sickとbadの違い!ポジティブなイメージでも使われる表現とは?

sick、bad、ネイティブキャンプ

sickとbadという英語の単語をみた時にまず思い浮かぶのが「ネガティブ」なことなのかということではないでしょうか。

sickは病気というイメージが強いし、badは悪いというイメージがある単語だと思います。

しかし「sick」と「bad」、実は「ポジティブ」なイメージでも使われている英単語だということをご存じですか?

英語表現として「sick」や「bad」はスラングで使われていたり、日常会話でも割と多く使われている単語でもあります。
だからこそ英語学習を始めたばかりの方や、まさに勉強中という方に覚えておいてもらいたいのです。

英語というのはとても面白いですよ。
その理由は、単語の意味だけをみれば「ネガティブ」なのに、使い方・表現次第では「ポジティブ」に捉えてもらうことができるという不思議な特徴を持つからです。

英語を勉強し始めたばかりという方にとっては、ややこしい以外の何物でもないかもしれないですが、慣れてくるとこうした1つの英単語の意味や使い方を深堀すればするほど面白いと感じてくるはずです。

今回は、そんな不思議な特徴をもつ「sick」と「bad」を掘り下げていきます。

sickとbadの違い

まずは、単純に「sick」と「bad」の単語の意味の違いと使い方を学んでいきます。

冒頭でも記載した通り、「sick」と「bad」この両単語は英会話でもよく使われている単語でもありますよね。

「病気をした」「気分が悪い」「体調がよくない」「風邪を引いた」「船酔いした」などなど挙げればあげる程「ネガティブ」になっている気がしますが‥それは置いといて。

実際の英会話でも割と「ネガティブ」を説明するときに使っていると思います。

もちろんその使い方は正解です。
今まで通り使っていってもらって構いません。
ここでは、改めて英単語の意味を例文を含めて使い方をおさらいしていきましょう。

badの意味と使い方

まずは「bad」からです。

bad / 悪い・険悪な・品質の悪い・粗悪な・偽物の・不十分な・間違った・下手な

もう意味は全て「ネガティブの代表」かと言わんばかりにネガティブな意味が並べられていますね。

badは「悪い」という意味の一般的な英単語です。
捻りもなく単純に「悪い」という意味を表しますので、使いやすくそして相手にネガティブを伝えやすい英単語です。

badはご存知goodの反意語です。さらにbadには「悪い」という意味だけを持つわけではないのです。

同調を表すbad

I felt so bad for you at that time.
あの時は気の毒だったね。。

後悔や謝罪を表すbad

In a post-match interview, he said, "I felt bad that we didn't win the championship".
試合後のインタビューでは、「優勝できなかったのは申し訳ないと思った」と語っている。

食べ物などが悪くなっていることを表すbad

Are these apples gone bad?
  このリンゴ腐ってる?

以上の3点では、ただ単純に「悪い」というbadではなく相手の意見に同調したり後悔の想いを伝えたりするときに使うこともできるという例文をあげてみました。

特に3つ目の「腐る」という表現では、go bad の表現を使うことで表せますのでセットで覚えてみましょう。

ちなみに、「悪い」という表現でwrongという英単語も存在します。
意味のニュアンスは同じですが、wrongの反意語はRight(正しい)となり、badの反意語であるgood(良い)とは別ですので、使い時・使う場所を間違えないようにしましょう。

この場合、badは「良くない」= 物事の状態が好ましくない場合に使う。wrongは「間違っている」=何かが間違っている場合に使う。という理解を頭に入れておけばOKです。

The products in that supermarket were of very bad quality.
そのスーパーの商品は、非常に質が悪かった。
The weather looks bad this weekend.
今週末は天気が悪いみたい。
Cigarettes are bad for you.
タバコは身体によくないよ。

sickの意味と使い方

次に「sick」の意味と使い方をみていきます。

sick / 病気の・病にかかった・病人たち・吐き気・むかついて
sickと言えば「病気」というイメージが付いていますが、ネイティブスピーカー達がこの「sick」を使う時は、「吐き気がある」という意味で使われていることが多いとか。

もちろん「病気」も間違いではないですが、sickは漠然とした言葉で、意味の範囲が広いのが特徴の英単語なのです。

sickを特に文脈も何も無いままで使うと体調不良の全般を指すため具体的に伝わりません。
英語圏でこのまま使うと「吐き気がする・気分が悪い・むかついた」という伝わり方をするので、もし具体的な症状がある場合は前後の文脈に具体的な症状や状態を付け足す言葉が必要になります。

頭が痛い・お腹が痛いなど、箇所や症状の英単語を付け足して伝えるようにしましょう。

I got a cold.
風邪をひいたよ
My sister, who was on the boat, gradually began to feel sick.
船に乗っていた姉は、次第に気分が悪くなってきた。
You look pale. Are you in a sick mood?
顔色が悪いね。体調が悪いのかい?
I love the game but I get screen sick.
ゲームは好きだけど、画面酔いしちゃうんだよね。

「○○酔い」という表現は、この「sick」を使って表現できます。
seasick(船酔い)・airsick(飛行機酔い)・carsick(車酔い)・screensick(画面酔い)などなど、sick自体が乗り物酔いを意味することもできるので使い勝手がいいですよね。

いい意味で使われるsickとbad

いままで「悪い」というネガティブな表現で使われてきた「sick」と「bad」。
ここからが今日の本題です。

実はいい意味で使われている言葉があると、冒頭でご紹介しました。
英語にはスラングというものがありますが、日本語でいう俗語です。

俗語とはコミュニケーション上、つまり英会話内で使われている砕けた表現という意味ですが英語にももちろんあります。それがスラングです。

「sick」と「bad」のいい意味で使われている表現は、スラングです。日本語でも仲のいい間柄のコミュニケーションでふとした時に出てくるカジュアルで砕けた言葉というイメージを持ってもらえればOK。

例を挙げると「やばい」とか「すげぇ!」とかこんな軽さです。

bad

スラングでは「素晴らしい」という意味で使われることもあるんだとか。
あとは「イケてる!」といった表現をしたいときに使われることも。

全く真逆の意味で使われているbadのスラングは、かなり昔から使われていたという話があります。昔は「恐ろしいほどに」というニュアンスのスラングとして使われていたとか。

日本語で言う「恐ろしいほどに美しい・すごい」という表現をすることもあると思いますが、このbadを「良い」というニュアンスにするのも同じような表現をしていると言えます。

This car is bad!
この車イケてるね
He's a badass.
彼は超かっこいいの。

sick

sickもbadと同じように「すごくいい」「かっこいい」というgreatやcoolに近い表現で使われています。

他にも「ヤバい」「最高]というニュアンスも含まれているのですが、スラングのsickの場合はどうやら「初めて見たときのリアクション」というニュアンスも含まれているのだとか。

This is a sick watch, I love it.
これはすごいカッコいい時計なんだよ。すごく気に入ってるんだ。
I love those movies. They’re sick!
これらの映画がだいすき!最高だよね!
Your new car is so sick!
新しい車イケてるじゃん!

He’s a bad man

まずはHe’s a bad man.というフレーズ。
いやもうどこの映画やドラマの言葉?となると思いますが例題なのでご了承を。

この文章を直訳すると「彼は悪い男だ」となりますね。でも前後の文脈によってはなんと「才能・強さ・見た目が良すぎてヤバい!」とも捉えることができるのだとか。不思議です。

表現する人やキャラクターが既に良さの詰め合わせのような場合、このフレーズは直訳とは正反対の「全てが完璧すぎてヤバい!」という意味になるという訳です。

いやはや、語学の面白いところでもありややこしいところですよね。

The view is sick!

つぎにこのフレーズ。

直訳すると「景色が気持ち悪い!」という感じでしょうか。
もう意味が分からない!とさじを投げたくなるかと思いますがもう少し読み進めてもらいたい!

ここでいうsickは、前項で紹介した「イケてる」「すごくいい」という意味のsickとなります。

例えば自分の経験したことを人に薦めたいくらい素晴らしかった場合に、このsickを付けることで「あればヤバかったから経験した方がいいよ!」というニュアンスを相手に伝えられるという訳です。

したがってこのThe view is sick!は「景色が綺麗すぎてヤバい!!」という訳になります。

何かを絶賛する時に使うことができる割と便利なスラングなので、beautifulやamazingの代わりに使うことができます。

sickとbadの違い まとめ

今回は「bad」と「sick」を掘り下げてきました。

「悪い」という意味を持ちながらも、スラングとして砕けた表現では「ヤバい!」というなんとも馴染みのある言葉に変換することができることが分かりましたね。

要するに、凄さが限界突破した事を相手に伝えたい場合に使ってみると、使いこなせるかもしれません。

悪いという意味が、1周回っていい意味で使われるのは日本語にも良くあることなのでこれが英語でも同じように起こっていると理解しておけばOKです。

ややこしい英語も意味・使い方を理解すれば必ず使いこなせる日が来ますので地道に少しずつ知識を深めていきましょう!

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