betはカジノや競馬などのギャンブルの場で使う、「賭ける」という意味で教えられます。ポーカーなどで「ベット」というカタカナ英語を使用するので、知っている人も多いでしょう。
しかしネイティブスピーカーの会話では、betという単語を「賭ける」ではない意味で使うことの方が多いのです。
「自分はギャンブルに興味が無いし、betなどという単語を使うことは無いだろう」と思っているのなら、ネイティブっぽいフレーズを習得するチャンスを逃しているかもしれません。
今回の記事では、実は日常生活で使えるbetを使ったフレーズを例文と共に学んでいきます。
betの意味と使い方
まず、複数あるbetの意味と使い方を、確認していきます。
全く違う意味がいくつもあるように感じるかもしれませんが、全ての意味が「賭ける」という意味に基づいているので、そこにも注目してみてください。
その後に、具体的な例文を見ていきます。
賭ける
最初は辞書でbetを引いたら一番上に出てくる、「賭ける」という意味です。Betはお金を使った賭け事をするときに、一番よく使われる単語です。
「賭け、賭け事」という名詞の意味もあります。例えばWin a betで「賭け事に勝つ」という言い方ができます。
確信がある
日常会話では、「確信がある」という意味で使われることの方が多いです。
賭けてもいいくらい確信があるよ、という言い回しです。I bet~で、「絶対~だよ」くらいのニュアンスになります。
なお、この意味で使われるときはたいてい、実際に賭け事を行っているわけではないので、勝ち負けについて話すことはありません。
もちろん
You betだけで、「もちろんだよ」という意味にもなります。Of courseやsure、certainlyなどと同じ場面で使うことができます。
「あなたが賭けてもいいくらい、自分はこのことについて確信しているよ」という意味を持った言い回しです。基本的には、肯定的な表現ととらえて問題ないでしょう。
どういたしまして
Of courseを「どういたしまして」という意味で使うことがあります。それと同様に、You betを「どういたしまして」の意味で使うことも可能です。
ありがとうと言われて、「これくらい当たり前だよ!賭けてもらっても構わないくらいだよ!」という雰囲気です。明るくフランクなニュアンスになります。Thank youの返しのバリエーションとして覚えておきましょう。
ここからは、1つ1つの意味を、例文を交えて詳しく見ていきます。
儲ける
まずは、本来の意味の「賭ける」です。自動詞と他動詞の両方の意味があることに注意しましょう。
あの馬に50ドル賭けた。
競馬で使われるフレーズです。
bet A on Bで、「BにAを賭ける」という言い方ができます。Aに入るのはだいたいお金です。映画のワンシーンなどだと「命」とかが入ったりします。
また、betの過去形と過去分詞形はbetと変わらないので注意しましょう。ただ、bettedという言い方をする人もいます。
彼女が諦めるのに1ドル賭けるよ。
例えばですが、ダイエットを始めた人に対して「またどうせ諦めるでしょ。賭けてもいいよ」といったシチュエーションを想定した例文です。
bet A that節で、「~ということにAを賭ける」という意味になります。Thatの後の文を自由に変えて応用ができるので、この形のbetの使い方はぜひ覚えておきましょう。Thatは省略可能です。
彼は、彼のチームが勝つと、私に5ドル賭けた。
bet A B that節で「~ということで、BをAに賭ける」というSVOOの文章になります。Bucksとthatの間で分けてから考えると、分かりやすいでしょう。ちなみに、buckはdollarを意味するスラングです。
betが過去形になっているので、that節の動詞にwouldが付いているところにも注目しましょう。
私は賭け事はしません。
betは、「賭け事をする」という意味の自動詞としても使うことができます。
実際のところI don’t betというフレーズは、後に主語と動詞が続いて「~だとは思わない」という「確信」の意味で使われることが多いのですが、betのみで「賭け事をする」という意味があることは覚えておきましょう。
表と裏のどちらに賭けますか?
コインの表裏を英語では、headsとtailsと表現します。Headsが表、tailsが裏です。
bet onで「~に賭ける」「~について賭け事をする」という意味になります。例えば、I’ll bet on that horseと言うと、「あの馬に賭ける」という言い方ができます。
また決まり文句の表現として、I bet on you(あなたに任せます)や、You can bet on that(間違いないよね)という言い方もあるので、覚えておきましょう。
彼が負けるほうに賭けた。
bet againstも、betでは頻出の句動詞です。例文を直訳すると、「彼に反対して賭ける」となり、「彼が負けるのに賭ける」という意味になります。
確信がある
続いて、「賭けてもいいくらい確かだと思っている」という意味から派生した、「確信」のニュアンスを使った例文を見ていきます。使い方はいたってシンプルです。
このパーティー絶対気に入ると思うよ。
I bet+主語+動詞、が基本の形になります。I’m sureと同じような使い方です。ただ、I’m sureよりも、若干の「予測」のニュアンスが含まれています。
「確定はしていないけど、今までの言動を見る限り間違いないね」というような雰囲気です。
YouTubeで料理チャンネルやってるの?じゃあ、大きなキッチンがあるんでしょうね。
「料理チャンネルを運営している」という情報から、「大きなキッチンが家にある」ということを、確信を持ったうえで予測しています。このようなシチュエーションで、betがよく使われます。
それは間違いないね。
この例文は、bet one’s bootsという慣用表現を使ったものです。「それにブーツを賭けてもいいよね」という直訳になります。
賭け事の場で負け続けたときに、最後に賭ける所持品はたいていブーツでした。その大切なブーツを賭けることができるくらい、確信を持っているという意味になります。
I can bet my boots that~ (~ということは確信している) という言い回しをマスターしてネイティブスピーカーとの会話で使えば、「お、この人こんな表現よく知ってるな」と一目置いてもらえること間違いなしです。
彼が何か隠していると確信をもって言えます。
こちらの例文も、betの慣用表現を使った例文です。my bottom dollarは、底にある1ドル、つまり「最後の1ドル」「有り金全部」という意味です。
有り金全部賭けてもいいくらい確信しているよ、という意味になる言い回しです。使えるとカッコいい表現なので、ぜひ練習して使ってみましょう。
彼は現れないだろうね。
直訳すると「私の賭けは、彼が現れないということです」になります。「賭ける」という本来の意味が、「確信」という意味として使われているのがよくわかる例文です。
確信の度合いで言うと、I thinkよりも強く、I’m sureよりも弱い感じです。確実な根拠は無いけど、彼が来ないことは確信している、というくらいの雰囲気だととらえてください。
もちろん
「もちろん」という同意を表す際に、You betということができます。使う場面はOf courseやSure、certainlyと同じです。
B:You bet!
A:今夜のアンナの誕生日パーティーに来る?
B:もちろん!
You bet!という返事が返ってきたら、高確率でパーティーに来るととらえて良いでしょう。「賭けても構わない」と言われているくらいですから。
B:You bet!
A:このショーは素晴らしいものになるだろうね。
B:間違いないね。
「自分もそう思うよ」と、相手が言ったことを強く肯定する場合にもYou betが使えます。
肯定の表現のバリエーションとして覚えておくと、ネイティブスピーカー感が出せます。ただ、かなりカジュアルな表現なので、使う場面には気を付けましょう。
どういたしまして
Thank youに対する返事には、You’re welcome, sure thing, no problem, of courseなどがありますが、その1つとして、You betが使えます。
B:You bet!
A:手伝ってくれてありがとう
B:当然のことだよ!
「間違いないね」「もちろん」が、「どういたしまして」を意味することに若干違和感を覚えるという人が多いです。前述しましたが、「これくらい当然のことだよ。疑うなら賭けても構わないよ」という意味から発展したものです。
言い換えると、「私の親切心は、あなたがお金を賭けてもいいくらい確実なものですよ」という意味合いが込められている、といえます。
まとめ
もともと賭け事で使われる単語であるbetですが、実は日常会話でも頻出の単語です。地域によっては、Thank youへの返事がほとんどYou betということもあるほどです。
様々な意味や使い方があるため、混乱してしまいがちですが、全ての意味は「賭ける」という意味が基本になっています。それを踏まえたうえで、例文を1つずつ読み解いていけば、そこまで難しく感じることは無いでしょう。Betという単語の持つニュアンスを感覚で理解できれば、thinkやbelieveなどのような基礎的な単語と同じように扱えるようになります。
単語の感覚を理解するには、ネイティブスピーカーとたくさん会話をするのが最も効率の良い方法でしょう。
いくら意味や文法を理解していても、どういった場面で、どういった声のトーンで、どういった表情で使う単語なのかを理解していなければ実践の英会話で自然に使うことはできません。特に今回紹介したbetは、使うシチュエーションによって、話し方の雰囲気が大きく変わります。そのような些細なことを観察し、吸収していかなければならないのです。
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◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.