スコットランドを訪れるなら、まずチェックしておきたい観光スポットがエディンバラ城です。
この城は、スコットランドの歴史、文化、そしてロマンチックな風景が詰まった象徴的な存在です。さらには『ハリー・ポッター』シリーズの聖地とも言われ、多くの観光客を惹きつけています。
今回は、エディンバラ城の魅力や歴史、日本からの行き方、チケット情報、見どころ、さらにスコットランドで楽しむ城めぐりまで、たっぷりとご紹介します!
エディンバラ城の歴史と日本からの行き方
エディンバラ城の歴史
エディンバラ城は、スコットランドの首都エディンバラの中心部に位置し、火山の噴火によって形成された「キャッスルロック」という岩山の上にそびえ立っています。
この岩山は約200万年前から存在し、自然が作り出した急勾配の防壁と360度の広い視界を兼ね備えた地形から、城の防衛拠点として理想的な立地となりました。この特徴を活かし、エディンバラ城は中世から近代にかけて、スコットランドで最も重要な要塞の一つとして利用されてきました。
歴史を遡ると、紀元前600年ごろにはすでにこの地に人々が居住していた記録が残っています。城そのものの建設は11世紀に始まり、スコットランド王室の居城や軍事拠点として機能しました。特に14世紀には、イングランドとの独立戦争の中心地として活躍し、スコットランドの自由を求める戦いの象徴ともなりました。
現在のエディンバラ城は、壮大な歴史と美しい景観を肌で感じられるランドマークとなっています。
日本からの行き方
日本からエディンバラへのアクセスは以下の通りです。
1.航空便を利用
・日本(東京や大阪)からロンドン・ヒースロー空港やアムステルダムなどの主要ヨーロッパ都市を経由して、エディンバラ空港へ向かいます。
・所要時間は経由地によりますが、最短で約14~16時間です。
2.エディンバラ空港から市内へ
・路線バス:「Airlink 100」バスは市内中心部のプリンシズストリートまで約30分で到着します。
・タクシー:空港からエディンバラ城まで直接向かう場合、タクシーで約25分ほど。
・トラム:エディンバラ空港から市内中心部までスムーズにアクセスできます。
3.ロンドンからエディンバラへの移動
・ロンドンから鉄道(LNER)を利用すると約4時間半でエディンバラに到着します。風景を楽しみながら、快適に過ごすことができます。
エディンバラ城のチケットの買い方
エディンバラ城のチケットの購入方法は、事前予約がおすすめです。当日は多くの観光客で混雑するため、オンラインでの購入が効率的です。
1.公式サイトで購入
・エディンバラ城の公式ウェブサイトから購入ができます。通常チケットの価格は約19.50ポンド(約3,000円)。家族向け割引やガイド付きツアーも選べるので要チェックです。
2.旅行代理店やツアーサイトを利用
・HISやViator、GetYourGuideなどの旅行代理店を利用することで、日本語ガイド付きツアーやセットプランを手配できます。
3.当日券の購入
・現地でもチケットブースで購入できます。ただし、人気シーズンには売り切れることもあるため、注意が必要です。
4.チケットの種類
・通常入場券:城内の博物館やメインホールを見学できます。
・ガイドツアーチケット:詳しい解説付きで城内を巡ることができます。
エディンバラ城の見どころ
堅牢な石造りの壁で囲まれ、要塞として独特の存在感を放つエディンバラ城。城の建築には地元で採れる石が使用され、自然の地形を活かして築かれています。そのため、城の壁はキャッスルロックの岩盤と一体化しているように見え、地形と調和した独特の美しさを持っています。
1.メインゲートとエスプラネード
エディンバラ城の入り口にある広場「エスプラネード」では、毎年8月に「ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」が開催されます。世界中の軍楽隊やパフォーマーが集結し、音楽やダンス、伝統文化を披露するもので、スコットランド最大級の観光イベントの一つです。
2.王宮と王冠の宝物
城内にはスコットランドの王室の遺産である「スコットランドの王冠」と「命の石(スコーンの石)」が展示されています。歴史的な価値が高く、多くの観光客が訪れます。
3.聖マーガレット礼拝堂
城内最古の建物である「聖マーガレット礼拝堂」は、12世紀に建てられました。スコットランド王デイヴィッド1世によって、彼の母であるマーガレット女王(セント・マーガレット)を記念して建設されたため、この名前が付けられています。
シンプルながらも優美なロマネスク様式で設計され、厚い石造りの壁とアーチ状の窓が特徴的です。
4.戦争博物館とモニュメント
エディンバラ城には、スコットランドの戦争の歴史を記念した博物館やモニュメントが多数存在しています。過去の戦争にまつわる貴重な展示品を通して歴史を学ぶことができます。
エディンバラ城とハリー・ポッター
エディンバラ城は、ハリー・ポッターの作者であるJ.K.ローリングが執筆活動を行ったエディンバラの街に位置しています。エディンバラ城そのものが作中の舞台になったわけではありませんが、街全体が彼女のインスピレーションの源となりました。
例えば、ホグワーツ魔法学校の雰囲気を思わせる場所として、エディンバラ城やその周辺の街並みが挙げられます。また、エディンバラ市内には、ローリングが原稿を書いたとされるカフェやゆかりの地が点在しており、ファンにとっては聖地巡礼にぴったりの場所です。
1.エレファント・ハウス(The Elephant House)
エレファント・ハウスは「ハリー・ポッター」シリーズの執筆が行われたカフェとして有名で、ロイヤルマイルから徒歩約10分の場所にあります。J.K.ローリングが若き日の多くの時間をこのカフェで過ごし、物語の構想を練ったと言われています。
店内には「ハリー・ポッター」に関する記念品や写真が飾られています。窓からはエディンバラ城が見え、ホグワーツのインスピレーションを得たとも言われる絶景が楽しめます。
2.グレイフライアーズ教会墓地(Greyfriars Kirkyard)
この墓地は、ロイヤルマイルから徒歩約5分の場所にあり、「ハリー・ポッター」の登場キャラクターの名前の由来となった墓石が複数存在します。有名なのは、「トム・リドル」の名前が刻まれた墓石です。トム・リドルといえば、ヴォルデモートの本名として知られていますね。
墓地内を散策すると、他にもキャラクター名のヒントとなった名前を発見することができます。
3.バルモラル・ホテル(The Balmoral Hotel)
この高級ホテルのスイートルーム「552号室」は、J.K.ローリングが『ハリー・ポッターと死の秘宝』を完成させた場所です。部屋には彼女のサインが残されており、現在は「J.K.ローリング・スイート」として知られています。
ロビーや部屋の壁にはローリングの執筆活動を記念するプレートが飾られています。宿泊者のみアクセス可能ですが、外観だけでもその歴史を感じることができます。
エディンバラ駅(Waverley Station)のすぐ隣にあるので、宿泊場所の選択肢としてもおすすめです。
4.ビクトリア・ストリート(Victoria Street)
ビクトリア・ストリートは、カラフルで曲がりくねった通りで、『ハリー・ポッター』シリーズに登場する「ダイアゴン横丁」のモデルになったと言われています。通り沿いには魔法使いの雑貨店のような雰囲気を持つお店が並んでいます。
おしゃれなカフェやギフトショップが並ぶ中、『ハリー・ポッター』関連グッズを扱う店舗もあるので、ファンには見逃せないスポットです。
ロイヤルマイルから徒歩約5分の場所にあります。
エディンバラ観光のおすすめスポット
「エディンバラの旧市街と新市街(Old and New Towns of Edinburgh)」は、1995年に世界遺産に登録されており、歴史的に価値のあるエリアです。ここでは、エディンバラ城を訪れるついでに、ぜひ訪れて欲しい観光スポットを紹介します。
ロイヤル・マイル (The Royal Mile)
エディンバラ城からホリールード宮殿まで約1.8km続く通り「ロイヤルマイル」は、エディンバラの観光の中心地です。大道芸やストリートパフォーマンスが至る所で見られ、エディンバラの活気を体感できます。
中世からの石畳の道沿いには、カフェやショップ、観光名所が立ち並び、散策するだけで中世にタイムスリップしたような気分になれます。
例えば、「セント・ジャイルズ大聖堂」は、内部のステンドグラスで有名なゴシック建築の大聖堂です。
さらに、スコットランド名産のウィスキーを試飲・購入可能な、大規模なウィスキーショップがあります。エジンバラ・ジンなど、地域ならではのウィスキーを飲み比べることができます。
カールトン・ヒル(Calton Hill)
エディンバラ市内を一望できる絶景スポットとして人気の丘で、何度も訪れたくなる壮観な景色を堪能できます。
丘にはアクロポリスを模した建物「ナショナル・モニュメント」があり、未完成のまま現在に至ります。
スコット記念塔(Scott Monument)
スコット・モニュメントと呼ばれる記念塔は、スコットランドの偉大な作家ウォルター・スコットを称えるために建てられました。塔の高さは60メートル以上あり、シティのシンボルのような存在です。
塔全体には作家やキャラクターの彫刻が多数施されています。287段の階段を登ると、エディンバラの街やカールトン・ヒル、エディンバラ城が一望できます。
プリンシズストリート沿いの、エディンバラ駅の近くにあります。
アーサーズ・シート(Arthur's Seat)
エディンバラの南東に位置する火山丘で、ホリールード公園内にあります。ハイキングコースとして地元の人々や観光客に人気で、頂上からの眺めはエディンバラでも随一。
周囲には古代火山の地質を観察できるポイントが多数あります。また、鳥のさえずりや草花を楽しみながらリラックスした時間を過ごせます。ホリールード宮殿の裏手からハイキングコースがスタートしていますが、似たような丘が多いため、地図をチェックしながら行きましょう。
スコットランドで城めぐり
エディンバラ城以外にもスコットランドには魅力的な城が数多く存在します。
スターリング城(Stirling Castle)
スターリング城は、中世からルネサンス期にかけてスコットランド王室の居城として利用されました。多くのスコットランド王がこの城で戴冠しています。特に独立戦争時には戦略的拠点として活躍しました。
壮大なバンケットホールはスコットランド最大級で、王室の宴会の雰囲気を感じられます。美しい彫刻や装飾が施されたルネサンス様式の建物を見学できます。
また、近くにあるスターリング橋は、ウィリアム・ウォレスがイングランド軍に勝利した場所として有名です。
アクセスは、エディンバラから鉄道で約1時間、スターリング駅から徒歩約20分。車を利用する場合は、エディンバラから約1時間のドライブで行くことができます。
バルモラル城(Balmoral Castle)
バルモラル城は、ヴィクトリア女王が1852年に購入し、現在もイギリス王室が使用する夏の別荘です。スコットランド北東部のハイランド地方にあり、自然豊かなロケーションが魅力です。
5月から7月にかけて公開される庭園は、花々や彫刻が美しく手入れされており、王室の歴史を学べる展示物やアートワークもあります。
ハイランド地方の壮大な景色を背景に、ハイキングやサイクリングを楽しむのもおすすめです。
アバディーンからバスで約2時間、車で約1時間半。公共交通機関は限られているため、ツアーの利用が便利です。
まとめ
エディンバラ城は、スコットランドの壮大な歴史と文化を象徴する存在です。この城を訪れることで、スコットランドの中世から現代までの歴史の流れを肌で感じることができるでしょう。『ハリー・ポッター』の聖地巡礼と組み合わせれば、異世界に浸るような特別な視点でエディンバラの街歩きを楽しむことができます。
さらに、エディンバラ城を中心に、周辺の観光スポットやスコットランドの他の城も巡れば、より深くこの土地の文化的、歴史的魅力に気づくことができるはずです。あなたの次の旅先に、ぜひエディンバラ城を選んでみてはいかがでしょうか。