オーストラリアにはこの世のものとは思えない、自然が作り出した芸術ともいえる絶景スポットがたくさんあります。
それもそのはず、世界遺産のうち自然遺産の登録数が最も多い国はオーストラリアなのです。
今回はオーストラリアへ旅行するときには、ぜひ足を延ばす価値のある絶景ポイントを州ごとに紹介します。
1.クィーンズランド州
(1)グレート・バリア・リーフ
(自然遺産)
ケアンズからクルーズ船で約1~2時間で行けるので、日帰りでも観光することができます。
グレートバリアリーフは全長2,300kmで世界最大であり、広範囲に渡っているので、場所によって全く違う景色が楽しめるのも魅力の一つです。
海洋生物の宝庫で、ダイバーたちの人気スポットのひとつです。
グレートバリアリーフには900以上もの島があり、観光スポットとして人気のある島がたくさんあります。
そのうち特におすすめのものを紹介します。
グリーン島
真っ白なサンゴ礁でできた島には熱帯雨林が生い茂っている。
ケアンズのリーフ・フリート・ターミナルから高速艇(高速艇は一日3~4本運航)に乗ると45分で行くことができます。
グリーン島は、海以外にも楽しめる場所があるのが魅力で、小さな水族館やワニ園の他、パラセイリングや海中散歩が楽しめるアクティビティもあります。
ハミルトン島
ワイルドライフ・ハミルトンアイランド動物園にはコアラがいて、抱っこして写真が撮れるので人気のスポットです。
ハート型をしたサンゴ礁があるのもハミルトン島です。ただしハート型のサンゴ礁を見るためには、ヘリコプターやセスナなどで上から見なければなりませんのでご注意ください。
(2)スプリングブルック国立公園
(自然遺産)
ゴールドコースト中心部から車で約1時間のところにあるスプリングブルック国立公園は、クイーンズランド州とニュー・サウス・ウェールズ州にまたがる「ゴンドワナ多雨林」の保護区域です。
トレッキングコースがあり昼間は落差が106mあるパーリングブルック滝を見ることができます。
夜になるとナチュラル・ブリッジの洞窟でエメラルドグリーンに光る土ボタルはとても幻想的です。
土ボタルは生息場所が限られているため、ここまで来たならば夜までいられるようなプランがおすすめです。
夜のお楽しみは土ボタルだけではなく、空を見上げると、満点の星空に息を飲むことでしょう。
2.ノーザン・テリトリー
(1)ウルル・カタ・ジュタ国立公園
(自然遺産・文化遺産)
ケアンズかシドニーから飛行機でエアーズロック空港へ行く方法があります。
ケアンズからは約2時間半、シドニーからも約2時間半かかります。
オーストラリア中部に位置する国立公園で、公園内には一枚岩エアーズロックと奇岩群のオルガ山があります。
アボリジニの聖地であるエアーズロックの周辺には、彼らが残した壁画があり、複合遺産に登録されています。
ウルル(エアーズロック)
エアーズロックは世界で2番目に大きい一枚岩で、オーストラリア大陸のほぼ中央に位置していることから、イギリスの探検家が「地球のヘソ」と名付けたそうです。
現地では「ウルル」と呼ばれています。
地平線が広がる広大な草原にポツンと大きな1枚岩がある風景は、日の出から日没に至るまで、変化に富んだ姿を見せてくれます。太古にアボリジニが見たであろう景色を見るために、世界中から人々が訪れます。
カタ・ジュタ(オルガ山)
ウルルから30Km離れたところにカタ・ジュタがあり、ドーム状になった大きな岩36個からなるこの巨大な岩群が20Km以上続いています。
カタ・ジュタは広いのでウォーキングコースがたくさんあり、岩を間近に眺めて過ごすことができます。
中には進入禁止の場所もあるので、ヘリコプターに乗って空からカタ・ジュタの全貌を見ることもできるんですよ。
(2)カカドゥ国立公園
(自然遺産・文化遺産)
カカドゥ国立公園は、ノーザンテリトリーの最北部に位置するオーストラリア最大の国立公園です。
ダーウィンから車で3時間かかり、広大な公園内には4つの川が流れ、無数の支流に囲まれた緑豊かな湿地帯が広がっています。
公園の南部は乾燥地帯で、荒々しい砂岩層の渓谷が続く、変化に富んだ自然が楽しめます。
先住民族アボリジニ独特の手法で、2万年前に描かれた岩壁画が多く残されています。
ここで休憩!
自然遺産をここまでたくさん紹介していきましたが自然遺産は世界遺産のひとつです。そんな世界遺産に関する英語の記事を載せておきますので、合わせてチェックしてみてください!
3.西オーストラリア州
(1)ピナクルズ(自然遺産)
砂漠に数千もの大小さまざまな奇岩が並ぶ場所で、パースから北へ250Km のところにあり、日帰りで楽しむこともできます。
現地ツアーに参加するのも良いですし、レンタカーを借りて気ままに楽しむのも良いでしょう。
昼間は砂漠の砂をボードで滑り降りるサンド・ボーディングを楽しむ人、夕方から夜にかけて夕日や星空を楽しむ人もいます。
(2)シャーク湾(自然遺産)
パースから約850Km のところにある、海洋生物と動物の宝庫で、絶滅危惧種「ジュゴン」の保護区で、1万頭のジュゴンが生息しています。
ハメリン・プール海洋自然保護区は、世界最古の生命体と言われている 「ストロマトライト」 の群生地となっています。
「ストロマトライト」は地球上で初めて酸素を作った生物で、その起源は35億年前とも27億年前とも言われています。
(3)バングル・バングル(自然遺産)
バングル・バングルはパーヌルル国立公園内にあります。
パース、ブルーム、ダーウィンからは飛行機でカナナラに入り、そこから車で250Kmのところに位置しています。
バングル・バングルは約3億5千年前に堆積した土砂が砂岩となり、黒色とオレンジ色の砂岩層が交互に重なって見事な横縞模様が作られています。
歩いて間近に砂岩層を見るもよし、ヘリコプターに乗って上からバ雄大なングルバングル山脈を見るのもおすすめで、また公園内のあちこちに、2万年以上前から住むアボリジニが作った壁画やロックカービングを見る事もできますよ。
(4)ヒリアー湖
ピンクの水面が人々を魅了するヒリアー湖のあるエスペランスまでは、パースから飛行機で2時間、車ではおよそ8時間かかります。
湖の水は塩水で、この色は天然のものだというのだから驚きですよね。
最近の研究で、 ピンク色の正体は湖水に住む好塩菌という塩水でも生きられる赤い色をした微生物と、藻類が生成する赤い色素 によるものであることがわかりました。
ヒリアー湖はエスペランス沖の群島の一つで一番大きなミドル島にありますが、自然のままの森が存在し、重要野鳥生息地に指定されています。
(5)ニンガルーコースト(自然遺産)
パースからエクスマウスまで、飛行機で2時間半、車で12時間半かかります。
西オーストラリア州北西部の海域を含むエリアで、ニンガルー海洋公園やケープレンジ国立公園を含みます。。
サンゴ礁が海岸線に260km続き、サンゴは200種類以上生息しており世界最大のグレートバリアリーフにも負けないほどの美しさでとても感動します。
4月~7月初旬頃になると、なんとジンベイザメがやってくるので、それを観る目的でこの時期は人気の観光スポットになります。
ジンベイザメの他、イルカ・ジュゴン・ザトウクジラなども見られるので、ダイバーにも人気があります。
4.ニュー・サウス・ウェールズ州
(1)ウィランドラ湖群地域
(自然遺産・文化遺産)
シドニーの西約700kmのところにあり、行き方は2通りあります。メルボルンからは飛行機でミルデューラへ行き、そこから未舗装の道を約110km北上する方法と、アデレードからは車で約8時間かけていく方法です。
ウィランドラ湖群地域はウィランドラ湖とその周辺の湖群のことを言い、一部はムンゴ国立公園になっています。
もっとも湖は約1万5,000年前に干上がり、今は砂漠地帯となっています。
湖の底の砂と粘土層の浸食によって作られた砂丘が30km以上続いている場所があり、その形から万里の長城(ウォールズ・オブ・チャイナ)と呼ばれています。
2005年には2万年前の人類の足跡が発見されて話題になった場所です。
(2)グレーター・ブルー・マウンテンズ地域(自然遺産)
オーストラリアの南東に広がる大渓谷です。
渓谷にはユーカリの木が生えていて、ユーカリの葉に含まれる油分が気化し大気に混ざって青みを帯びています。
これがブルーマウンテンという名の由来です。世界一の急勾配で知られるトロッコ列車、ケーブルカーやスカイウェイに乗り、展望台から有名なスリーシスターズと名付けられた奇岩を眺めてのんびりとひと時を過ごすのは格別です。
(3)ジェノラン・ケーブス
グレーター・ブルー・マウンテンズ地域へ行ったら、ぜひ訪れてほしいのがジェノラン・ケーブスです。
世界最古といわれる神秘的な鍾乳洞で、オーストラリアで最も見ごたえのある鍾乳洞と言われています。現在11か所の洞窟が公開されています。
5.南オーストラリア州
化石発掘地ナラコートの哺乳類化石地域
(自然遺産)
南オーストラリア州とビクトリア州の境に位置し、アデレードから車で南東部へ約4時間かかります。
17万年前に絶滅したと言われているフクロライオンの化石がほぼ完全な形でビクトリア洞窟から発掘された他、肉食カンガルーや大ニシキヘビなど珍しい動物の化石も発掘されています。
多数ある洞窟のうちビクトリア洞窟、アレクサンダー洞窟、バット洞窟、キャセドラル洞窟の4つが公開されています。
カンガルー島
アデレード空港から30分でカンガルー島に入ることができます。
フェリーで行く方法もあり、アデレードから車で1時間半のところにあるケープ・ジャービス港からフェリーで45分かかります。
ハンソン・ベイ・ワイルドライフ自然保護区にはカンガルーの他、コアラやハリネズミを見ることができます。
白いビーチが美しいシールベイ自然保護区では、オーストラリア・アシカが約1,000頭生息しています。
野生のアシカなので自由に近づくことはできませんが、有料のガイド付きツアーで楽しむことができます。
カンガルー島はオーストラリアならではの気候で形作られた大地や海岸も、散策しながら見て楽しめる人気の観光スポットです。
またまたここで余談!
イギリスの絶景を紹介している記事を載せておきます!気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
6.ビクトリア州
(1)グランピアンズ国立公園
メルボルンから車で3時間の場所にあります。
ビクトリア州最大の国立公園で、豊かな自然はもちろん、アボリジニの聖地として崇められ太古の風景そのままの、壮大な自然の景色に出会える場所です。
(2)バジ・ビム文化的景観(文化遺産)
バジ・ビムへは、メルボルン市内から車で約4時間30分のところにあります。
ここは6,600年前、オーストラリア先住民グンディッジマラ族により開発された世界最古の水産養殖地です。
グンディッジマラ族は遊牧民のアボリジニと異なり定住し、ウナギの養殖をするための工事を行ったり漁に必要な仕掛けやシステムを作ったりもしていました。
(3)グレート・オーシャン・ロード
世界文化遺産のバジ・ビム文化的景観へ向かうなら、世界で最も美しい海岸線と呼ばれているグレート・オーシャン・ロードをドライブして景観を堪能するのもおすすめです。
ここを通るなら、オトウェイ国立公園に立ち寄るのも良いでしょう。
野生のコアラが生息し、川や沼地ではカモノハシに出会えることもあるそうです。
7.タスマニア州
(1)タスマニア原生地域
(自然遺産・文化遺産)
日本からタスマニアへの直行便はなく、メルボルン、シドニー、ブリスベン、ゴールドコーストなどから飛行機でタスマニア島のホバートやローンセストンへ向かいます。
そこからタスマニア原生地域へは車を使います。
オーストラリアの南東に浮かぶタスマニア島は大昔、オーストラリア大陸と陸続きでした。約20%が原生林で5つの国立公園と10個の保護区があります。
世界自然遺産。ウォンバットやタスマニアンデビルなど島特有の珍しい動物が生息しています。
タスマニア原生地域にはたくさんのウォーキングコースがあります。
中でも特に人気のある観光スポット2つをご紹介します。
クレイドル山
セントクレア州国立公園の北にクレイドル山があります。
タブ湖の周りは特に眺めがよく、歩きやすい5.5Kmのトレッキングコースもあります。
ラッセルの滝
マウント・フィールド国立公園内にある落差40mのラッセルの滝が人気です。
何段にもなって落ちてくる滝は水しぶきが上がり、迫力があり、また滝に出るまでの道のりも、見応えがあります。
シダやコケで覆われた原生雨林の中を歩いていると、まるでジュラシックパークに迷い込んだような気持ちになれます。
(2)ブルニー島
ホバートから車で40分のところにあるケタリングからフェリーで10分です。
ブルニー島は野生動物の宝庫で、ペンギン・野鳥・イルカ・アシカなどを見る事ができ、また牡蠣などの新鮮な食材もあり、おいしい食事も楽しめます。
8.オーストラリアで癒しの旅を
オーストラリアには手つかずの自然や、先住民の文化が残されたとても興味深い国です。
世界遺産が多く、オーストラリアの自然を紹介する記事でしたが、すべてを紹介しきれませんでした。
日常から離れて、自然に癒しを求めてふらりとオーストラリアを旅するのもいいですね。

純日本人、留学経験なし。学生時代は英語恐怖症だったのに、外資系企業で英語環境の中、化粧品の研究開発業務を約7年経験。苦手意識の裏には英語への強い憧れが潜んでいて、40歳で英語に目覚める。英語の多読が趣味。その趣味が高じて英語学習本も出版。英検準1級。現在はフリーライター。専門家として美容系の記事執筆・校正、英語学習系の記事を書くことも多い。日々ネイティブキャンプでスピーキング力を磨いている。