世界のどこかで毎日のように発生している自然災害。地震大国の日本も、集中豪雨など多くの災害に見舞われています。
ニュースを見るたび、被害がこれ以上広がりませんようにと祈るばかりです。
さて、気候変動もあって災害が増えている現在、災害時の避難について知っておくことがさらに重要になりました。
皆さんは「避難」の英語表現についてはご存知でしょうか?
そこでこの記事では、英語で「避難」、そして台風、地震や津波時にぜひ覚えておきたい英語フレーズを紹介します。
「避難する」英語フレーズ
台風、集中豪雨、洪水、地震、津波、噴火などなどの災害時で、ご自宅から避難をしなければならないときがあります。
最近も、ギリシャのロードス島で山火事のために約2万人がシェルターに避難したニュースがあったばかりです。皆さん、お住まいのエリアの避難所の確認はされていますか?
さっそく、この記事のテーマである英語表現「避難する」からみていきましょう。避難することを考えるとき、災害だけでなく、国境を越えて他国に逃れなければならない難民の人がいるという側面があることも知っておくことをおすすめします。
記事では以下、3表現を紹介します。
evacuation
refuge
以下それぞれを詳しく、例文とともに解説しましょう。
escape
英語「避難する」の一つ目はescapeです。日本語でもエスケープとして使われることがあります。
escapeを辞書で調べてみると、危険から「身を避ける・のがれる」という本記事で取り上げている「避難する」に当たる意味があることが分かります。
その他、「逃げる・自由になる」、捕らわれている状況から「逃げる・自由になる」、声が口から「出る・漏れる」などといった色々な意味を持っています。これらはすべて動詞です。そして、名詞のescapeにもズバリ「避難」という意味があります。
escapeの使い方と例文
実際に、単語escapeをどう使うのか例文で確認します。
危険な状況から逃げる、というときに使うのがescapeです。
例えば、ライオンが動物園から逃げ出したとき、ライオンにとってはオリから脱出し自由になる、そんなニュアンスがescapeです。
スペインの路上、彼が背を向けると私はすぐに逃げた。
海外では身の危険を感じる出来事に遭遇する可能性があります。この例文は、路上で声をかけてきた男性にイヤな感覚を感じ、とっさにスキを見て逃げた、その危ない状況から避難したというニュアンスになります。
彼女は窓から逃げた。
何かしら危険が迫り、映画のワンシーンのように窓から避難せざるを得なかった彼女の様子がイメージできます。
日本には「火事場のバカ力」という言葉もありますが、切迫した状況に置かれると普段使っていない何倍もの力を出せるという意味です。
evacuation
ふたつ目の「避難する」はevacuationになります。
evacuation(エヴァキュエイション)は、危険な場所から安全なところへの「避難・退避・撤退」という意味の名詞です。
動詞はevacuate(エヴァキュエイト)で、避難する。退避するなどの意味になります。
evacuation・evacuateの使い方と例文
evacuation・evacuateには、危険な地域や場所、危険な建物などから安全な場所へ送ることを意味します。
特に、自然災害に対する避難にはevacuation・evacuateです。例えば、災害にあった人が避難場所へ避難するときなどに、この状態をevacuation・evacuateで表すことができます。
皆さんも災害が起こったために、その地域の住民が避難所で家族一緒に一夜を過ごすニュースを目にするでしょう。
読者の皆さんのなかには学校などで避難生活を体験された方がいらっしゃるかもしれません。
津波警報!できるだけ内陸の高台へ避難してください!
洪水警報です!早めに避難所へ避難してください!
災害は突然やってきます。このため、普段の備えがあればより早急に避難することができます。
国土交通省によるハザードマップのサイトを利用すれば、身の回りで起こり得る災害について調べることができます。
東京にも防災ホームページがあります。日頃の備えについて情報が載っていますのでご参考にしてください。
英語ページのリンクも載せますので、外国人のお知り合いにシェアされてはいかがでしょうか。
refuge
さて、避難する英語の3つ目は、ここまでの2つと違う意味合いの避難を表す「refuge」です。
refugeは、危険や脅威から身を守るための「避難・避難所・隠れ家」や「保護」としての名詞、人を「かくまう」や「避難する」という意味の動詞です。
refugeの使い方と例文
refugeの避難という意味を考えるとき、語尾にもう一つeを加えた単語refugee(レフュジー)を合わせて覚えることをおすすめします。refugeeは「難民・避難者・亡命者」の意味を持ちます。
筆者が住むイギリスでは、2022年で23万人以上の難民、12万7千人以上の難民申請保留者、そして5千人以上の無国籍者がいます。
ウクライナ戦争により推定で13万5千人の難民が増加したと言われています。一方、日本の難民認定制度については、国連の人権条約機関から再三にわたって勧告を受けています。
さらに多くの人を英国大使館に避難させなければいけない。
避難所は、暴力や虐待を受けた女性や子どもたちが安心して暮らす家です。
難民だけでなく、虐待を受ける人々がその場所から避難するというときにもrefugeが使われます。
イギリスには、その名も「Refuge」というチャリティ団体があります。作家でフェミニスト活動家であるErin Pizzeyによって設立され、専門家によるサポートを提供しています。
国際社会のこのような活動に興味があって英語を学習している人は、以下のリンクをぜひご覧ください。
https://refuge.org.uk
各災害の英語表現
ここで、災害関連の英語表現についてまとめてみましょう。いくつかはすでに例文に使われていますが、覚えていますか?
自然災害 natural disaster/natural catastrophe
台風 typhoon
集中豪雨 concentrated heavy rain
地震 earthquake
津波 tsunami
噴火 eruption
水害 flood damage/flood disaster
洪水 flood
火事 fire
避難誘導 evacuation guidance
「避難」に関する英語フレーズ
ここでは、さらに避難にまつわるフレーズについてみていきましょう。
避難経路
an evacuation routeが避難経路の英語です。routeが道、通路、そして経路、道筋といった意味を持つためです。A clear evacuation route is very important if there is a fire.
火災が発生した場合、明確な避難経路を確保することが非常に重要です。
防災マップをご存知ですか?自然災害が発生した場合に、住民が素早く安全なところへ避難するための避難情報、それらを周辺の地図の上に書いたものです。市町村で配布されますので一度入手されてはいかがでしょうか?
避難所
災害時のために知っておくべきことの一つは、どこに避難所があるかです。
evacuationの項でthe evacuation centerを避難所として使った例文を紹介しました。
他には、the evacuation shelter/refuge shelterが避難所の英語フレーズに当たります。
大きな地震の後、彼女の家族は避難所で3日間過ごしたんです。
避難訓練
最後に、英語で避難訓練をどう表現するのか紹介しましょう。
毎年9月1日、日本では”防災の日”があります。100年前起こった関東大震災がこの日に発生したためです。
以来、啓発活動として、学校で避難指示によって避難訓練をしたり、家族で災害が発生した時の準備の確認作業をしたりする日になりました。
避難訓練は海外でも行なわれることがあります。その際「emergency drill」として言われています。drillには「訓練・基本練習・演習」といった意味があり、漢字ドリルなど日本語でも使われていますね。
火災の訓練ならfire drill、地震のための訓練ならearthquake drillのように変化させましょう。
今日、子ども達は学校で避難訓練を行いました。
「避難」に関する英語まとめ
今回の記事では「避難」について解説しました。
evacuation
refuge
危険からの避難、自然災害からの避難、難民や虐待からの避難と幅広い意味の避難を取り上げましたがいかがでしたか?
何かのときのため、この機会にぜひお住まいの避難経路やハザードマップ、交通機関のチェックをする方法、家族と離ればなれになったときの連絡方法や会う場所などをご確認ください。

◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.