オーストラリアは日本との時差が少なく、治安もよくて暮らしやすいことから留学生に人気のある国のひとつです。高校生や大学生、社会人まで、日本からも多くの留学生が訪れています。
オーストラリアは美しい海、壮大な自然に囲まれ、長期留学はもちろんのこと短期留学でも充実した留学生活を楽しめる様々なプログラムが充実しています。また、ワーキングホリデー制度のある国としてもよく知られています。
今回の記事では、オーストラリア留学の種類や手続き、人気のある各都市の特徴など、充実した留学生活を実現するための情報をいろいろな側面から解説していきます。
オーストラリア留学の目的と種類、期間
オーストラリア留学とひとくちにいっても、目的や留学の種類によって留学生活の内容が大きく変わってきます。また、留学する期間によっても達成できる内容が変わってきます。
ここでは代表的なオーストラリアの目的と種類、期間による留学内容の違いなどについて、ご紹介していきます。
正規留学
正規留学は現地の高校や大学などの教育機関に通い、学位を取るという留学スタイルです。
現地の生徒とともに学校に通うため期間は長期にわたりますが、英語力だけでなく学位も取得できるなど、将来的なキャリアに役立つスキルを手に入れることができます。
専門学校留学
専門学校留学はオーストラリア国内の専門学校に通う留学スタイルです。オーストラリア国内には私立の専門学校(Private Collage)と公立の専門学校(TAFE)があり、大学よりも専門的なコースを展開している学校もあります。
語学留学
語学留学はオーストラリア国内の語学学校で学ぶ留学スタイルです。
英語の取得を第一目的として学ぶ留学スタイルで、留学期間を自分で自由に決められるのが特徴です。自分がどこまで英語力を伸ばしたいのかといった目標や、準備できる予算に合わせて、短期や長期の留学を比較的自由に選ぶことができます。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、ワーキングホリデービザを使った留学スタイルです。ワーキングホリデービザがあると、滞在中は学校に通うだけでなく就労が可能となります。
18歳~31歳までという年齢制限はありますが、生活費を稼ぎながら留学できるという大きなメリットがあります。
留学期間
英語圏への留学では、留学期間によって英語力の伸びに一定の傾向があるといわれています。オーストラリア留学にも当てはまる内容ですのでご紹介します。
・1ヵ月以内
1ヵ月以内の留学では、語学レベルを上げるというより「現地の生活を体験する」という側面が強くなります。
留学体験をしてみたい、長期留学に向けた現地での準備をしたい、といった方におすすめです。
・3~6ヵ月
3~6ヵ月の留学では飛躍的に英語力が向上します。リスニング力が向上し、英会話が聞き取れるようになったり、英文を自分で組み立てて英会話ができるようになってきます。
・6ヵ月~1年
6か月を過ぎると英語力の向上スピードが落ち着き、じっくり実力を伸ばしていく期間となります。海外生活にも慣れてくるため、勉強のモチベーションが下がる場合もあります。英語力アップだけでなく、資格や学位の取得といった具体的な目標を持つことで有意義な留学生活を続けることができるでしょう。
オーストラリア留学のメリットとデメリット
留学先としてオーストラリアを選ぶ際のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット① 教育環境がよい
オーストラリアは教育の水準が高いことでよく知られており、2024年の世界の大学ランキングでは国内にある41の大学のうち9校がトップ100位にランクインしています。
また大学以外にもTAFEと呼ばれる公立の専門学校があり、社会で即戦力として働けるスキルを学ぶことができます。
オーストラリアは留学生のための法律や制度が整っていることでもよく知られており、留学先の学校や大学が留学生に対して質の高い授業を提供することを保証する法律や、万一留学中に学校が倒産してしまった場合でもオーストラリア政府が経済的なサポートをしてくれる、といった制度が整っています。
メリット② 生活環境がよい
オーストラリアは世界でも治安が良く安全な国のひとつであると同時に、絶景や大自然を存分に堪能できる自然豊かな国でもあります。
また、日本とオーストラリアの時差は-1~+2時間程度と非常に少なく、留学中に不安を感じたりストレスが溜まったりした時にも、留学中も日本の家族や友達と連絡を取りやすいことがとても大きなメリットです。
メリット③ 学生ビザでアルバイトが可能
オーストラリアでは、学生ビザを保持している留学生は2週間のうち48時間まで就労することが認められています。
オーストラリアは世界で最も最低賃金が高い国であるといわれており、アルバイトをすることによって学費や生活費を現地で稼ぐことができるのは、留学生にとって費用面での大きなメリットとなります。
また現地でアルバイトをすることによって、接客やビジネスで使う英語を磨いたり、人脈を広げることも可能です。
デメリット オーストラリア英語に訛りがある
オーストラリア英語はイギリス英語に比較的近いといわれますが、イギリス英語ともまた違った独特の訛りがあることが特徴です。
特にアメリカ英語とオーストラリア英語では大きく違う点も多く、ネイティブスピーカーのオーストラリア人がアメリカに旅行した時、店員さんに自身の英語を聞き取ってもらえなかったというエピソードがあるほどです。
オーストラリアに留学するとオーストラリア特有の訛りや表現が身についてしまう可能性があることは、留学前に知っておきたいポイントです。
オーストラリア留学の費用
オーストラリア留学には、以下のような費用がかかります。
・学費
・生活費
・滞在費(ホテル代やシェアルーム代など)
・海外旅行保険費用
・ビザ取得費用
・航空券代
・留学エージェント費用
オーストラリア留学の留学スタイル別に、一年間留学した場合の概算費用を比較すると以下のようになります。
語学留学 300~350万円程度
高校留学 400~450万円程度
大学留学 450万円程度~
ワーキングホリデー 150~200万円程度
詳細な費用は経済情勢や留学プログラム内容によって大きく異なりますが、オーストラリア留学ではワーキングホリデーが圧倒的に安く留学できる方法であるといえます。
オーストラリア留学の手続き
オーストラリア留学を成功させるには、周到な準備と手続きが大切です。
まずは情報収集を行い、留学プランや留学先となる学校の決定を行いましょう。留学ジャーナルやインターネットなどで自力で情報収集することはもちろん、留学エージェントのサイトや実店舗を訪れて、プロにサポートしてもらうのもおすすめです。
留学プランや留学先が決まったら、いよいよ学校への申し込みを行います。また、学校決定と同時に滞在先の選定も行っていきます。
滞在先候補の提示から申し込み手続きまでを留学エージェントに一括してお願いすることもできますし、とりあえず学校近くのホテルなどに滞在し、現地でルームシェアをする友達を探すといった方法もあります。
ビザの選定と申請も忘れずに行いましょう。オーストラリアに滞在するためのビザには3種類あり、学生ビザ、ワーキングホリデービザ、観光ビザのいずれかになります。ビザはオンライン申請が可能で、留学エージェントに委託することもできます。
オーストラリアへ学生ビザで渡航する場合は、オーストラリア政府が指定した保険(OSHC)への加入が義務付けられています。OSHCは医療補償のみであるため、物の紛失などに不安のある方は、個人的にほかの保険への追加加入を考えてもよいでしょう。
オーストラリアの人気都市とその特徴
オーストラリアはどの都市を訪れてもビーチや自然が近くにあり、リラックスした雰囲気の中で学ぶことができます。
ここでは、人気のある都市をいくつかご紹介します。
ブリスベン
ブリスベン川のほとりに広がる市街地、そして街を囲む緑の公園が美しいブリスベンは、オーストラリア第3の都市です。一年中温暖な気候で、シアターや美術館、映画館などの文化施設も多く、留学生にも人気があります。
シドニー
シドニーはオーストラリア最大の都市で、経済・文化・商業の中心地です。
中心地から30分ほどバスで走れば白砂の広がるボンダイビーチがあり、留学生にも人気のエリアとなっています。
メルボルン
メルボルンはシドニーに次ぐオーストラリア第2の都市で、街の至るところに公園が点在しているため「ガーデンシティ」と呼ばれています。メルボルンは2011年から2017年まで、7年連続で「世界で最も住みやすい街」にも選ばれた魅力的な街です。
ケアンズ
グレート・バリア・リーフとクイーンズランドの湿潤熱帯地域という2つの世界自然遺産への玄関口として知られているケアンズは、美しい海岸線と大自然が特徴の魅力的な街です。
小さめの都市ではあるものの、日本からは成田空港と関西国際空港から直行便が出ており、アクセスがよい常夏の街として人気があります。
パース
西オーストラリア州の州都であるパースは、オーストラリアの中でも「最も美しい町」や「住んでみたい町」として有名です。治安がよいことから留学生にも人気があり、近郊には奇景ピナクルズやウェーブロックといったユニークな遺産があります。
まとめ
オーストラリア留学の種類や手続き、人気のある都市の特徴や充実した留学生活のための情報をご紹介してきました。
英語を学ぶだけでなく、雄大な自然を感じたり、働きながら英語を磨くチャンスが用意されていることもオーストラリア留学の大きな魅力です。
オーストラリア留学に興味がある方は、ぜひご自身でも色々と調べてみてくださいね。

◇経歴(英語を使用した経歴)
高校時代にイギリスへ短期留学。
大学院進学の傍ら、TOEICスコアアップや海外留学、海外旅行を経験。
社会人生活を経て、現在は英語に関するWEBコラム記事を執筆中。
◇資格
TOEIC900
◇留学経験
・ロンドン:2週間 Harrow School
・ハワイ島:2週間 Universal English Academy
・バレンシア:3週間 don Quijote Valencia
◇海外渡航経験
留学:イギリス、ハワイ、スペイン
旅行:イタリア、チェコ、アメリカ、メキシコ、韓国、モロッコ、フランス、デンマーク、フィンランド、スイス、ハンガリー、ベルギー、オーストリア
◇自己紹介
ラジオ基礎英語をきっかけに英語の世界へ。理系専攻ながら英語を磨き、留学や旅行で色々な国を訪れた。結婚を機にWEBライティングを始め、現在は二児と共に英語ライフを楽しんでいる。