みなさん、こんにちは。ネイティブキャンプブロガーのぽんたです。
私はお笑いが大好きで、テレビやYouTubeで漫才やコントを見ることがよくあります。特に関西圏はお笑いの文化がよく根付いていますよね。
日本のお笑いの中でも歴史が深いのが落語になります。漫才やコントよりはかなりマニアックなお笑いになりますが、1600年代の後半には噺家という人が登場し、小話で人を笑わせていたのです。
そして日本文化が海外で受け入れられるようになった昨今では、落語も海外で知られるようになってきました。日本文化に興味のある外国人には特に人気のようです。
この記事では、
・落語を英語で説明するには?
・海外のお笑いとは?
・英語の落語ってあるの?
・海外の落語の反応は?
などの疑問について紹介していきます。
落語は英語でなんて言うの?
落語は日本独特の文化であるので、落語は英語でも「rakugo」と言います。
ただこれだけでは、落語を知らない外国人にとってはちんぷんかんぷんですね。
ここからは、レベル別に落語を英語で説明していきたいと思います!
落語を英語で説明する:初級編
落語の文化を知らない人に落語を説明するのは非常に難しいです。簡単に説明するためには以下のような説明をすることで、外国人にも伝わりやすくなります。
traditional Japanese comic storytelling
=日本の伝統的なこっけいな語り
※ traditional=伝統的な
※ comic=こっけいな、喜劇的な、おかしい
※ storytelling=読み聞かせ、語り
「日本の伝統的なこっけいな語り」と聞けば、落語がなんとなくイメージできますね。
「comic」には、漫画という意味だけでなく「こっけいな」や「おかしい」という意味になりますので、落語の説明には欠かせない単語にもなります。
落語家の説明は以下のように表現しましょう。
The storyteller is called Rakugoka.
=語り手は落語家と呼ばれています。
※ storyteller=語り手
※ is called=呼ばれている
「落語家」も代わりになる英語が無いため、そのまま日本語で「Rakugoka」と紹介します。
落語と落語家の簡単な説明ができたところでもう少し詳しくみていきましょう。
落語を英語で説明する:中級編
落語の特徴をさらに詳しく説明するためには、落語家について詳しく説明する必要がありますね。
落語では必ず着物を着て一人で様々な役をこなします。
このような落語の特徴を説明していきましょう。
Rakugo is a comedy show performed alone.
=落語は一人で行なわれるコメディショーです。
A rakugoka plays as various people by himself/herself.
=落語家は一人でさまざまな人を演じます。
※ play=演じる
※ various=さまざまな
落語家は、人間の仕草や話し方を場面や作品に応じて変化させていきます。
落語はテレビや映画などとは違い、話し手の言葉だけを頼りにその場面や情景を想像します。
自分の想像力が試されるところもありますが、あまり時代背景などを難しく考えなくても、落語家の表現力豊かな話し方のおかげで感覚的に楽しめるのが魅力の一つです。
The Rakugoka wears kimono while performing, which is a traditional Japanese clothing.
=落語家は日本の伝統的な服装である着物を着て話します。
※ kimono=着物
※ which=関係代名詞のwhich
話の内容の多くは、江戸時代の侍や商人たちの話です。
江戸時代の人たちと言ったら着物ですよね!
また老若男女、時には動物の役も一人でこなす落語家にとって、着物は着替えなくても演じ分けることができて便利!という理由で、現代の落語家もその伝統を引き継いでいるのだとか。
落語を英語で説明する:上級編
ここまで説明できれば落語についてかなり詳しく説明できていると思います。
しかし落語家はただ話すだけではありませんね。演じるキャラクターに合わせて、身振り手振りで状況を話していきます。
下記のように伝えていきましょう。
Rakugoka plays as various people alone.
=落語家は一人でさまざまな人を演じます。
※ play=演じる
※ various=さまざまな
A folding fan and a towel help a Rakugoka to play as various people.
=落語家にとって扇子と手ぬぐいはさまざまな人を演じる手助けをしてくれます。
※ folding fan=扇子
※ towel=手ぬぐい
For example, a folding fan is used as chopsticks and a towel is used as a bowl.
=例えば、扇子は箸として使われ、手ぬぐいはお椀として使われます。
※ chopsticks=箸
※ bowl=お椀
落語についてここまで説明できると、落語に興味を持ってもらえるかもしれませんね。
また、最後に落語がどのような場所で楽しめるのかを説明できるようになりましょう。
寄席などの馴染みのない言葉が多く登場するので、うまく説明できると落語のイメージがつきやすくなりますね。
Rakugo can be enjoyed in a special theater called “Yose”.
=落語は寄席と呼ばれる特別な劇場で楽しむことができます。
海外のお笑い事情
お笑いというものが海外にあるのかどうか気になった人もいるのではないでしょうか。日本には漫才やコント、落語など多くの笑う文化があります。
もちろん海外にもコメディ番組があるように笑えるドラマや映画はありますし、スタンドアップコメディと呼ばれる一人漫談が存在していますよね。
続いては、落語とスタンドアップコメディの違いについて確認してみましょう。
落語とスタンドアップコメディの違い
落語のように一人で話して笑いを取るスタイルにもっとも近い海外のお笑いは、スタンドアップコメディでしょう。
スタンドアップコメディは、一人でジョークなどを混ぜ込みながら話すスタイルになっています。
ただ日本のお笑いのスタイルとは大きく違っている部分があるといいます。それが笑いを取るネタについてです。
日本漫才やコント、落語は冗談を言ったり、自虐を言ったり、またストーリー性を持たせて笑いを取ることが多いです。
また最近のお笑いは人を傷つけない人がよくテレビに出ている気がします。ショーレースになると下ネタや人を傷つけるネタはあまり見ません。
しかしアメリカのお笑いというのは、大まかに3つの要素で笑いを取ります。
それが政治ネタ、性的なネタ、田舎ネタです。
日本で政治についていじることは笑いに繋がりにくいです。ある意味タブーな部分も出てきますよね。また外国ではウケやすい性的なネタ(下ネタ)は、日本では限られた人だけが笑うネタになっています。
田舎ネタはお笑いコンビ「千鳥」の大悟さんのおかげで、日本人にも親しみのあるネタになってきましたが、それでも大悟さんのように笑いを取っている人はあまり見ませんよね。このように日本とアメリカの笑いには大きく違う部分があるのです。
落語の主な笑いはストーリー仕立てになっていて、日本の昔からの習慣や生活を良く知っている日本人にはストーリーの世界観を想像しやすく、笑いやすいのが特徴です。
例えば扇子と手拭いを使って何かを食べているシーンでは、落語家の出す音が麺類を啜る音だったら、日本人なら「きっとそばを食べているだろう」と想像しますね。
なぜならその時代にラーメンがないということを知っているからです。
しかし、麺類=ラーメンと思っている海外の人たちが同じシーンを見たらどう思うでしょうか?
きっと、「何を食べているのか」「そばというものをは何なのか」など関連する情報を追加する必要があります。
また話の流れについていけないと、オチがわからなくなってしまうというのも落語の特徴かもしれません。
様々な落語がありますが、オチの中には同音異義語を使ったものもたくさんありますので、日本語を普段からしゃべっている私たちでさえ、「え?どこがオチだったの?」とわからないことがあるほどです。
そういった日本のお笑いの原点である「落語」から日本のお笑いについて考えてみると、海外のお笑いの性質とは大きく異なる部分があるのが分かっていただけたのではないでしょうか。
海外でも活躍する落語家
先ほども紹介した通り、落語は基本的に日本語をよく理解していないと伝わりにくいという特徴があります。
そうなると「落語は外国人に通用するのか」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。
実は落語家の中には海外で公演やイベントを開いている人がいるのです。
その人が桂かい枝(かつらかいし)という落語家です。
師匠である5代目 桂 文枝さんの高座に惚れ込み、大学を卒業後に入門。その後外国人に落語を広めるために、英語での公演を21カ国で300回以上も行なっています。
日本文化が好きな外国人なら知っている人もいるかもしれませんね。
もちろんですが、落語の内容は全て英語で話されています。外国に住む日本人向けの公演ではなく、英語しかわからない外国人に向けて公演しているのです。
桂かい枝さんの公式サイトに行くと、YouTubeなどの動画が公開されておりますので、気になる人は視聴して見てはいかがでしょうか!
桂かい枝さん以外にも海外で公演を行なったり、活躍している落語家さんがいます。
その内の一人が三遊亭竜楽さんです。
三遊亭竜楽さんは英語だけに留まらず、中国語やフランス語など8カ国の言語を使って落語を行なっているのです。
それだけさまざまな国でも日本の落語を聞きたい人が多いということでしょう。
また留学の経験からもともと英語が得意だった立川志の春さんも英語落語をする一人として注目が集まっていますよ。
日本人の落語家で海外に焦点を絞って活動している人を探すと意外と多いのです。
また最近では外国人落語家という人も活躍しています。
その人が外国人落語家の桂三輝さんです。これでカツラサンシャインと読みますよ。
上手い名前ですね。桂三輝さんはカナダ生まれですが、いつしか落語に興味を持つようになり、現在ではニューヨークに拠点を置き、落語の活動をしているのです。
このような外国人落語家の活躍もあるため、日本のみならず海外でも落語の知名度は上がっています。また桂三輝さんいわく、落語の話の内容を変えることはないといいます。しかし国によってお笑いのセンスなどはかなり違いがあるようです。
最初の挨拶などでは、文化的な違いからつかみの内容を大きく変更したり、国によって言葉の強弱や間の開け方を変えたりするのです。
このような少しの違いを加えることで、外国人の反応も良くなるといいます。
海外でも有名な落語
海外で活躍する落語家がいるということは、海外でも受け入れやすい話もあるでしょう。海外ではどのような話が人気なのでしょうか。
落語には古典落語や新作落語などと呼ばれるものがあり、古典落語の数だけでも500種類以上とも言われています。その中でも外国人にも人気な落語があるといいます。
その代表が「じゅげむ」です。「じゅげむ」は主人公の名前が 「じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ
かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ
くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ
ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがん
しゅーりんがんのぐーりんだい
ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなの
ちょうきゅうめいのちょうすけ」 という非常に長い名前で、話のほとんどがじゅげむの名前だけで進行していきます。
内容はほとんどありません。しかし言葉の強調や間の付け方で、外国人にはものすごくウケるのです。
Jugemu(桂三輝さんの公式サイトより)
英語で見ているのに面白さが伝わってくるのがわかりますし、何より会場が大爆笑に包まれています。また「まんじゅうこわい」や「動物園」などの落語は外国でも評判が良いといいます。
まとめ
落語は若者には受け付け難いものだというイメージがありますが、2016年の落語をテーマにしたアニメ「昭和元禄落語心中」が放映され、若者にも知られるようになりました。
このような背景もあり、日本でも外国でも落語は知名度を上げているのです。しかしまだまだ落語は敷居が高いイメージがあり、日本人であっても落語を知らない人がほとんどですよね。
ただ落語は漫才やコントといったお笑いと同じようなもので、見てみると意外と面白いものなのです。特に「じゅげむ」は聴きやすいです。また個人的なおすすめは「死神」という落語で、かなり有名ですよ。
また英語落語では、落語を楽しみながら英語も勉強できるので、一石二鳥だとも言えますね。
ネイティブキャンプではフリートーク教材で講師と好きなトピックで会話をすることができます。覚えた落語を披露する場にも使えますし、発音やイントネーションなど、講師に指導してもらうこともできますので、ぜひ活用してみてください!
東京生まれ東京育ち東京在住の江戸っ子です。学生の時は英語ができなかったけど、24歳の時に東南アジアを旅してから英語を勉強するようになりました。将来の夢は海外から情報を発信すること。