アメリカ英語とは?

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アメリカの国旗

英語を話す国は世界に数多くあります。アメリカはそのひとつです。しかし、もともと英語は英国で生み出されました。その後移民や植民地政策によって英語は世界の多くの国へ広がっていきました。

また英語を話す国々それぞれにはアクセントがあり、ネイティブスピーカーならば、そのアクセントを聞いてこの人がどこの国出身の人なのか予測できることもあります。時にはアクセントがあまりに違いすぎて、意思疎通が難しくなることもあります。日本語でも訛りの強いお年寄りの方と話すのは大変なことがありますね。

アクセントがあることは悪ではありません。日本人が英語を話すのを怖がってしまう理由のひとつに完璧な発音ではない、ネイティブスピーカーのようではないということがあります。しかし世界には多くのアクセントがありますから、ネイティブスピーカーを目指すのではなく、「伝わる英語」を目指すのが正しいと思います。

伝わる英語を目指すときに、メジャーなよく耳にする英語の発音を目指すのは良い近道です。そこで多くの人が聞き、学んでいるイギリス、アメリカ英語の発音を練習する方法が良いでしょう。

特にアメリカ英語は日本の学校や英会話クラスでも教えられていて、ハリウッド映画の影響もあり、世界でもアメリカ英語が主流となっている風潮があります。今回はアメリカ英語の発音方法を主に、イギリス英語との発音、アクセントの違いを解説していきたいと思います。

アメリカ英語とイギリス英語の違いとは?

アメリカ英語とイギリス英語を比べると発音以前にも大きな違いがあります。1600年にイギリス人がイギリスを発って、アメリカの地に渡り、およそ400年。アメリカの英語は大きく変化しました。
それはその文化や言語が遠くの地へ運ばれると早く変化を遂げやすいからです。その点イギリス人はより伝統的な英語を使っていると言えるかもしれません。

スペル

まず、つづりに微妙な違いがあります。もちろんどちらも通じますし、状況によってはアメリカであってもイギリス方式のスペルが使われることがあります。
たとえば「theatre」。アメリカ式では「theater」ですが、シェイクスピアなどのイメージからか、イギリス式のスペルが好んで使われることが多くあります。
ここではイギリス、アメリカでつづりが違う単語を紹介します。
アメリカ:Center
イギリス:Centre
(中央、センター)
アメリカ:meter
イギリス:metre
(メートル)

アメリカ:organize
イギリス:organise
(準備する)

アメリカ:memorize
イギリス:memorise
(記憶する)

アメリカ:color
イギリス:colour
(色)

アメリカ:neighbor
イギリス:neighbour
(近所)

少しの違いで、かつ法則性があるので、この法則性を覚えておけば、意味がわからなくなるほどの違いではないかと思います。
しかしキーボードなどの設定では、どちらかのスペルに訂正が入ってしまうことがあるので、自分がなれているほうのキーボード設定にすると良いでしょう。

単語の違い

アメリカとイギリスでは使う単語も違うものがあります。中にはどちらかでは通じないような単語も存在します。ここでは有名なものを紹介したいと思います。
アメリカ:bill
イギリス:note
(紙幣)

アメリカ:First floor
イギリス:Ground floor
(1階)
アメリカ:Second floor
イギリス:First floor
(2階)

アメリカ:soccer
イギリス:football
(サッカー)

アメリカ:French fries
イギリス:Chips
(フライドポテト)

アメリカ:sweater
イギリス:jumper
(セーター)
どちらも覚えるのは大変ですが、きちんと説明できればわかってもらえますから、落ち着いて説明できるようにしておきましょう。

文法の違い

アメリカに比べてイギリス英語は丁寧な言い回し、文法をつかうことが多いです。ですからアメリカ人にとってイギリス人は遠まわしな言い方をする、丁寧に物を言うような印象が強いです。
基本的にアメリカ英語はイギリス英語に比べて多くの単語や文法を簡略化していることが多くあります。それはイギリス英語のほうが伝統を重んじた言葉の使い方をしているということにも関係しているでしょう。
ここでは文法の違いの一例を見ていきましょう。

アメリカ英語では過去形が多く使われ、現在完了形をイギリス英語に比べてあまり使わない傾向にあります。現在完了とは「I have lost the book」(この本を私は無くしました。)などのすで起こった出来事がまだ続いていることを表す文法です。
もちろんアメリカ人も現在完了形は使いますが、イギリス人に比べて少ない傾向にあります。これは簡略化を好むアメリカ英語の特徴で、過去形のほうが「I lost the book」(私はこの本を無くした。)と言いやすいので、好まれて使われます。

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アメリカ英語の発音の特徴

ここではアメリカ英語の発音の特徴についてご紹介します。

のどの奥から声が出る

イギリス英語などに比べて、アメリカ英語は声がのどの奥のほうから出るような発音の仕方をします。アメリカ英語に比べると、イギリス英語は鼻にかかったような発音をします。
また英語を母国語とする人は腹式呼吸を使って話す人も多いです。腹式呼吸には横になっておなかで呼吸することを感じながら話すように練習すると、腹式呼吸をしている状態をわかりやすく感じることができます。

Tの発音のにごり

「water」や「better」などの母音に挟まれた音をアメリカ英語ではTの部分がDの音になります。ですから上の二つの単語は「ウォーダー」「べダー」のように発音します。

Rの発音

イギリス英語だと「here」「fire」などのR は発音しませんが、アメリカ英語ではしっかりと発音します。

単語の強調する部分の違い

イギリス英語と比べるとアメリカ英語は単語の強調する部分が違います。ここでは単語の一例をご紹介します。
※強調するほうを太字にしてあります。

garage(ガレージ) 
アメリカ:ga-rage
イギリス:ga-rage

address(住所)
アメリカ:add-ress
イギリス:a-ddress

detail(細部)
アメリカ:de-tail
イギリス:de-tail

advertisement(宣伝)
アメリカ:adver-tise-ment
イギリス:ad-vertise-ment

省略形の使用

アメリカ英語では「wanna」「gonna」などの省略形を「want to」「going to」の代わりに多く使う傾向にあります。
イギリスではあまり使われない表現です。これも簡単な言い方を好むアメリカ英語特有の現象です。

アメリカ英語を話すためのコツとは?

あごの力を抜く

アメリカ英語をよりネイティブスピーカーのように話すのにまず重要なのが、「あごの力を抜くこと」アメリカ英語はめんどくさがりの英語だと言われるほど、リラックスした声で話すのがアメリカ英語の特徴。
前項でも話した「のどの奥から聞こえる声」を目指すにはあごをリラックスさせることがとても重要です。といっても自分のあごが力んでいるかを確認するのは至難の技。
ここで役に立つのが下あごを押さえるという方法が役に立ちます。この方法はただあごを両手で押さえて、下あごを動かさないように英語で話すという方法です。
日本語では下あごを動かさずに話すことは不可能ですが、英語は意外にも下あごを全く動かさずとも、英語を普通に話すことができ、かつよりリラックスしたアメリカ英語に聞こえます。

 

発音しないT

Nの次に来るTは飛ばして発音しないとよりアメリカ英語っぽい発音になります。
counter(カウンナー)
printer(プリンナー)
internet(インナーネット)
interview(インナビュー)

Wの発音

アメリカ英語はめんどくさがりの英語と言いましたが、日本人が頑張らないといけない発音がWの発音です。これは日本語のWに比べて口をよくすぼめて発音するとアメリカ英語らしくなります。イメージ的には「ワ」ではなく「ウァ」のようなイメージ。「ウ」の発音をするように始めると良いです。

イントネーションをつけて話す

日本語はあまりイントネーション(抑揚)が少なく、平坦に話す傾向があります。アメリカ英語はイントネーションが多くある言語なので、イントネーションをつけるとよりネイティブスピーカーに近づきます。

アメリカ英語を使う国

英語はイギリスからやってきた言語で、基本的に英語はイギリスのものですが、最近ではアメリカの影響力も強くなり、アメリカ英語に多く影響を受けたアメリカ英語を話す国も増えています。

アメリカ英語を話す国

カナダ
プエルトリコ
リベリア
フィリピン

これらの国はアメリカ英語を話します。一方、

アイルランド
オーストラリア
ニュージーランド
インド
シンガポール
マレーシア
香港
南アフリカ
西アフリカ
マルタ

これらの国々はイギリス英語を話します。イギリス英語を話す国が多いのは、かつてイギリスが多くの植民地を持っていたことが理由しています。
ですが、現在アメリカは世界で大きな影響力をもち、多くの文化を輸出していることから、ビジネスの場での英語や、公共の場所での英語はアメリカ英語が採用されることが増え、英語人口的にはアメリカ英語を使用する人のほうが多いと考えられるので、アメリカ英語を共通英語とする意見も見られます。

まとめ

今回はアメリカ英語を主にイギリス英語との違い、アメリカ英語の特徴を紹介しました。最初に言ったように、今は英語は世界共通語として多くの国で使用されていて、多くのアクセントを持ったネイティブスピーカーがいます。ですから、何が正しいのではなく、伝わる英語を目指すのが現代の英語の学び方です。
またTOEFLやTOEICなどの英語試験でもどちらかの英語に偏らないよう、アメリカ英語、イギリス英語、またはどちらでもない英語を母国語としない人の声も試験に登場します。
実際、海外の国際的な場では、英語を話す、英語が母国語でない人と出会うことも多くあります。そのような場ではやはり伝わる英語が重要視されますから、これらのテクニックを参考にしてしっかりと英語が発音できる練習してください。