中国留学を考えているけれど、英語圏への留学に比べて渡航者が少なく、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
実際に、日本学生支援機構が行った令和4年度の調査では、日本人留学生数の多い国は、アメリカ、カナダ、オーストラリアと英語圏の国が上位を占めています。
一方で、
中国語は世界で最も話されている言語の1つ
であり、ビジネスや国際交流の場面でますます重要性を増しています。
中国留学は、今後注目されていく中国語を学べる機会としておすすめです。
この記事では、そんな中国留学について、種類やメリットを解説します。 中国留学にかかる費用についても解説しているので、ぜひ内容を確認してみてください。
中国の基本情報
中国は、世界有数の歴史と文化を誇る大国であり、近年では経済成長が著しいことでも知られています。
広大な国土には、北京や上海といった国際都市から、歴史的な街並みが残る古都まで、様々な魅力が詰まっています。
日本から中国へ行くのにかかる時間は、飛行機で3~4時間と、英語圏の国と比べて短いです。
時差も1時間と少なく、同じアジアの国で文化も似ていることから、渡航後の生活に慣れやすいと言われています。
中国は国土が広く人口も多いので、気候や治安には地域差がかなりあります。
日本人に人気の留学先である北京や上海は、比較的日本の気候と近く、治安もそこまで悪くないです。
中国留学の種類
中国留学には、以下の3種類があります。
・短期留学
・語学留学
・長期留学
それぞれについて、詳しく解説していきます。
短期留学
短期留学では、数週間から数ヶ月程度の期間、中国で言語や文化を学びます。
滞在期間が短い分、費用を抑えることができ、中国語の基礎を学びたい方や中国の文化を体験したい方におすすめです。
短期留学で中国へ行く際に最も人気なのは、語学学校への留学です。
中国語の語学学校では、初級から上級まで、学習者のレベルに合わせたコースで集中的に中国語を学べます。
他には、大学のサマープログラムや中国企業へのインターンシップがあります。
サマープログラムは、中国語の授業だけでなく、中国の歴史や文化、芸術を学ぶためのアクティビティが魅力です。
太極拳を体験したり、万里の長城や故宮などの歴史的な場所を訪れたりします。
中国企業へのインターンシップは、すでに中国語を学習している人にとって、中国語のさらなるスキルアップや中国のビジネス文化を肌で感じるのに絶好の機会です。
中国は人口が多く企業もたくさんあるので、数多くのインターンシッププログラムがある企業から自分の興味にあったインターン先を選べます。
中国に短期留学する際は、ビザが必要です。
必要なビザの種類は以下の表のとおりです。
渡航目的 | ビザの種類 | 特徴 |
短期語学留学 | X2ビザ | ・180日未満の語学留学 ・就労はできない |
インターンシップ | Zビザ | ・就労許可証が必要 |
語学留学
語学留学は、半年以上の一定期間、中国語学校に通いながら、集中的に中国語を学習するプログラムです。
短期留学に比べて費用はかかりますが、その分実践的な中国語力を身につけることができます。
中国の語学留学先には、一般的な語学学校や大学付属の語学センターなどがあります。
一般的な語学学校は、中国語を教える専門のネイティブ講師による、発音やイントネーションの直接指導が特徴です。
大学付属の語学センターは、最終的に中国の大学へ進学する際の基礎固めとして大学レベルの中国語を学びたい人におすすめです。
語学留学では、中国語能力試験(HSK)対策のコースを受けられる場合があり、証明できるくらいの高い語学力を身につけることが期待できます。
短期留学に比べてより結果が出やすいので、確実に中国語をマスターしたい人に適しているでしょう。
中国に半年以上語学留学する際は、X1ビザが必要です。
留学先の学校から発行される入学許可証の原本とコピーが必要なので、申請前に準備しておきましょう。
長期留学
長期留学は、4年以上中国の大学に通い、学位を取得することを目的としています。
中国の大学を卒業することは、中国企業へ就職するのに有利です。
中国の大学に通うことは、単に中国語を習得するだけでなく、現地での生活を通して文化やマナーも学ぶことができます。
中国で働く際に必要な、「中国流のビジネスマナー」を肌で感じることができます。
また、長期留学は短期の留学よりもグローバルな視点を身につけやすいです。
英語と違い中国語は留学先の選択肢が少なく、本場である中国本土には世界各国から留学生が集まります。
中国人だけでなく様々な国の留学生がいる中で生活することは、グローバルな人脈形成につながります。
中国へ長期留学する際は、大学選びが大切です。
人口が多く大学もたくさんあるので、その中から自分が学びたい分野に強みを持つ大学を選ぶとよいでしょう。
世界的に見てレベルが高い大学も数多くあるので、語学留学などで中国語力を上げてからハイレベルの大学に進学するのもおすすめです。
長期留学の際も、語学留学同様X1ビザが必要です。
X1ビザはアルバイトを含む就労ができないので、事前に学費や生活費を準備したり奨学金を利用したり計画的に準備しましょう。
中国留学のメリット
中国留学のメリットは、以下の4つです。
・世界で最も話されている言語を習得できる
・経済成長が著しい中国で活躍できる
・日本との共通点が多い環境で学べる
・低費用で留学できる
それぞれについて詳細を確認していきましょう。
世界で最も話されている言語を習得できる
中国に留学することで、世界で最も話されている中国語を習得することが可能です。
中国語は、中国、台湾、シンガポールで公用語に定められているほか、
マレーシアやインドネシアなどの東南アジアや、世界各地の華僑・華人コミュニティで話されています。
中国語話者は世界で13億人以上
と推定されており、世界で最も多い話者数を誇る言語の1つです。
中国語話者が多いことから、グローバル企業をはじめとする多くの企業で中国語を話す人材が求められています。
ビジネスマンだけでなく、クライアントが中国人という場合もあるので、カスタマーサポートなどでも中国語を話す人が重宝されています。
経済成長が著しい中国で活躍できる
経済成長が著しい中国で活躍できることも、中国留学のメリットです。
中国は、世界で最も人口が多い国であるだけではなく、
経済が急速に成長している国
でもあります。
近年、中国の世界経済への影響力は大きく、中国語を話せることで世界市場でのビジネスチャンスが広がります。
特に成長が著しい、製造業、IT、Eコマース、金融などの分野は、中国語を話す人の活躍が期待されている分野です。
これらの分野を専門としている人にとって、中国語を話せることは自分の市場価値を高めることにつながります。
日本との共通点が多い環境で学べる
中国留学のメリットには、日本との共通点が多い環境で学べることがあります。
特に食文化や生活習慣は共通点が多く、欧米諸国と比べると
留学中にホームシックになりづらいです。
日本と中国は、醤油やラーメンなど、共通の食文化を持っています。
また、中国の住居や交通機関も日本と似ている部分があるため、日本人にとって中国で生活することは、他の国で生活することに比べてストレスを感じづらいと言われています。
たとえば、中国は日本から近い国なので日本の食品が比較的手に入れやすく、日本製の家電製品も普及しています。
低費用で留学できる
中国は低費用で留学できる国なので、経済面が心配な人にとっても留学のハードルが低いです。
留学費用が安い理由には、
学費と物価が安いことがあります。
中国の公立大学の学費は、日本の国立大学に比べても安いです。
日本の大学よりも学費が高い英語圏の国と比べると、その差は数百万円です。
奨学金制度も充実しており、学費が免除されて年間数十万円になる場合もあります。
食費や家賃、交通費などの生活費も、日本と比べるとかなり安いです。
特に地方都市では物価が安く、月3~5万円で生活できる人もいます。
中国留学にかかる費用
中国の大学は学費が安いため、語学学校に通う短期留学よりも大学に通う長期留学の方が、1ヶ月あたりの学費が安くなる傾向にあります。
中国留学で必要な費用の目安は、以下の表のとおりです。
期間 | 費用の目安 |
1ヶ月 | 約30万円 |
3ヶ月 | 約50万円 |
半年 | 約100万円 |
1年間 | 100~200万円 |
中国への渡航費は、往復1~10万円です。
それに加え、月々の学費が数万円、生活費が5~10万円程度かかります。
ただし、中国は地域によって経済格差が大きく、滞在する都市によって費用が大きく異なるので自分の希望している都市の物価を考慮することが必要です。
中国の学費の目安は、以下の表のとおりです。
学校の種類 | 1年間の費用の目安 |
公立語学学校 | 20万円~ |
私立語学学校 | 25万円~ |
大学付属の語学センター | 30万円~ |
大学 | 30万円~ |
中国に留学する際には、
奨学金を利用できます。
「中国政府奨学金」や日本学生支援機構による奨学金が代表的ですが、学校独自の奨学金を準備している大学もあります。
奨学金制度には年齢制限や学力の条件がある場合もあるので、自分が利用できる奨学金について事前に調べておきましょう。
まとめ
この記事では、中国への留学について種類やメリットを解説しました。
中国への留学は英語圏への留学同様、語学習得や学位取得を目的としたプログラムがあります。
中国留学のメリットは、以下の4つです。
・世界で最も話されている言語を習得できる
・経済成長が著しい中国で活躍できる
・日本との共通点が多い環境で学べる
・低費用で留学できる
中国は日本からも近く物価も安いので、留学のハードルが低いです。
今後中国語を話せる人材が必要とされるので、中国語に興味がある人は本場で中国語を勉強して、グローバルに活躍する第一歩を踏み出しましょう。
◇経歴
学習塾での英語指導経験、英語を使用した外国人への日本語指導経験あり
◇資格
TOEIC 835点、英検準1級
◇留学経験
フィリピン・セブ、3週間、IDEA ACADEMIA
◇海外渡航経験
旅行で台湾、韓国、語学留学でフィリピンへの渡航経験あり
2025年8月にニュージーランドへ移住予定
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
小学校のALTがきっかけで英語に興味を持ち、英語の専門学校へ入学。
在学時から学習塾で子供たちに英語を指導してきました。
現在は日本語教師として英語で外国人に日本語を教えながら、私生活では海外移住に向け英語を勉強中。