推薦状とは第三者や、特定の機関が推薦する人(出願者)の能力を評価し、推薦する文書のことです。
例えば、推薦入学の際には、往々にして推薦状が必要になりますよね。
この推薦状一つで推薦される人の運命が変わる場合があります。昇進できたり、また進学できたりできなかったり。
特に海外ではこの推薦状を要求してくる場合が多いですので、どのように書けば良いのかを知っておく必要があります。
自分が誰かに依頼する時も、その逆で誰かに依頼される場合も、どんな内容が必要であるのかもしっかり確認しましょう。
今回このブログではそんな推薦状を英語で書く際の注意事項などをお話していきます。
- 英語で推薦状が必要なのってどんな時?
- 誰に依頼したらいいの?
- 推薦状は英語でなんていう?
- 英語で推薦状をメールなどで依頼するときの表現
- 英語での推薦状のひな型(フォーマット)ってあるの?
- 推薦状の重要性
- 本文中の文章で使える表現をご紹介!
- まとめ
英語で推薦状が必要なのってどんな時?
海外留学の場合、学校側は英語による英文推薦状やエッセイなどの書類の提出が求められます。
その他、例えば、以下のような場合に必要です。
・海外留学:海外の大学・大学院へ進学する時
・奨学金の申し込みをする時
・海外就職をしたい時
・社内で昇進する時
・海外の他の会社へ転職する時
など、自己PRや履歴書と共に、推薦状の提出が求められることがあります。
誰に依頼したらいいの?
社会的に地位の高い人であればあるほど、推薦状の価値が上がると言っても過言ではありません。
しかしながら、候補者のことを知らなければ推薦状を作成したくても作成することができませんので、あなたが誰かに作成を依頼するのであれば、あなたのことをよく知っている人に依頼するのが一番良いでしょう。
要するに赤の他人の有名人に依頼しても、その推薦状の信憑性が低いと意味がないということです。
例えば、依頼するのであれば、
・ゼミの教授
・高校の担任
・直属の上司
などが、候補に挙げられます。
また、できれば事前の打ち合わせをして、どんな内容を含むべきか話すことが望ましいです。
お願いする上に、内容の指定まですると、少し図々しく、また失礼に値するかもしれないと思うかもしれませんが、この事前の打ち合わせをすることで、出来上がった時に、修正してもらう手間が省けてお互いウィンウィンになることが多いです。
普段からの周りの人と人間関係をしっかり築かなければ、依頼できる人がいない!なんて事態もありえますので、尊敬できる人が周りにいたら、信頼してもらえるよう、日頃からコミュニケーションをしっかり取っておくことが重要です。
推薦状は英語でなんていう?
・a reference letter
・a letter of recommendation
どちらも意味に大差はありませんが、reference letterの方が意味が弱いです。
「推薦状」というよりかは「紹介状」に近いニュアンスとなります。
英語で推薦状をメールなどで依頼するときの表現
①お願いしたい旨を伝える
I am writing to ask a huge favor
— I’m applying for
(応募したい内容)
I was hoping you’d consider writing a letter of recommendation on my behalf.
(お願いがあり、書いております。私は(応募したい内容)を申請しています。私に代わって推薦状を書くことを検討していただきたいのですが。)
※favor
「親切な行為、助け」という意味ですね。ask a favorで、「お願い[頼み事]をする、用事を頼む」という意味となり、よく使用されます。
※on behalf
「~の代わりに、~の代理として、~を代表して」という意味です。on behalf of me / on my behalf で、私の代わりにとなります。
➁推薦者が適格であるのでお願いしたいのだという旨を伝える
I think you'd be a perfect person to act as a reference.
(あなたが推薦状を書く推薦者として、かんぺきだと思っています。)
英語での推薦状のひな型(フォーマット)ってあるの?
日本語でもたいたい決まった書き方があるように、英語でも定番のひな型があるので、一般的な形をご紹介しましょう。
推薦状もビジネスレターと同様にフォーマットや正確さが大事ですので、書いたら必ず何度も見直しましょう。
〜〜〜便箋の上部〜〜〜〜
[送り主の住所]
[送り主の電話番号]
[送り主のファックス番号]
[送り主のメールアドレス]
[日付]
[受け取り手の名前]
[受け取り手の住所]
〜〜〜書き出し〜〜〜
Dear Mr. / Ms.[名前]:
あるいは
To whom it may concern:
※名前がわかっている場合は、Dear Mr. / Ms.を使います。
To whom it may concernは「関係各位、担当者の方へ」という意味です。
この頭文字の大文字については、これが一般的な書き方になりますので、各単語の頭文字を大文字にしてください。ただし、極力、担当者の名前を知った上でDear を使用し、書く方が良いでしょう。
〜〜〜推薦状の本文① 推薦宣言する〜〜〜
①「○○に~さんを推薦します。」と、まずは宣言する。
It is my pleasure to recommend [依頼者名] for / to [機関/会社/大学名].
〜〜〜推薦状の本文②本文で候補者をアピールする〜〜〜
➁改行し、推薦者の関係を述べる。
※( )の中は例です。
I am/was (Yuka)’s (instructor) for (multiple English classes) during (her three years) at (Yokohama High School, including AP English in her junior year).
③推薦者の簡単な肩書きや自己紹介文を挿入する
I am [推薦者名], a [推薦者のポジション] at [機関/会社/学校名など].
以下は、その時々で書いた方がベストな内容/求められている内容を書く。
〔進学の場合〕
以下のようなものを内容に含むことが多いでしょう。
本文の内容例)候補者の学校での態度、人柄、学力、学習意欲、研究能力、専門的な知識・技術、コミュニケーション能力、アピールできる活動内容などのポジティブな面を書きます。
〔転職などの場合〕
転職、就職などの場合も含む内容としては、進学と似たような内容になってきます。
本文の内容例)候補者の勤務態度、人柄、仕事への取り組む姿勢、問題解決能力、専門知識、これまでの功績、経験など
ただし、内容に関しては、後々証明を求められる場合があるので、正直に事実を書くことが大事です。
〜〜〜推薦状の締め〜〜〜
例)I wholeheartedly recommend [候補者名] for your favorable consideration.
(〜さんを心から推薦しますが前向きにご検討ください。)
例)I am absolutely confident that [候補者名] would be a great fit for your [機関/会社名].
(〜さんはあなたの[機関/会社名]に最適であると確信しています。)
Sincerely,
推薦者のサイン(自筆)
[推薦者名, 機関/会社名, 肩書き]
以上が、基本的なひな形になります。
推薦状の重要性
推薦状は、なぜ候補者が信頼できる人物であるのかを、説得できる内容でなければ意味がありません。
推薦状の内容で評価が上がったり下がったりすることは、特に海外では多々あります。これによりチャンスを手にしたり、逃したりすることになります。
よって、内容はその分野や、仕事の範囲内で候補者の能力について具体的に述べ、なぜ彼ら(候補者)がそれに適しているのか、なぜその条件を満たしているのかを明確に述べる必要があります。
採用担当者はそのような内容を確認することで、候補者が実際に応募内容に適しているだろうという、確信を高めることになります。
また、推薦状が求められるタイミングですが、ほぼ採用が決まったタイミングで求められることが多いので、推薦状の内容が最後の決め手になることもよくあります。
8〜9割、合格や採用が決まっていて、その人物のことがもっと知りたいので、推薦状をみて参考にする、といったような使い方をすることが多いようです。
本文中の文章で使える表現をご紹介!
本文の中では、当たり前ですが、ネガティブなことは書いてはいけません。ではどんなポジティブな言い回しがあるのか一緒に見ていきましょう。
〔一般的な褒めワード〕
・have outstanding ~
(傑出した〜を持っている)
・be highly intelligent
(非常に知的である)
・be highly proficient in ~
(〜に熟達している)
・be impressed with ~
(に感銘を受ける)
例)Ken is highly intelligent and also has good communication skills.
(ケンさんは非常に知的で、また、優れたコミュニケーションスキルも持っています。)
例)Sara impressed me with her ability to ~
(サラさんの〜する能力に感銘を受けました。)
※主語がIだと I was impressed with Sara’s ability to~となります。受動態か能動態の違いですね。
〔態度に関する褒めワード〕
・can-do attitude
(積極的な[自信ある・やる気のある]態度)
・positive attitude
(前向きな態度)
・work actively
(積極的に働く)
・enthusiastic about ~
(〜に熱意のある)
・eagerness to stick to deadlines
(締め切りを守ろうとする意欲)
例)Naoki has a positive attitude and the belief that he can always improve ~.
(なおきさんは前向きな姿勢と常に〜を改善することができるという信念持っています。)
〔コミュニケーションに関する褒めワード〕
・team building skills
(チーム育成能力)
・have excellent communication skills
(優れたコミュニケーションスキルを持っている)
例)Kyoko has excellent written and verbal communication skills.
(きょうこさんは、文書作成および口頭での優れたコミュニケーション能力を備えています。)
〔その他〕
・our loss can be your gain
(私たちの損失はあなたの利益になる可能性があります)
※転職などの場合に使える表現。有能な社員がいなくなると、元の会社にダメージがあるが、新しい会社にとってはプラスでしかありませんよね。この表現は応募者に対する誉め言葉です。
・be an exceptional candidate for ~
(〜への非常に優れた候補者)
例)We will miss having Daigo on our team, but our loss can be your gain.
(私たちのチームにダイゴがいなくて寂しくなりますが、私たちの損失はあなたの利益になるでしょう。)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最近では代行で英文PR文書の作や、推薦状などを作成してくれる会社も多いですが、できれば、そういうところに頼らずに、自分で作成したり、信頼できる人に依頼し、より信憑性のある、揺るぎない書類を提出したいところですね。
ただ専門知識のある人に添削をお願いするのは、個人的にアリだと思います。
では皆さん、海外留学や、海外就職など夢に向かって頑張ってください!

現在はセブに4年以上住みながら、英語に携わる仕事を主にしています。 英語の他にも多言語学習の経験があり、言語同士の関係を独自に比較したり分析するのが得意です。 性格は大らかに見られがちですが、内面は情熱的だったりします。これまで日本語講師や、その他、言語に携わる仕事してきましたので、少しでも何か言葉の面白さを伝えたられたらと思い、ブログを始めました。好きな物は、チーズとワインとです。どうぞよろしくお願いします。