今日から始める中国語講座6

中国、旅行、画像

みなさん、こんにちは! 大学で中国語を教えているリンムーと言います。今回も私と一緒に楽しく中国語を勉強していきましょう!

前回のテーマの「自己紹介」では、初めて会った人に自分のことについて話をするためのフレーズについて学びました。

中国に旅行に行った時、留学に行った時、または日本国内で中国人の友達が出来た時、様々なシーンでまずは自己紹介しなければなりません。ぜひ前回の部分のフレーズは、暗記していつでも使えるようにしておきましょう。

さて、第六回目のテーマは、「形容詞」についてです。

形容詞とは名詞を修飾する言葉です。普段日本語で何気なく使っている形容詞ですが、中国語ではどのように使うのでしょうか。

今回はその特徴について勉強しましょう。

北京はとても寒い

まずは日常生活でよく使う形容詞を例に、勉強していきましょう。最初の例文は、平叙文の「北京はとても寒い」です。

ご存知のように北京は中国の首都で、おそらくみなさんの想像以上に北に位置しています。日本の秋田県や青森県と同じくらいの位置です。

真冬になるとマイナス10度くらいの寒さになることもあるのですが、乾燥しているので雪が降ることはあまりありません。気温から想像されるほどに寒さは感じません。

さて、例文の表現ですが「北京很冷(Běijīng hěn lěng)」と言います。

「寒い」を「冷(lěng)」と言います。漢字で何となく意味は分かりますよね。逆に「暑い」は「热(rè)」です。

「冷」の前についている「很(hěn)」というのは、本来は「とても」という意味で、形容詞の意味を強調する働きをします。英語の「very」のようなものですね。

ただ、一文字の形容詞に「很」がつく場合は、とくに強調の意味はなく、単に語調を整えるだけの意味しかありません。仮に「とても」と強調の意味をつけ加えたい場合は、強く発音することになります。

形容詞を使う場合、「冷」のように一文字の形容詞には、普通は必ず「很」がつき語調を整えます。つまり「很」があった方が言い易いということです。

これは大事なことなので良く覚えておいて下さい。

「東京は暑い」なら「东京很热(Dōngjīng hěn rè)」となります。

「暑い」の漢字が「暑」ではなく「热」であることに注意して下さい。日本語なら液体の「熱さ」について使う漢字ですよね。

北京も夏は暑いのですが、湿度が低いので気温よりは暑く感じません。逆に東京はジメジメした暑さなので、外国人は予想以上に暑さを感じるようです。

さてもう一つ例文を出しましょう。

「彼女は背が高い」です。「背が高い」は、一文字の形容詞「高(gāo)」で表現することが出来ます。

「她很高(Tā hěn gāo)」と言います。ちなみに中国の北方地域では背が高い人が多く、女性でも170cm前後あることが少なくありません。東北地域を歩いていると驚くと思いますよ。

「太」 ~過ぎる

さて次に、形容詞の程度を強調する表現について勉強しましょう。先ほど話した「很」も「非常に」という意味を持ちますが、更に強い表現で「~過ぎる(とても~だ)」という言い方です。

このような時は「太(tài)」を使います。

「あなたの中国語はとても良い」は「很好」でも良いのですが、さらに強い意味にしたいなら「你的汉语太好(Nǐ de hànyǔ tài hǎo)」と言います。

「今日は暑すぎる」なら「今天太热(Jīngtiān tài rè)」です。「太」は「好」のような肯定的な形容詞の場合は「とても~だ」という意味になり、難しいという意味の「难」のように否定的な形容詞では、「~過ぎる」という意味になります。

形容詞の否定文

さて、次は否定形について学びましょう。以前勉強した「是」の文と同じように、否定の時は「不(bù)」を使います。

「中国語は難しくない」なら「汉语不难(hànyǔ bùnán)」と言います。「難しい」は「难(nán)」を使いますが、同じ漢字の簡体字になります。

「学生は多くない」なら「学生不多(xuésheng bùduō)」と言います。「少ない」は「少(shǎo)」を使います。

否定形の時は語調を整える「很(hěn)」は必要ありません。

「不太」 あまり~ではない

次に同じ否定形ではありますが、「あまり~ではない」という微妙な否定の表現について学びましょう。例えば「漢字はそれほど難しくはない」と言う時はどうすれば良いでしょうか。

この場合は、先ほど勉強した「太」を否定することで「あまり~ではない」と言うことが出来ます。英語でいう「not very much」のようなものですね。

「漢字はそれほど難しくはない」は「汉字不太难(hànzì bútài nán)」です。

「今日の天気はあまり良くない」と言うなら、「今天天气不太好(bútài hǎo)」です。

「上海はあまり寒くない」は「上海不太冷(shànghǎi bútài lěng)」と言います。

形容詞の疑問形

疑問文の場合も前に習ったのと同じく、文末に「吗(ma)」を置きます

「上海は暑いですか?」なら「上海热吗(shànghǎi rè ma)?」と言います。疑問形の場合もやはり「很」はつけません。

「还是」  それとも

形容詞に限ったことではありませんが、疑問文の一つに「还是(háishi)」を使った言い方があります。

「AはBですか? それともCですか?」という言い方です。

「是(shì)」を使って「あたなは日本人ですか? それとも中国人ですか?」と聞く場合は、「你是日本人,还是中国人(nǐshì rìběnrén háishi zhōngguórén)?」と言います。

「还是(háishi)」は「それとも」という意味になります。

そしてこの「还是」は、形容詞の疑問文でも使うことが出来ます。

例えば「上海が暑いですか? それとも東京が暑いですか?」と上海と東京の暑さを比較するような場合です。

中国語では「上海热,还是东京热(shànghǎi rè háishi dōngjīng rè)?」と言います。疑問文なので、クエスチョンマークは必ずつけてくださいね。

もう一つ例文を出しましょう。

「中国語が難しいですか? それとも日本語が難しいですか?」は、「汉语难,还是日语难(hànyǔ nán háishi rìyǔ nán)?」です。

日本語と中国語どっちが難しい?

おそらく一般的には、日本語の方が難しいと考えられていると思います。文字だけでもひらがな、カタカナ、漢字と3種類あり、とくにカタカナ語で苦労する外国人が多いようです。

外国語の新語が日々カタカナで翻訳されていくのですが、実際の発音とかけ離れているものも多く、カタカナ表記では元の言葉がイメージ出来なかったりするようです。

ちなみに中国語の新語は当然全て漢字で翻訳されます。中国語では音で当て字をする音訳と、意味で訳す単語があります。

音での当て字は、有名なもので「可口可乐(kěkǒu kělè)」があります。

分かりますよね? コカ・コーラです。

他に地名なども音訳が多いです。例えば「ニューヨーク」は「纽约(niǔyuē)」と訳されています。

意味で訳す例では「ホットドッグ」は「热狗(règǒu)」スーパーマーケットは「超市(chāoshì)」と言います。

音は全く引っかかっていませんよね。それぞれ「熱い犬」、「スーパーな市場」という「意味」で訳されています。

このような中国語の外来語ってとても面白いですよね。全ての勉強に通じることですが、一番効率の良い勉強法は、興味を持って楽しんで勉強することです。

比較文  A比B+形容詞

さて、ちょうど比較が出てきましたので、ここで形容詞を使った比較の文についても学ぶことにします。「AはBより~だ」というような表現です。

比較の文では「比(bǐ)」を使います。

比較だから「比」、分かりやすいですね。

例えば「中国は日本より大きい」という内容で考えてみましょう。

上記の構文に当てはめてみると、「中国比日本大(zhōngguó bǐ rìběn dà)?」となります。

逆に「日本は中国より小さい」なら「日本比中国小(rìběn bǐ zhōngguó xiǎo)」です。

比較したい対象の間に「比」を入れ、その後ろに形容詞です。

比較表現が会話でさらりと出来ると表現の幅も広がりますし、格好良いのでぜひ言えるようになってください!

では、「彼は私より背が高い」は何と言いえば良いでしょうか?

正解は「他比我高(tā bǐ wǒ gāo)」です。ちなみに背が低いは「矮(ǎi)」と言います。

「車は自転車よりも(値段が)高い」はどうでしょうか?

「車」は「汽车(qìchē)」、自転車は「自行车(zìxíngchē)」、「高い」は「贵(guì)」を使います。「汽车比自行车贵」が正解です。

 中国で買い物をする時、「高い」、「安い」という形容詞は良く使うので覚えておきましょう。

「安い」は「便宜(piányi)」と言います。「ビールはワインよりも安い」なら「啤酒比红酒便宜(píjiǔ bǐ hóngjiǔ piányi)」です。「啤酒」はビール、「红酒」がワインです。

~はどうですか?

さて話を元に戻しましょう。疑問文の中に「~はどうですか?」という聞き方があります。

英語なら「How about~?」の疑問文です。漢字が難しいかどうか分からない時、「漢字はどうですか?」と聞くような表現です。

このような場合、中国語では疑問詞の「怎么样(zěnmeyàng)」を使います。非常に会話で良く使いますし、簡単なので完璧にマスターしてしまいましょう! 

「漢字はどうですか?」なら「汉字怎么样?」と言います。

それに対する答えは「汉字难」などとなるでしょう。

「上海は暑いけど、東京はどう?(上海很热,东京怎么样?)」なんて会話らしい自然な表現も言うことができます。

「お体の具合はどうですか?」というフレーズ、相手を気遣う表現としてスマートですよね。

「你的身体怎么样(nǐ de shēntǐ zěnmeyàng)?」と言います。

答えは、元気なら「很好」で良いでしょう。お世話になった人と久しぶりに会ったような場合に使ってみてはいかがでしょうか。

以上、今回は形容詞を中心に、肯定形、否定形、疑問形、そして少し特殊な言い方などについて学びました。中国語を生活のなかで使うなら、形容詞は絶対に必要ですし、使い方をよく理解する必要があります。文法はもちろん、よく使う形容詞の単語も覚えるようにしてください。

では更なる形容詞や名詞の紹介を兼ねて、今日学んだことを踏まえ、以下の問題を出しますのでご自分で解いてみてください。

1 あなたの故郷はきれいですか?
故郷=故乡(gùxiāng) きれい=漂亮(piàoliǎng)

2 あなたのが良いですか、それとも彼のが良いですか?
~の=的

3 彼はそんなに太っていない
太っている=胖(pàng)

4 英語の文法は難しいです
文法=语法(yǔfǎ)

5 紅茶はコーヒーより安い
紅茶=红茶(hóngchá) コーヒー=咖啡(kāfēi)