今回は、bestの使い方を徹底的におさらいしていきます。日本語としても使う単語なので慣れ親しんだものですよね。
しかし、文法的に見てみると、意外と気付かない見落としがあったりするものです。
また、bestを用いたフレーズも一緒にご紹介するので、英会話をする際に使ってみてください。
bestの使い方
bestの使い方を知るには、まず3つの用法を知る必要があります。
スペルが同じ単語なのに、名詞でも形容詞でも副詞でもあるなんて単語は英語では珍しくありません。そのうちのひとつがbestです。
基本的には、中学生のうちでメインで習うのは副詞です。比較級を習う際、最上級が出てくると副詞としてのbestも習います。
しかし、名詞や形容詞としてもよく使うので、それぞれでどんな働きをするのか、語順を考えたときどこに入れるのがベストなのかを考えていきましょう。
副詞のbest
まずは、副詞としてのbestを考えていきましょう。
副詞として使われるbestは、同じく副詞のwellから派生しています。ですから、well「上手に」「上手く」と訳す文章がある場合はそれを最上級の表現に変えられるわけです。
例文を見た方がわかりやすいと思うので、以下の文章をチェックしてみてください。
私は英語が一番好きです
こちらは、中学生のときに最上級の言い回しとして習った典型的な文です。
副詞としてbestを使う場合は、文末につけることが多いのが特徴です。そして、最上級を使うときのルールを適用しbestの前にtheを付けます。
どの品詞かわからなくても、英語の場合は語順により判断ができますが、それが難しい場合はtheがbestの直前にあるかどうかで判断してみましょう。
口語など、フランクな場合であればtheは省略が可能ですが、中学校では一応theがないと不正解となります。
あとで解説しますが、名詞や形容詞の場合でも冠詞のtheがつくことがあるので、品詞によって単語を置く場所を覚えるのが得策です。
また、副詞として使うbestには、「~の中で一番…」と言う場合、前置詞にinかofを使うことも覚えておきましょう。
私は四季の中で春が一番好きです
トムは、クラスの中で一番上手にピアノを弾きます
どちらの例文も、「~の中で一番…」という内容になっていますよね。しかし、「~の中で」という表現で使われる前置詞がinとofの2種類になっています。
inは、後ろに単数名詞が来る場合に使います。対して、ofは後ろに複数名詞が来る場合に使います。
よって、「3人の中で」などと具体的な数字を入れる場合には、of the threeと言います。
ここまでのルールを理解できれば、副詞のbestの使い方はOKです。
名詞のbest
次に、名詞のbestの使い方を学んでいきましょう。
名詞のbestの意味は、「最高のもの(人)」「最善」です。最も良いものであれば広い意味で使えます。
ただ、名詞として使う場合には、その最も良いものが限定されているため、冠詞のtheやone’sが直前に来る場合が多いです。
私には最善の友がいる
これが2番目に良いものだと思う
これが私の全力です
これらはすべて名詞としてのbestです。最初の例文のように、前置詞ofを付けて何についての最善なのか説明を追加することもできますが、それなら形容詞として使う方が自然かもしれません。
また、2文目のように、1位のものでなくてもbestを使って表現することがあります。the second bestやthe third bestのように、序数を入れて何番目に良いのか表現できます。
bestという単語があると一番良いように思ってしまいそうですが、序数を入れることにより最善でない場合を指すこともあるので気を付けましょう。
形容詞のbest
bestは形容詞にもなりえます。その場合は、形容詞のgoodやwellから派生しています。
goodは「良い」という形容詞で使われることが多いですし、wellなら「気分が良い」などで使うことが多いですね。
クラスに良い友達がいるんだ
今日は気分がいい
では、これらの例文で使われているgoodやwellがbestに置き換わったらどうなるのでしょうか。
クラスに親友がいるんだ
今日が一番気分がいい
どうでしょう。単に「良い」という意味を含んだ単語が、最上級の表現に置き換わりましたね。
この場合、前者の例文のbestはgoodの最上級となり、theをつけます。所有格が来るなら例外としてtheはつけないので、どちらか一方のみ必要だと覚えておきましょう。
そして後者の例文は、wellの最上級になります。goodもwellも、最上級になると両方bestになる点に注意しましょう。慣れないうちは違和感があるかもしれませんが、どちらも一番良いという意味を含んでいることには変わりありません。
注意が必要なのは、bestを用いた文をgoodやwellを使った文に直すときですね。どちらの単語を使えば良いのかおさらいしておきましょう。
bestを用いた表現
ここからは、bestを用いた表現をご紹介していきます。
日常会話でもよく使う単語なので、フレーズごとに暗記しておけばスムーズな会話が可能です。
その日一日を振り返ったり、昨日あった出来事を思い返したりして、以下で学ぶフレーズを使えないか考えてみましょう。
Do [try] one’s best
こちらは、「全力を出す」という意味です。
日本語にもなっているので、「ベストを尽くす」と訳しても問題ないでしょう。
やってみます
未来形になっているので、これから全力を出してみるという意味になります。最善を尽くしてみる、精一杯やってみる、頑張ってみる、そんな意味合いですね。
ただ、全力は出すものの、結果としてできるかどうかはわからないというニュアンスもあります。
このレポート、明日提出してくれない?
やってみます
職場などでは、このようなやりとりもありますね。
It’s not the best idea.
It’s not the best idea.は「やめたほうがいい」という意味です。
直訳すると「それは一番いい考えではない」です。これを意訳すれば、「やめたほうがいい」となります。
良いアイデアではあるけれど、それが最善ではないよと伝えるときに使います。相手を傷つけず、遠回しに提案を却下する方法ですね。
B:It’s not the best idea. He won’t understand.
A:彼に理科を教えるのはどう? B:やめたほうがいいよ。彼には理解できないだろうから
やめたほうがいいというからには、どうしてやめたほうが良いのかあとで理由を追加するのも自然ですよね。
at one’s best
こちらは、「最良の状態で」という意味です。theではなく、所有格がbestの直前に置かれているところに注目です。
バラは今が一番見ごろです
最も良い状態であることを示すために使えるフレーズですね。
例文のように、花などであればその最も良い状態は日本語で「見ごろ」というので、より自然な訳になります。
at (the) best
先ほどのフレーズと非常によく似ていますが、bestの直前にtheを入れる場合は、また意味が全然違ってきます。
訳は、「せいぜい、よくても」です。theは省略も可能です。
彼の数学の成績は良くても2だろうな
よくても2と言っているということは、2という成績が最高であるという意味です。そのため、bestという単語が使われています。
和訳をした場合に首をひねる表現があったとしても、その意味をイメージで捉えればなんてことはありません。
最高の成績でも2であるならば、日本語では「よくても」や「せいぜい」といったより自然な表現が使われるだけです。英語の文を読み解く際には、日本語を使って意味を取るのではなく、イメージを使って訳す練習をおすすめします。
まとめ
bestの使い方は、以上を理解すればバッチリです!
一口にbestと言っても、副詞や名詞、形容詞といった品詞があるので、それぞれでどんな訳にすべきなのか、文のどこに入れるべきなのか理解しておくことが大切です。
また、bestを使ったフレーズもたくさんあるので、これを気に複数の単語をセットで覚えてしまいましょう。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.