「約」って英語ではなんて表現するのか知ってますか?

約, 英語, ネイティブキャンプ

みなさん、こんにちは。この記事では「約」という意味の言葉を英語で表現したいとき、いったいどのような単語を使えばよいのかを、それぞれの状況に合う例文をあげながら、言い方、使い方、ニュアンスについて解説していきます。

「約」「おおよそ」「だいたい」という言い方は、日常会話だけでなく、仕事においても論文を書くにあたっても、頻繁に使う表現です。例えば、この駅の利用者は一日あたりおおよそ2万人、この町の人口はおおよそ5万人というような情報を表したいとき、あるいは個数は一人あたり約5~6個というようなおおまかな数量を表現したいとき、13という数字を約分するとおおよそ〜になる、というようなだいたいの数値を表すようなとき、他にもおおよその距離や量を表すときなど、さまざまな状況で使用します。

ほかにも、彼はだいたい20代くらい、彼女の髪はグレーっぽい、背が高いっぽい、などなど、他の単語から言葉を作るユニークな表現の仕方もあわせて紹介したいと思います。それではさっそく学びの旅に出発しましょう。

日本語の「約」について

教育専門の出版社 旺文社の辞書によると、日本語の「約」の意味はこちらの10種類になります。

1、しばる。たばねる。
2、しめくくる。まとめる。ひきしめる。「要約」
3、ちぎる。ちかう。とりきめる。
4、つづめる。簡単にする。はぶく。「約分」
5、つづまやか。ひかえめにする。「節約」
6、けち。物惜しみ。
7、苦しみ。貧困。「困約」
8、ほぼ。おおむね。「大約」
9、要を得ている。
10、はっきりしない。「隠約」

「約」という言葉には、実にたくさんの種類の意味があります。漢字が醸し出す独自のイメージと併せ持つ意味は、容易に推測できることもありますが、時には全く違うこともあり、それらを知ることも学ぶ楽しみのひとつでしょう。

さて、この「約」という言葉ですが、これも例に違わず、使い方や文脈によって、あるいは他の単語とペアで使うことによって、さまざまな意味に変化します。「どの単語とペアになっているかで意味が変わる」「文脈による」というそのあたりの解釈の変化は、日本語も英語も同じですね。

「約」英語表現

こちらでは、日本語の「約」を表す英語を8種類紹介したいと思います。

1|About

about = 特定の数や量、サイズより、若干多いか少ないか

aboutは、英語で「約」を表現したいとき、最もよく知られ使われている単語です。特に日常会話でよく使用されます。数値、数量、距離、予定の到着時刻などに対して使用でき、同じような意味で使われる表現としては、roughly、 approximatelyがあります。

英会話の口語表現では、この「about」が一般的によく使われており、約、おおよそ、だいたい、というニュアンスで使われています。

I live about 20 km away from Tokyo.
私は、東京からおおよそ20キロ離れたところに住んでいます。
The plane will arrive in about an hour.
飛行機は、約一時間後に到着します。
The size of the cake is about the same as your palm.
ケーキのサイズは、だいたいあなたの手のひらと同じくらいです。

2|Approximately

approximately = 特定の数や量より若干多いか少ないか

他に同じような意味で使われる表現として、roughlyがあります。

approximatelyは、論文を書くときや仕事の上などで使用され、特に技術的、または科学的な文脈で使用されます。英語から日本語に訳する場合は「概ね」というような表現を使用することも出来ます。approximatelyは、もちろん日常会話でも口語で使用されます。

The profit of this company was approximately 200 million yen.
この会社の利益は、おおよそ2億円でした。
In this town, the population has been increasing by approximately 5 percent each year.
この町では、人口が概ね毎年5パーセントずつ増え続けています。

approx. は、approximatelyの略称です。

Approx. 150 miles=約150マイル
Weighs approx. 350kg.=重量は約350kg

3|Roughly

roughly = 何かの大きさ、量、数について大まかな見当をつけたいとき

ほぼ、だいたい、概ね、というニュアンスです。about、 approximatelyとは、synonymと呼ばれる「よく似た意味を持つ」言葉の仲間です。

Company A and Company B's profits are roughly the same.
A 社とB社の利益はほぼ同じです。
Roughly how long have you been working here?
だいたいどのくらいの期間、あなたはここで働いているのですか?

4|Around

around = 数字や時間について、推測するとき

「推測する」という意味ですが、これは何の根拠もないただの憶測という意味でもあり「当てずっぽう」というようなニュアンスも含まれています。

around = used when guessing a number, amount, time, etc., without being exact.
つまり、単なる当てずっぽうであり、正確ではありません。「約」や「おおよそ」に近いかもしれないが、そうではない可能性も含まれます。あくまで推測であり正確ではない、事実とかなりかけ離れている可能性もあります。

There must have been around 10,000 people in the hall.
会場には1万人はいただろうか。

この文章では「会場には1万人はいただろうか」と数字について述べていますが、そのくらいはいたに違いない、というただの勝手な憶測であり、実際の人数とはかなり違う可能性があります。1万人と推測通りだったかもしれないけれども、5千人だったかもしれないし、3万人だった可能性もあります。そのあたりは本当に「推測」であり、aboutやapproximatelyとは意味がやや異なる使い方ができます。

He will arrive around tomorrow.
彼は、明日くらいには到着します。
She usually comes home around 5:00 pm.
彼女はだいたい午後5時くらいに帰ってきます。

しかしながら、上記のように、usually=たいていの場合、たいていの状況で起こっている、を意味する言葉が文脈に入っているなどの場合、明らかにだいたい午後5時くらいには帰ってくる、ということが汲み取れます。このように、文脈によって意味を変える単語は多くありますので、単語だけで意味を判断せず、必ず文脈から意味を判断するようにしましょう。

5|Somewhere/something in the region of

Somewhere/something in the region of = aboutと同じ意味ですが、非常に大きな数字や金額で使われます。フォーマルな表現で、仕事や論文などで使用します。

もちろん日常会話でも使用できます。例えば、いま取り組んでいる仕事があり、それらに詳しい人物や取引先の方などと一緒に事業の規模や状況などを話し合ったりするとき、これらの英語の表現を英会話で使用できます。

The annual operating cost of the plant is something in the region of 1 billion yen.
工場の年間稼働コストは10億円ほどかかります。
Revenues from this business would be somewhere in the region of $2 billion.
この事業の収益は20億ドルほどになるでしょう。

6|Or so

or so = about と同じ意味ですが、or soは、期間、数字、金額の後に使われます。カジュアルな表現で、親しい仲間との会話など口語でのみ使われます。20分くらいかな、3000円ほどかな、というようなニュアンスで使われます。

It's an hour or so from my house to the office.
家から会社までは1時間くらいかな。
I think the budget for the movie is 2000 yen or so.
映画の予算は2000円ほどかな。

An hour or so、2000 yen or soと、数字の後に使われています。このように、or soは必ず期間、数字、金額などの後に使用します。

7|Circa

circa = 日付の前に使うことで、その日付に近い日に何かが起こったことを示します。aboutやaroundと同じ意味の言葉です。

circaはラテン語で「約」を意味します。何かが起こった「おおよその時期」を示すのによく使われ、c.、ca.、ca、cca.などと短縮されることも多くあります。

例えば、歴史上の人物など、存在したことはわかっているけれども、何年に生まれたのかはっきりしないというような場合、c.600=おおよそ600年生まれ、と表現します。みなさんもおそらく、どこかで目にしたことがあることでしょう。

8|Or more

or more = 合計が特定の数、あるいはそれよりもっと多くなるかもしれないときに使います。数字や金額の後に使います。

The budget for purchasing fish is $10,000 or more.
魚の購入予算は一万ドル、あるいはそれ以上になります。

この文章では、魚の購入予算は一万ドル、あるいはそれ以上、と述べています。一万ドルかもしれないけれども、それを上回る可能性があるというニュアンスです。

「おおよそ」「ざっくり」の英語表現

こちらでは、すでに紹介した8種類の「約」を表現する単語以外の言葉を紹介したいと思います。

「おおよそ」|Almost

almost=ほとんど

「おおよそ」と表現したいとき、almostは使いやすい単語のひとつです。何かに取りかかっていて「おおよそ終わったよ」と言いたいとき、あるいは「おおよそ準備できたよ」「おおよそ食べたよ」など、いろんな状況で使用できます。

「おおよそ」|Nearly

almostとよく似た意味を持つ言葉でnearlyがあります。「ほとんど」とも使えますが、「もうすぐ」というニュアンスです。

nearly = ほとんど

They have been studying English for nearly 5 years now.
彼らは英語を勉強し始めてもうすぐ5年になります。

この文章では、for nearly 5 years nowをおおよそ5年とも訳せますが、5年に限りなく近づいているというニュアンスで「もうすぐ5年」と訳する方が自然です。near=近い、という言葉の副詞nearlyを使い、5年に近づいていっていることを強調し、ほとんど5年になるということを伝えています。

「おおよそ」|-ish

英語の名詞や形容詞に、suffix = 接尾辞と呼ばれるものを付けて新しい単語を形成するという方法で言いたいことをより簡単に伝えられるようになります。

He is tallish.
She is brownish.
They must be thirty-ish.

上記の文章で、背が高いっぽい、髪は茶色という感じ、30代っぽい、というようなニュアンスを伝えているのですが、日本語でも英語に訳することが難しい言葉があるように、これらの英語独自のニュアンスを日本語に正確に訳することは少し難しいです。〜という感じ、〜ぽい、というニュアンスが一番近いです。-ishを付け加えることで、表現の幅がぐんと広がりますので、ぜひ使ってみてください。

You are an adult already, please don't be so childish
もう大人なんだから、そんな子どもっぽい行動をとらないでください。

「ざっくり」|Rough

副詞としてのroughlyをすでに紹介しましたので、こちらでは言葉の仲間であるroughを紹介したいと思います。roughは、形容詞です。

rough = 正確でない、詳細が含まれていない、すなわち「ざっくり」という意味です。

Rough estimates
ざっくりとした見積もり
Rough blueprints
ざっくりとした設計図
The author completed the rough outline of the story.
作家は、物語のおおよそのアウトラインを完成させた。

まとめ

今回は、「約」を英語で表現したいときに使える8種類の英語の単語の使い方を、例文、表現のニュアンスとともに解説しました。併せて、ちょっと便利でユニークな、〜っぽい、〜という感じ、を表現する言い方も例をあげて紹介しました。

数値や数量、距離だけでなく、事業の予算や人口の増減など、「約」を使用する場面はとてもたくさんあります。日常会話や仕事などで、ぜひ状況に応じていろんな種類の「約」を積極的に使い分けてみてください。

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