見本(サンプル)に付随したビジネス英語を学ぶ!

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ビジネスで外資系企業と取引を行う場合、英文でビジネスレターやメール、電話応対などの作業が求められます。

今回は、海外のネイティブスピーカーとの取引方法について、英訳のレターや英日専門用語についてご紹介していきます。

 

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日本語のレターでは、季節の挨拶など前置きが長いのが特徴ですが、英文ビジネスレターやメールでは形式ばった堅い用語や単語は使いません。

平易で理解できる表現を使い、あいまいな表現は避けます。
文章の中に言いたい内容を盛り込み、順序立てて簡潔に述べます。

具体的には、1レターに1つのテーマとしてWho, What, When, Where, How, Why(5Wと1H)を意識して書きます。

注意点としては、相手の会社名、役職、人の名前、金額などの数字は、間違えないようにします。
また、レターの種類によっては、興味を引く内容にしたり、誠意を持って丁重に書いたりします。

例えば、見本(英語ではサンプルと言います)を海外から送ってもらいたい場合、貿易取引に必要なレターを書いて、商品のサンプル、製品の詳細、取引条件などを問い合わせします。
その場合、引き合い (Inquiry)に適した書き方を学習する必要があります。

 

ビジネス用語

サンプル、標本などの類似する言葉の英語

見本のことを英語でサンプル (Sample)と言いますが、サンプル以外にも類似した言葉や表現がたくさんあります。

例文をいくつか挙げますので覚えておきましょう。

英和
Sample:見本、サンプル、標本、試供品、実例
Muster:見本、雛形
Swatch:(生地、革などの小さく切った)見本、見本帳
Pattern:(生地などの)見本、(服、鋳型を作る木や金属の)原型、(陶器などの)模様
Copy:コピー、手本、原稿、題材、(同一書類、雑誌などの)部・冊・通・複本

和英
見本、サンプル:Sample, Preparation
標本(生物の個体やその一部):Specimen
試供品:Free sample/Gift, Promotional gift, (無料の物、景品)Freebie
実例:Example, Instance, Illustration

以下の「見本(サンプル)」の例文もまとめて覚えておくと、使い分けが楽になりますので、ご紹介します。

Take a blood sample
血液のサンプルを採取する

Please send me some samples of a curtain material.
カーテン地の見本を送ってください。

Samples of the new shampoo  
新しいシャンプーの試供品/商品見本

I sent you a free sample.
無料の試供品を送りました。

 

引き合い (Inquiry)

見本を元に指示を出す場合
(友人への言い方・ビジネス向けの言い方:ビジネスレター、メール、会話文)

取引先に手紙を書いて必要な情報を入手します。
このような問い合わせ、質問に関するレターを貿易専門用語で引き合い (Inquiry)といいます。

内容は相手の会社の概要、製品の詳細、取引条件などと伴に、価格表、カタログ、見本などの請求も行います。
そして、見本や製品を海外から取り寄せる場合、輸入者は積極的な買い、注文の意思表示をします。これを買い申し込み (Buying Offer)と言います。

引き合い(Inquiry)レター/メールほか

手紙やメールで使われるビジネス英語は基本的には同じです。
しかし、学校の友人など親しい人に手紙やメールを送る時、あるいはカジュアルな会話ではインフォーマルな表現が使われますので、相手と状況にふさわしいものを選んで書きます。

例えば、友人宛にメールを送る場合、頭語は省き、Hello/Hello Simon, Hi/Hi Simon, Simonなどと書き出します。
また、ビジネス上の電話受付、応対の場合でもその場にふさわしい極力シンプルな英語表現を選んで使いましょう。

基本的な英文ビジネスレター/メールの形式

書き出し (Opening)、依頼事項 (Core)、締め (Closing)

・Opening どのようにして相手や製品のことを知ったのか
・Core 依頼事項の詳細
・Closing 手紙の締め(日本語で「よろしくお願いします」にあたる)

頭語 (Salutations)
Dear Sir or Madam, (相手の名前・性別がわからないとき)

拝啓
To whom it may concern,
係の方へ(手紙を送る機関の特定されていない人へ使います)

書き出し (Opening)
We have seen your advertisement in a magazine, and are interested in your stationery.
雑誌の広告を拝見し、貴社の文房具に興味を持ちました。

依頼事項 (Core)
We would like to have the details of the products you are handling.
貴社の取り扱っている製品について詳細をお知らせ下さい。

Please send us your catalog and trade terms and conditions including export prices.
貴社のカタログと輸出価格を含む取引条件をお送りください。

Would you please send us two sets of free samples by air if any are available?
無料で提供できるサンプルが2セットあれば、送っていただけないでしょうか?

*電話で在庫などを問い合わせるビジネストーク
Do you have the B5 pencil in inventory?
B5の鉛筆の在庫はありますか?

When will they be in stock?
いつ入荷しますか?

締め (Closing)
We are looking forward to having your response soon.
早急なご返事をお待ちいたしております。

結語 (Complimentary closings)
Sincerely yours,
敬具

*レターやメールの結語、会話の締めくくり
親しい人に対して下記のようなインフォーマルな表現を使います。

See you! ではまた!
Bye for now! それじゃ!
Later あとで
All for now ではこれで

サイン (Signature)
手紙の場合:直筆の署名
メールの場合:名前をタイプする

 

Offer(売り込み)と
Counter Offer(反対申し込み)

これが見本ですという場合・こんな感じに作ってくださいという場合
(ビジネスレター、メール、会話文)

売り込み(Offer)レター/メールほか

必要な情報や商品サンプル、カタログなどは引き合いと呼ばれるレターで請求します。

その返事として資料やサンプルを送りますが、先方(輸入者)から当方(輸出者)にアプローチしてきたことにより取引が成立する確率が高くなります。
そのため、ただ単に請求されたものを送るだけでなく、おすすめの自社製品を積極的に売り込み(Offer)します。

・Opening どのようにして相手や製品のことを知ったのか
・Core 他社の製品と比べてどのようなメリットがあり優れているのか、資料同封の件
・Closing 手紙の締め(日本語で「お返事をお待ちしております」にあたる)

頭語 (Salutations)
Dear Mr.〇〇,
〇〇様(男性に対して使います)

Dear Ms.〇〇,
〇〇様(女性に対して使います)

*頭語にありがちなミス
下記のように姓名をフルに書きません。

(×)Dear Ms.Emily,
(○)Dear Ms. Green,
(○)Dear Emily,

書き出し (Opening)
We learned that you are looking for stationeries for office use.
事務所用の文房具をお探しだと知りました。

依頼事項 (Core)
Among the articles we are introducing to you at this time, we proudly recommend items No.1 and 2, which are beautiful yet functional.
今回ご紹介した品目の中で、デザイン的にも優れかつ機能的なNo.1とNo.2の商品を、自信をもってお勧めいたします。

We have enclosed herein a catalog, specifications and price list.
カタログ、仕様書、価格表を同封いたします。

Please examine the samples we are enclosing here.
同封しております見本をお試し下さい。

*電話で発送方法、納期などを説明するビジネストーク
I will send it directly to you.
こちらから直接お送りします。

We should be able to deliver it to you in about three days.
3日前後でお届けできると思います。

締め (Closing)
Would you (=If you would) like to have any further information, please do not hesitate to contact us.
さらに詳しい情報が必要でしたら、遠慮なくご連絡下さい。

We are looking forward to hearing from you soon.
お返事をお待ちいたしております。

結語 (Complimentary closings)
Truly yours,
敬具

サイン (Signature)
手紙の場合:直筆の署名
メールの場合:名前をタイプする

反対申し込み(Counter Offer)レター/メールほか

通常、ビジネス上の取引では輸出者からのオファーに対し、すんなり価格や取引条件をそのまま承諾することはありません。

先方からのオファーに対して輸入者が反対に申し込みを行うことを反対申し込み (Counter Offer)と言います。つまり、先方からの要求に対して、より有利な条件や契約を結ぶため、値引きを請求したり条件の緩和を要請したりします。

そのため、具体的な代替案を提示する必要があります。

・Opening カタログ、見積もりなどありがとうございます。
・Core ~について検討しました。つきましては~して頂けないでしょうか。(要望)
・Closing 手紙の締め(日本語で「ご検討よろしくお願いします」にあたる)

頭語 (Salutations)
Dear Simon,
サイモンさん(ファーストネームで呼べる相手に使います)

書き出し (Opening)
Thank you very much for sending us your samples.
サンプルをお送り頂き、どうもありがとうございました。

依頼事項 (Core)
We surveyed the price of the products similar to the sample, and have discovered that the price of your product is higher.
サンプルと同等の製品の価格を調査いたしましたところ、貴社の製品の価格は(競合相手よりも)高いことが判明いたしました。

We reviewed your trade terms and conditions and found out that the payment in advance would be hard to accept.
貴社との取引条件を検討いたしましたが、前払いを受け入れることは困難です。

Upon the close check of your sample, we regret to inform you that they are partially flawed.
貴社の見本を細かく調べましたが、部分的に欠陥があります。

A delicate finish would be appreciated.
上品な仕上げにして下さい。

*電話で注文、請求などを説明するビジネストーク
Thank you for the estimate. I would like to place an order for 100 pencils.
見積もりを送って頂きありがとうございました。鉛筆を100本注文したいのですが。

 I will send you an invoice. You can just transfer the payment to our bank.
請求書をお送りします。弊社の銀行口座にお振り込み下さい。

締め (Closing)
It is appreciated if you could let us have your response by October 15.
10月15日までにお返事を頂けましたら幸いです。

結語 (Complimentary closings)
Yours sincerely,
敬具

サイン (Signature)
手紙の場合:直筆の署名
メールの場合:名前をタイプする

値下げ、条件緩和依頼の承諾/拒絶ほか 

オファーレターの後、通常は反対申し込みレターとなります。

輸出者は提示したオファーに対する輸入者からの反対申し込みの条件を承諾するか拒絶するかによって、返事の書き方が異なってきます。
いずれの場合でも友好的な書き方で返事を出します。

条件付きで承諾する場合、条件をはっきりと書くようにしましょう。
拒絶する場合でもはっきりと断るのではなく、簡潔に理由を述べるようにします。

*条件の承諾/拒絶
We will give you a 15% discount if you place an order with us for a minimum of 50 gross.
もし50グロス以上の注文をしていただければ、15%の値引きをいたします。 

We regret to inform you that we are unable to accept your request for the further discount due to fluctuations in the exchange rate.
為替レートが激しく変動しており、残念ながらこれ以上の値引きをすることはできません。

*電話のクレームと対応
I am sorry, but I need to tell you something about the product.
申し訳ありませんが、商品について申し上げたいことがあります。 

My order has not arrived yet.
荷物がまだ届きません。

Some of the items are damaged.
荷物の中身に破損しているものがあります。 

It is not what I ordered.
注文したものと違っています。 

I am sorry about this.
大変申し訳ありませんでした。 

We will check it out immediately.
すぐ確認いたします。 

We will make sure it does not happen again.
今後このようなことがないようにいたします。

 

まとめ

外資系企業と貿易取引が開始すると、ビジネスレターやメール、電話など英語で対応する必要性が出てきます。

今回は見本(サンプル)に付随する基本的なレターやメールの書き方などを中心に説明いたしました。

実際に職務で貿易に携わっている場合、実用的な貿易実務英語集や専門用語集など作ってみるのも良いでしょう。

ビジネス向けのスタイルやパターンを覚えてしまうと、さっと英文レターやメールが書けるようになります。