ラブストーリーの設定にもよく使われる「幼なじみ」みなさんには「幼なじみ」はいますか。
「幼なじみの友達がたくさんいる」という人もいれば、「実は今のパートナーは小さい頃からの幼なじみ」という人もいらっしゃるかもしれませんね。
また、「幼なじみ」はラブストーリーの定番プロットの一つでもあります。日本のものか海外のものかに限らず、映画やドラマでは、幼なじみ同士が最終的に結ばれる、あるいは、互いに好きであることに気がつかないまま微妙な関係を続ける、というような物語がよくあったりしますよね。
さて今回は、そんな「幼なじみ」を英語ではどういうのか解説していきたいと思います。また、「幼なじみ」に加えて、「親友」「旧友」といったいろいろな「友達関係」についても、スラングも含め、その英語表現を考えていきます。
例文を多く織り交ぜ、使い方、読み方、発音なども含めて、できるだけわかりやすく説明していきますので、楽しみながら読んでください。
- 直訳にとらわれず別の言い方も考える
- grow up together
- have known each other since childhood
- childhood friend
- friend from childhood、friend since childhood、old friend
- 幼なじみの関連表現
- まとめ
直訳にとらわれず別の言い方も考える
「おさななじみ」は「幼なじみ」あるいは「幼馴染」「幼馴染み」などと書きます。
国語辞典・国語辞書で意味を調べると、「幼い時に親しくしていた人」などとあります。「私たちは幼なじみです」「彼とは幼なじみです」といったように使いますね。
さてこれを英語にしようという場合、大きく2つの方法が考えられます。一つの名詞から一つの名詞へそのまま当てはまる言葉に「直訳」する方法と、名詞などの品詞にこだわらず、別の言い方で表現する方法です。
実はこの考え方は、今回の「幼なじみ」に限らず、日本語を英語にする場合に常に心に留めておくべき大事なポイントです。
私たちは、ある日本語を英語にする時に、ついつい「直訳」するやり方をすぐに選んでしまいます。和英辞典・和英辞書などを引いて、良さそうな英単語を選択するというやり方ですね。
これでうまくいく場合ももちろんあります。でも、ぴったり当てはまる単語がなかったり、あってもすごく難しい単語だったりすることもしばしば。
そんな時は、対応する単語を無理に見つけようとせずに、別の言い方で表現できないかを考えるのが重要です。うまく「言い換え」できないか、考えるわけです。
「幼なじみ」に関していうと、実は、「直訳」と「言い換え」の両方のアプローチが可能です。
今回は、最初に、直訳ではなく別の言い方で表現する方法を説明します。この方がどちらかというと自然だし、ネイティブスピーカーがよく使う言い回しだからです。そしてその次に、直訳のアプローチを考えていきたいと思います。
grow up together
例えば「私たちは幼なじみだ」は英語ではどう言えばいいでしょうか。
まずは「幼なじみ」という単語を英語に直訳するのではなく、ネイティブスピーカー流に自然な形に言い換えるならば、よく使われるのが「grow up together」です。
これは、「一緒に育つ」という意味ですね。これを過去形(grew up together)で使えば「一緒に育った」となり、これがすなわち、「私たちは幼なじみである」という意味として使うことができるわけです。
「grow up together」を使う場合、主語は「私たち」「私と彼」「私と彼女」「私と●●さん」など複数にするのが普通です。以下に例文を挙げましょう。
私たちは幼なじみです。
ナンシーと私は幼なじみです。私は3歳の時から彼女を知っています。
次のように、途中に「〜ing」を入れて、情報を付け加えることもできます。
私たちは幼なじみで、一緒にサッカーをやってきました。
次のように、主語を「私」など単数にする場合は、「together」を外し「with」を付けて、「grow up with 〜」という言い方ができます。「〜と一緒に育った」つまり「〜と幼なじみだ」という意味になります。
彼とは幼なじみです。
私はヴィンセントと幼なじみですが、彼に対してロマンチックな感情を抱いたことはありません。
ジョージとは幼なじみで、一緒にバスケットボールをやってきました。
have known each other since childhood
「幼なじみ」の、直訳ではない英語表現の例としてもう一つ、「have known each other since childhood」というフレーズが挙げられます。
「childhood」は「子供の頃」という意味。発音をあえてカタカナで書くと「チャイルドフッド」という読み方になります。
「have known each other since childhood」は「子供の頃からお互いに知っている」という意味で、これがすなわち、「幼なじみである」ことを表すわけですね。
「grow up together」が、苦楽を共にした感じや仲の良さを強調するニュアンスが強いのに対し、「have known each other since childhood」はそれに比べると客観的な、やや冷静な印象を与える表現です。
私たちは幼なじみです。
childhood friend
さて次に、「幼なじみ」という名詞を英語の名詞に直訳するアプローチを説明しましょう。
複数の表現が考えられますが、まずは「childhood friend」です。そのまま訳せば「子供の頃の友達」ですね。これで「幼なじみ」を表せます。
彼は幼なじみです。
次のように、前述の「grow up together」と一緒に使って、「幼なじみ」であることを強調することもあります。日本語訳は1つの文で済ませました。
彼女とは、小さい頃からの幼なじみなんですよ。
friend from childhood、friend since childhood、old friend
「幼なじみ」は、「childhood friend」のほかにも、「friend from childhood」「friend since childhood」といった言い方ができます。
以下のように、「since」を使う時は完了形を使うのが一般的です。
彼女はあなたの幼なじみだそうですが、あまり仲が良くないようですね。 なぜですか?
彼女は私の幼なじみですが、私は今彼女に恋をし始めているかもしれません。
「old friend」で「幼なじみ」を表すこともできます。ただ、後述するように、これだけだと基本的には「旧友」「昔の友達」という意味なので、子供の頃からの「幼なじみ」と言いたい時は少し説明を足した方がいいかもしれません。
ヒロシは私の幼なじみの一人です。 小学校の頃はほぼ毎日一緒に遊んでました。
幼なじみの関連表現
ここまで、「幼なじみ」の主な英語表現について見てきました。
次に、「幼なじみ」に関連する表現、また、「幼なじみ」に限らない、さまざまな「友達」を表す英語表現を取り上げたいと思います。
竹馬の友
「幼なじみ」のことを表すユニークな日本語表現が「竹馬の友(ちくばのとも)」です。小さい時に一緒に竹馬にのって遊んだ友達、という意味ですね。
最近では、竹馬にのる機会じたいが減ってますので、ちょっと古さを感じさせる表現ではありますが、英語を日本語に訳す時に、場合によっては「幼なじみ」の代わりにこうした言葉を使ってみるのも面白いかもしれません。
彼は竹馬の友だ。
⚪︎⚪︎時代(から)の友人
「幼なじみ」というほど小さい頃からの友達ではないけれども、「中学時代の友人」「高校時代の友人」「大学時代の友人」「学生時代の友人」というような表現をしたいこともよくあります。
このような場合、以下の例文のように、「from」を使うのが一般的です。
メアリーは中学からの私の友人です。
トムは高校時代からの友人です。
実は、今の上司は大学時代の友人なんだよ。
学生時代の友人がたくさん参加するパーティーに行きます。
旧友
「旧友」つまり「昔からの友達」のことは一般的に「old friend」といいます。前述のように「幼なじみ」もこの「old friend」の一種類と考えることもできます。
彼らは旧友です。 彼らの間には目に見えない絆があります。
親友
友達の中でも大事な友達は「good friend」、さらに大事な「親友」になると「best friend」ということが多いですね。
He is my best friend.
彼は私の親友です。
「親友」が何人いるかは人によって違うかもしれません。親友っていうのは一人に決まっているという人もいれば、複数いたっていいじゃん、という人もいるでしょう。
複数の親友がいる場合は、次のように言えます。
彼は親友の一人です。
また、「best friend」以外にも、スラング表現を含め「とても仲のいい友」「親友」を表す英語表現がたくさんあります。
bestie:親友。「best friend」を短く略したスラング表現。
brother、sister:兄弟のように仲のいい友。
homie:親友、仲間、相棒などを意味するスラング。「同郷の友」を意味する場合もある。
戦友
実際に本当の戦争で一緒に戦った仲間は「a comrade in arms」「a fellow soldier」などと表現されます。
彼らは戦友です。
本当の戦争に行ったわけではなくても、「comrade」は「苦楽を共にした仲間・同僚」という意味で使うことができます。仕事で一緒に苦労した仲間など、比喩的な意味の「戦友」を表せるわけです。
アンドリューはこのビジネスを始めて以来、常に私の最高の戦友でした。
悪友
日本語の「悪友」は、あらためてその意味を考えると、なかなか複雑な表現です。
単純に「良くない友達」という意味の場合もあれば、「何でも一緒に行動できる仲のいい友達」という意味でも使われます。
前者の、文字通り「悪い友達」ならば、「undesirable friend」「bad company」などで表せます。
悪い友達を避けるように注意してください。
彼は悪いやつらに仲間入りした。
「悪友」を、「悪い友達」ではなく「何でも一緒に行動できる仲のいい友達」の意味で使いたいならば、英語だと「親友」と同じように表現することになります。この意味では「bad」など否定的な言葉は普通使いません。日本語にする時に「親友」と訳すか「悪友」と訳すかの問題になるわけです。
彼女とは30年以上の悪友よ。
上の例文では「悪友」と訳していますが、意味としては「親友」ということですね。
まとめ
いかがでしたか。今回は、「幼なじみ」の英語表現について、「言い換え」と「直訳」の2つのアプローチから解説しました。さまざまな言い方がおわかりいただけたかと思います。
また加えて、いろいろな種類の「友達関係」を表す英語をご紹介。身近な話題の中でよく登場する言葉がたくさんありますので、実際の英会話で、あるいは英会話の練習の中で、積極的に使ってみてくださいね。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.