今回は、「空っぽ」という日本語を英訳するときに使う単語をご紹介していきます!タイトルにもあるように、「空っぽ」と言うとemptyやblankを思い浮かべる英語学習者もいるかもしれませんね。では、これらの違いは何なのでしょうか。また、これらの単語以外にも「空っぽ」という意味で使える英単語はあるのでしょうか。このあたりを深掘りしていきます。
emptyとblankの違いは?
まずは、最初にご紹介するemptyとblankの違いを解説しましょう。
emptyは「空の」という意味の他、「空の器」や「空の箱」「空の部屋」という意味として使われます。よりイメージしやすく言うならば、立体的な物が空である状態、でしょうか。このイメージを大切にしてください。よって、2次元のものに関して使うことはできません。
一方、blankも「空の」と訳しますが、「何も書いていない紙」や「空欄」という意味を持っています。emptyと反対で、3次元のものではなく2次元のものに対して使う言葉であると理解しておきましょう。日本語でもブランクと言うので、この単語のニュアンスは理解しやすいかなと思います。
軽く違いを理解したところで、次はそれぞれの単語をより深掘りし、使い方も理解していきますよ!
emptyの意味と使い方
ではまずemptyから解説しましょう。
emptyは形容詞で、「空の」という意味です。形容詞の基本的な使い方をすれば良いので、emptyの後に名詞を置いて、空の何なのか説明することができます。
余裕がある方は、emptyは動詞として使われることもあると覚えておきましょう。意味は「空にする」になります。中学英語では形容詞のみ覚えるので、動詞として使う場合は最初のうちは多少違和感があるかもしれませんね。
それでは、例文を見て使い方をより具体的に理解していきましょう。
Oh my gosh! This room is empty. Where are they?
「嘘だろ!部屋が空っぽだ。皆どこ行った?」
こちらは一般的な形容詞としてemptyを使った場合の例文です。立体的な部屋というものが空っぽであることを説明しています。
Have you emptied your glass yet? You really like beer.
「もうグラスを空っぽにしたの?本当にビール好きなんだね」
こちらはemptyを動詞として使った場合です。現在完了形を使っているので、動詞は過去分詞形になっていますね。
blankの意味と使い方
次に、blankの使い方を解説しましょう。
2次元のものに対して空っぽであることを伝える単語なので、「何も書かれていない紙」を指したり、「白紙」「空欄」と訳す方がしっくり来ることもあります。
語源をたどると覚えやすいかもしれません。英語のblankはもともとフランス語のblanc「白い」から来ています。他にヨーロッパ言語を学んでいる方は、多くの言語で「白」がblankのスペルと似ていることに気付くでしょう。この「白」というイメージから、白紙を表すようになりました。
基本的にblankは形容詞か名詞として使いますが、emptyと同様に動詞として使うこともあります。その際は「人を無視する」という意味になり、「to blank 人」というイディオムで使います。他人を空白扱い、つまりいないものとして扱うということですね。
では、例文を見てみましょう。
You’ve lost the notebook again? Then use this blank piece of paper.
「またノート忘れたの?じゃあこの白紙を使って」
こちらは形容詞としてblankを使った例文です。日本語でブランクというと、勉強やキャリアを休んでいた空白の期間や、空欄というイメージが強いですが、「何も書かれていない紙」という使い方もあるので気を付けましょう。
Don’t blank others, Ken. You should be kind to people.
「他人を無視しないでよケン。人に親切にしないといけないよ」
こちらはblankを動詞として使い、イディオム通りに使った例文です。blankのニュアンスを理解していれば、動詞になってもなんとなく意味はつかめるはずですよ!
その他の似た英語表現
では、「空っぽ」と似た表現を、emptyとblank以外でご紹介していきましょう!他にも似た意味の単語はあるので、どういった意味を持ち、どんなときに使うのか学んでいきます。
nil
皆さんは、nilという英単語を見たことがありますか?一見すると、英語なのかと疑問に思うのではないでしょうか。英語にしてはスペルが非常に短いですし、最後にlを追加してしまいたくなります。ですが、これも立派な英単語。どんな意味かネイティブスピーカーと同様のイメージを正しく理解するために、英英辞書を引いてみました。次のように書かれています。
nil /nɪl/ noun [uncountable]
1 nothing 類義語 zero
The new machine reduced labor costs to almost nil.
2 British English the number zero, used in sports results
Our team won by two goals to nil.
発音は見た通り「ニル」です。2つ意味があり、1つは「何もない」や「ゼロ」と同じです。
そして2つ目の意味は、スポーツで「ゼロ」という意味で、イギリス英語であると紹介されています。
スポーツで使うnilをもう少し解説したいので、以下の例文を見てみてください。
The final score is 2-0.
「試合は2対0で終わりました」
このとき、実は数字の0は「ゼロ」とは読みません。そう、「ニル」と発音します。リーディングをしているだけではわからない情報ですよね。イギリス英語なので、アメリカ英語で話そうと思ったらこの0はnothingかzeroで構いません。スポーツ中継を見る際には気を付けてみましょう。
ちなみに、イギリス英語の場合、スポーツ以外で「ゼロ」と言いたいときにはnought「ノート」という単語をよく使います。
present
presentにも「空っぽ」に似た意味はあるのですが、これは正直あまり覚えなくても良いかなという印象です。プログラミング言語で使われるものなので、使わないことが多いでしょう。
rubyなどのメソッドというものの中に、nil?、empty?、blank?、present?などがあるのです。
それよりも、英語学習者が覚えておくべきなのはpresentの別の意味ですね。プレゼントは日本語にもなっているため、名詞の「贈り物」の意味合いが強いですが、実は形容詞も動詞もあります。こちらをまとめて以下に載せておきますね。
名詞の「present」:プレゼント、現在
形容詞の「present」:存在して、出席して
動詞の「present」:贈呈する、発表する、提出する、(高位の人に)紹介する
名詞で注意すべきなのは、「現在」という意味もあることです。語学留学などをして語学学校で英語を学ぶ際には、文法説明のときに出てきます。英語で文章を作る際には時制を意識しないと動詞の正しい形がわかりませんからね。
また、形容詞の「出席して」も非常によく使います。学校に出席したり、会議に出席したりと、日常生活でもビジネスシーンでも使うことができます。
動詞は、「present 人 with 物」あるいは「present 物 to 人」という形に当てはめるとより簡単に文章が作れますよ!前置詞に何を使うのかは迷うところなので、フレーズとしてまとめて覚えてしまうことをおすすめします。何度も繰り返し練習して使っているうちになじみ、考えなくてもスラスラと言えるようになるでしょう。
ということで、presentは使う頻度の多い意味で例文を作ってみます。
He is present at the meeting.
「彼は会議に出席している」
何に出席しているか述べたい場合は、前置詞atのあとに置いてみましょう。するとより詳細な状況を表せます。
vacant
最後に解説するのはvacantです。
vacantも「空の」「空っぽの」と訳しますが、「空いている」と訳した方がより合っていることもあります。
イメージとしては、広いスペースが空いている感じで、部屋やアパートなどに使うことが多いですね。TOEICなどでは、リスニングで引っ越しをするシチュエーションで使われます。空いているアパートを探すという場面で使いやすいです。
形容詞として使うことが多く、名詞は形が変わってvacancyとなるため違いに気付きやすいです。
Look. There are two vacant rooms in the hotel.
「見て。このホテルに2つ空きがあるよ」
部屋の空き状況について使えるため、アパートだけでなくホテルなどにも使えます。海外の友達と旅行に行く際なんかに使えますよね。
emptyとblankの違い まとめ
さて、この記事を読んだあとでは、emptyとblankの違いがわかるようになっているはずです。そればかりか、他の似た意味を持つ英単語も覚えられたでしょう。細かいことはこれから暗記すれば良いので、まずはざっくりとそれぞれの単語のイメージをつかんでみてください。日本語だけに頼ると、それも「空っぽの」になってしまい違いがわかりづらくなってしまいます。ニュアンスの違いを理解するには頭に思い描くイメージが最も大切だと思います。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.