皆さんは、「外国人」と英語で言うとき、どんな単語を思い浮かべますか?「foreigner」は「外国人」の和訳として一般的ですが、果たしてこれは、外国人に対して失礼な表現なのでしょうか。
日本語で「外人」と言うことを避けることがあるように、英語でも使用を避けた方が良い表現があります。失礼になる表現が持つニュアンスと、英語圏で正しく使う方法を学んでいきましょう!
「Foreigner」の意味
「foreigner」という言葉は「外国人」を意味します。自分が現在いる国の出身ではない人を指す英単語です。以下に例文を載せます。
私が京都に仕事で引っ越したとき、たくさん外国人観光客がいてすごくびっくりした
一般的に「外国人」と言うときに使うのが「foreigner」であり、日常会話レベルで使う英単語です。
要注意!使うと失礼に当たる可能性のある表現
相手を傷つけるような言葉を避けるためには、英語学習者とて「それが失礼な表現だとは知らなかった」では通じないこともあります。特に、異文化や異なる背景を持つ人たちと接するとき、その言葉が持つ歴史的背景や社会的なニュアンスを理解していないと、意図せず相手を傷つけてしまうこともあるでしょう。
「外国出身」を表す英語や日本語の表現について、使い方に注意すべき単語を以下で詳しく解説します。
Foreigner
「foreigner」という言葉は、「外国人」という意味で広く使われています。先ほど述べた例文のように、一般的な意味で使うには問題ありません。普通「foreigner」は、単に「異国の人」を指す中立的な言葉として使われるからです。注意しなければならないのは、文脈によっては排他的に聞こえることです。
例えば、「He is a foreigner.」という文は、その人が自分たちとは異なる存在であることを強調するように受け取られることがあります。「foreigner」と呼ばれることで、あたかもその人が「外から来た異物」であり、完全には社会に溶け込んでいないかのように感じさせることがあるので注意が必要です。
また、「foreigner」という言葉は、歴史的に見ても否定的な文脈で使われてきたことがあるので、その名残もあると言えそうです。19世紀から20世紀にかけて、多くの国で移民や外国人労働者に対して排斥運動が起こりました。この時期、彼らを「foreigners」と呼ぶことは、差別的な意味合いを帯びていたそうです。
Gaijin
「Gaijin」は日本語の「外人」をそのままローマ字にしたものです。直訳すると「外の人」という意味ですね。これは外国人を指す言葉ですが、多くの外国人がこの言葉に対して否定的な印象を持っています。「Gaijin」は、外国人を一括りにして「私たちとは違う存在」として扱うニュアンスを含んでいるからです。
例えば、日本で生活している外国人が「Gaijin」と呼ばれると、「私はこの社会の一員ではないのか」という疎外感を覚えることがあると言います。また、「Gaijin」は歴史的に見ても、異質なものを排除しようとする態度を含むことがあり、これが否定的な印象を強めています。
より中立的な日本語表現としては、「外国人」や「海外から来た人」という言い方の方がやんわりとしたニュアンスになりますよね。
Alien
「alien」という言葉も「外国人」や「異国の人」を指す意味で使われますが、日常生活で使うには注意が必要です。「alien」はSF映画や小説で「宇宙人」として広く使われていますよね。非現実的で異質な存在というイメージが強く結びついている単語なので、やはり疎外感を与えかねません。
例えば、「He is an alien in this country.」という表現は、その人がまるで地球外から来た存在であるかのような印象を与えます。その人が社会に溶け込めていない、あるいは受け入れられていないというネガティブなニュアンスが含まれていることが多いので、普通は意図して侮蔑しようとしたときに使います。
また、「alien」は法律用語としても使われ、特にアメリカでは「illegal alien」という表現が「違法移民」を指すために使われてきたそうです。この言葉から、強い排斥的な意味合いがあることがわかりますよね。ですから、単に「外国人」を表すときには使用を避けるべきです。
Outsider
「outsider」という言葉も注意が必要な表現です。「outsider」は直訳すると「外部の人」という意味で、グループや社会の一員ではないことを意味します。単に特定のコミュニティや組織に属していないことを示すこともありますが、使い方によってはとても排他的に感じられることもあります。
例えば、「She is an outsider in this company.」という表現は、その人が会社の文化や人間関係に溶け込めていない、またはわざと除外されているかのように聞こえることがあります。
また、「outsider」は文脈によっては「内」と「外」の2つあるうちの「外」を強調するため、社会的な分断を表すこともあります。
「外国人」と言いたいときは何と言えばいい?
では、失礼にならないよう、英語で「外国人」と言いたいときの表現方法を学んでいきましょう!「外国人」を指す英語の表現にはいくつかあり、それぞれの状況や文脈に応じて使い分ければ失礼になりません。
International Person
「international person」という表現は、特定の国や地域に縛られないグローバルな視点を持つ人を指します。「国際的な人」が直訳です。この表現には否定的要素がなく、ポジティブな表現なので積極的に使えます。ただ、「外国人=国際的」かどうかはまた別の問題となるでしょう。
私たちの会社には、多様なアイデアがある外国人がひとり必要です
「international person」は国籍に関係なく、広い視野を持つ人々をポジティブに言える表現です。
Newcomer
「newcomer」は、特定の地域やコミュニティに新しくやってきた人を指します。これはフレンドリーで歓迎の意を込めた言葉です。半分日本語にもなっているかもしれませんね。
私たちの近所には新しく来た人たちがいる
「newcomer」は、特に地域社会やコミュニティで新しい人を歓迎する際に適しています。外国人留学生が大学に来たとき、会社に新人が来たときなどに使えます。
Visitor
「visitor」は、一時的にその国を訪れている人を指します。旅行者や短期滞在者に対して使われることが多いです。動詞の「visit」が「訪れる」という意味です。
市は世界中からの訪問者を暖かく迎えています
この例文では、「visitors」が歓迎されていて、ポジティブなニュアンスが込められています。観光などの一時的な訪問を対象とする場合に使うので、海外旅行に行った際には自分が「visitor」と認識されます。
Global Citizen
「global citizen」という表現は、特定の国籍に縛られず、世界全体を視野に入れて行動する人を指します。少し硬い言葉で、教科書に載っているような単語です。和訳では「地球市民」と訳されることが多いです。
私たちは地球市民として、お互いの文化を理解し、尊重するよう努めるべきです
教育的な文脈や国際協力の場面で使用することが多いです。
Foreign National
「foreign national」という表現は、法律や公式文書でよく使われます。その人が外国の国籍を持っていることを示すフォーマルな表現で、口語では言いません。
外国籍の人は、その国に入るためにビザを申請しなければなりません
日本人がビザを取る場合には、覚えておいた方が良いかもしれませんね。
まとめ
「外国人」を指す英語の表現には、「foreigner」以外にも多くの英語表現があることがわかりましたね。相手に対する敬意や状況に応じて、適切な言葉を選べるようにしておきましょう。
相手に失礼があると、せっかくの会話も台無しになってしまいます。私たちにとって英語は美国語ではないからと許されることもありますが、すべての人が心優しいわけではありませんし、傷つき方にも個人差があります。在留外国人や外国籍を持つ方を表す際の表現には気を付けて、誠実な対応を心がけましょう!
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.