シニアの海外留学を解説!〜費用、メリットやデメリットなど〜

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「海外留学」というと、大学生、あるいは大学を卒業して海外の大学院に進学しようとする人など、若者のイメージが強いかもしれません。

でも、最近特に注目を集めているのが「シニアの海外留学」。50代、60代の人々が、何かを学ぼうと海外に目を向ける、そんな動きが活発になっています。

もちろん、「シニア留学」という言葉が指す「シニア」は、はっきりした年齢が決まっているわけではありません。40代〜でも、70代以上でも、シニア留学を利用することができます。

今では、定年を迎えて新しいことをまた始めたいという60代の人や、まだ定年ではないけれどももっと自分の可能性を探ってみたいと思いを持つ50代の人々を中心に海外留学を検討する機会が増えているようです。

今回はそうした「シニア留学」について、その種類、費用、メリット、デメリット、注意点、おすすめの留学先、などを解説・説明していきたいと思います。

シニア留学プログラムの種類や奨学金

シニアが挑戦できる留学の種類にはどんなものがあるのでしょうか? また、奨学金制度などはあるのでしょうか?

やりたいことは何でも挑戦できる

「海外留学」というと、だいたい、次のような目的あるいは種類を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。

英語などの語学留学・語学習得(長期・短期)
大学や大学院での専門知識の習得(長期)
習い事、おけいこ事(長期・短期)
調理、マッサージなどの技術を学ぶ(長期・短期)
ボランティア(長期・短期)
その他、さまざまな資格取得を目指す(長期・短期)

そして、年齢が高いからといって何らかの制限がある、ということは基本的にはありません。何歳であろうが、今から何に挑戦するかは自分の自由です。ただ、ごくまれに、資格や学校の種類によって年齢制限等がある場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。

留学期間もさまざま

海外留学というと長期的な海外滞在をイメージする人もいるでしょう。しかし、1週間の英語学校入学であっても立派な海外留学です。最初は短い留学を体験して、それから期間を伸ばす、といったことも考えられます。

筆者の知人男性は47歳で会社を辞めた後、まずは3週間、ハワイの英語学校に行きました。授業は午前中だけで、午後はハワイのビーチでのんびり過ごしたそうです。こうした、短期間、さらにリゾート気分で留学というのも、シニア世代ならではの留学スタイルといえるかもしれません。

そして彼はその後、52歳の時に、オーストラリアの大学院に留学しました。現在では日本の大学の非常勤講師として英語を教えています。

奨学金制度は利用が難しい

大学生が海外留学する場合、大学などから補助を受けられる場合もあります。しかし、一般的な社会人の場合は、利用できる奨学金制度が無いことはないものの、高い英語力が求められたり、年齢制限がある場合もあります。多くの人にとっては、奨学金制度の利用は現実的ではないようです。

ちなみに、奨学金制度というわけではありませんが、独立行政法人国際協力機構(JICA)では毎年、海外でボランティア活動を行う「シニアボランティア」を募集しています。対象は、日本国籍を持つ40〜69歳の人です。基本は無給のボランティアですが、生活費として一定の手当が支給されます。興味のある方は調べてみるといいのでは?

シニア留学の費用はどのくらい?

シニア留学にはどんな費用がどれくらいかかるのでしょうか?

留学前はほとんどかからない

まず、海外留学の際、一般的に必要な費用には以下のようなものがあります。

・日本から現地までの往復交通費
・語学学校、大学、専門学校などの授業料
・現地での健康保険料(詳しくは後述)
・現地での生活費(詳しくは後述)

留学の種類や留学先を決めるには、留学エージェントに相談するのが一番です。海外留学で何をやりたいか、初めははっきり決まっていなくても、留学エージェントのプロと相談するうちに、自分がやりたいことが見つかるということもよくあります。

また、留学エージェントを利用する大きなメリットは、基本的には相談料等が無料のところが多いこと。そして具体的な留学先や日程が決まれば、学校の入学手続きや宿泊先の手配まで無料で手配してくれることが多いです。これは、留学先の学校などから留学エージェントに紹介料が支払われるからです。利用する側としては、とってもうれしいことですね。

他の留学前費用としては、大学や大学院留学を目指す場合のTOEFLやIELTSなどの受験費用が必要になります。

健康保険料と生活費に注意

上で挙げた費用のうち、特に注意すべきなのは、病気などに関する保険料と現地での生活費です。

特に長期の留学の場合は、病気や事故をカバーしてくれる保険に入っておくと安心です。海外の大学や大学院の場合は、保険に入ることが学生ビザ発行の条件になっています。

一般の語学学校や専門学校では保険加入は強制ではなく任意の場合が多いですが、特にシニアの場合は忘れずに加入しておきたいところです。所有しているクレジットカードに保険が付いている場合もありますので、どのような場合にどのようなところまでカバーしてくれるか、しっかり調べておくといいでしょう。1カ月以内程度の短期留学であれば、クレジットカードの保険で大丈夫ということもあります。

生活費は主として居住費と食費です。

数週間〜1カ月程度の留学であればホテルに宿泊するのが安心でしょう。簡単なキッチン付きのホテルであれば、スーパーマーケットなどで材料を買ってきて自分で調理することで、食費を抑えることができます。

長期の留学となると、ホテル住まいは費用がかかり過ぎることになるかもしれません。その場合はアパートを借りるという選択肢も考慮する必要があります。この辺りも留学エージェントに相談するのがいいでしょう。

1つの家に複数の人が住むシェアハウス、1つの部屋を共同で使うルームシェアなどは家賃を低く抑えることができますが、生活時間を若い人とともにすることになるので、シニア世代にはちょっと厳しい選択肢かもしれません。しかし気にならない人には、多くの若い人々とコミュニケーションを深められるいい機会になる場合もあります。

為替の変動で負担が大きく変わる

以上のように、留学時に考えておくべき費用にはさまざまなものがありますが、気を付けておきたいのは、為替の変動で金額が大きく変化する可能性があること。例えば1ドル150円の時と、1ドル130円の時では、日本円にした場合の負担額は大きく変わります。学費も為替に応じて変わったりするので気を付けましょう。

また、特に欧米諸国では年々物価が上昇するため、日本国内の感覚からするとかなり物価が高いと感じられる場合が少なくありません。海外留学計画を立てる時は、こうした物価の違いも頭に入れておきましょう。

具体的な金額は具体的に相談して

以上のように、どのような種類の留学にいくらぐらいの費用がかかるかはまさに千差万別です。国や時期によっても変わります。やはり留学エージェントと具体的に相談する中で、費用についても遠慮なく質問していきましょう。

シニア留学のメリット・デメリット

50代、60代になって留学するシニア留学にはどんなメリットがあるのでしょうか? また、これまで年齢を重ねてきたことが、留学に当たってどんなメリットになるのでしょうか?

一方、シニアならではのデメリットや注意点があるのも確か。順に見ていきましょう。

シニア留学のメリット

自分の可能性を再発見できる
シニア留学の魅力の第一は、これからの自分にどんなことができるかを知ること、あるいは、自分の中にいまだ眠っている可能性を発見できること、ではないでしょうか。そこから新しい世界が広がり、人生がより楽しいものになるのに加え、場合によっては新しいビジネスチャンスにもつながっていきます。

あせらずに計画を立てられる
大学生の留学の場合は、就職のための英語力強化など、何らかの必要性が伴うことも少なくありませんが、シニア留学の場合は、そうした、何かに追い立てられて、ということは少ないでしょう。多くの選択肢の中から、場合によっては遊びの延長のような感覚で、海外留学計画を考えることができます。

これまでの経験を生かせる
人と上手に話をすること、相手の気持ちを考えること、など、シニア世代の人にはこれまで培った多くの経験があります。こうした経験は留学先でも大いに役立つものです。人間関係の構築だけでなく、何かを学ぶという姿勢自体が若い頃と違っているのを自覚するでしょう。学ぶこと自体が若い頃よりも楽しい、という声もよく聞きます。

年代を超えたコミュニケーションが可能
特に英語圏の場合、英語には日本語のようなかっちりした敬語体系はありませんので、若い人と話をする時も気軽に、フラットな関係で会話を進めることができます。日本語の場合、歳上の人だと「さん」付けをしたり使う言葉に気を付ける必要がありますが、英語では基本的にはそういったものはありません。

世界中から集まっているさまざまな世代の人々と気軽にコミュニケーションを行えることで、新しい価値観に出会い、自分の世界を広げることができます。

インターネットにはシニア留学を経験した人々の体験談ブログもあります。こうしたブログを読んで計画作りの参考にするのもいいでしょう。

シニア留学のデメリット・注意点

健康面への配慮
シニア留学のデメリットや注意点をあえて挙げるとするならば、一つは健康への配慮でしょう。国によっては留学前の健康診断を義務付けているケースもあります。

筆者の知人男性も、52歳でオーストラリアの大学院に留学しようとした際、血圧が140をちょっとだけ超えていたため、ドクターストップがかかってしまいました。入学を延期し、6カ月の間、血圧の薬を飲み続け、やっと血圧の数値が下がってオーストラリアに向かいました。その後、健康診断は不要になったそうです。

健康診断等については、各国の法律がよく変更になっていますので、事前にしっかりチェックするようにしましょう。

また、現地に着いてからも安心して過ごせるように、先述した保険への加入は忘れないようにしましょう。長期留学の場合は、歯科の保険にも別途入っておくなどした方がベターです。

家族との調整
留学する際、配偶者は同行するのか、子どもたちはどうするのか、などを考えておく必要があります。留学費用が家計を圧迫しないか、などは最初にチェックすべき項目ですね。

おすすめのシニア留学先

基本的にはたとえシニアであろうが、世界中、どこに留学してもかまいません。でも今回は、特に最近シニア世代の関心を集めている「オーストラリア」「イギリス」「フィリピン・セブ島」の3地域について、以下、簡単にご紹介したいと思います。

オーストラリア

温暖な気候と豊かな自然
オーストラリアは一年を通して温暖な気候が特徴で、寒暖差が少なくシニア世代にとって体への負担が少ないと言えます。また、ビーチや国立公園、広大な自然があり、心身ともにリフレッシュできる環境が整っています。

フレンドリーで多文化的な社会
多民族国家であるオーストラリアでは、外国人に対する受け入れが非常に寛容です。フレンドリーな国民性と多文化的な社会は、初めて海外で生活するシニア世代にも安心感を与えます。

高品質な教育と柔軟なプログラム
オーストラリアの教育機関は世界的に評価が高く、語学学校やカルチャースクールでは初心者から上級者まで対応できる柔軟なプログラムが用意されています。また、趣味やライフスタイルに合わせた短期コースや長期コースも選択可能です。

安全で住みやすい環境
犯罪率が低く、治安が良い点もシニア世代には重要なポイントです。主要都市には整備された交通機関や医療サービスがあり、生活インフラも整っています。

イギリス

歴史と文化の豊かさ
イギリスは世界的に有名な歴史的建造物や文化遺産が数多く存在し、シニア世代が深い教養や新たな知識を得る場として最適です。また、文学や音楽、美術など、ヨーロッパ文化を体感できる環境が整っています。地元のティールームでアフタヌーンティーを楽しんだり、カントリーサイドを散策したりと、イギリス特有のライフスタイルを体験できる点も注目されています。穏やかで落ち着いた環境は、シニア世代にとって心地よいものです。

幅広いプログラムと柔軟性
語学学習だけでなく、歴史、芸術、ガーデニングなど、趣味や興味に特化したコースが豊富です。また、短期留学から長期滞在まで選択肢が広く、シニア世代のニーズに合わせたプランが可能です。

治安の良さと医療体制の充実
イギリスは治安が比較的安定しており、医療制度も発展しています。特にシニア世代にとって、緊急時に医療サービスを利用できる安心感は重要なポイントです。

ヨーロッパ旅行の拠点
イギリスを拠点にすれば、ヨーロッパ各地への旅行が容易で、留学中に多くの国や文化を体験することができます。歴史的な都市や観光地を訪れることが、留学生活をさらに豊かにします。

フィリピン・セブ島

コストパフォーマンスの良さ
セブ島は生活費や学費が比較的安いため、経済的な負担が少なく留学が可能です。シニア世代にとって、限られた予算で充実した学びと生活を楽しめる点が魅力です。

温暖な気候とリゾート環境
セブ島は年間を通じて温暖で、ビーチやリゾート地が多く、リラックスした環境で学びと生活を楽しむことができます。観光地としても有名で、留学中にリフレッシュできるアクティビティが豊富です。

医療や生活インフラの発展
セブ島は都市部の医療機関や生活インフラが発展しており、安心して生活できます。特にシニア世代にとっては、医療環境の整備が重要なポイントとなります。

日本からのアクセスの良さ
日本からセブ島への直行便があり、フライト時間も短いため、シニア世代にとって移動の負担が少ない点が魅力的です。また、現地で日本語対応可能なサービスが多い点も安心感につながります。

フレンドリーで親しみやすい文化
フィリピン人のフレンドリーで親しみやすい性格は、初めての海外生活でも馴染みやすい環境を提供します。文化的な壁が低く、コミュニケーションのハードルが低い点も留学先として人気の理由です。

まとめ

今回の記事では、シニア世代の海外留学について、その種類やメリット、デメリットなどを解説・説明しました。

歳を重ねたからこそできることはたくさんあります。経済的、時間的にゆとりがでてきた人にとって、海外留学はこれからの人生を充実したものにするとても有効な手段の一つであることは間違いないでしょう。

ちょっとリゾート気分で始めるもよし、またそこから本格的に大学院などに進学するのもよし。楽しんで学んで、そして自分の世界を大きく広げていってください。

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