英語で、「忘れる」といえばforgetですよね。中学で習う基本的な動詞で、まず覚えておかなければいけない単語です。しかし、今回はforget以外に「忘れる」という意味を持つ単語やフレーズをご紹介していきます。forgetだけでは表せないニュアンスを含ませることができるので、ネイティブスピーカーのように使えるよう覚えていきましょう!
「忘れる」の英語表現
まずは、forgetの次に覚えてもらいたい英語表現をご紹介します。日常会話でもよく使われるものが2つあるので、forgetと置き換える練習をし、新しく覚えた単語の方が伝わりやすいシチュエーションを思い浮かべてみてくださいね。
don’t remember
忘れる、という意味の中でも、何かを思い出せない状態や、何かする事を忘れたという際によく使われる英語表現はdon’t rememberです。
ただし、don’t remember単体で使ってはいけません。これだけだと命令形の否定形になってしまうので、「思い出すな」という意味となってしまうからです。使うなら、主語を入れる必要があります。それなら単純な否定文として、思い出せない、つまり、「忘れる」という意味として使うことができます。
rememberは、状況によってはcan’t remember「思い出せない」の方が適切になる場合もあるので、シチュエーションによって使い分けてみましょう。
それでは、例文です。
I don’t remember what she said in the morning.
「彼女が朝なんて言ったか忘れた」
I can’t remember his name.
「彼の名前を思い出せない」
don’t rememberは、「忘れる」と訳すこともできますし、「思い出せない」と訳しても意味は通じます。「思い出せない」だと可能の意味が入るので、can’t rememberと置き換えても違和感がない場合が多いです。
leave
leaveも忘れるという意味を持ちますが、物事を忘れるのではなく、物を置き忘れたという意味で使う特徴があります。日本語では同じ忘れるという意味でも、英語では使い分けるので注意すべき単語ですね。
物を置き忘れた場合にforgetを使えないというわけではありませんが、ネイティブスピーカーが好むのはleaveの方です。過去のこととして「忘れた」と言うことが多いため、leaveの過去形、leftも覚えておきましょう。
使い方は、「leave+物+置いた場所」です。語順に自信がないなら、このセットをイディオムのように覚えておき、言いたいことを変えながら耳でも口でも覚えていきましょう。
I left my phone in the office.
「会社にスマホ忘れた」
Oh my goodness! I left my new umbrella on the train.
「どうしよう!電車の中に新しい傘忘れちゃった」
置いた場所を表すときには、前置詞が使われることが多いです。場所を表す前置詞として有名なのは、inやatですね。ただ、例文のように電車の中を表す際などにはonも使えたりするので、どんな場所にはどの前置詞が使われるのか、セットで覚えておくことをおすすめします。
「忘れる」を表す英語フレーズ
では、次は「忘れる」と表す英語のフレーズをご紹介しましょう。セットになっていることで意味がわかりやすくなることもあります。よりネイティブスピーカーらしい表現が使えると英会話もしやすくなるので、知らないものは自分のものになるまで繰り返し暗記してみましょう!
Slip one’s mind
Slip one’s mindは、「忘れる」の中でも「うっかり忘れる」という意味合いを持つフレーズです。例えば、後でLINEの返信をしようと思っていたのに、悪意なく返信し忘れてしまったときなんかに使います。
Slip one’s mindのslipは、「滑る」という意味です。そして、mindは「精神」。精神から滑り落ちた、つまり、記憶からなくなってしまったと言い換えることができます。これをより日本語に馴染むように訳すと、「うっかり忘れる」になるのです。
Slip one’s mindの使い方は、忘れた物事を主語にします。一方、forgotは忘れた本人が主語になるので、慣れるまではちょっと使いにくいかもしれませんね。日本語では自分以外の物事を主語に持っていく文法が少ないですから。
I'm sorry. I didn’t mail you yesterday. It just slipped my mind.
「ごめん。昨日メールしなかったよね。うっかり忘れちゃってて」
Oh, her name completely slipped my mind.
「あれ、彼女の名前ど忘れしちゃったよ」
Lose one’s train of thought
Lose one’s train of thoughtは、何か言おうとしていたことを忘れる、という意味を持っています。ちょっと長いフレーズですし、trainという単語があるとなかなかこれだけでは意味をつかみきれませんね。
なぜこのフレーズが会話の途中に言おうとしていたことを忘れるという意味になるのか、それは、train of thoughtが、思考回路や、一連の考えという意味を表すからです。これを知っているかいないかで読み解き方が全然違いますよね。
日常会話でもよく使われる表現で、会話の途中に電話が入り、もともとしていた会話の中で言いたかったことを忘れてしまったときなんかに使います。こちらも先ほど習ったうっかり忘れるというニュアンスがありますが、このフレーズは言う内容を忘れることに限定されます。
What was I talking about? I lost my train of thought.
「私何話してたんだっけ?言おうとしてたこと忘れちゃったよ」
His big voice made me lose my train of thought.
「彼のでかい声のせいで何を言おうとしてたか忘れちゃった」
リスニングなら、Lose one’s train of thoughtをフレーズごと知っていないと聞き取りは難しいですし、自分から言うならこの後の会話で使える別のフレーズなども覚えておかなければなりません。ここから派生して、相手がいいそうなこと、次に自分が言いたいことを英語で言えるようにしておきましょう。
Have a senior moment
Have a senior momentは、日本語で言うと「ど忘れする」に近い表現です。直訳すると、「高齢者の瞬間を持つ」ですね。ここでピンと来る方もいるのではないでしょうか。
年を取ると、ど忘れしてしまうことが増えると言います。この現象をフレーズにしたのがHave a senior moment。高齢者の一次的な物忘れを、自分もしてしまったというときに使います。
Have a senior momentにネガティブな意味はなく、使う側が若いなら自虐的かつユーモラスな表現として捉えられます。若いのにもうど忘れが始まっちゃったねというニュアンスを含むので、冗談交じりに使ったりします。
I can’t remember why I came to the sitting room. I’m having a senior moment.
「なんでリビングに来たのか思い出せない。ど忘れしちゃってるわ」
I had a senior moment last night. I forgot where I put my pizza.
「昨日の夜ど忘れしちゃってさ。どこにピザを置いたのか忘れたんだ」
I’m having a senior moment.と、現在進行形にしても使えるのが特徴ですね。普通、状態動詞であるhaveは進行形にできませんが、ここでは例外です。特に、口語で使われる言葉は正しい文法にとらわれることがない場合も多いので、文法ミスは気にせずどんどん使っていきましょう。
例文では、これまでに習ってきたcan’t rememberやforgetも使いました。このように、今回覚えたことを組み合わせて英文を作ることもできるので、オリジナルの英作文をたくさん作って練習してみてくださいね。
Be on/at the tip of one’s tongue
Be on/at the tip of one’s tongueをまっさらな状態で聞くと意味を理解するのは難しいかもしれませんが、今回のテーマである「忘れる」を知れば、推測できるのではないでしょうか。なぜなら、日本語にも似た表現があるからです。それは、「喉まで出かかっている」です。
Be on/at the tip of one’s tongueは、日本語の表現と似ていて、喉の代わりに舌という単語が使われています。直訳すると、「舌の先まで出かかっている」ですね。日本語よりも英語の方が忘れていることがすぐそこまで来ていて、思い出せそうである感じがします。
こちらの表現は、忘れていることが出かかっているのですから、すでに自分が知っているはずのことを忘れたときに使います。
What’s the name of this actor? It’s at the tip of my tongue.
「この俳優さんの名前なんだっけ。喉まで出かかってるんだけどな」
I know it. It’s on the tip of my tongue.
「知ってるんだって。もう少しで思い出せそうなんだけど」
「忘れる」の英語表現 まとめ
「忘れる」と言えば、英語ではforgetが一般的ですが、今回はそれ以外の単語やフレーズをたくさん学びました。どんな状態で「忘れる」と言いたいのかを考え、最も適切な英語表現を選べるようにしておきましょう。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.