この記事を見て下さっているあなたは、韓国語学習を今既にしている学習者、もしくはこれから韓国語の勉強を始めようとしている人かも知れません。
韓国語だけではなく他の外国語の習得、スポーツ、そしてスキルを必要とする仕事などにも共通して言えますが、それらの習得を成功させるためには何となくの勉強や練習ではなく目的やレベルに合った勉強方法や練習方法が必要です。
それらを知らないまま習得しようとしても余計な時間や手間がかかる割に成果に結びつかなかったり、そのために習得のモチベーションが下がってしまい最悪の場合、挫折してしまうことにもなります。
日本の学校教育では学習内容を先生から教わることはあっても、学び方を学ぶことはほとんどありません。そのため、自分が学んだり、スキル習得するものをどのようにして勉強したり練習すれば良いのかわからないまま自己流でしてしまうことも多いです。
その結果、自分が望む成果が出ないため韓国語学習サイト等で韓国語習得の情報やおすすめ韓国語勉強法などを自分なりに探してそれを自分の勉強に取り入れている韓国語学習者も少なからずいると思います。
ですが、それらの勉強法は韓国語習得に成功している立場から見ると必ずしも正しい、効果的、必要ではないというものもあります。実際、私のレッスンの受講生さんでもそれらの情報を取り入れて勉強してみても全く効果がなかったと言っている方が複数名います。
今回の記事では、英語と韓国語習得に成功した私自身の習得経験、また英語教育と韓国語教育を大学で学んだ立場から巷に溢れているよくある韓国語学習法が正しいのか否か、効果的なのか、必要なのかについて説明していきます。そして、自分に合った正しい情報を得るための注意点についても説明します。
よくある韓国語勉強法
まず、韓国語のみならず英語でも良く目にする学習法について取り上げ、それぞれについて正しいのか否か、効果的なのか、必要なのかについて説明していきます。
聞き流しをして話せるようになる
これは英語でも言われていますが、結論から言うと聞き流しをして話せるようにはなりません。
その理由のひとつ目が、韓国語の単語や文法をまったく勉強せずにただ聞いていてもなにひとつ理解ができないからです。
ふたつ目の理由は、外国語は意識を向けなければ理解ができないためです。
聞き流すとは、何か別のことをしながらでも韓国語を流していれば良いという意味ですが、それでは韓国語を聞き取ることに意識が向いていないためただの雑音と同じです。
そのように聞いていても韓国語を理解できるわけではないので、話せるようになることも当然ありません。
聞き流しをしていても話せるようにならないことは、韓国ドラマを好きな学習者がドラマをかなりの時間見ていても話せるようになっていないことからも分かります。
会話ができるようになりたかったらとにかく韓国人と話す
会話はしたいと思ってもいきなりはできません。
会話をできるようになるには、やはりまずは単語と文法を学び基本的な知識を得てからそれを自分である程度話せるようになる練習をする必要があります。そうでなければ、韓国人相手に会話が成立しません。
例えるならば、テニスをしたいと思っている人が、それまでテニスをしたことがなければいきなりしても全くできないことと同じです。
会話にせよテニスにせよ、それが自分で出来るようになりたければ、いきなりそれをしようとするのではなく、そのために必要なことを簡単なものからひとつずつ自分で練習して身に付けてできるようにならなければいけないです。
この、会話ができるようになりたいから会話から習うという勉強法は初心者が特にしがちです。ですが、韓国語初心者であればまずは基本的な韓国語能力をつけることを優先して勉強してください。
独り言で会話の練習をする
外国語である韓国語を話す機会は日本にいるとなかなかないのが現実です。
ですが、韓国語を話さなければ話せるようにもならず、話せるようになったとしても練習をしなければ段々と話せなくなってしまいます。
そのため、日常的に韓国語を話す機会を自分で作って練習することは必要で、そのために独り言で韓国語を口から出す習慣をつけることは有効な方法です。
初めは独り言と言うよりもテキストに載っている例文をスラスラ口から出てくる状態にして口慣らしすることから始め、それを応用し、最終的に自分が話したいことを簡単なものから話せるようになる練習をすることをおすすめします。
段々とレベルが上がってきたら、シチュエーションを決めて自分でひとり二役で会話練習をしたり、自分でテーマを決めてそれについて考えを話すなどの練習をするのも効果的です。
好きなことで楽しんで勉強する
これも巷で良く見るのではないかと思います。
好きなことで楽しんで勉強をすることは、モチベーションをキープするには良いかも知れません。
ですが、自分が好きなことやしたいことが必ずしも自分の韓国語習得に効果的な勉強であるとは限りません。
例えば、語学習得をする上で欠かすことができないものとして単語学習がありますが、単語を覚えるのが大変で好きではない、楽しくないからとしなければ韓国語習得はできません。
このように、好きなことで楽しめれば韓国語が習得できるわけではありません。
漢字語をたくさん覚える
韓国語の単語の多くは元々漢字が基になっている漢字語が多いのは事実です。そのため、漢字語を覚えれば単語数が増えることも事実です。
ですが、だからと言って日常的に漢字語ばかりを使って会話をしているかと言えば必ずしもそうではありません。日常的にする会話は日本語同様、難しい漢字語はあまり使いません。
漢字語はTOPIKの高級レベルの読解問題の文章や新聞など難易度が高めのものでは高頻度ですが、日常会話ではむしろ初級から中級レベルの単語を漢字語、固有語問わずに使います。
そして、漢字語を増やすことが直接的に韓国語の運用能力がつくことには繋がりません。
その理由は、会話であれば単語を覚えたり数が増えることで出来るようになるわけではなく、覚えた単語を使えるようになることによって会話力がつくからです。
漢字語を覚えることについては、試験目的であれば有効であると言えますが、会話ができるようになりたいのであればそれほど必要ではありません。
韓国ドラマを見て聞き取り力をつける
この方法も韓国ドラマが好きな人にとっては楽しくできる魅力的な学習法かも知れません。
ドラマを見て聞き取り力をつける勉強は、ドラマを見て6割程度理解ができる韓国語能力がついているのであれば有効だと思います。
ですが、初級レベルや聞き取り力があまりなく聞いても理解できない内容の方が多い場合はあまり意味がない勉強法です。
聞き取りはただ聞くとか量をこなせばできるようになるものではありません。
聞き取りができるようになるためには、単語力と文法知識、そしてそれらを自分で読めるようになり、聞き取りする会話と同じくらいのスピードで自分が読めるようにならないと難しいです。
自分に合った正しい情報を得るための注意点
ここからは、自分にあった正しい情報を得るための注意点を挙げます。
成果を出した実績のある人の情報を得る
各種SNSで多くの韓国語学習者が自分の勉強の様子や勉強法を公開しています。
ですが、まだ韓国語を学んでいる段階の学習者の勉強法は安易に真似ないことをおすすめします。
なぜかと言うと、その勉強法をしている人もまだ最終的な成果を出していない学習途中であるため、それが本当に効果的な勉強法かどうかはその時点では判断ができないからです。
もし、勉強法を参考にするのであれば韓国語習得に既に成功して習得までの過程をすべて知っている人の学習法にしてください。
自分の学習目的とレベルに合った方法を選ぶ
韓国語の勉強法と言っても、学習目的やレベルによって方法やすることは変わって来ます。
どんなに効果的な正しい勉強法であったとしても、自分の学習目的とレベルに合っていない方法であれば意味がありません。
例えば、会話ができるようになりたい人がTOPIKの単語集を使って単語学習をするとか漢字語を一生懸命に覚えるといった事はする必要がなく、目的に対し無駄な勉強になってしまいます。
また、先に触れた通りですが韓国語をまだ始めたばかりで韓国語の知識がほぼない初心者が韓国ドラマを見たりK-POPの歌詞で韓国語を学ぶといった方法は、現状の自分のレベルとは全く合っていないため、しても学習効果が上がりにくいです。
勉強法の目的を理解する
多くの学習者がやりがちなのが、何をするかとどうやるかだけを見て、なぜその勉強法をするかという理由や目的を見ていないことです。
本来最初に知るべきは、なぜそれをするのかという部分です。例えば、パダスギをするのは聞き取りをした韓国語を正確に聞き取れているか、連音化や発音変化により実際の発音と綴りが一致しない部分を理解できているのか把握するためです。
このように、自分がする勉強法の目的を知らずにただ良いと聞いて取り入れると何でもかんでも良い方法を取り入れることになり、自分に必要のないことまであれこれとすることになります。
それによって自分の目的とは合わない勉強に時間と労力を取られ、やることが無駄に増えることで本来集中すべきことに集中できないことで成果も出づらくなります。
まとめ
ここまで巷に溢れているよくある韓国語学習法が正しいのか否か、効果的なのか、必要なのか、そして自分に合った正しい情報を得るための注意点について説明してきました。
韓国語習得に成功するためには自分に合った正しい勉強法を実践し成果が出るまで継続する必要があります。
長い時間のかかる韓国語習得に成功するために正しい自分に合った勉強法を取り入れてください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.