突然ですが国内留学というものをご存じでしょうか?「留学=海外」という認識は過去のもの。
今は国内で英語漬けの環境に身をおける、国内留学が注目を集めています。特に高校生にとってメリットがたくさんの国内留学。
このブログでは、その具体的な内容や、なぜ高校生におすすめなのかを徹底解説します。「留学に興味はあるけれど、いきなり海外に行くのは不安…」。そんな思いを抱えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
国内留学とは?高校生におすすめする理由
国内留学について
国内留学とは、日本で海外留学を疑似体験する新たな留学方法です。英語を学ぶ人たちが集まり、英語環境でともに生活をすることで、日本にいながら海外留学さながらの英語漬けの日々を送ることが出来ます。
海外留学の日本版と言っていいでしょう。近年では、高校生向けの留学方法として特に注目を集めています。
おすすめの理由1―費用・時間を抑えられる
海外留学は費用に大きな負担がかかります。現地の生活費や語学学校の授業料などを支払う必要があり、高校生での留学はかなりハードルが高いです。また、国内の大学進学を目指している場合、長期間海外に留学をすることは時間的にも難しいでしょう。
一方、国内留学では国内のため移動費もあまりかからず、海外での生活に比べ生活費も大きく抑えることができます。
学校の休み期間を使って気軽に挑戦することができるため、時間的制約が少ないのも魅力です。土日のみを使い参加するなど、自身に合った留学プランを組むことも可能です。
おすすめの理由2―治安・医療が安心
海外留学に対して、治安に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。現在は海外情勢が複雑であり、どの国も「絶対に安全」とは言い切れないのが現状です。
特に、まだ10代の高校生にとっては、思わぬトラブルや危険に巻き込まれる可能性も少なくありません。
その点、国内での留学には治安面での安心感があります。万が一トラブルが発生した場合でも、言語や文化の壁を感じることなく、すぐに助けを求めることができる環境は大きな安心材料です。
また、国内であれば体調を崩した際にも、すぐに病院を受診することができます。いつもと違う環境にいると、予期せぬ病気やケガに見舞われることも少なくありません。
筆者自身、カナダ留学中に体調を崩してしまいましたが、言語や診療システムの違い、さらには費用面の不安から、病院を受診できなかった経験があります。怪我や病気の際に、速やかに治療を受けられるという点も、国内留学ならではの大きなメリットと言えるでしょう。
おすすめの理由3―交友関係の広がり
留学で得られるのは、英語力だけではありません。普段の生活では出会えないような人々と新たな交友関係を築けることも、大きな魅力のひとつです。
高校生活では、学校と家庭が生活の中心になりがちですが、留学によって新しい環境に身を置くことで、同じ志を持つ仲間と出会う機会が生まれます。
筆者自身も留学を通じて多くの友人と出会い、その経験が自分の視野を大きく広げてくれました。高校生のうちにこうした経験をすることは、世界を広げる大きなきっかけになるはずです。
高校生におすすめの国内留学プログラムとその選び方
国内留学に挑戦してみたいと考えたときは、国内留学プログラムを提供している留学エージェントを活用するのが一般的です。まずは、気になるエージェントの公式サイトやパンフレットをチェックし、自分の目的やスケジュールに合ったプログラムを選んでみましょう。
エージェントによって提供されるプログラムは実に多様で、週末のみの短期集中プログラムや、ホームステイ型、一か月程度の共同生活型など、形式や期間はさまざまです。
特に高校生向けには、長期休暇を利用できる春休み・夏休みのプログラムが多く用意されています。プログラムを選ぶ際は、以下のポイントをしっかりとリサーチすることが重要です。
留学期間
自分のスケジュールに無理なく組み込めるかを確認しましょう。学校の長期休暇を利用できるかどうか、また短期・中期・長期のいずれが適しているかも検討材料になります。
高校生向けに休み期間を利用した国内留学プログラムに参加してみるのもおすすめです。
場所
都市部か地方か、通える距離か宿泊が必要かなど、生活環境も含めてしっかりチェックすることが大切です。
特に高校生におすすめなのが、沖縄や北海道といった人気の観光地での国内留学。非日常的な環境での生活は、英語学習へのモチベーションを高めてくれます。まるで海外にいるかのような新鮮な気持ちで、学びに取り組むことができるでしょう。
さらに、授業の合間や休日には、観光や地域体験も楽しむことができるため、勉強だけでなく思い出づくりの面でも魅力があります。
生活スタイル
ホームステイ型、寮生活型、通学型など生活スタイルもプログラムによって多種多様。自分に合った生活スタイルかどうかを見極めましょう。
国内留学の費用とスケジュール例
実際に国内留学はどのくらいの費用がかかるのでしょうか?具体的なスケジュール例と共にまとめました。
費用
国内留学では、高額な渡航費や、ビザ取得費用はかかりません。そのため、海外留学と比べて大幅に留学費用を抑えることができます。
一般的に、1週間のプログラムで5~8万円、1か月のプログラムで15~20万円程かかります。筆者が留学をしていたカナダでは、寮費だけで1か月で約20万円かかっていたことを考えると、国内留学がいかにコストパフォーマンスに優れているかがよくわかります。
初日スケジュール
初日は自己紹介からスタートします。オリエンテーションは、新しい仲間と親しくなる絶好のチャンス。自分の趣味や、英語を学ぶ目的をしっかりアピールしてみましょう。
自己紹介が終わると、食事や自習の時間を挟みながら、いよいよ授業が始まります。オンラインでのマンツーマンレッスンやグループレッスンを通じて、これからの留学スケジュールに少しずつ慣れていきましょう。
一般スケジュール
こちらは通常スケジュールの一例です。
時間 |
スケジュール例 |
9;00 |
1時間目 会話レッスン(マンツーマン) |
10:00 |
休憩 |
10:15 |
2時間目 文法(グループレッスン) |
11:15 |
休憩 |
11:40 |
3時間目 リスニング(グループレッスン) |
12:40 |
昼食 |
14:00 |
自習 |
15:00 |
4時間目 読解(マンツーマン) |
16:00 |
観光 |
19:00 |
夕食 |
21:00 |
自習 |
23:00 |
就寝 |
本格的に授業が始まると、生活の中心は授業になります。1コマの授業時間は、60~80分程度で、高校の授業に近いスケジュールです。
プログラムによって異なりますが、多くの合宿では、講義と自由時間がバランスよく組み合わされたスケジュールが用意されています。
合宿中は、リーディングやスピーキングなど、さまざまな英語の講義を受けることになります。講義の形式も、マンツーマンやグループレッスンなど多様です。ミニテストが実施される場合もあり、空き時間を有効に使って学習することが大切です。
また、授業と同じくらい大切なのが、規則正しい生活を送ること。授業や食事の時間は決まっているため、体調を整えて講義に臨むようにしましょう。
国内留学のメリットとデメリット
近年広がりを見せる国内留学。高校生が国内留学をする際のメリット、またデメリットは一体何でしょうか?
最大のメリットは、やはり英語力の向上です。国内留学では、海外に渡航せずとも英語を学ぶ環境に身を置くことができ、海外留学と同じような成果を得ることが可能です。英語に自信がなくても大丈夫。
いきなり海外に行くのはハードルが高いという人でも、国内であれば気軽に挑戦をすることができます。中高生は吸収力が高いため、大人に比べて短期間でも英語力の伸びが期待できます。
もちろん、大人や大学生になってから英語を学び始めるのも決して遅くはありませんが、高校生のうちに英語に触れる経験は、その後の学習に大きなプラスとなるでしょう。
また、留学は単に語学力を高めるだけでなく、高校生にとって人間的な成長にもつながるチャンスです。親元を離れ、新しい環境に身を置くことは、大きな挑戦であると同時に、自立心を育むきっかけにもなります。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら過ごす時間は、自分自身を大きく成長させてくれるはずです。
一方で、海外留学ほどグローバルな環境に身を置けないというデメリットもあります。国内合宿に集まるのは主に日本人のため、日本語で意思疎通ができる環境に甘えてしまいがちです。
英語を使う機会が減ってしまった結果、語学スキルを磨くという本来の目的が、ついおろそかになってしまうことも。「グローバルな環境に身を置く」ということは、単にネイティブスピーカーの友人をつくることにとどまりません。
多様なバックグラウンドや文化を持つ人々と交流することで、自分の価値観を大きく広げることができます。国内留学では、こうした環境面で海外留学とまったく同じ体験をすることは難しい部分もあるかもしれません。
また、日本国内で英語学習を行うという観点から見ると、国内留学の費用は比較的高額です。オンライン英会話や市販の英語学習教材など、手頃な手段が多くある中で、「留学」という形式を選ぶことに疑問を感じる人もいるでしょう。
たとえ国内であっても、滞在期間が長くなればそれだけ費用もかさみます。「海外留学と比べれば安価だが、国内の英語学習手段としては高額である」ことに注意が必要です。
まとめ
この記事では、高校生に向けた国内留学の魅力やプログラムの選び方について解説しました。もちろんデメリットもありますが、国内留学は将来的な海外留学を見据えた準備としても非常に有効です。
ぜひ、自分に合ったプランを見つけて国内留学にチャレンジしてみてください。英語力の向上はもちろんのこと、それ以上に人間的にも大きく成長できる貴重な経験となるはずです。

◇経歴
カナダ留学
◇資格
TOEFLiBT 86 (留学前)
◇留学経験
カナダ 8ヶ月
◇海外渡航経験
カナダ(バンクーバー、イエローナイフ、カルガリー、バンフ、ケベック、モントリオール、ハリファックス)、オーストラリア、カタール、ルワンダ(すべて個人旅行)
◇自己紹介
大学の交換留学生として、カナダで国際政治を勉強しています。