フィリピンのマニラにあるデ・ラサール大学は、国内外で高い評価を受ける私立の名門大学です。創立は1911年と100年以上の歴史を誇り、ラサール会というカトリックの教育機関によって設立されました。
本記事では、デ・ラサール大学の偏差値や大学ランキングでの評価、学部構成、日本の大学との比較などを詳しく解説します。
フィリピン留学を検討している方、また海外大学とのレベルの違いが気になる方にとって、有益な情報となるのでチェックしてみてください。
デ・ラサール大学の偏差値
海外の大学への進学や留学を考える際、できるだけレベルの高い大学で学びたいと思うのは当然のことです。デ・ラサール大学は日本の大学でいうとどれくらいのレベルになるのか、気になっている方も多いはずです。
まずはデ・ラサール大学の偏差値について見ていきましょう。
偏差値に相当する基準とは?
まず、フィリピンには日本のような「偏差値」制度は存在しません。 そのため、デ・ラサール大学の偏差値を正確に数値化するのは困難です。
しかし、世界大学ランキングや国内での入学難易度、試験成績などから、おおよそのレベルを推測することは可能です。
では日本の大学の偏差値と比べるとどれくらいのレベルなのか、具体的に見ていきましょう。
日本の偏差値で表すと?
デ・ラサール大学は、フィリピン国内でも特に入学が難しい大学の一つです。フィリピン大学(UP)などと並び、フィリピン国内の大学ランキングでは常にトップ3に数えられます。
日本の大学で言えば、偏差値は60〜65程度と考えられ、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)、関関同立(関西・関学・同志社・立命館)〜早稲田、慶応レベルに相当する難易度といえるでしょう。
なお、デ・ラサール大学は世界各国の大学とパートナーシップ協定を結んでおり、日本では早稲田大学、上智大学、大阪大学などから交換留学生が多数訪問しています。
ただし、フィリピンの大学に入学する際には大学が用意した試験を英語で受験することになるため、偏差値以上にフィリピンの大学への入学時のハードルは高いと思っていてください。
デ・ラサール大学の大学ランキングでの評価
偏差値の目安が分かったところで、次は世界の中でのデ・ラサール大学の評価を見ていきましょう。外部機関による最新のランキングも参考にしながら、客観的なデータをチェックしていきます。
QSランキングでの評価
デ・ラサール大学は、イギリスの大学評価機関であるクアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds: QS)が毎年発表している、QS世界大学ランキングでも一定の評価を得ています。
2025年版の最新のQS世界大学ランキングでは、デ・ラサール大学は641〜650位という評価を得ています。
またQSアジア大学ランキングでは200位以内にランクインしており、フィリピン国内ではフィリピン大学、アテネオ大学マニラ校に次いで3位に位置づけられています。
このことからも、デ・ラサール大学はフィリピン最高峰の大学であることがうなずけます。
国内評価と国際認定
フィリピンでは高等教育機関(大学内の学部など)が指導、研究、出版などの分野で継続的に優れた実績を挙げている場合に、フィリピン政府による高等教育委員会によって「センター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence)」に認定されます。
デ・ラサール大学には、この「センター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence)」やその前段階である「センター・オブ・ディベロップメント(Center of Development)」に認定されている学部が多くあり、国内外から厚い信頼を得ています。
また、デ・ラサール大学はビジネススクールの国際認証であるAACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business)も取得済み。
世界のビジネススクールのうち、この認証を受けている教育機関はたったの5%程と言われています。このことからも、デ・ラサール大学がビジネススクールとしても高い水準を誇っていることがご理解いただけるかと思います。
国内外からの評価が高いデ・ラサール大学は、まさに学びの宝庫と言えるでしょう。
デ・ラサール大学の学部構成
デ・ラサール大学のレベル感については、大まかなイメージができてきたのではないでしょうか。
では実際にこの大学にはどのような学部があり、何を学べるのでしょうか。デ・ラサール大学の学部構成について確認していきましょう。
自分の学びたい分野があるかどうかチェックしてみてください。
主な学部一覧
デ・ラサール大学には以下の8つの学部があります。
・College of Business(経営学部)
・College of Computer Studies(情報科学学部)
・College of Liberal Arts(教養学部)
・College of Engineering(工学部)
・College of Science(理学部)
・School of Economics(経済学部)
・College of Education(教育学部)
・Schoole of Law(法学部)
特にIT系、ビジネス系、エンジニアリング系、教育系といった分野は政府の優良認定を受けており非常に人気があり、優秀な学生が集まっています。より高度なレベルでこれらの分野を学びたい学生にとっては、非常に良い環境と言えるでしょう。
多様な専攻とカリキュラム
各学部では、実践的かつ国際的な視点からカリキュラムが構成されており、プロジェクトベースの学習やインターンシップの機会も豊富です。
例えば経営学部では、実際の企業との共同プロジェクトや起業体験がカリキュラムに組み込まれており、学生は卒業時点で高い実務能力を身につけています。
それぞれの分野で初歩的な基礎を学びながらも、年次を重ねるにともないより実践的な内容も経験できるため、デ・ラサール大学では一つの分野の専門性を大いに高められると言えるでしょう。
日本の大学とデ・ラサール大学を比較した偏差値
先程、日本の大学と比較した際のデ・ラサール大学のレベル感をお伝えしました。偏差値60〜65とハイレベルではありますが、そのように想定される理由はどこにあるのでしょうか?また留学先としてデ・ラサール大学を見た時のメリットは何でしょうか?
これらの点について詳しく見ていきますので、デ・ラサール大学への入学や留学を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
偏差値60〜65と想定される理由
デ・ラサール大学の入学には、主に以下3つが求められます。
評価項目 | 条件 |
1.高い英語力(IELTS、TOEFLスコア) | IELTS:6.0以上 TOEFLiBT:85以上 |
2.成績証明書(GPA) | 4点満点のGPAシステムにて平均3.35以上 |
3.推薦状やエッセイ | 高校の先生や大学のゼミの教授による推薦状が必要 また、入学希望者本人による志望動機などを英語で書いたエッセイが要求される |
これらの基準をもとに、日本の大学と比較すると、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関学・同志社・立命館)と同程度、また学部や専攻によっては早稲田・慶應の一部学部に近いと考えられます。
TOEFL、IELTSやエッセイによって、高いレベルでの英語力だけが求められるだけでなく、GPAでは他の教科の取り組み具合なども見られるため、総合力が試されます。
直接関係がないように見える教科でも、手を抜かずに取り組むことが重要とされるでしょう。
留学先としてのメリット
では、留学先としてデ・ラサール大学を見た時のメリットは何でしょうか?
以下の3点がメリットとして挙げられます。
1点目の「授業がすべて英語で行われる」点は他の海外の大学でも同様ですが、特別がんばらなくても授業についていける日本の大学と比べると、自身により大きな負荷をかける分、実践的と言えるのではないでしょうか。
2点目の「学費」については、一般的にデ・ラサール大学は他のフィリピンの私立大学と比べ、3倍ほど費用が掛かります。その分施設の設備が整っていると言われており、日本や欧米の大学に進学することを思えば特別費用が高いわけではなく、むしろ安価とされています。
3点目の「就職活動における国際経験としての強み」は、実際に海外の学生と切磋琢磨してきた事実がものを言います。企業の採用担当者から見れば、困難な環境でもめげないタフさをイメージでき、大きなアドバンテージになることでしょう。
留学を考えた際に身に付けたいスキルがバランスよく得られるのが、この大学の特徴です。 こうした点から、デ・ラサール大学は日本の偏差値では表現しきれない、実用的価値も高い大学と言えるでしょう。
まとめ
デ・ラサール大学は、フィリピン国内でトップレベルの教育機関であり、日本の大学と比較しても遜色ない学術水準を誇ります。国際的キャリアを目指す学生にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
進学や留学先を考える際には、カリキュラム、語学環境、費用対効果、就職実績など、多角的な視点から大学選びをすることが重要です。
デ・ラサール大学は、そうした観点から見ても非常にバランスの取れた大学であり、今後ますます注目を集めることでしょう。