
ヨーロッパの西に位置する「アイルランド」。ワーキングホリデーや語学留学の渡航先として人気が高まっていますが、「アイルランドってどこの国?」「北アイルランドとの違いは?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、アイルランドの基本情報から北アイルランドとの違いまでをわかりやすく解説し、さらに知っておきたい魅力も紹介します。
アイルランドと北アイルランドの違いは?
アイルランドはどこの国?と思う方も多いかもしれません。実際には、ヨーロッパ北西部にある独立国家で、イギリスの西隣に位置します。一方で、同じ島にある「北アイルランド」はイギリスの一部。
ここからは、アイルランドと北アイルランドの違いをわかりやすく解説していきます。
主な違い
現在のアイルランド島は、『アイルランド共和国』と『北アイルランド』に分かれています。
アイルランド共和国は独立国家、一方、北アイルランドは『イギリス(または英国)』の一部となっています。
もともとアイルランドの島全体が同一の文化や宗教を共有してきましたが、イギリスによるアイルランドの植民地化の歴史から別々の国となりました。
アイルランド共和国では、カトリック教徒が大半を占めるのに対して、北アイルランドはプロテスタントが多く、宗教派の対立の歴史があります。
また、使われる通貨も異なります。アイルランド共和国がユーロ、北アイルランドがイギリスの通貨であるポンドです。
なぜ一つの島に2つの国が存在するのか?
このように、一つの島の中に2つの国が存在する理由は、イングランドおよびイギリスによる植民地支配にあります。
20世紀初頭の独立運動を経て、1922年にアイルランド共和国が英連邦内の自治領『アイルランド自由国』として独立しました。一方で、北アイルランドはイギリス領として残り、現在の形になりました。
アイルランドとは?基本情報をチェック
アイルランドは、豊かな自然が広がっているのが特徴です。その自然とアイルランドが生み出した遺跡群には、世界遺産に登録されたものもいくつかあります。
ここでは、そんなアイルランドの基本情報を説明します。
アイルランドの基本データ
アイルランドの面積は約7万300平方キロメートルで、北海道のおよそ8割にあたります。人口は約538万人(2024年時点)、首都はダブリンです。
国旗は緑・白・オレンジの三色旗で、国花は三つ葉のクローバーで知られるシャムロックです。
日本との時差は冬時間でマイナス9時間、夏時間(サマータイム)ではマイナス8時間です。サマータイムは3月末から10月末まで導入されており、渡航の時期によって時差が異なる点に注意が必要です。
気候は、緯度が札幌より高いものの、北大西洋海流の影響で一年を通して温暖です。四季の変化は日本ほどはっきりしておらず、夏は涼しく、冬も雪が積もることはほとんどありません。
また、天気は変わりやすく、「アイルランドでは一日で四季を体験できる」と言われるほどです。
言語と宗教
アイルランドの宗教の歴史は、5世紀にキリスト教が最初に導入された時代にさかのぼります。
聖パトリックの布教活動によってキリスト教が根づき、それ以来カトリック教会が国の主要な宗教勢力となってきました。それに対して、アイルランド国教会や長老派教会、メソジスト教会など、他の宗派も存在しています。
毎年3月17日のセント・パトリックス・デーには、緑色の洋服や帽子を身につけた人々がパレードを行い、アイルランド国内のみならず、移民が多いアメリカなど世界各地でも盛大に祝われています。
2022年時点では、アイルランド国民の約69%がカトリック教徒ですが、近年は伝統的な宗教的信念から離れ、無宗教や他の信仰を持つ人も増えています。一方で、北アイルランドではプロテスタントの割合が多いのが特徴です。
参考:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ireland/data.html
政治と経済
アイルランドは共和制で、大統領と2院制の議会からなります。EUの加盟国であり、通貨もユーロを採用しています。
EUからのインフラ整備などの多額の補助や、米国などの海外からの投資誘致や法人税の優遇措置による海外企業の誘致などを経て、1990年代に『ケルティック・タイガー』と呼ばれる高度経済成長を果たしました。
バブルは崩壊したものの、EUの最貧国から経済的に繁栄する国へと成長をしました。
アイルランド経済において、金融、IT、製薬の産業が強く、グーグル、ファイザーなどの巨大企業がヨーロッパの拠点をアイルランドに置き、一人あたりのGDPも世界2位となっています。
歴史
アイルランドには、ケルト人が紀元前300年ごろにやって来る以前から先住民が住んでおり、いくつかの遺跡が残されていますが、その多くはいまだ謎に包まれています。
ケルト人が定住すると、小王国が乱立しながらも、共通の言語・宗教・法律を持つことで文化的な統一性を保っていました。5世紀には聖パトリックがキリスト教を広め、急速なキリスト教化が進んでいきます。
8世紀にはヴァイキングの侵略が、12世紀にはイングランドからの入植が進みましたが、当時の入植者は次第にアイルランド文化に同化していきました。
16世紀にはヘンリー8世の支配強化や宗教改革の影響でプロテスタントの入植が進みます。その後、クロムウェルの遠征によるカトリック教徒の弾圧・虐殺が起こり、イングランドとの宗教的対立が深まりました。
1801年には「大ブリテン及びアイルランド連合王国」が成立します。19世紀には自由主義運動を背景に自治を求める声が高まるものの、1845〜48年には深刻なジャガイモ飢饉が発生し、人口が激減しました。
主食の不作に加えてイギリスの政策も影響し、多くの人が亡くなり、アメリカ大陸などへ移住しました。この飢饉をきっかけに、英語の使用が広まり、ゲール語の話者は減少していきます。
その後、ダニエル・オコンネルやスチュアール・パーネルといった独立を目指す政治家が登場します。
1916年にはイースター蜂起が起こり、イギリス軍による鎮圧と指導者の処刑がアイルランド人の反発を招き、独立戦争へとつながりました。1922年にはアイルランド自由国が建国されますが、北部はイギリス統治下に残り、内戦も勃発。1949年にはイギリス連邦から脱退し、アイルランド共和国が誕生しました。
第二次世界大戦後は経済的に停滞しましたが、1990年代に入ると「ケルティック・タイガー」と呼ばれる経済成長を遂げます。他方で北アイルランドでは、カトリックとプロテスタントの対立が激化し、IRAによるテロも発生しましたが、1998年のベルファスト合意によって和平に向けた大きな一歩が刻まれました。
アイルランドの魅力
アイルランドといえば「エメラルドの島」と呼ばれるほど緑豊かで美しい島国。
音楽や文学が息づく独自の文化が魅力です。観光で訪れる人はもちろん、語学留学やワーキングホリデーの渡航先としても人気を集めています。ここでは、そんなアイルランドの魅力を紹介します。
パブ文化とフレンドリーな国民性
アイルランドといえば欠かせないのが、パブ文化です。街の至るところにパブがあり、人々の憩いの場として賑わっています。
店内ではアイルランドの飲み物である、ギネスを片手に話しをしている人が多く、憩いの場となっています。夜には、フィドルなどを使った伝統音楽のライブ演奏が行われるところもあり、観光客でも気軽に立ち寄れることが魅力です。
アイルランドの人々は初対面でもフレンドリーに接してくれる国民性で、パブでも気軽に話したり、街で道に迷っていても声をかけて助けてくれたりと、観光客でも地元の人と話す機会もあるかもしれません。
音楽・ダンス
アイルランドと言えば、伝統音楽やダンスが欠かせません。街の通りやパブではよく音楽の生演奏が聞こえてきます。
アイルランドの伝統音楽で使われる楽器は色々あり、有名なもので、ヴァイオリンに似ているフィドルという弦楽器、ティン・ホイッスルという縦型の笛、アイリッシュ・ハープなどがあります。
アイルランドをルーツに持つ芸術は世界中の人に愛されており、世界的に有名なアーティストとしては、U2やヴァン・モリソン。ケルト音楽が色濃く反映されている、シンガーソングライターのエンヤやケルティック・ウーマンなどのアーティストがいます。
ダンスでは、アイリッシュ音楽にのせてストーリーを語る、リバーダンスが特に有名です。
ラグビー
アイルランドは世界屈指のラグビー強豪国です。「アイルランド代表」は、北アイルランドとアイルランド共和国からなる、ラグビーワールドカップで唯一2か国にまたがる国です。
高校卒業後はアマチュアクラブリーグ「All Ireland League」で経験を積み、優秀な選手はプロクラブのアカデミーを経て代表へと進む体系的な育成システムが整っています。こうした仕組みが、質の高い選手を継続的に輩出しています。
代表チームは、攻守ともにミスが少なく、組織力を重視した堅実なプレースタイルが特徴です。強固なスクラムや守備から試合を支配し、2018年にはシックス・ネーションズ全勝優勝を達成。さらにニュージーランド代表オールブラックスに歴史的勝利を収め、世界トップレベルの実力を証明しました。試合の日は街中やパブが熱狂に包まれ、国民の誇りとして愛されています。
アイルランドの美味しい食材と料理
アイルランドは温暖で牧草が枯れない気候から、牧畜と酪農が盛んです。
アイリッシュ・ビーフは、天然の生草を食べて育つグラスフェッドで、脂肪分が少ない赤身肉です。ステーキなどにして食べます。ラムもアイルランド料理には欠かせない食材です。
牛乳とバターの美味しさも有名で、そのままの飲料として、アイスクリームなどの加工食品として食されています。
じゃがいもは、アイルランドにとって特別な食材です。1500年代にアイルランドにもたらされてから、数少ない栽培可能な食材として、食卓にならんできました。食べ方は豊富で、マッシュポテト、ローストポテト、茹でたじゃがいも、フライドポテトなどさまざまです。
アイルランド料理は、シンプルながらも素材の味を活かした家庭的な料理が特徴です。アイリッシュ・シチュー、シェパーズ・パイやビーフ&ギネスシチュー、ソーダブレッドなどが特に有名で、街のパブで味わうことができます。
ケルト文化
ケルト人は、紀元前500年頃にアイルランド島に渡り、一族を中心とした共同体で暮らしていたとされています。
自然の万物に神が宿るという精霊信仰をもち、ドルイドと呼ばれる司祭が儀式を行っていました。文字はなく、口承によって全てが伝えられていました。
ヨーロッパでカエサル率いるローマ軍が侵入し、隣のブリテン島ではローマ化が進んだ一方で、アイルランドは侵略されなかったため、ケルトの地として残りました。
古代ケルトの遺跡や神話が多く残り、ストーンヘンジのような神秘的な石の配置、ケルト十字の装飾的なデザインに触れることができます。
現代のケルトは、人為的に再構築された側面が多く、18世紀にロマン主義や神秘主義のなかで脚光を浴びました。
近代になってからは、英国の支配に対抗する形で、ケルト文化をアイルランドのアイデンティティーと位置づけて文学や芸術で用いられてきました。
文学と演劇
アイルランドは、文学の国としても有名です。
『ユリシーズ』のジェームズ・ジョイス、戯曲『ゴドーを待ちながら』のベケット、『ガリバー旅行記』のジョナサン・スウィフトや『幸福な王子』のオスカー・ワイルドといった偉大な作家を輩出し、ノーベル文学賞受賞者も多くいます。ダブリンの街角には作家の像が多く見られます。
また、アイルランドの演劇は世界的に評価されており、アビー劇場などで本場のパフォーマンスを堪能できるほか、世界の劇場でアイルランド出身の劇作家の戯曲による舞台が上演されています。
アイルランドと映画
アイルランドは、その豊かな自然や風景が魅力的で、映画のロケ地や映画の題材になっています。
【ロケ地としてのアイルランド】
豊かな自然が残っているため、アイルランドは映画やドラマのロケ地として利用されています。
例えば、映画『スター・ウォーズ』シリーズの舞台となったスケリッグ・マイケルや、映画『ハリー・ポッター』はモハーの断崖で撮影されました。人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影地として北アイルランドが使用されました。
【アイルランドが舞台の映画】
アイルランドが舞台の有名な映画としては『ONCE ダブリンの街角で』があります。売れないミュージシャンの男性とチェコからの移民の女性がストリートで出会うロマンスの映画です。ダブリンの街が撮影に使われており、ダブリンの街の雰囲気を知ることができます。
映画『麦の穂を揺らす風』は、アイルランドの独立戦争とその後の内戦に巻き込まれていく兄弟を描いた作品で2006年にカンヌ国際映画祭の最高賞である、パルムドールを受賞しました。
映画『イニシェリン島の精霊』は、人の死を予告する精霊・バンシーをモチーフに描いた人間ドラマです。こちらは、アラン諸島の島々がモデルとなっており(イニシェリン島は架空の島) 、撮影もアラン諸島で行われています。
【アイルランド出身の俳優たち】
アイルランドの公用語の一つが英語であることもあり、ハリウッドスターを数多く輩出しています。
映画『オッペンハイマー』や人気ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』の主演を務めたキリアン・マーフィー、映画『シンドラーのリスト』や『スター・ウォーズ エピソード1』で有名なリーアム・ニーソン、映画『異人たち』のアダム・スコット、コリン・ファレルなどがいます。
アイリッシュウイスキーとクラフトビール
アイルランドは、ウイスキーの本場として知られています。特に「ジェムソン」や「ブッシュミルズ」といった銘柄は世界的に有名です。
さらに、地元で愛されるクラフトビールも多く、ギネスビールは、ダブリンのギネス・ストアハウスで製造工程を見学・体験できます。
自然とウォーキング&ハイキング
アイルランドでは、ウォーキングやハイキングが観光の定番アクティビティとして親しまれています。初心者でも歩きやすい散策路から、何日もかけて踏破する長距離ルートまで幅広く整備されており、自分のペースで自然と触れ合えるのが魅力です。
首都ダブリンから近いウィックロー山地は「アイルランドの庭」とも呼ばれ、なだらかな山々と湖が織りなす穏やかな風景が続きます。トレイルの途中には古代修道院の遺跡や小さな村も点在しており、自然と歴史を同時に楽しめるのが特徴です。
一方で西部のコネマラ地方は、荒々しい岩山や湿原、深い入り江が広がるダイナミックな景観が魅力で、野生的な大自然を味わいたい人にぴったりです。
歩く季節によっても表情は変わります。春は野花が道端を彩り、夏は緑が一層鮮やかに映えます。秋には赤や金色に染まった丘陵が見渡せ、冬には澄んだ空気のなかで雪をいただく山並みが姿を現します。
こうしたトレイルは単なる自然散策にとどまらず、途中で立ち寄る村のパブやカフェで地元の人と交流できるのも楽しみのひとつ。美しい景色と人の温かさが一体となり、アイルランドならではの体験をつくり出しています。
アイルランドの観光スポット5選
アイルランドを訪れるなら、ただの観光では終わりません。首都ダブリンで歴史と文学の息づかいを感じ、モハーの断崖で息をのむような絶景に立ち尽くし、さらに中世の古城やケルトの遺跡に足を踏み入れる――。
一つひとつのスポットがまるで物語のページのように、旅の記憶を鮮やかに彩ってくれます。どの場所を巡っても、あなたの人生に彩りを与えてくれること間違いなしです。
ダブリン城
首都の中心にそびえるダブリン城は、アイルランドの歴史を語るうえで欠かせない象徴的なスポットです。
その起源は13世紀初頭。ヴァイキングの集落跡に建てられたこの城は、当初は要塞としての役割を持ち、厚い城壁と四隅の塔が街を守っていました。長きにわたりイギリス支配の拠点として利用され、総督の居城や行政・儀式の場としても機能していたのです。
大火によって多くの部分が失われたものの、いまなお中世やヴァイキング時代の遺構が残されており、訪れる人々に当時の空気を感じさせてくれます。なかでも目を引く円形の塔は「中世の塔」と呼ばれ、ダブリン最古の建造物のひとつ。時代によって「ワードローブ・タワー」「レコード・タワー」など名前や役割を変えながら、歴史を見守り続けてきました。
内部は博物館として公開されており、アイルランドの芸術や文化を間近に堪能できます。イタリアの画家ヴィンチェンツォ・ワルドレが手掛けた迫力ある天井画や、ガエターノ・ガンドルフィによる神話を題材にした作品群は必見です。
さらに、18世紀のフランス製家具や彫像、アイルランド職人の手による精緻な家具や石膏装飾など、細部まで見どころが散りばめられています。
トリニティ・カレッジ
首都ダブリンの中心にあるトリニティ・カレッジは、アイルランドで最も古い国立大学です。そのキャンパスにある図書館は国最大規模を誇り、一般にも公開されていることから観光スポットとしても大人気の場所となっています。
館内には600万冊以上の書籍や古文書が収められており、400年以上にわたる学術の歴史を肌で感じられる空間です。とりわけ有名なのが「ロング・ルーム」と呼ばれる書庫。全長65メートルを超えるアーチ型のホールには、古い蔵書がびっしりと並び、その光景はまるで映画のワンシーンのよう。訪れる人を一瞬で別世界へと引き込みます。
さらに見逃せないのが、アイルランドの至宝ともいえる「ケルズの書」。9世紀に作られた新約聖書のラテン語写本で、緻密な装飾や色鮮やかな挿絵は中世アートの最高傑作とされています。展示では、写本の歴史や制作背景を解説するパネルとともに、ガラスケースに収められた本物を間近で鑑賞することができ、その迫力に誰もが圧倒されるでしょう。
また、学内をガイド付きで巡るツアーや「ケルズの書」鑑賞を組み合わせたプランも用意されており、参加すればより深くトリニティ・カレッジの魅力に触れられます。
聖パトリック大聖堂
ダブリンの街に堂々とそびえる聖パトリック大聖堂は、アイルランドで最大規模を誇る教会であり、同国の宗教史を象徴する重要な建造物のひとつです。
その始まりは5世紀頃。アイルランドの守護聖人・聖パトリックが改宗者に洗礼を授けたと伝わる井戸の近くに、木造の小さな教会が建てられたのが起源とされています。その後1191年にアングロ・ノルマン人によって石造りの礼拝堂へと姿を変え、13世紀以降、増改築を重ねながら現在の壮大な姿へと発展しました。
見どころは、建物そのものが語る「歴史の証」。たとえば15世紀に生まれた「和解の扉」は必見です。これはアイルランドの二大名家、フィッツジェラルド家とオーモンド執事家が対立した際に、停戦のきっかけとして扉に穴を開け、そこから握手を交わしたと伝えられています。実際にその穴は今も残されており、当時の緊迫した出来事を生々しく物語っています。
より深く歴史を知りたいなら、無料で参加できるガイドツアーがおすすめ。月曜から土曜の10時30分と14時30分に行われており、受付で申し込めば誰でも参加できます。専門ガイドの解説を聞きながら巡ると、この大聖堂に刻まれた数世紀の物語がいっそう鮮やかに浮かび上がるでしょう。
モハーの断壁
アイルランドを代表する景勝地として世界的に知られるのが、西部クレア州のモハーの断崖です。全長およそ14キロにわたる断崖は3億年以上前に形成され、ユネスコ世界ジオパークにも登録されています。その壮大な風景は、映画『ハリー・ポッター』をはじめ数々の作品のロケ地にも選ばれ、多くの人々を魅了してきました。
実際に訪れると、崖沿いに整備されたトレイルから大西洋の荒々しい波や、空と海がひとつに溶け合うダイナミックな景色が広がります。歩きやすい靴や体温調整しやすい服装を準備しておけば、自然の力強さを心ゆくまで味わえるでしょう。売店は入口付近にしかないので、飲み物や軽食を持参しておくと安心です。
さらに、この場所ならではの楽しみが野生動物との出会い。巣穴で暮らすパフィン(ツノメドリ)、草原を駆けるオコジョ、さらには海面を跳ねるイルカの群れなど、息をのむ景観に彩りを添えてくれます。圧倒的なスケールの自然と生命の営みに触れる体験は、きっと旅のハイライトになるはずです。
テンプルバー
ダブリンの街歩きの締めくくりにぴったりなのが「テンプル・バー」。赤い外観が目を引くこのパブは、地元の人も観光客も集う人気の場所です。
ドアを開けると、アイリッシュ・ミュージックの生演奏が響き渡り、気づけばリズムに合わせて体が動いてしまうような雰囲気。隣の席の人と自然に笑顔で乾杯できる、そんな距離の近さがこの場所の魅力です。
豊富に揃ったウイスキーやビールはもちろん、新鮮なオイスターやサンドウィッチなど、軽い食事も楽しめます。「ちょっと寄ってみよう」と気軽に入ったつもりが、気づけば時間を忘れてしまう――そんな魔法のような夜が待っています。
旅の中で出会う音楽や人との触れ合いは、ガイドブックに載っていない大切な思い出になるはず。アイルランドらしさを肌で感じたいなら、ぜひ足を運んでみてください。
まとめ
「アイルランドってどこにあるの?」と疑問に思った人も、記事を読み進めるうちにその魅力が伝わったのではないでしょうか。ヨーロッパ北西部に位置する島国アイルランドは、古城や修道院に残る歴史、世界を魅了する絶景、そして音楽やパブ文化といった人々の暮らしまで、旅する人の心を惹きつける要素がぎゅっと詰まっています。
ダブリン城やトリニティ・カレッジで歴史を感じ、聖パトリック大聖堂で物語に触れ、モハーの断崖で自然の迫力に息をのみ、夜はテンプル・バーで音楽と乾杯――。一日ごとに違う表情を見せてくれるのが、この国の魅力です。
次に「どこへ行こうかな」と旅先を探すとき、アイルランドを思い出してみてください。きっとあなたの人生に彩りを添える特別な旅になるはずです。
◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。
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