海外旅行やビジネスの場で、「迷っている」ことを伝えたい時は多いと思います。
しかし、日本語の「迷う」という言葉にぴったり当てはまる英訳はありません。
英語で「迷っている」と言う場合は、状況や問題の深刻度に応じて、表現を使い分ける必要があります。
この記事では、「迷っている」ことを意味する様々な表現について、具体的な例文とともに紹介していきます。
「迷う」の英語表現
このセクションでは、「迷っている」時に使える3つの英単語と、その使い方について紹介します。
worry / dilemma / hesitate
「思い悩んでいる」という意味で「迷っている」ことを表す時は、「worry」を使います。
I am worried about my career path after college.
大学卒業後の進路についてどうすればいいか迷っています
I'm worried about how to proceed any further with my research.
これ以上研究をどう進めればいいか悩んでいます
「worry」は「心配させる」という意味の他動詞です。そのため、自分が思い悩んでいる際は「be worried」と受動態にする必要があるので注意しましょう。
2つ以上の選択肢があって、どれを選ぼうか迷っている場合には、「dilemma」を使います。日本語にも「ジレンマ(板ばさみ)」という言葉がありますよね。
I have a dilemma. Can you help me with it?
迷っていることがあるんです。相談に乗ってもらえますか?
I was in a dilemma between two opinions.
私は二つの意見の間で迷ってしまった
日本語で「板挟み」というと選択肢は2つですが、最初の例文のように、英語で「dilemma」という場合、選択肢は2つより多い時もあります。
また、悩み事や迷い事がある時、「I have a dilemma.」というフレーズを使うと、相談を持ち掛ける時に便利です。
そして、2番目の例文でわかるように、すでに「dilemma」に陥っている場合、「どの選択肢も好ましくない」「解決法が見いだせずに苦しんでいる」という状況を表す単語です。
さらに、「ためらう」・「躊躇する」という意味の単語「hesitate」も、「迷っている」ことを表すのに使われます。
まずは具体的な例文を見てみましょう。
He was offered a promotion but hesitated to take it.
彼は昇進を打診されたが、受けようか迷った
I hesitated to correct that word, that it was wrong.
その言葉間違ってるよ、と訂正しようか迷った
このように、「hesitate」で表す「迷っている」は、日本語で言う「二の足を踏む」、つまり、一歩踏み出そうかどうか迷っている状態をいいます。
迷っているときに使えるフレーズ
「迷っている」ことを言いたい時に使えるフレーズもいくつかあります。
具体的な例文とともに見ていきましょう。
I wonder if I should ~
「迷っている」ことを伝える時、日常生活で最も気軽に使える言葉が、「wonder」です。
「I wonder if I should ~」は、迷っている内容があまり深刻でない時に使う表現です。「I’m wondering if I should〜」と現在進行形で使うこともあります。
現在形で使っても、現在進行形で使っても、意味やニュアンスに違いはありません。また、選択肢が2つの場合も、3つ以上の場合にも使えます。
I wonder if I should get a medium or a large pizza.
ピザをMサイズにしようかLサイズにしようか迷ってるんだ
I'm wondering if I should wear the pink shirt or the blue shirt.
ピンクのシャツかブルーのシャツかどっちにしようか迷ってるの
All the hats are so nice, I'm wondering which one to buy.
どの帽子も素敵だからどれにすればいいか迷ってしまうよ
このように、「I wonder〜」「I’m wondering〜」は、気軽な日常会話の中で「迷っている」ことを伝える時に非常に便利な表現です。ぜひおさえておきましょう。
I can’t make up my mind/decide~
「決心がつかない」という意味で「迷っている」と言いたい場合は、「make up one's mind(決心する)」や「decide(決定する)」を使って表すことができます。
どちらも気軽な「迷っていること」から重大な「迷っていること」まで幅広く使える表現です。
「make up one's mind」を使った例文には、以下のようなものがあります。
I can't make up my mind whether to attend the after-party or not.
二次会に参加しようかどうか迷っている
I can't make up my mind whether to cut ties with her or not.
彼女と絶交しようか迷っている
「decide」を使った表現の例は、以下の通りです。
I can't decide if I would like beef or chicken.
ビーフにしようかチキンにしようか迷っている
I can't decide whether to buy a villa or not.
別荘を買おうかどうか迷っている
「I can’t make up my mind〜」や「I can’t decide~」に似た表現として、「I can’t choose〜」もあります。
I can't choose whether to wear a skirt or pants today.
今日はスカートにするかパンツにするか迷ってるの
また、「迷っている」という意味では、「I am still debating.」という面白い表現もネイティブスピーカーの間でよく使われます。
「debate」は「議論する」という意味の動詞ですが、「自分の中で議論している最中だ」という意味で、「迷っている」ことを表します。
After you. I'm still debating.
(カフェなどで次の客に順番を譲る時)お先にどうぞ。まだ迷ってるんです
I don’t know if/what/whether ~
I don’t know if/what/whether〜」は、「(どうしていいか)わからない/悩む/迷う」という意味で、カジュアルな迷い事にも深刻な迷い事にも使います。
I don't know whether to order coffee or tea.
コーヒーを頼もうか紅茶を頼もうか迷っている
I don't know what kind of computer to choose.
どんなパソコンを選べばいいか迷ってる
I don't know if I should marry her or not.
彼女と結婚しようかどうか迷っている
「I don’t know~」と似たような言い方で、シンプルに「I think about〜」という言い回しでも、「迷っている」ことを表せます。
I'm thinking about whether or not I'm going to move to Osaka.
大阪に引っ越そうかどうか迷ってるんだ
このように、「複数の選択肢の間で迷っている」ことは、英語では「決心がつかない」や「考えている」という言葉を使って表現するのが一般的です。
I’m torn between A & B
「torn」は「tear(引き裂く)」の過去分詞形で、「引き裂かれた状態」を表します。
そのため、「I’m torn between A & B」は、何か2つの問題に板挟みになって、迷っているという意味になります。
「引き裂かれる」「板挟みになる」というと、辛い悩みに使いそうな気がしますが、気軽な悩みを表す時もよく使われる表現です。
もちろん、気軽な悩みだけでなく、大きな決断まで、幅広く使えます。
I'm torn between cooking and cleaning first.
料理と掃除のどちらを先に始めようか迷ってるんだ
I’m torn between choosing John or Bob.
ジョンを選ぶかボブを選ぶか迷っている
I’m having second thoughts about ~
“second thoughts”は、直訳すると「2番目の考え」となり、「一度決めたことを再び考え直すこと」を指します。
「最初に決断したことが、本当にベストな決断だったのか」について考え直すような状況で使われます。
I'm having second thoughts about whether the wallpaper in my room should be green.
部屋の壁紙を緑色にすべきか悩んでるの
I'm having second thoughts about making that doctor my family doctor.
あの医者をかかりつけ医にしていいか悩んでいる
「道に迷う」は?
「迷う」といえば、「道に迷う」という表現もありますよね。 道に迷った場合は、「get lost」か「lose one’s way」を使います。
ちなみに「lose one’s way」は、物理的な道順だけでなく、比喩として「将来への展望を見失ってしまった状態」を表すこともできます。
We've diversified our business so much that we've lost our way.
事業を多角的に進めすぎて、進路を見失ってしまった
まとめ
「迷っている」ことを一言で表す英語はありません。
思い悩んでいることがある時は「worry」、いくつかの選択肢で迷っている時は「wonder」、決断しかねている時は「I can’t make up my mind」などを使い分けられるようにしましょう。
ただ、英語を話す際に求められるのは、文法的正しさや語彙の豊富さより、「自分の意見をはっきり言えるかどうか」です。迷ってばかりではなく、自分の意見を英語でしっかり表明することも必要です。
ただ、不確かな話を知ったかぶりで話すのは逆効果です。自分の考えが定まらないうちは、はっきりと「迷っている」と伝えられるようにしましょう。
◇経歴
東北大学大学院で「日本人の英語習得」について研究、英語で論文執筆・学会発表
◇資格
・TOEIC860点
◇海外渡航経験
ギリス・アメリカ・オーストラリアに留学、フィンランドで学会発表
◇自己紹介
はじめまして。英語学習Webライター・兼・英語学習研究者のなっつるんです。
Webライターという仕事を通して、「日本人の大人がどうやったらラクに英語を覚えられるか」を追求しています。
最近英会話のカンが鈍ってきたと感じ、オンライン英会話のレッスンを受け始めました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.