまで使いづらく、旅行者は手間取ります。
チケットを買うときは、日本と同じような感覚で財布を堂々と開かないように気を付けましょう。
移動の際は普段以上に気を引き締め、可能であれば駅員や空港職員の側など犯人に狙われづらい場所で待つようにしましょう。
ホテル内は一見安心に見えるかと思いますが、ホテルは誰でも入ることができるため、こちらも犯罪が起きやすいのです。
フロントなどの人が集まるところでは、駅や空港にいるときと同様に、荷物から目を離さないように気をつけましょう。
朝食会場はビュッフェ形式のところが多いのですが、こちらもご飯を取りに行く一瞬のスキをついて置き引きされることがあります。
荷物を最小限にし、必ず肌身離さないようにしましょう。
都市別注意情報
・フランクフルト
ドイツ国内では5番目に大きく、金融の街として知られているフランクフルトですが、犯罪発生率が高く、頻繁に事件が起きています。
特に注意が必要なのは中央駅内や駅のそばのタウヌス通り・ニッダ通りです。
見るからに風俗街という街並みですので、夜は地元の人も用事がない限りは近づきません。
通りを一本変えるだけで普通のレストラン街もありますので、慎重に道を選びましょう。
駅構内では、物乞いや麻薬中毒者とみられる人々もいます。
麻薬の取引が行われることもありますので、少しでも不安な場所には近づかないようにしましょう。
・ベルリン
以前より東西の差は少なくなってきたとはいえ、旧東ドイツ側は家賃が安く、全体的に旧西側に比べると治安の悪い地域が多いです。
特に、観光名所としても名高いイーストサイドギャラリーのあたりではスリが頻繁に起きています。
壁の絵を見ている隙をついて狙われることのないように、気を引き締めて鑑賞するようにしましょう。
また、博物館島では、署名活動をしている子供に声をかけられ、その間に他の仲間がスリを行うという事例が報告されています。
知的価値のある場所で署名活動と聞くと、興味をもって聞いてしまいそうになりますが、基本的にはいきなり話しかけてくる人には近づかないようにしましょう。
・ミュンヘン
バイエルン州はドイツの中では比較的に治安が良く、犯罪発生率が低いと言われています。
けれど、ミュンヘンはバイエルン州一の街で、観光客が世界中から訪れてくる場所ですので、ある程度の警戒はやはり必須でしょう。
ミュンヘンで注意すべき場所は中央駅とその側にあるシラー通りです。
中央駅は他の駅と同様にスリや置き引きなどが起こっています。
また、シラー通りは見るからに風俗街ですので、近付かないようにしましょう。
犯罪から身を守るために~旅行者気分を捨てること~
犯罪から身を守るために一番大事なことは、「ターゲットにならないようにする」ことです。
移民大国ドイツとは言ってもやはりアジア人は目立ちますし、旅行者と思われ、標的になりやすいのです。
街歩きをするときに心がけたいのは、できるだけ現地在住の人のように振る舞うようにしましょう。
せっかくの海外だからとブランド物を持ったり、華やかな格好をしたりしていると簡単に旅行者だと見破られます。
その上で、スリやひったくりなどに狙われないように鞄に気をつけ、地図やスマホを見ながら歩くことのないようにしましょう。
「現地に住んでいる人と同じような行動」をできるだけすることが大切です。
まとめ
ドイツの治安についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか。
テロや軽犯罪について聞くと、少し訪れるのが怖いと感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、大勢人が集まる場所などで、スリの標的にならないよう気を付けることで安全に旅行を楽しめます。
ドイツは世界遺産もたくさんあり、一度は訪れるべき美しい国です。
できる限りの自衛策を講じ、旅行を思う存分楽しんできてください。

中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。