
美しいビーチや豊かな自然環境、フレンドリーなフィリピン人の国民性などで、人気の高い旅行先のひとつである、フィリピン。
「フィリピンに移住や長期滞在を考えているけど、現地の物価は高いのかな?」
「旅行で訪れる予定だけど、10万円あればどのくらい楽しめるの?」
「最近フィリピンの物価が高騰しているって聞くけど、本当なの?」
本記事では、日本円10万円がフィリピンでどれくらいの価値を持つのかを徹底解説!
10万円をフィリピンペソに換算した金額や、フィリピンの物価情報、物価情報が続く理由などを解説します。
また、おまけとして、フィリピンの通貨の特徴や現金の取扱いに関する注意点も掲載しているので、あわせて確認してください。
- フィリピンでの日本円10万円の価値
- 日本円10万円あれば、フィリピンでできること
- フィリピンの物価事情
- 物価上昇が続くフィリピン
- おまけ①:フィリピンの通貨
- おまけ②:フィリピンでの現金の取り扱いは要注意!
- まとめ
フィリピンでの日本円10万円の価値
まず、日本円10万円がフィリピンの通貨フィリピンペソに換算すると、どれくらいの価値を持つのか紹介します。日本とフィリピンの購買力もあわせて比較しているので、参考にしてくださいね!
10万円=33,000PHP〜50,000PHP
フィリピンペソ(以下、PHP)の為替レートは、一般的に1ペソ=約2円~3円なので、
そのため、10万円は33,000PHP〜50,000PHPに相当します。
フィリピンの平均月収である約15,000〜20,000PHP(約4〜5万円)と比較すると、日本円10万円はフィリピンの平均的な生活では少なくない金額だとわかります。
日本とフィリピンの購買力を比較
日本とフィリピンの物価差を理解するために、代表的な品目の価格をいくつか比較してみましょう。フィリピンで特に安い項目と高い項目に分けて、それぞれ以下で紹介します。
・フィリピンで特に安い項目
・ローカルフード:一食50~200PHP(約100~460円)
・公共交通機関:ジープニーやバスで10~20PHP(約23~46円)
・フィリピン国内産の日用品:洗剤や歯磨き粉などは日本の半額程度
・フィリピンで高価な項目
・輸入品:日本からの食品や電化製品は関税により日本の約2倍の価格
・高級ホテルやコンドミニアムへの宿泊料:観光地や都市部では日本と同等あるいは、それ以上
・特定の医療費:私立病院での治療は高額になりがち
日本円10万円あれば、フィリピンでできること
次に、フィリピンで10万円(約33,000PHP~50,000PHP)あれば、何ができるのかを見ていきます。
訪問目的や滞在期間、生活スタイルによってフィリピンでできることは大きく異なるため、一般的な目安として捉えてください。
2週間程度のフィリピン国内旅行
10万円あれば、フィリピン国内で約2週間の旅行を楽しめます。
比較的リーズナブルなホテルに泊まり、ローカルレストランで食事し、主要な観光地を訪れるには十分な金額です。
以下は2週間の旅行での予算例です。
| 費用項目 | 具体例 | 金額目安 |
| 宿泊費 | 中級ホテルで14泊 1泊2,000~3,000PHPを想定 |
28,000PHP〜42,000PHP |
| 食費 | 1日1,000PHP×14日 | 14,000PHP |
| 交通費 | 航空券(国内線)やタクシー、公共交通機関など | 10,000PHP |
| 観光・娯楽費 | 入場料やサービス料など | 5,000PHP |
高級ホテルへの宿泊や高級レストランでの食事を予定している場合は、さらに予算が必要です。
一方、バックパッカースタイルで旅行すれば、10万円で1ヶ月近く滞在することもできるでしょう。
留学や長期滞在中の1ヶ月間の生活費
留学や長期滞在の場合、10万円はフィリピンでの生活費約1ヶ月分に相当します。
以下、はマニラでの1ヶ月生活した場合の一例です(ワンルームマンションでの生活を想定)。
| 費用項目 | 金額目安 |
| 住居費 | 20,000PHP |
| 光熱費・通信費 | 5,000PHP |
| 食費 | 10,000~15,000PHP |
| 交通費 | 2,000PHP |
| 娯楽費 | 5,000PHP |
地方都市や学生寮に住む場合は住居費が安くなるため、同じ予算でもより余裕のある生活を送れます。
一方、マニラの高級エリアで生活しようとすると10万円では厳しいでしょう。
10万円の価値はフィリピンでの生活スタイルによって、大きく変わります。
贅沢な生活を求めるなら、例えばマニラの高級エリアでは10万円以上必要です。高級レストランでの食事やタクシー移動、週末旅行などを楽しむと、日本円で20万円あっても十分ではないかもしれません。
一方、フィリピン人のスタイルに倣って節約生活をすれば、10万円でも快適に生活できます。
ローカルフードを中心に食事をし、公共交通機関を利用することで、貯金する余裕さえあるかもしれません。地方都市に住めば、さらに費用を抑えられますよ!
フィリピンの物価事情
日本円10万円がフィリピンでどれほどの価値があるのかを確認したところで、次はフィリピンの物価事情を詳しく見ていきます。
食費
フィリピンでの食費は比較的安価です。
例えば、ローカルのレストランでは、一食あたり50PHP~200PHP(約115~460円)でフィリピン料理を楽しめます。
シシグやアドボなどの伝統的な料理は特にリーズナブルで美味しいものが多いです。
一方、外国料理や高級レストランでは1,000ペソ(約2,300円)以上することも珍しくありません。
自炊する場合は、地元のマーケットで食材を購入すれば、さらに食費を抑えられます。
ただし、輸入食品は高価なので注意して購入しましょう。
交通費・通信費
フィリピンの公共交通機関は非常に安く、ジープニーやバスを利用すれば10PHP~20PHP(約23~46円)で移動できます。
しかし、タクシーやグラブ(配車サービス)の料金は高め。
マニラ市内でのタクシー利用では、200PHP~500PHP(約460~1,150円)程度は見込んでおきましょう。
通信費に関しては、プリペイドSIMを購入すれば、500PHP~1,000PHP(約1,150~2,300円)で1ヶ月程度利用できます。
一方で、データ通信は比較的安価なものの、日本に比べると通信速度は遅いこともあるので、ホテルやカフェのWi-Fiをうまく活用しましょう。
都市部と地方都市で大きく異なる物価
フィリピンの物価は、地方都市と都市部で大きく異なります。首都マニラやセブなどの主要都市では生活費が比較的高めですが、地方に行くと大幅に安くなります。
食費も都市部と地方では大きな開きがありますが、特に住居費の差は顕著です。
例えば、マニラの中心部でのワンルームマンションの家賃は月額20,000PHP~50,000PHP(約5万円~12万円)程度ですが、地方都市では同じ条件で12,000PHP~25,000PHP(約3万円~6万円)程度です。
食費も都市部と地方では大きな開きがあり、特に住居費の差は顕著です。
また、観光での滞在費も地域によって異なります。
マニラやセブなどの主要観光地では宿泊費や食費、交通費が高めですが、あまり知られていない地方の観光地では費用を抑えられます。
フィリピンの魅力を存分に楽しむために、訪問するエリアによって事前に予算を組んでおくことが大切です。
物価上昇が続くフィリピン
近年、物価高騰が続くフィリピン。物価上昇の主な原因としては、輸入依存度の高さや人口増加、政治的要因などが挙げられます。
特に食料品やエネルギーの価格上昇が、日常生活に必要な商品やサービスの価格高騰につながっています。
以下では、フィリピンの物価上昇の背景を探ります。
インフレーションの影響
フィリピンのインフレ率は変動が大きく、近年は上昇傾向にあります。
基本的な食料品の価格は過去数年間で上昇しました。
例えば、米の価格は1kgあたり50PHP(約115円)から60PHP(約140円)に上がりました。
燃料価格も上昇しており、ガソリン1リットルあたりの価格は約70PHP(約160円)に達しています。
こうしたインフレーションの影響で交通費や商品の運搬費用が嵩み、生活コストを全体的に押し上げています。
徐々に縮まる日本との物価の差
以前は日本と比べて非常に安いと言われていたフィリピンの物価。近年の物価高騰により、日本との物価の差は縮まってきています。
特にマニラやセブなどの都市部では、住居費や高級レストラン、輸入品などは日本と大差ない価格になってきています。
一方で、ローカルフードや公共交通機関、労働集約的なサービス(家事代行など)は依然として日本より安価です。
フィリピンでの生活を考える際には、こうした物価の変化もしっかり考慮することが大切です。
以下の章では、おまけ記事としてフィリピンの通貨や、フィリピンで現金を取り扱う際の注意点を紹介します。
おまけ①:フィリピンの通貨
フィリピンの通貨は「フィリピンペソ」で、公式には「PHP」と表記されます。
ちなみに、現地の人々は「ペソ」ではなく「ピソ」と発音します。早速、詳しく見ていきましょう。
フィリピンペソの種類と特徴
フィリピンペソは6種類の紙幣と、4種類の硬貨で構成されています。
◾️紙幣
20PHP
50PHP
100PHP
200PHP
500PHP
1000PHP
◾️硬貨
1PHP
5PHP
10PHP
1センティモ(1PHPの1/100の価値)
2024年12月には、50PHP、100PHP、500PHP用に、新たなデザインのフィリピンペソ紙幣が発行され、流通がスタートしました(1000PHP紙幣の新デザインは2022年に発行)。
各紙幣にはフィリピンを代表する野生動物が描かれています。なお、日本円とは違い、全ての紙幣が同じサイズです。
フィリピンペソの紙幣には偽造防止用の特殊な印刷技術が施されているため、光にかざすと透かしや特殊な模様を確認できます。
偽札を使うハメにならないように、旅行や留学の際には紙幣の特徴を知っておきましょう。
為替レートの確認方法と両替のコツ
為替レートは日々変動するため、渡航前にインターネットなどで最新のレートを確認しましょう。
両替は、日本の銀行や空港よりも、フィリピンの現地のほうが手数料が安くなることが多いです。
フィリピン国内には、空港や大型ショッピングセンター内の両替所、ホテル、街の両替商など様々な両替場所があります。安全性とレートの良さを鑑みると大型ショッピングセンター内の両替所がおすすめです。
ホテルは便利ですが手数料が高く、街の両替商はレートは良いものの詐欺のリスクがあります。
両替をする際は、正規の両替商であるサインがあるかどうかを必ず確認してください。
おまけ②:フィリピンでの現金の取り扱いは要注意!
フィリピンでの支払いは現金が基本。ホテルやショッピングセンター、レストランではクレジットカード対応している一方で、小さな店舗やローカルな場所では現金支払いのみなので、現金を用意する必要があります。
現金を使用する場面が多いフィリピンでは、現金の取り扱いには注意してください。フィリピンは日本ほど治安が良くないため、人前で財布を開いてお金を取り出すことは避けるべきです。
スリや引ったくりのリスクがあるため、かばんの中で財布からお金を取り出すなど、細心の注意を払いましょう。
フィリピンで盗難やぼったくりの被害に遭わないように、以下のポイントを守りましょう。
大金は持ち歩かない
フィリピンでは軽犯罪が日常的に発生しているため、大金の持ち歩きは避けるべきです。
また、高級な服装や日本人であることを強調するような行動も控えましょう。
クレジットカード払いを活用して、持ち歩く現金を最小限にしましょう。
スリや置き引きの被害に遭わないように、バッグは常に体の前で持ち、混雑した場所では特に警戒してください。
観光地や繁華街では犯罪者が外国人を狙っていることを忘れずに、常に周囲に注意を払いましょう。
高額紙幣は小額紙幣または硬貨に崩しておく
フィリピンでは「おつりがない」と言われることが日常的にああるため、細かいお金を用意し、大きな紙幣を出す前に店員に確認するのがよいでしょう。
特にタクシーや露店での買い物では、小額の紙幣や硬貨を持っていないとお釣りをもらえずに、損をすることがあります。
コンビニやスーパーでの買い物の際に大きな紙幣を崩しておくのがおすすめです。
また、おつりはその場でしっかりと確認することも忘れずに!
まとめ
フィリピンでの10万円の価値は、滞在地域や生活スタイルによって大きく異なります。
マニラやセブなどの都市部では約1ヶ月の生活費に相当しますが、地方都市ではより長く滞在できます。
近年の物価高騰により、以前ほどの物価差はなくなってきていますが、それでも日本と比べて生活費や旅行の費用を抑えられる点は魅力的です。
フィリピンでの生活を検討している方は、現地の物価情報を理解し、自分のライフスタイルに合わせて予算を立てることが重要です。
フィリピンの物価と日本円の価値を踏まえたポイントをまとめました。
美しい観光地、親切な人、多様な料理など多くの魅力に満ちている国、フィリピン。
本記事を参考にして、フィリピンで充実した時間を過ごしていただけると嬉しいです。