オーストラリアは、世界中から留学生が集まる人気の留学先として知られています。特に語学留学では英語力だけでなく、国際的な環境に身を置くことで視野を広げることができる点が魅力です。
シドニー、メルボルン、ブリスベンといった大都市だけでなく、地方都市にも多彩な語学学校があり、費用やコース内容も多岐にわたります。
この記事では、オーストラリアの語学学校のタイプや留学費用、授業内容、アクティビティ、そして学校選びのポイントなどについて詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
オーストラリアの語学学校の3つのタイプと授業コース
オーストラリアで語学留学を考える際、まず押さえておきたいのが「大学付属語学学校」「TAFE附属語学学校や専門学校」「私立語学学校」の3種類の語学学校があることです。
それぞれの特徴や英語コースの内容、キャンパスの雰囲気、留学費用が異なるため、自分の目標や予算に合わせて選ぶことが大切となります。以下では、この3タイプの概要と一般英語コースや大学進学などの主な授業コースについて詳しく見ていきましょう。
大学付属語学学校
大学付属語学学校は、その大学のキャンパス内にある付属語学学校です。大学進学を視野に入れる留学生にとっては、大学の環境を間近で体験できるのが大きなメリットと言えます。
実際に大学の施設を活用できる場合が多く、図書館や学食、学生向けのサポートセンターなどを利用できる点も魅力です。大学留学を目指す人や、よりアカデミックな英語力を身につけたい人には特におすすめです。
また、学校によっては世界的に評価の高い大学の付属語学学校もあり、質の高い教育を受けられます。
大学付属語学学校の主なコースには、一般英語コースに加え、アカデミックイングリッシュ(English for Academic Purposes: EAP)や大学進学を目指すための進学コースが用意されていることが多いです。
EAPコースでは、レポートやプレゼンテーションのスキルを中心に学ぶため、英語力をさらに高めて大学の授業にスムーズに適応できるようになります。
TAFE附属語学学校・専門学校
TAFE(Technical and Further Education)は、オーストラリア政府が運営する職業訓練教育機関です。TAFE附属語学学校は、将来オーストラリアでインターンや就職を考えている留学生や、専門的な技術や資格を狙う人に注目されています。
専門学校としてさまざまなカレッジがあり、語学学校だけでなくビジネスやホスピタリティなどの職業訓練コースも受講できるのが特徴です。
TAFEや専門学校で学ぶ場合、一般英語コースのほかにも、専門分野の英語コースが設けられていることがあります。
例としてホスピタリティ英語やビジネス英語などがあり、学んだ英語をそのまま仕事やインターンに活かすことができます。卒業後に現地での就職や大学進学を狙う場合にも有効な選択肢です。
私立語学学校
私立語学学校は、大学や公立機関に属さない独立系の語学学校です。大都市のシドニーやメルボルン、ブリスベンなどには多くの私立語学学校があり、語学学校一覧を見ると数えきれないほどの選択肢が存在します。
学校によって学生数や国籍バランス、カリキュラム、アクティビティ内容などが大きく異なるため、自分に合った語学学校情報をしっかり集めることが重要です。
私立語学学校では、一般英語コースやIELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検対策など多彩な語学コースが展開されています。
自由度が高い分、英語力アップを重視するコースや、会話重視の授業、アクティビティを豊富に取り入れるプログラムなど、自分の目的に合わせたコースを選べるのがメリットです。
学費や設備の面で大学付属よりも比較的安価になることが多い一方で、学習環境や学校名の認知度に差が出る場合もあるため、慎重に比較検討しましょう。
オーストラリア語学学校の費用
オーストラリアの語学学校に通う留学生が気になるポイントの一つが「費用」です。
留学費用は学校の種類や場所、コースの長さ、英語学校のレベルによって大きく異なりますが、一般的に週あたりの学費は200〜450オーストラリアドル(約1.9万〜4.3万円程度)が目安とされています(※為替レートによって変動します)。
ここでは主に学費と生活費に分けて解説します。
学費
大学付属の英語コースは質が高いことで知られますが、比較的費用が高めになる傾向があります。週300〜450ドル程度が目安になります。よりアカデミックな授業を希望し、将来的に大学進学を検討する学生にはメリットが大きいでしょう。
専門的な教育機関に付属しているため、実践的な英語力を身につけるカリキュラムが特徴です。週250〜400ドル程度が多く、専門コースへスムーズに進学できるメリットもあります。
最も数が多く、シドニー、ブリスベン、メルボルンなどの都市ごとに学校数が豊富です。週200〜350ドルほどの学校も少なくありません。学校によってはキャンペーンや割引を実施している場合もあるので、複数校を比較しやすいメリットがあります。
生活費
学生ビザで滞在する場合、ホームステイやシェアハウス、学生寮などさまざまな選択肢があります。都市部(シドニーやメルボルンなど)は家賃が高めで、週200〜350ドル程度が相場です。ブリスベンなど比較的リーズナブルな地域でも200ドル前後は見込んでおきましょう。
自炊か外食中心かによって差が出ますが、週50〜100ドルほどが一般的な目安です。交通費は月々100ドル前後。メルボルンなどはゾーン制の交通システムを採用しているため、滞在先と学校の距離によって異なります。
語学学校のアクティビティや個人的な旅行、交際費なども考慮する必要があります。留学生活の中でさまざまな交流の機会があるので、余裕をもった予算設計をしておくと良いでしょう。
こうした学費と生活費を合わせると、1か月の滞在で概算20〜30万円程度かかることもあります。長期で語学留学をする場合は、予算に応じて学校の種類や地域、英語コースを選択することが重要です。
語学学校でのクラス内容
語学学校のクラスは、一般英語コースから試験対策、進学準備まで多岐にわたります。自身の語学力や留学目的に合わせて、最適なクラスを選ぶことがポイントです。
一般英語コース
一般英語コースは、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングといった4技能のバランスを重視しながら基礎的な英語力を鍛えます。
レベル分けが細かく行われるため、自分の現在の語学力に合ったクラスで学べるのがメリットです。初級レベルのクラスから上級レベルのクラスまであり、クラスごとに授業内容や教材が異なります。
試験対策コース
IELTSやTOEFL、ケンブリッジ英検などの試験に向けた専門的な対策コースも多くの語学学校で用意されています。英語圏の大学留学を目指す場合は、これらのスコアが必要となるケースが多いです。
試験傾向を踏まえた問題演習だけでなく、ライティングやスピーキングの添削指導など細やかな授業が行われ、短期集中でスコアアップを目指す留学生にもおすすめのコースです。
進学準備コース(EAP)
大学進学や大学付属語学学校の上級クラスへ編入することを目的とした進学準備コース(EAP)は、レポート作成やプレゼンテーションスキルなどアカデミックな内容を中心に学びます。
大学進学には一定の英語力が必要であり、IELTSの目標スコアが設定されていることも多いため、より高度なライティングやリスニング力を磨く授業が展開されます。
ビジネス英語コース・専門英語コース
ビジネス英語やホスピタリティなど、特定分野に特化した語学コースを設けている学校もあります。
オーストラリアでのインターンや就職を視野に入れる学生には非常に有益で、実践的なコミュニケーションスキルや専門用語を学べます。ブリスベン校やシドニー、メルボルンの英語学校でもこうした専門コースを提供しているところが多く、キャリアアップや将来の進学に役立ちます。
語学学校のアクティビティ
語学学校では、単に英語の授業を受けるだけでなく、クラス外でのアクティビティや交流イベントも重要です。
オーストラリアならではの大自然や多文化環境を活かしたアクティビティに参加することで、留学生同士の交流が深まり、英語のアウトプットの機会が増えます。
校内イベント
多国籍パーティーやランチ会など、留学生が集まって文化交流を楽しむイベントが定期的に開催されます。
こうした催しは人脈を広げるチャンスでもあるため、ぜひ積極的に参加して語学力だけでなくコミュニケーション能力を鍛えましょう。
校外アクティビティ
ビーチでのサーフィン体験、動物園や美術館の訪問、郊外への小旅行など多彩なアクティビティを用意している学校もあります。
シドニーのオペラハウス見学やメルボルンのカフェ巡り、ブリスベン近郊の自然公園散策など、都市ごとの特徴を活かした企画が人気です。
ボランティア・インターンシップ
語学学校によっては、現地企業や団体との連携でインターンやボランティアプログラムを紹介してくれるところもあります。これによってリアルな職場環境に触れ、実践的な英語力を高めることが可能です。
将来的にオーストラリアで就職を考えている方や、大学留学だけでなく実務経験を積みたい方には特におすすめです。
アクティビティに参加すると、クラスでは学べない日常表現や現地文化を体験できるため、留学生活をより充実させる重要な要素となります。
語学学校の選び方
オーストラリアには多くの語学学校が存在し、初めての留学であれば迷うのも当然です。以下のポイントを押さえて学校を比較検討することで、自分に合った留学先を見つけやすくなるでしょう。
1.目的とコース内容の確認
大学進学を目指すのか、一般英語コースで会話力を伸ばすのか、試験対策をしたいのかなど目的を明確にしましょう。
大学付属語学学校、TAFE附属語学学校、私立語学学校のいずれが最適かを判断するうえでも、コースの特徴を調べることは大切です。
2.立地と都市の特徴
シドニーは国際色豊かで企業も多く、インターン探しに適している一方、物価が高い傾向があります。メルボルンはカフェ文化や芸術が盛んで、個性的なライフスタイルを楽しめる都市です。
ブリスベンは比較的温暖な気候とリーズナブルな生活費が魅力で、自然との調和を感じながら留学生活を送りたい方におすすめと言えます。
3.学費・留学費用
大学付属語学学校は学費が高めですが、施設や教育品質に定評があります。
私立語学学校は費用面が比較的安く、コースのバリエーションや語学学校一覧の幅が広いです。留学期間や予算に合わせて、学費だけでなく生活費も含めたトータルの費用を検討しましょう。
4.クラスの規模・国籍バランス
大人数クラスが良いか、少人数クラスでみっちり学びたいか、または欧米からの留学生が多い環境が良いか、アジア系が多い環境でも大丈夫かなど、自分の性格や目的に合った環境を選ぶことが大切です。
5.サポート体制
例えば学生ビザやアルバイトの探し方、健康保険(OSHC)の手続きなど、留学生を支援してくれるサービスが充実しているかをチェックしましょう。
特に初めての海外生活では、困りごとに対応してくれるスタッフの存在は大きな安心材料となります。
6.学校名や評判、卒業生の口コミ
実際にその語学学校やカレッジを卒業した留学生の声を調べるのも有効です。ネット上には語学学校情報や語学学校一覧もあるため、評判や口コミを参考にして自分に合った学校を絞り込みましょう。
まとめ
オーストラリアの語学学校は、大学付属語学学校やTAFE附属語学学校、私立語学学校など多様な選択肢があり、それぞれ授業やキャンパス、費用、進学やインターンのサポート体制が異なります。
シドニーやメルボルン、ブリスベンといった都市の特徴も考慮に入れながら、英語力を効果的に伸ばせる英語コースやアクティビティを備えた学校を選ぶことが大切です。自分の目標と生活スタイルに合った学校を見つけ、充実した留学生活を送りましょう。

◇経歴
サラリーマン時代のヨーロッパ駐在時に約4年間とその前後数年間
◇資格
電気工学英文翻訳講座終了
◇留学経験
なし
◇海外渡航経験
ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、イギリス、中国にて
新規工場立ち上げ、及び海外安全規格取得など
◇自己紹介
国立高専卒業後、産業機器メーカー在職中にベルギー工場及びフランス工場立ち上げのため、約4年間のヨーロッパ滞在経験があります。
2007年に脱サラし、現在はブロガーやウェブライターとして生計を立てています。
海外顧客との打ち合わせが必要なため、趣味と実益を兼ねて断続的に
オンライン英会話を利用しています。
時間がある時は、リスニングスキル向上のために海外ドラマを
観るように心がけています。