移住や留学先として人気があるカナダの都市。今回は、カナダの主な都市の特徴や各都市おすすめの観光スポットを解説していきます。
都市ごとにどんな特徴があるのかをまず知ることで、自分の条件や目的に合う場所が探しやすくなります。ぜひカナダ都市選びの参考にしてみてください。
カナダの地域区分
カナダは、10の州と3つの準州で成り立つ国です。州と準州の違いは、連邦政府との関係にあります。州政府と連邦政府は対等の関係にあり、広い自治権をもっています。一方で準州は、連邦政府のコントロールの下で自治権が認められています。
カナダの地域区分表
カナダの州と州都を一覧にまとめたのが下の表です。
州の名前 | 州都 |
アルバータ州 | エドモントン |
ブリティッシュコロンビア州 | ビクトリア |
マニトバ州 | ウィニペグ |
ニューブランズウィック州 | フレデリクトン |
ニューファンドランド・ラブラドール州 | セントジョンズ |
ノバ・スコシア州 | ハリファックス |
オンタリオ州 | トロント |
プリンス・エドワード島州 | シャーロットタウン |
ケベック州 | ケベックシティ |
サスカチュワン州 | レジャイナ |
ノースウエスト準州 | イエローナイフ |
ヌナブト準州 | イカルイト |
ユーコン準州 | ホワイトホース |
国土が広いため、州によって気候や文化、時差も違ってきます。
カナダの主要都市の名前と人口
カナダの主要都市の一覧です。
都市 | 人口(概算) | 所在地 |
バンクーバー ※メトロバンクーバー全体 |
約260万人 | ブリティッシュコロンビア州 |
トロント | 約640万人 | オンタリオ州 |
モントリオール | 約430万人 | ケベック州 |
ビクトリア | 約30万人 | ブリティッシュコロンビア州 |
カルガリー | 約150万人 | アルバータ州 |
カナダ最大の都市であるトロントは、主要都市の中でも圧倒的に人口が多いですね。 英経済誌エコノミストの調査部門が毎年行っている「世界で最も住みやすい都市ランキング」の2024年版では、カナダの都市が3つもランクインしました。
7位 バンクーバー
12位 トロント
次の章からは、カナダの主要都市ごとの特徴や人気の観光スポットをくわしくご紹介していきます。
カナダの主な都市:バンクーバーの特徴と主な観光スポット
バンクーバーの特徴
バンクーバーはブリティッシュコロンビア州に属しています。カナダ第3の都市です。 カナダの太平洋岸に位置し、大都会なのに自然も豊かな美しい街であることが特徴です。
バンクーバーはトロントと同じく移民が多く、多様な文化が混ざり合う国際都市。アジアからの玄関口でもあるため、特にアジア系の移民が多くいます。
世界で最も住みやすい都市ランキングに、何度も上位ランクインしているバンクーバー。自然と都市の融合・温暖な気候・多文化・治安の良さなどの魅力が理由といえます。
バンクーバーの基本情報
気候
カナダの中ではかなり温暖で、1年を通して過ごしやすい気候です。 夏の最高気温はだいたい20〜25度で乾燥していています。寒い冬のイメージが強いカナダですが、バンクーバーでは冬でも最低気温がマイナスになることは少なく、雪もほとんど降りません。
日本との時差
-17時間(サマータイム中は-16時間)
街の交通
バス・スカイトレイン(電車)・シーバス(フェリー)の3つがメインの公共交通機関となっています。
バンクーバーの観光スポット
スタンレーパーク
都市の中に位置する広大な公園でバンクーバーのシンボル的な存在です。先住民によって作られたトーテムポールがある一角や、シーウォールという海沿いの歩行者と自転車専用路など、見どころがたくさんあります。
キャピラノ吊り橋
全長137m、高さ約70mの長い吊り橋をわたる空中散歩はスリル満点!自然の雄大さを体感できる場所が、市内からバスでわずか20分ほどの距離にあることにも驚きです。
ギャスタウン
19世紀末から20世紀前半にかけての歴史的な雰囲気が残るバンクーバー最古のエリア。ギャスタウンのシンボルともいえる蒸気時計の汽笛の音をぜひ聞いてみてください。
ロブソン・ストリート
大型デパートや高級ブランドショップ、おしゃれなカフェが並ぶにぎやかな通り。
カナダの主な都市:トロントの特徴と主な観光スポット
トロントの特徴
トロントはオンタリオ州に属しています。カナダ経済の中心地であり、カナダ最大の都市でもあります。
トロントの特徴のひとつは、移民が多く国際色豊かな多文化社会である点です。各国のコミュニティタウンが多く、トロントにいながらさまざまな文化を感じられますよ。他文化が理解されやすいため、留学先として人気があるのも納得できます。高層ビル群が立ち並ぶ近代的な街でありながら、歴史的な建物や緑豊かな公園も数多くあるバランスの取れた都市です。
トロントの基本情報
気候
夏は30℃近くの真夏日が続く一方で、冬は氷点下まで気温が下がり、雪が降る日も多い厳しい寒さです。
日本との時差
-14時間(サマータイム中は-13時間)
街の交通
カナダ最大の都市であるトロントの公共交通機関は発達していて、TTCが運行する地下鉄・バス・路面電車がメインとなっています。
トロントの観光スポット
CNタワー
トロントのシンボル的な存在。553.3mの高さがあるため、街を歩いていると常にCNタワーが見えるのもトロントの日常風景です。展望台からは市街を一望できます。
ロイヤルオンタリオ博物館
世界中から集められた貴重なコレクションを所蔵する博物館です。恐竜の骨格標本や古代エジプトのミイラなど、見どころ満載。アート好きならぜひ行ってみたいスポットです。
カサ・ロマ
20世紀初頭に建てられたカナダの大富豪ヘンリー・ミル・ペラットの大豪邸です。広大な庭園や豪華な内装を見学できます。
ディスティラリー・ディストリクト
昔蒸留所があった場所に、おしゃれなレストランやショップが立ち並ぶエリア。赤レンガ造りの建物でフォトジェニックな場所でもあります。
ナイアガラの滝
トロントからナイアガラの滝へは、日帰りで行くことができます。世界三大瀑布の1つだけあって、その雄大なスケールに圧倒されることでしょう。
カナダの主な都市:モントリオールの特徴と主な観光スポット
モントリオールの特徴
モントリオールはカナダ東部のケベック州に属しています。トロントに次ぐ第2の都市です。セントローレンス川沿いに位置し、アメリカ合衆国との国境や、カナダのオンタリオ州との州境に近い都市です。
ケベック州の公用語は「フランス語」。そのため、ケベック州の標識はフランス語表記となっています。モントリオールは人口の約60%がフランス系カナダ人で、英語もフランス語も話すバイリンガル都市としても有名です。
「北米のパリ」とも呼ばれるモントリオールは、フランス統治時代の雰囲気が色濃く残る美しい街。カナダの他の都市では味わえない独特の魅力があります。また芸術の街としても有名なので、アートに興味のある方にはとても刺激的な街でしょう。
モントリオールの基本情報
気候
夏は暑く、冬は非常に寒いです。夏は30℃を超える日もあり、湿度も高く日本に似た気候。冬の寒さは厳しく雪も多く降り、マイナス10℃以下になる日もあります。
日本との時差
-14時間(サマータイム中は-13時間)
街の交通
STM(モントリオール交通公社)が運行するメトロ(地下鉄)とバスがメインの交通機関です。
モントリオールの観光スポット
旧市街(オールドモントリオール)
セントローレンス川沿いに広がる石畳の道や歴史的な建物が立ち並ぶ美しいエリアです。モントリオールの古い街並みを堪能できます。
ノートルダム大聖堂
旧市街にあるネオゴシック様式の美しい大聖堂です。モントリオールのシンボル的な存在。荘厳でゴージャスな内装は一見の価値ありです。
モン・ロワイヤル公園
市街地を見渡せる丘の上にある公園です。散歩道や展望台があり、都会の喧騒から離れてリラックスできます。
モントリオール美術館
1879年に開館したカナダで最も古い美術館です。絵画・彫刻・版画や写真など4万点以上のコレクションが展示されています。
モントリオール地下街
世界最大級の地下街で、ショッピングモールやレストランなどが数多くあります。寒くてもお天気が悪くても楽しめます。
カナダの主な都市:ビクトリアの特徴と主な観光スポット
ビクトリアの特徴
ビクトリアは、ブリティッシュコロンビア州南端のバンクーバー島に位置しています。 三方を海に囲まれているビクトリアは、ブリティッシュコロンビア州の州都です。イギリスの伝統をそのまま受け継ぐ美しい街並みで有名な都市。フェリーでバンクーバー島へ渡ることもできます。
ビクトリアの基本情報
気候
カナダの中でも特に温暖な気候で知られています。カナダの他の都市と比べると、冬は比較的暖かく降雪量も少ないです。夏の気温は15℃~25℃くらいで、日差しも強くアウトドアを楽しむのに最適!
そんな穏やかで過ごしやすい気候のため、カナダ人もビクトリアを憧れの地として挙げることが多いのだそう。
時差
-17時間(サマータイム中は-16時間)
街の交通
街の交通はバスがメインです。ビクトリア市内を網羅するバス路線が多く運行されています。 カナダの他の大都市と比べると規模は小さいですが、観光客が快適に移動できるように整備されています。 また、ビクトリア島とバンクーバー島の間を結ぶフェリーも運航されています。
ビクトリアの観光スポット
インナー・ハーバー
フェリーの発着地であり、観光客が集まるにぎやかな場所。高級ホテルとして知られアフタヌーンティーも楽しめるフェアモント・エンプレス・ホテルや、ロマネスク様式の美しい建物の州議事堂など、歴史的な建物が立ち並ぶ美しい港です。
ロイヤル・ブリティッシュ・コロンビア博物館
ブリティッシュコロンビア州の先住民文化や自然史に関する展示が充実しています。ビクトリアの歴史や豊かな自然について興味のある方はぜひ訪れてみてください。
ブッチャート・ガーデン
ビクトリアを代表する観光スポットであり、世界的にも有名な庭園です。ローズガーデン、日本庭園、イタリアンガーデンなどさまざまな庭園があり、四季折々の花が楽しめます。特にローズガーデンの美しさは圧巻です。
クレイダーロック城
炭鉱王のロバート・ダンズミュアが妻のために建てた大邸宅で1890年に完成しました。ビクトリア様式の古城のような外観が特徴的な建物で、現在は博物館として公開されています。
カナダの主な都市:カルガリーの特徴と主な観光スポット
カルガリーの特徴
カルガリーはアルバータ州の南部に位置しています。アルバータ州の経済の中心地であり、1988年冬季オリンピック会場になったことでも有名です。ロッキー山脈のふもとにあり、大自然とアウトドアを楽しみたい方には魅力的な場所です。
カウボーイ文化が根付いていて「Cowtown(カウタウン)」の異名を持っているカルガリー。毎年7月には「カルガリー・スタンピード」というカナダ最大のカウボーイの祭典が開催されています。
またアルバータ州では州税がかからず、支払うのは物品税の5%のみ。そのため他の州に比べて物価が安く、生活費用がおさえられるのが魅力的です。
カルガリーの基本情報
気候
夏と冬の気温差が非常に大きいカルガリー。湿度が低く、空気が乾燥しています。夏は30度を超える日がある一方で、冬はマイナス20度を下回る日もあり雪もたくさん降ります。厳しい寒さの冬ですが、ウィンタースポーツが好きな方には魅力的な場所でもあります。
日本との時差
-16時間(サマータイム中は-15時間)
街の交通
主な交通手段は、ライトレール(Cトレイン)とバス。ライトレール(Cトレイン)は市内の主要な交通機関です。レッドラインとブルーラインの2つの路線があり、市内や主要な観光スポットを結んでいます。バスはCトレインの路線を補うように、市内各地を網羅しています。バス停も非常に多く、目的地までスムーズに移動できますよ。
カルガリーの観光スポット
カルガリータワー
カルガリーの街を一望できる展望台。はるか遠くのロッキー山脈も見ることができます。特に夜景は美しく、ロマンチックな雰囲気を味わえます。
カナダオリンピック公園
1988年の冬季オリンピックのメイン会場として使われた場所で、現在は博物館とアクティビティが楽しめる施設があります。冬はスキーやスノーボードなど、夏はサイクリングやジップラインなど様々なアクティビティを体験できますよ。
カルガリー動物園
カナダで2番目に大きい動物園で、1200種類以上の動物が飼育されています。広大な園内は7つのゾーンに分かれています。日本では見たことのないような珍しい動物にも出会えるでしょう。
プリンス・アイランドパーク
市内中心部を流れる川の中洲にあるのどかな公園です。年間を通してさまざまなイベントが行われていて、冬には屋外スケートリンクも開かれたりと季節限定のアクティビティも楽しめます。
バンフ
バンフ国立公園は、雄大なロッキー山脈を満喫できる場所です。カルガリー市内から車で約1時間半で行ける距離なので、ぜひ一度は訪れてみたいですね。
カナダの都市選びのポイント
語学の勉強や生活をする上で、都市選びはとても重要なポイントです。どの都市を選ぶかによって、あなたの留学・移住生活の快適さが変わってきます。ゆずれない条件や優先順位を考えてみると、カナダのどの都市が自分に合うかのヒントになるでしょう。例えば以下のようなポイントで考えてみるのはいかがでしょうか。
気候
寒すぎるのが苦手な方は、カナダの中では温暖なバンクーバーやビクトリアなどを選んだ方が過ごしやすいでしょう。
都市の規模感
人によって生活しやすいと思う街の雰囲気は違ってきますよね。
「大都会でショッピングやエンタメも楽しみたい」
「都会すぎず、わりと落ち着いた雰囲気の街が好み」
「人が多すぎるごみごみした所は苦手」など。
今までの生活を振り返ってみて、「どんな場所や雰囲気が心地いいと感じるか?」思い出してみるのもいいでしょう。
日本人の数
留学先として人気のトロントやバンクーバーは、やはり日本人の数も多い傾向があります。日本人が少ない場所で勉強したい・生活したいと思う気持ちが強いならば、カルガリーやビクトリアなどが候補に上がってきます。
英語の勉強以外に何がしたいか?
語学の勉強以外にやりたいことはありますか?例えば、
「スキーやスノボ、ハイキングなどアウトドアを思いっきり楽しみたい」
「観光スポットが多いところがいい」
「さまざまな人種が住む国際都市で異文化を感じながら生活したい」
「フランス文化やフランス語にも興味がある」
興味のあることができる都市を選ぶと、より楽しいカナダライフが送れるのではないでしょうか。
まとめ
国土面積の広いカナダは、10の州と3つの準州に分かれています。
この記事では、カナダの主要都市であるバンクーバー、トロント、モントリオール、ビクトリア、カルガリーがどんな都市なのか?をご紹介しました。カナダの各都市には観光スポットも多くあり、独自の文化が根付いています。
ご自分の条件に合うカナダの都市を選んで、より良い留学・移住生活が送れることを願っております。