「はいどうぞ」はHere you areだけじゃない!場面別でフレーズを紹介!

はいどうぞ、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

人に物を渡したりするときなど、「はいどうぞ」と一言添えたい時ってありますよね。

日常生活はもちろんのこと、ビジネスシーンやメールなどでもそういったシチュエーションになることはよくあるかと思います。

この「はいどうぞ」というちょっとした一言を、英語ではどのように伝えたらよいのでしょうか?また、シチュエーションやシーンによって、どのように使い分けていけばいいのでしょうか?

今回は、「はいどうぞ」の色々なバリエーションについて、会話例を交えながらシーン別に解説していきます。

「はいどうぞ」の英語フレーズ

「はいどうぞ」を意味する英語フレーズといえば、真っ先に思い浮かぶのが ”Here you are"という表現ではないでしょうか。

中学生や小学生の英語の授業でも、かなり早い段階で「ものを受け渡すときの表現」として学習しますよね。

ケンブリッジ英和辞典でも、 ”Here you are" は物を渡すときの「はい、どうぞ」という表現として紹介されています。

used when you are giving someone something
はい、どうぞ(人に物を渡す時の表現)
引用:https://dictionary.cambridge.org/ja/

ここで一度考えていただきたいのが、そもそも「はいどうぞ」は物を渡すときだけしか使わないのか?という点です。

たとえば、次のようなシチュエーションはいずれにおいても、「はいどうぞ」という言葉を使う可能性がありますよね。

・準備が整ったことを表す(「おまたせしました、はいどうぞ」など)
・食べ物を配る(ひとりずつに「はいどうぞ、はいどうぞ」と声をかけて配るときなど)
・許可をするとき(「ご自由にどうぞ」、など)

ちなみに日本語の「はい」は、ただ単に言葉の調子を整えたり、相手に対して前向きで親切な感じを表すために使われていたりします。

「あ、はい、そうです」とか、「はいはい、いいから持ってって!」などというときの「はい」がもし無かったとしても、意味は通じますよね。

このことから、「はいどうぞ」は単なる「どうぞ」と同じような意味で使われることも多く、相手にものを渡すときや譲るとき、許可をするとき、動きを促す時など、さまざまなシーンで便利に使われることになります。

「はいどうぞ」や「どうぞ」は多様な意味をひとことで表すことができる便利な日本語ですが、実は英語には「はいどうぞ」と全く同じ意味と用途を持った単語は存在していません。英語では、意味やシチュエーションごとに、異なる英語表現を使っています。

ここからは、それぞれのシチュエーション別に使われる「はいどうぞ」や「どうぞ」の英語表現について、詳しく説明していきます。

ものを渡すときの「はいどうぞ」

物を相手に渡すときに「はいどうぞ」と一言添えたいときに使う英語表現が、”Here you go” や ”Here you are”です。

A:Can you pass me the salt?
B:Here you go./Here you are.

A:塩取ってくれない?
B:はいどうぞ。

若干ですが、”Here you go” の方が ”Here you are”よりもカジュアルな印象になります。

といっても、”Here you are” が丁寧すぎて友達同士のカジュアルな会話で使えない、というわけでもありません。

もし ”Here you go” と ”Here you are” のどちらを使ったらいいのか迷ってしまうような場合は、とりあえず ”Here you are” を使っておけば無難だと覚えておきましょう。

一方で、レストランでウェイターがお客さんに食事を提供するときや、ホテルのフロントでクレジットカードなどを手渡すときなど、わりあい丁寧さを出したいという場合には ”Here you go” よりも ”Here you are” の方が適しています。

この場合は、「はいどうぞ」というよりは「こちらです」「こちらになります」といった丁寧な意味合いになります。

A:May I see your ID, please?
B:Here you are.

A:身分証明書を確認させていただいてもよろしいですか?
B:はい、こちらです。

”Here you go” や ”Here you are” と同じような意味でよく使われる表現に、”There you go” があります。

”There you go”は、相手からリクエストされた物や求められていると思われるものを渡す時に使われる慣用句で、「はいどうぞ」という意味をもつ表現として、レストランやお店などで店員さんにお金を渡すシチュエーションでよく使われています。

A:Your total comes out to $33.15.
B:There you go.

A:お会計は$33.15になります。
B:(お金を渡しながら)これでお願いします。

また、プレゼントを渡すときによく使われるのが ”This is for you” という表現です。「これはあなたのための物です」という意味をもつので、プレゼントのほかにもお土産を渡すときや、ビジネスシーンで書類を渡すときなどにも使うことができます。

A:This is for you.
B:Thank you! It’s beautiful!

A:これ、あなたに。どうぞ。
B:ありがとう!キレイね。

譲るときの「はいどうぞ」

エレベーターや電車に乗り込む際など、「お先にどうぞ」と順番を譲るときには ”After you” や ”Go ahead” といった表現が定番です。

”After you” は文字通り「あなたの後に」という意味で、あなたが先にいったら私はあとから行きますのでお先にどうぞ、という気持ちを表します。

”Go ahead” は「お先に行ってください」という意味で、”After you” と同じような意味になりますが、若干カジュアルなニュアンスが出ます。

A:Wow...It's so crowded here!
B:Go ahead.

A:うわ、すごく混んでるわ。
B:お先にどうぞ。

座席を譲りたいときには、「どうぞ座ってください」という定番フレーズがありますのでそちらを使いましょう。

Please have this seat.
どうぞお座りください。

ちなみに、”Please sit down” という言い方は、「Please」がついていてもかなり強制的なニュアンスが出ます。「どうぞ、おすわりなさい」と命令しているような感じを与えることもあるので、”have a seat” という表現を使うようにしましょう。

許可するときの「はいどうぞ」

相手がなにかの許可を求めてきたときに、「いいですよ」という意味で「はいどうぞ」と答えることもありますよね。

こういった許可を表す「はいどうぞ」の英語表現には次のようなものがあります。

・Yes, please.(はい、どうぞ)
・Of course.(もちろん、いいですよ)
・Sure, go ahead.(もちろんいいですよ、どうぞどうぞ。)
・Certainly.(もちろんよいですよ。)

”Yes, please.” は、”Yes, please do.” を短縮した言い方です。”please do” というのは「どうぞ」を意味する表現で、常に ”do” を伴った形で使われるのが基本です。

ただ、実際の会話シーンにおいては、言葉だけでなくジェスチャーで「どうぞどうぞ」という意思を表現することが多いですよね。

そのジェスチャーがあることで、”do” のない形での ”please” だけでも、「あ、これは ”please do” (どうぞ)という意味の ”please” なのだな」と判断することができるわけです。

というわけで、ジェスチャーや表情とともに ”Yes, please” という表現を使うことで「どうぞ」という意味を伝えることができます。

A:I’d like to ask you a few more questions.
B:Yes, please.

A:もう少し質問してもよいでしょうか。
B:はい、どうぞ。

”Of course” は「もちろん」という意味で、許可を与える場合に使われるフレーズとしてはもっとも基本的なものです。

ただ、”Of course” には「当然だ」というような強気で上から目線のニュアンスがありますので、上司や顧客と会話するときには別の表現を使うようにしましょう。

A:May I go there with you?
B:Of course.

A:一緒にいってもいい?
B:もちろん、いいよ。

”Sure” は ”yes” よりも少し強めに同意や賛成の意思を表す表現です。「お先にどうぞ」「(その行動を)どうぞやってください」を意味する ”Go ahead” と一緒に使って「もちろんいいですよ、どうぞどうぞ」といった許可を意味する表現になります。

A:Can I use your pen?
B:Sure, go ahead.

A:あなたのペン、ちょっと使ってもいい?
B:もちろん、いいよ。はいどうぞ。

”Certainly” は「間違いなくその通り」という意味合いの言葉で、返答として使う場合には「本当にそうですね」とか「もちろんです」といった強めの同意を表す表現になります。

相手の質問に対して「もちろんですよ!」と強めに許可を出すイメージです。

また、”Certainly” は ”Sure" を丁寧にした言い方でもあり、日本語で言う「承知しました」というニュアンスでよく使われます。ビジネスシーンや接客、丁寧に返答したい場合に便利に使うことができます。

A:Could I have some extra towels?
B:Certainly. I’ll bring it for you right away.

A:何枚かタオルを追加でもらえますか?
B:もちろんです。すぐにお持ちいたします。

準備が整っているときの「はいどうぞ」

準備が整っている様子を伝えるときにも「おまたせしました、どうぞ始めてください」や「はい、いつでもどうぞ」といったように「はいどうぞ」という表現が使われますよね。

準備が整っているという意味の「はいどうぞ」に該当する英語表現としては、”Anytime.” や ”Anytime is okay.”が定番です。

A:May I go home now?
B:Anytime./Anytime is okay.

A:今から家に行ってもいい?
B:どうぞ。/いつでもどうぞ。

「相手の準備が整い次第、いつでもどうぞ」というニュアンスを伝えたい場合には、”When you’re ready.” や ”Whenever you’re ready.”といった表現を使うこともできます。

A:May I go home now?
B:When you’re ready./Whenever you’re ready.

A:今から家に行ってもいい?
B:いつでもどうぞ。/都合に合わせていつでもどうぞ。

人を案内するときの「はいどうぞ」

人に行き先を教えたり、家や建物のなかを案内するときには「こちらです、どうぞ」「こちらへどうぞ」といった言い方をしますよね。

英語で「こちらへどうぞ」といいたいときには、”This way, please.”という定番フレーズがあります。

A:Excuse me, could you tell me where my seat is?
B:Certainly. This way, please.

A:すみません、私の座席がどこなのか教えてもらえませんか?
B:もちろんです。こちらへどうぞ。

道や行き方を案内する場合には、”Please come this way.” という言い方をすることもできます。「こちらの道に来てください。」という意味合いがあります。

C:I'm looking for a souvenir shop.
D:I know a good one. I’ll take you there. Please come this way.

C:お土産屋さんを探しているんです。
D:いいお店を知っていますよ。連れていきますよ、どうぞ、こちらです。

まとめ

シーン別に、色々な種類の「はいどうぞ」を意味する英語表現を紹介してきました。

日本語の「はいどうぞ」は一言の中に複数の意味や使い方が存在する表現なのですが、英語ではシーンに応じて異なる表現を選び、使い分けていく必要があります。

「はいどうぞ」や「どうぞ」といった表現は、日常会話はもちろん、ビジネスシーンでも登場頻度の高い表現です。ぜひ、実際の英会話や学習を通じて色々なバリエーションを習得していってくださいね。

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