”Let’s say”の意味を知ろう!便利な使い方2つを徹底解説

Let's say、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

”Let’s say”という言い回しを聞いたことはありますか?

学校ではほとんど習わないため、日本人の英語学習者にはほとんど知られていないフレーズなのですが、実は「もし~だったら」という文章を作ることができるとても便利な表現なんです。

ネイティブスピーカーの英会話では、日常会話からビジネスシーンまでさまざまなシチュエーションで使われています。

今回は、あまり知られていないけれどとても便利な”Let’s say”について、くわしく解説していきます。

”Let’s say”は「一緒に言おう」ではない

”Let’s say”というフレーズは、「一緒に~しよう」という意味の”Let's”と「言う」という意味の”say”から構成されています。

では、”Let's”と”say”が合わさって「一緒に言いましょう」という意味になるか?というとそうでもないのが英語の一筋縄ではいかないところです。

”Let’s say”は、「もし~したら」という可能性や仮定の意味合いをもつ表現です。

<例文>

Let’s say it rains tomorrow. Do you have a plan B?

もし明日雨が降ったら、代替案はあるの?

例文のように、文頭に”Let’s say”をつけることで「もし~したら」という文章を作ることができます。

Let’s suppose ~(~だと仮定しましょう)や、what if ~(~が起こったらどうする?)といった表現の置き換え表現でもあります。

<例文>

Let’s say it rains tomorrow.

明日雨が降るとしよう。

Let’s suppose it rains tomorrow.

明日雨が降るとしよう。

What if it rains tomorrow?

明日雨が降ったらどうするの?

どれも「雨が降ったら」という可能性を仮定していますよね。

”Let’s say”は仮定を表すことを知らない場合、”Let’s say 〇〇”といわれたときに「〇〇って一緒に言おうよ!」という意味だと誤解してしまい、会話が全く意図しない方向へ進んでしまうことがあります。

<例文>

A : Let’s say he was a hero…

B : Okay. 3,2,1… “He was a hero!

A : 仮に彼がヒーローだったとして・・・

B : わかった。3,2,1,”彼はヒーロー!”

Aさんは、「彼がヒーローだったとしたら」という仮定の話をしたかったのですが、”Let’s say”を知らなかったBさんは「一緒に”彼はヒーローだった”と言おうよ」とAさんから誘われたと勘違いしてしまいました。

こんな間違いはできれば避けたいですよね。

”Let’s say”には可能性や仮定の意味合いがありますが、シチュエーションやニュアンスによって2つのパターンに分けられます。”Let’s say”を正しくマスターして使いこなすために、使い方をさらにくわしく見ていきましょう。

”Let’s say”の使い方 その1

”Let’s say”の1つめの使い方は、「仮に~として」「例えば~としましょう」という仮定やたとえ話を表現する方法です。

口語表現であるため文章を書くときには使えませんが、日常会話で夢や妄想の話をするときや、ビジネス会話でリスクについて議論するときなど、会話の中であればシチュエーションを選ばずに使えます。

実際に使ってみると、次の例文のようになります。

<例文>

Let’s say you were super-rich. What would you spend your money on?

もしあなたが超お金持ちだったら、何にお金を使う?

また”Let’s say”は、次のような状況のどちらの場合でも使うことができます。

・現実にはあり得ないような、可能性がゼロに近い内容

・現実にもあり得そうな、確実性が高い内容

例文を見ていきましょう。

<例文>

Let’s say you got an invitation to the event. What kind of clothes do you choose?

(現実にはありえないけれど)あのイベントに招待されたら、どんな服装でいく?

Let’s say you are with him on the bus. How do you start a conversation?

(そこそこあり得る確率で)彼とバスで一緒になったら、なんて話しかけるの?

Let’s say you miss the train. How do you get there?

(そこそこあり得る確率で)その電車に乗り遅れたら、現地へはどうやって行く?

どれくらい可能性があるのかについては、動詞の時制を使って表現することができます。次のセクションでくわしく説明していきます。

”Let’s say”の時制と仮定の度合い

仮定には以下の2種類があります。

①現実にもあり得そうな、確実性が高い内容

②現実にはあり得ないような、可能性がゼロに近い内容

また、英語には「話者にとって心理的に遠い場合は過去形を使う」というおもしろい特性があります。

起こる可能性の高い内容は、話している人にとって臨場感やリアリティがありますよね。心理的にも「近い」と感じられますし、想像というよりは事実に近いため、”事実を述べる”直接法という文法を使って現在形で表現されます。

一方、起こる可能性の低い内容は、事実とは異なる想像の世界の話になるため「遠い」感覚があります。心理的にも、現在から過去を眺めた時に感じるような距離を感じるため、”事実ではない仮定を述べる”仮定法を使って過去形で表現されます。

”Let’s say”を使った文においても、文中の動詞を現在形にするか過去形にするのかによって仮定の度合い(①と②のどちらなのか)を明示することができるのです。

例文で確認していきましょう。まず①の場合の例文です。

<例文>

Let’s say you win the lottery. What do you do first?

(当たる確率が高い状況で)もしこの宝くじに当たったら、最初に何する?

この例では、話している人は「この宝くじならもしかして当たるかもしれない」と思いながら話をしています。現実に起こりうることなので、事実を述べる形=現在形を使った文章になっています。

では次に②の例文を見ていきましょう。

<例文>

Let’s say you won the lottery. What would you do first?

(現実にはありえないと思うけど)もしこの宝くじに当たったら、最初に何する?

上の例では、話している人は「この宝くじに当たることなんてないと思うけど」という前提のもとで話をしています。可能性はゼロに近いと思っているので、”win the lottery”が過去形になり、”won the lottery”になるというわけです。

また同様の理由で、What節の動詞には”will”の過去形”would”が使われます。

このように、同じ宝くじの内容を話していても、話をしている人がどのように可能性を捉えているかによって、文章の内容が少しだけ変わってきます。

まとめると次のようになります。

①現実にもあり得そうな、確実性が高い内容:現在形

②現実にはあり得ないような、可能性がゼロに近い内容:過去形

では、次の例文は①と②のどちらでしょうか?

<例文>

Let’s say the flight is delayed. Do you have a plan B?

その飛行機が遅れたとして、代替案はあるの?

現在形を使っているので、話している人が「飛行機が遅れることは充分ありえる」と思っている=①(現実にもあり得そうな、可能性が高い内容)を表しているとわかりますね。

“if”と“Let’s say”の違い

「もし~としたら」といいたいときの定番表現に、”if”があります。

仮定には、①:あり得る仮定と、②:あり得ない仮定の2種類があり、”Let’s say”では可能性の度合いによって動詞の時制が変化することは上述しました。

”if”を使った構文でも、①と②の違いを表現するときには同じように時制が変化します。

現実にあり得る状態を仮定する場合は、現在形のif構文で表現します。これは、”もしも”の話をしてはいるものの、文法的には「仮定法(現実ではない話)」ではなく「直接法(現実/現実かもしれない話)」の分類に入るためです。

<例文>

If you miss the train, how will you get there?

(そこそこあり得る確率で)その電車に乗り遅れたら、現地へはどうやって行く?

if節は現在形、疑問文は「そうなったらどうするか」という未来について聞いているのでwillを使っていますね。

一方、現実にはあり得ない状態を仮定する場合、文法的にも仮定法を用いることになるため、動詞が過去形になります。

<例文>

If you were super-rich, what would you spend your money on?

(あり得ない話だけど)もしあなたが超お金持ちだったら、何にお金を使う?

if節の動詞は過去形になり、相手への疑問文にはwillの過去形であるwouldが使われています。

”Let’s say”と”if”は用途も意味もよく似ており、完全に置き換えられる場合もあります。違いといっても小さくて微妙なものであったりします。

<例文>

If you were super-rich, what would you spend your money on?

Let’s say you were super-rich. What would you spend your money on?

(ないとは思うけど)もしあなたが超お金持ちだったら、何にお金を使う?

If you are super-rich, what will you spend your money on?

Let’s say you are super-rich. What do you spend your money on?

(あり得る可能性として)もしあなたが超お金持ちなら、何にお金を使う?

ただ、仮定法は苦手意識を持っている方が非常に多く、仮定法過去、仮定法過去完了、仮定法未来など種類もたくさんあって混乱してしまいがちです。

”Let’s say”であれば可能性によって動詞の時制を設定するだけですので、シンプルに感じられるかもしれません。

”Let’s say”の使い方 その2

”Let’s say”の2つめの使い方として、「~なんてどうでしょう」「例えば~というのはどうでしょう」という控えめな提案表現があります。

<例文>

Let’s say around 11.

11時頃でどう?

”Let’s say”は仮定の意味があると上述しましたが、この控えめな提案表現は「(もし仮に)~だとしたら、どうですか?」という仮定表現であるとも言えます。

日常会話では”Let’s say around 〇〇”や”Let’s say about 〇〇”という組み合わせが多く使われます。

<例文>

A:What time do you want me to pick you up?

B:I don’t know. Let’s say around 6.

A:何時に迎えに行けばいい?

B:よくわからないけど、6時頃とかどう?

この時間、というきっちりしたことは言えないけれど、この辺りでどうかな?というニュアンスで発言したいときには”Let’s say”がぴったりです。

”Let’s say”は省略しても使える

”Let’s say”は、省略して”Say”だけになることもあります。

「もし~したら」という仮定の意味のときにも、控えめな提案の意味のときのどちらにも省略して使うことができます。

<例文>

Say the flight is delayed.

飛行機が遅れたとしてさ。

How about tomorrow, say around 8?

明日の、そうだな、8時頃はどう?

おわりに

ネイティブスピーカーはよく使うのに、日本人の英語学習者には意外と知られていない”Let’s say”

「例えば~だったらさ」「~はどう?」などのよく使う会話を表現しやすいので、ぜひ実際の英会話でも使ってみてくださいね。

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