海外に渡航する際、頭を悩ませるのがコンセント問題。国によってコンセントの形状や電圧も様々なため、手持ちの電化製品が使用できるか不安に感じる方も多いのでは?
この記事では、カナダに留学中の筆者がカナダのコンセントや変圧器、充電事情について解説しています。また、外出中に充電可能な場所についてもまとめているので、カナダへの渡航を予定されている方はぜひ参考にしてください。
カナダのコンセント形状
コンセントの形状やピンの配置は国によって異なっており、いくつかのタイプに分類されています。異なるタイプのコンセントを使用する場合に、電化製品を適合させる役割をするのが変換プラグです。
では、カナダと日本のコンセントはどのように異なるのでしょうか。コンセント形状や、カナダ滞在での変換プラグの必要性についてまとめました。
カナダのコンセント形状
日本のコンセントは平行の2つ穴が特徴のAタイプです。そして基本的には、カナダのコンセントも同じAタイプに分類されます。
カナダのコンセントは3つ穴になっており少し見た目は異なっていますが、電源プラグの差し込みには問題ありません。コンセントの形状上は、カナダでも日本の製品を使用することができます。
変換プラグの必要性
上述の通り、カナダと日本は同じAタイプのコンセント形状なので、基本的には変換プラグを持ってくる必要はないでしょう。筆者は留学に変換プラグを持参しましたが、今までのところ使用する機会はありませんでした。
渡航中に他国に旅行する可能性がある方や、万が一に備えておきたい方は、持参しておくことをおすすめします。
ちなみにアメリカの電圧は、カナダと同じ120Vです。カナダ・アメリカ旅行を予定している方は、変換プラグは必要ありません。
カナダのコンセントの配置は異なる
コンセントの形状は日本と同一ですが、コンセントの設置のされ方が日本とやや異なっていることがあります。
例えば、日本では複数のコンセント(2口タイプのコンセントなど)が上下に配置されるのが一般的です。一方で、カナダでは同じ2口タイプのコンセントが横に配置されていることが多く、これによって差し込む向きが日本とは異なる場合があります。
寮のコンセント
他にも、日本と比べてコンセントの設置場所が高めに設定されていることがあります。
筆者が住んでいる寮ではコンセントがベッド照明の上に設置されていたため、長い充電コードを買い直す必要がありました。こうした違いは充電や電化製品使用に特に影響はありませんが、使い勝手の違いを感じることもあるでしょう。
GFCIコンセントの存在
カナダではGFCIコンセントという漏電遮断装置を搭載したコンセントが使用されている場合があります。浴室や洗面所など、湿気の多い場所での安全性を高めるために広く使用されています。
カナダの電圧
日本の電化製品を持っていくうえで、重要になってくるのが電圧のチェックです。国によって電圧が異なるため、電圧が合わない製品はその国では使用することができません。
日本とカナダの電圧の違いや、注意点については以下の通りです。
カナダと日本の電圧の違い
カナダの電圧は100~120Vです。一方、日本の電圧は100Vのため、カナダの方が電圧は10~20Vほど高くなっています。多少の違いに見えますが、電圧が合わない製品を無理に使うと煙の発生や故障の原因になります。
電化製品を持っていく際は、対応電圧をしっかりと確認するようにしましょう。
電圧の確認方法
電化製品の電圧を確認する際は、電化製品本体か仕様書をチェックします。万が一本体に電圧の記載がなく、仕様書が見つからない場合は、公式のウェブサイト等をチェックしてみると良いでしょう。
「100V」と書かれているものは、日本の電圧に合わせて作られている製品なので、カナダで使用することはできません。
新しく海外用に製品を購入していく際は、カナダの電圧に対応しているかを購入前に確認しておきましょう。
100V~120V、または100V~240Vなどと表記されているものは、カナダ電圧に対応しているため問題なく使用できます。
カナダで日本の製品を使う際の注意点
日本では問題なく使えていた製品でも、海外ではうまく動作しない場合があります。
原因は劣化や動作不良など様々ですが、日本にいるときと同じように使えるとは限らないことに注意しましょう。
また高電力の電化製品を組み合わせると、コンセントが故障してしまう危険性も。実際に、私の友人はヒーターとドライヤーを同じコンセントで使用し、コンセントの故障を起こしてしまっていました。
海外では修理手続きがスムーズにいかない場合も多く、修理費も高額になりかねません。きちんと電圧を確認したうえで、高電力の製品を同時に使わないなどの意識を持つことが大切です。
変圧器が必要な場合・必要ない場合
カナダではどのようなときに変圧器が必要になるでしょうか。渡航で持っていく可能性の高い製品についてまとめました。
100V専用の電圧はそのまま使用できない
製品の電圧が100Vであった場合、その製品はカナダでそのまま使用することはできません。
特に、ドライヤーや電気ケトルなどの電化製品は海外対応ではない場合が多いです。こうした製品を使用する際は、変圧器を持参する必要があるでしょう。
100V~240V対応は使用できる場合も
最近では海外対応の電化製品も増えているため、あらかじめ製品が「100V~240V対応」となっているかを確認しておけば、変圧器なしでも使用できる場合もあります。
実際に、筆者は海外対応のドライヤーとヘアアイロンを留学に持参しました。どちらも現在まで問題なく使用できています。
こちらは筆者が日本で使用していたドライヤーの電圧表示です。AC100V表記のため、変圧器を使わずにカナダで使用することはできません。
スマホやパソコン充電器の電圧
スマホやパソコンの充電器は、ほとんどが100V~240Vに対応しています。
カナダの電圧にも対応可能のため、変圧器なしでそのまま使用することができます。充電器類は日常でも頻繁に使用するものなので、あらかじめ対応電圧を確認しておくと安心です。
モバイルバッテリーの電圧
旅の必需品であるモバイルバッテリー。モバイルバッテリーの電圧も、通常100V~240V対応の範囲に対応しているため、変圧器を持参する必要はないでしょう。
ただし、モバイルバッテリーは製品によっては充電中に発熱してしまうことがあります。変圧器が不要だとしても、海外でも問題なく使用できるとは限らないことに注意しましょう。
カナダに変圧器を忘れてしまった場合
旅行や留学で渡航した際、変圧器を忘れてしまった場合はどうすればいいでしょうか。
基本的には購入の必要なし
上述の通り、カナダで変圧器が必要なケースは非常に限られています。
基本的にスマートフォンなどの充電に変圧器は必要ないため、短期の旅行などの際は忘れてもあまり問題はありません。日本電圧対応の電化製品を使いたい場合にのみ、変圧器が必要になると考えて良いでしょう。筆者は海外対応の製品だけを持参したため、変圧器は持ってきていません。
変圧器を現地で購入する
変圧器が必要になった際、最も簡単なのは現地で購入することです。カナダの家電量販店や、空港で変圧器を購入することができます。オンラインストアなどを利用すれば、店舗よりも商品を安く購入することも可能です。
用途や緊急性に応じて、購入を検討してみてください。
ホテルなどの貸出を問い合わせる
ホテルによっては変圧器や変換プラグを貸し出している場合があります。旅行などでホテルに滞在する際は、購入前に確認してみるといいでしょう。
カナダの電圧対応製品を購入する
変圧器ではなく、カナダの電圧対応の製品を購入してしまうのも有効です。
海外で変圧器購入に安全性の懸念を感じる方も多いでしょう。現地で直接電化製品を買ってしまえば、電圧によって使えないリスクはありません。海外対応の製品はその後の旅行などでも重宝します。
日常的に使用する電化製品として考えられるのはドライヤーですが、普通のドラッグストアでも3,000~5,000円ほどで売られています。
カナダで外出中に充電できる場所
外出するとき心配なのがスマートフォンの充電切れ。特に、旅行中は調べものやルート検索でいつもより多く充電を消費してしまいます。
カナダでは、日本のような充電シェアサービスはあまり普及していません。外出中にスマートフォンの充電がなくなった際は、充電可能なスペースを見つける必要があります。
カフェ
スターバックスやTim Hortonsなどの大手カフェチェーンでは、ほとんどの店舗でコンセントを利用することができます。
移動の合間などに落ち着いて充電をするのに最適です。特にTim Hortonsはカナダの定番カフェのため、お土産探しや観光にもぴったりです。充電を兼ねてぜひ立ち寄ってみてください。
公共図書館
多くのカナダの公共図書館は、旅行者にも開放されています。
また、ダウンタウンに位置していることが多いので、観光の際に簡単に立ち寄ることができます。カナダの図書館はイベントやスタディスペースも充実しており、日本よりも開放的な空間になっています。充電が完了したら、図書館内を散策してみるのもおすすめです。
空港
大きな空港であれば、空港内の至る所に充電スポットが設置されています。
空港間の移動や飛行機の搭乗を待つ際など、隙間時間を利用して充電することができるでしょう。観光前に空港で充電を完了してから出かけるのも有用です。
大型ショッピングモール
大きな商業施設のフードコートなどでも、コンセントを利用できる場合があります。
ただし、設置されているかどうかは施設によって異なるため、事前にウェブサイトなどで情報を調べておくと良いでしょう。
まとめ
カナダと日本は同じコンセント形状のため、コンセントの変換プラグを持参する必要はありません。
一方で、カナダの電圧は日本よりも高く、持参する電化製品によっては変圧器が必要になります。
製品の仕様書や、記載されている対応電圧を事前にチェックしておくことで、渡航後の余計なトラブルを避けることができます。
しっかりと準備を整えて、カナダ滞在中も安全に電化製品を使用できるようにしましょう。