「エメラルドの島」と呼ばれるアイルランド。その緑豊かな丘稜地帯と、古くから伝わるケルト文化が織りなす独特の風景は、多くの観光客を魅了してきました。
雄大な自然が広がる国立公園や伝統的なパブでの活気あふれる音楽など、アイルランドはまるで歴史の1ページにタイムスリップしたかのような不思議な魅力に溢れています。
今回の記事では、そんなアイルランドの魅力を余すところなくご紹介していきます。
- アイルランドってどんなところ?観光に必要な基本情報
- アイルランド観光のベストシーズンはいつ?
- アイルランドへの観光にビザは必要?
- アイルランドの首都ダブリンの魅力
- アイルランドに長期滞在するには?
- まとめ
アイルランドってどんなところ?観光に必要な基本情報
日本から遠く離れたヨーロッパの国家アイルランド。アイルランドって名前は知っているけれど、そもそもどんな国なのか知らない方も多いのではないでしょうか?ここでは、アイルランドで観光を楽しむために必要な基本情報について解説していきます。
アイルランドの歴史
アイルランドはヨーロッパの北西部に位置する島国で、大西洋に囲まれ、イギリスのすぐ西側にあります。元々この地域に住んでいたのは、ケルト人と呼ばれる民族で、現代のアイルランド人の祖先に当たります。
12世紀頃、アイルランドにノルマン人と呼ばれるゲルマン系民族が侵入し、それから長い間アイルランドはイングランドの支配下に入ります。その後、イギリスに抵抗し続けたアイルランドは、20世紀初頭、独立戦争を経て独立を果たし、現在は完全な独立国家となっています。
実は、独立後も両国の軋轢は完全に解消されたわけではありません。アイルランドの北部は現在もイギリスの領土となっており、国内ではアイルランドの完全な統一を目指す人々と、イギリスへの帰属を望む人々との間で対立が続いています。これを北アイルランド問題と呼びます。
アイルランドに行くなら、こうしたアイルランドという国の成り立ちと、この国が抱える問題も理解しておくと良いでしょう。
アイルランドの基本情報
アイルランドを観光するにあたって最低限押さえておくべき基本情報をご紹介します。
①言語
アイルランド国内の公用語はイギリスと同じ英語です。ただし、一部の地域ではアイルランド語も話されています。
②通貨
EU加盟国であるため、通貨はユーロが使えます。ただ、ほとんどの店舗ではクレジットカードが使えるため、キャッシュレス決済をメインにすると便利に旅行を楽しむことができます。
③治安
アイルランドの治安は比較的良好です。しかし、ダブリンなどの都市部ではスリや置き引きなどの犯罪に注意が必要です。治安がいいとはいえ、海外であるということをわきまえた行動をとりましょう。
④時差について
日本との時差は-8時間(サマータイム中は-7時間)です。
⑤チップについて
チップ文化がありますが、必ず払わなければいけないわけではありません。相場は会計の10〜15%と言われていますが、自分の気持ち次第です。「サービスが良かったな」と思った場合だけ払うという程度でも大丈夫です。
アイルランド観光のベストシーズンはいつ?
アイルランド旅行に行くには、どのシーズンがベストなのでしょうか?アイルランドの気候は比較的温暖ですが、雨が降りやすいという特徴があります。
結論、日本人にとって過ごしやすく、旅行に向いているのは春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)です。
アイルランドの春と秋は気候が安定しており、観光には最適です。また、このシーズンに多くのイベントが開催されることも魅力の一つです。せっかくなら、アイルランドならではの行事に参加してみたいですよね。
ここでは、時期が合えば絶対に参加したい、アイルランド伝統のおすすめイベントを2つご紹介します。
①セント・パトリックス・フェスティバル(セント・パトリックデー)
アイルランドで1番大きなイベントです。毎年3月17日を含む日程で開催されます。
3月17日は、アイルランドにキリスト教を広めたとされている宣教師聖パトリックの命日で、何世紀も前から国民はこの日を祝ってきました。
聖パトリックが緑色をつけていたことから、このイベントでは街中が緑色に染まります。
全国的に開催されているイベントですが、おすすめなのはやはり首都であるダブリンに行くことです。
街ではパレードだけでなく、ビールがけやストリートシアターなどが行われ、夜になると街中が緑色にライトアップされます。
もちろん、出てくる料理もみんな緑色です。キウイや青リンゴ、マスカットを使った「フルーツグリーンサラダ」や緑色の着色料を使った「セントパトリックスデーグリーンビール」などがあります。
参加すれば非日常が味わえること間違いなしです。
②国際オイスターフェスティバル
牡蠣の養殖が盛んなアイルランド西部の街ゴールウェイで開催される、牡蠣の収穫の時期を祝うイベントです。9月末に開催されます。1954年から続く歴史の長いイベントで、今ではアイルランドを代表する行事の一つとなっています。
元々はゴールウェイのホテルの経営者がお客さんを集める目的で小さなイベントを始めたことが始まりとされています。
アイルランドでは、牡蠣を生で食べることが主流になっています。美味しい旬の牡蠣を求め、世界中の人々が毎年この時期になるとゴールウェイを訪れます。時期が合えばぜひ参加したいイベントです。
アイルランドへの観光にビザは必要?
アイルランドに観光に行くためには、ビザが必要かどうか気になる方も多いでしょう。結論、日本国籍の方の場合、観光目的で、かつ90日以内の滞在であれば、ビザの取得は不要です。
日本とアイルランドの間にはビザ免除協定が結ばれているため、日本国籍の観光客は、パスポートさえ持っていれば特別な手続きなしでアイルランドに入国することができます。
ただし、アイルランド入国にはパスポートの残存有効期限が6ヶ月以上必要であることは覚えておきましょう。
アイルランドの首都ダブリンの魅力
ここでは、アイルランドの首都であるダブリンの魅力をご紹介します。
ダブリンは、歴史と文化が深く根ざした非常に魅力的な街です。自然豊かな公園や活気溢れるパブ、そして歴史を感じさせる建物が並ぶ街並みは、訪れた人を温かく迎えてくれます。
そこで、ダブリンに訪れたらぜひチェックしたいおすすめスポットをご紹介します。
①ダブリン城
ダブリンは、8世紀にヴァイキングによって建てられた都市です。長い歴史の中で、様々な文化が交わり、独自の文化を形成してきました。
ダブリン城は、その中でもアイルランドの歴史を象徴する建物の一つです。城内には博物館があり、アイルランドの歴史や文化を学ぶことができます。
また、中世の塔は17世紀の火災で残った唯一の建物であり、ダブリンで現存する建物の中で最も古いと言われています。
アイルランドに行くなら一度は訪れたい場所の一つです。
②トリニティカレッジ図書館
トリニティーカレッジ図書館は、アイルランドの文化的なランドマークとして世界的に有名な観光名所です。アイルランドの名門大学であるトリニティーカレッジの中にある、歴史的な図書館です。
注目ポイントは、長さ65メートルにも及ぶアーチ型天井のロングルームです。見惚れてしまうほどの空間で、「世界で最も美しい図書」とも言われています。
8世紀に建設された歴史ある図書館は、あなたをタイムスリップしたかのような世界に導いてくれるでしょう。
③ホウス
ダブリン北東の海沿いに位置するホウスは、花で覆われた断崖が特徴的な街です。この街では、海岸沿いでハイキングを楽しんだり、グルメを満喫することができます。ダブリンの市街地から日帰りで行けるので、時間があればぜひ立ち寄ってみましょう。
海岸沿いのトレイルコースは、小道を崖に沿って歩くことができ、海の絶景を眺めることができます。コースは4つあるため、初心者や自分のペースでのんびり散策を楽しみたいという方にもおすすめです。
ホウスは、こうした雄大な自然を満喫するアクティビティの他にも、絶品のグルメを味わえることでも有名です。アイルランド近海で獲れた、新鮮な食材が楽しめるレストランが周辺にたくさんあります。
有名なフィッシュアンドチップスだけでなく、先ほどご紹介した牡蠣やダブリン湾産のエビ、ロブスターなど地元の料理を満喫することができます。
アイルランドに長期滞在するには?
アイルランド観光をしたいというだけでなく、長期滞在をしたいという方も中にはいるでしょう。ここでは、日本人がアイルランドに長期滞在するために考えられる具体的なアクションについてご紹介します。
①ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、長期滞在に有効な手段の一つです。一般的には18歳〜30歳までの若者が対象で、アイルランドで働きながら滞在ができます。
現地で英語力を磨きながらキャリアを築きたいという方には適しています。ただし、滞在期間が限られているため、アイルランドに住み続けたいという方には不向きなことがあります。
②留学
留学は、主に現地で語学学校に通うという方法と、アイルランドの大学院に進学するという方法があります。専門的に学びたい学問があったり、英語圏で英語をしっかり学びたいという方は一度検討してみると良いでしょう。
③就労ビザ
弁護士や医師など特定の専門分野を持つ場合や、アイルランドの企業からスポンサーになってもらうことで就労ビザを取得することができます。
就労ビザは長期滞在ができる有効な手段である一方で、ビザの取得は簡単ではありません。スポンサーを獲得するだけの実力、もしくはアイルランドで専門的な仕事ができる知識や経験が必要です。
④アイルランド人と結婚する
アイルランド人と結婚するというのも長期滞在が可能になる手段の一つです。結婚することで、アイルランドの永住権を獲得できます。
あくまで長期滞在ができる一つのルートとしてご紹介しましたが、海外の方と結婚することは人によってはハードルが高いかもしれませんね。
ただ、アイルランドで良い出会いがあった、たまたま日本でアイルランド人と仲良くなったという場合などは検討してみても良いかもしれません。
まとめ
今回はアイルランドの基本情報と、観光におすすめスポットなどを詳しくご紹介しましたが、いかがでしたか?
アイルランドには雄大な自然や活気溢れる文化、歴史的建造物など観光客を楽しませてくれるものがたくさんあります。英語圏の国でもあるため、英語を学びたいという方にも適していますね。
アイルランド観光に興味がある方は、今回の記事を参考にして、「エメラルドの島」アイルランドを楽しんでみてくださいね!