日本語には、外来語が多く取り入れられています。その中には、英語が元になっているものも少なくありませんよね。しかし、外来語の中には、元の言語とは全く違う意味を持つものや、元の言語では全く使われないものもあります。
これらは皆さんご存じの「和製英語」と呼ばれ、日本語独自の表現として使われています。その一例として、「グラデーション」という言葉があります。
この記事では、「グラデーション」が英語でどのように表現されるのかについて詳しく解説していきます!
グラデーション 意味
「グラデーション」という言葉は、日本語でも一般的に使用されているのではないでしょうか。特に、デザインやアートの分野でよく使われます。この言葉は、色の変化を滑らかに段階的に表現する際に使われます。例えば、一つの色から別の色へと徐々に変わる過程が「グラデーション」です。青から緑への変化、赤からオレンジへの変化などですね。
また、「グラデーション」という言葉は、色以外の変化にも使われることがあります。音量が徐々に増減する場合や、形状が滑らかに変化する場合にも「グラデーション」という表現が使われることがあります。
このように、「グラデーション」は日常会話でも使う表現です。イラストや動画でもよく使う表現で、絵画やその手法、技法などを表すときには知っておきたいですね。
しかし、この「グラデーション」という言葉が、英語圏でどのように理解されているのでしょうか。そのまま言って通じるものなのでしょうか。以下で、実際に英語圏で使用されている表現を見てみましょう。
グラデーション 英語表現
「グラデーション」は、日本語で一般的に使われていますが、英語では少し違う表現が使われています。英語圏では、色の変化やその他の段階的な変化を表現するために、以下のような英単語を使います。それぞれ見ていきましょう。
Gradient
「グラデーション」に最も近い英語の表現は「gradient」です。特に色の変化を表現する際に広く使われます。
デザインやプログラミングの分野では、この「gradient」が一般的です。例えば、ウェブデザインでは、CSSでグラデーション効果を設定する際に「gradient」が使用されます。
Hmm…I guess it may be better to use a blue-to-green gradient here.
う~ん…ここに緑から青へのグラデーションを使うと良くなると思うけどな。
Fade
色の変化を表現する別の言葉として「fade」があります。これは、「フェード」とも訳され、色が徐々に変わる様子を示します。
「fade」は特に音楽や映像の分野でよく使われる言葉で、音や映像が徐々に消えていく様子を表現する際にも使用されます。日本語では「フェードアウト」と言いますよね。
Look! I like the fade from pink to orange in the sky!
見て!私、空のピンクからオレンジのグラデーションが好きなんだよね!
Ombre
「ombre」はフランス語由来の言葉で、ファッションやヘアスタイルで使われます。色が根元から毛先にかけて段階的に変わるスタイルのことを表します。
「ombre hair」と言うのが一般的です。日本だと、髪を染めて時間が経った伸びた髪を「プリン頭」なんて言ったりしますよね。新しく髪が生えてきた根本が黒いため、プリンのカラメルのように見えるからです。
ちなみに、ファッション業界では「ombre dress」というように、衣服の色が段階的に変わるデザインを指すこともあります。
He says he likes my ombre hair, but I think I need to dye it.
彼は私のグラデーションになってる髪がいいって言うけど、私は染めなきゃって思ってるんだよね。
Blending
色を滑らかに混ぜ合わせたような表現をする際には「blending」も使用されます。「blending colors」は、異なる色を自然に組み合わせることを意味します。日本語でも「ブレンドする」と言いますよね。
Why don’t we blend colors there?
あそこの色を混ぜてみたらどうかな
Gradation
「gradation」という言葉もありますが、これは「グラデーション」の直接的な訳語です。しかし、英語圏では「gradation」は一般的な日常会話ではあまり使われず、主にアートや音楽の専門用語として使用されます。
例えば、「音のグラデーション」は「gradation of sound」となりますが、日常的な表現としては「fade」や「gradient」を使った方が自然です。
What do you think of the gradation of sound?
この音のグラデーションをどう思う?
「だんだんに」「徐々に」 英語表現
「グラデーション」という言葉は色の変化を表すときに使われますが、段階的な変化を表現する「だんだんに」や「徐々に」という言葉は、英語でどのように表現するのでしょうか。これらの表現を見てみましょう。
Gradually
「だんだんに」「徐々に」を表現する最も一般的な英語は「gradually」です。何かが少しずつ変化していく様子を示します。
例えば、「色が青から緑へ徐々に変わる」は「The color gradually changes from blue to green.」となります。「gradually」は、時間をかけて変化が進行することを示すため、多くの文脈で使えます。スペルや音に、「グラデーション」の名残りがありますよね。
She climbed the mountain gradually.
彼女は、だんだんと山を登っていった
Gradually, the car picked up speed, so I was a bit nervous.
だんだんとその車がスピードを上げたから、私ちょっと不安になっちゃった
Step by step
「だんだんに」をもう少し具体的に表現する際には「step by step」が使われます。変化が一度に起こるのではなく、文字通り一歩一歩進むことを意味します。計画的に進行する様子を強調したい場合に使われることが多いため、ビジネスシーンで使う機会も多いかもしれません。
The project is progressing step by step.
プロジェクトは徐々に進んでいる。
Every teacher says, “ Study step by step!”. Do you agree?
どの先生も『少しずつ』って言うよね。賛成できる?
Little by little
「徐々に」という意味を持つもう一つの表現が「little by little」です。「little」が「少し」という意味であることからわかる通り、変化が少しずつ進行することを示します。天候など、自然に進行する緩やかな変化を表現するときに使いやすいです。
「step by step」と同様に、前置詞「by」が同じ単語の間に挟まっています。このような使い方はたくさんあるので、まとめて覚えると効率的です。
Little by little, the weather is getting warmer.
少しずつ暖かくなってきた。
She continued to practice the guitar, and little by little, her skill was getting better.
彼女はギターの練習を続け、少しずつ上手くなっていった。
ちなみに…前置詞「by」を使った繰り返しの表現はこちら。
・Bit by bit:少しずつ、段階的に何かが進行することを意味します。
The project is progressing bit by bit.
プロジェクトは少しずつ良くなっている。
・Piece by piece:こちらも一つ一つ、少しずつ進行することを示します。
We are building the puzzle piece by piece.
パズルが少しずつできてきてるよ。
・Inch by inch:少しずつ、とてもゆっくりと進むことを意味します。
The glacier moves inch by inch.
氷河は少しずつ動いている。
その他の「だんだんに」「徐々に」 英語表現
Incrementally
少しずつ増加する様子を示すときに使います。数値やデータの変化を表現する際によく使われます。
The prices are increasing incrementally.
価格がだんだんと上がってきている。
Incrementally, our number of customers is getting higher this month.
だんだんと、今月の顧客の数が増えている。
Progressively
「徐々に進行する」という意味を強調したい場合には「progressively」も使えます。特に、悪化や改善が段階的に進む場合に使うことが多いです。
「progress」が「進行する」という意味の動詞なので、何かが進行することが前提で使われます。「進行する」と言うと、前に進んでいるため良いイメージがあるかもしれませんが、病気に使うと悪い意味に変化します。
The disease is progressively getting worse.
病気が徐々に進行している。
まとめ
「グラデーション」は日本語では広く理解されていますが、英語圏では和製英語として通じにくい場合があります。英語で色の変化を表現する際には、「gradient」や 「fade」、「ombre」などの表現を使用すると良いでしょう。
また、「だんだんに」「徐々に」といった段階的な変化を表現するためには、「gradually」や「step by step」、「little by little」などのフレーズを覚えておくと、英会話などで使えて便利です。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.