「Dumb it down」の意味を知っていますか?
皆さん、「dumb it down」というフレーズ聞いたことがありますか? その意味をご存知ですか? 日常会話でよく使われる表現の一つです。
今回はこの「dumb it down」の意味と使い方について詳しく解説しましょう。また、これと同じ意味、類似する意味のフレーズも併せてご紹介したいと思います。それでは最後までどうぞお付き合いください。
「Dumb it down」の意味と使い方
「dumb it down」は、難しい事を大衆的なレベルに下げて優しく簡単に解説する、あるいは教材などのレベルを下げる、といった時に使われるフレーズです。日常会話で使われるスラング的表現の一つです。読み方は、あえてカタカナで表記すると「ダムイッダウン」となります。
「dumb」という英単語は、元々「ばかな」、「愚かな」、あるいは、驚きや怒りで「口がきけない」「物が言えない」といった意味です。
これが「dumb it down」というように使われると、「〜を簡単に説明する」「〜のレベルを下げる」といった意味になります。
スラング的表現であり、また「dumb」というやや否定的なニュアンスを持つ単語を使っていることから、あまりフォーマルな場では使うのを控えた方がいいというような意見もあります。比較的カジュアルな場面で、あるいはビジネス等においてもよく知っている者同士の間で使うフレーズと考えた方がいいでしょう。
B:OK! So, could you please teach me how to open these files?
A:Sure! First, after downloading the compressed files, you have to unzip them.
B:Compressed files? Unzip? Oh no! What do you mean? Can you dumb it down a little bit?
A:ファイルを3つ添付します。添付ファイルをご確認いただけますか?
B:了解、で、このファイルを開く方法を教えてくれますか?
A:もちろんです! まず圧縮ファイルをダウンロードしたあと、ファイルを解凍する必要があります。
B:圧縮ファイル? 解凍? えっ! どういう意味ですか? 少しかみくだいて簡単に説明してくれませんか?
B:Sorry. Would you please dumb it down?
A:それが人間の性質ってもんですよ。
B:すみません、わかりやすく教えてもらえますか。
「it」がなくてもOK、また他の代名詞や名詞も使える
上の例では、「it」という代名詞を使った「dumb it down」の形を紹介しましたが、この「it」の部分に他の代名詞や普通の名詞を入れることもできます。語順を変えて「dumb down〜」という形にすることもできます。ただし、代名詞の場合は「dumb」と「down」の間に入れるのが普通です。
B:Really? Should I dumb this down for you?
A:Yeah. In short, you dumped him?
A:あなたの言ってることがわからないんだけど。
B:マジ? もっと簡単に言わないとだめ?
A:うん。つまり、あなたは彼をふったの?
B:Don't worry. They are going to dumb them down for everyone.
A:Are you sure? Where did you get that information?
B:Come on! I’m also going to give a lecture.
A:Wow! I didn’t know that. I was very relieved to hear that.
A:学会での講演が理解できるか、不安だわ。
B:大丈夫さ。誰もがわかるようにやさしく説明してくれるらしいぜ。
A:本当に? その情報どこから手に入れたの?
B:おいおい。オレも講演するんだぜ。
A:ワオ!知らなかったわ。それを聞いてとても安心したわ。
B:It was not easy enough to understand. So, could you dumb the story down for me?
A:授業、どうだった?
B:簡単じゃなかった。話を解説してくれない?
Professor Armstrong:I have no choice. OK then, please get this done as soon as possible.
研究員:アームストロング教授、この実験のレベルを下げなければならないと思います。
アームストロング教授:しかたないですね。それではできるだけ早く対応してください。
Teacher B:Yes, I think so, too. We have to dumb them down.
教員A:今年の学生の成績はとても悪かった。教科書が難しすぎるのかもしれない。
教員B:私もそう思います。教科書のレベルを下げるべきです。
「dumb」を「dumbing」にして、名詞のように使う方法もあります。
B:On the other hand, I had to take a pay cut. This change brought about the dumbing down of society.
A:昨年から物価が上がっています。
B:一方で給与は下がっている。この変化は社会のレベル低下をもたらしているよ。
その他:「簡単に説明してほしい」と言いたい時の英語
「簡単に説明してほしい」といった意味のことを言いたい場合、「dumb it down」以外にはどんな表現方法があるでしょうか。
ここでは、「dumb it down」と意味の類似したフレーズをいくつかご紹介しましょう。「dumb it down」はスラング的表現ですが、ここでご紹介するのは、さまざまな場面で普通に使えるフレーズです。
かみくだいて説明する:explain simply
Teacher:OK! I will explain simply.
生徒:もう一度言っていただけますか。
教師:わかりました。かみくだいて説明しましょう。
CEO:Great job with your presentation. By the way, could you explain the present situation to me simply again?
スタッフ:これで私のプレゼンを終わります
CEO:いいプレゼンだったよ。ところでもう一度私に現状をかみくだいて説明してくれないかな?
できるだけ明確でわかりやすく:as clearly and comprehensibly as possible
Candidate:I will provide explanations as clearly and comprehensibly as possible.
有権者:あなたの政策がわかりません。
候補者:できるだけ明確でわかりやすく、説明します。
わかりやすく言えば:To speak in plain language
Colleague B:To speak in plain language, the project failed.
同僚A:何があったのですか? 顔色が悪いですよ。
同僚B:わかりやすく言えば、プロジェクトが失敗したんだ。
もっとわかりやすく説明して:explain it more straightforwardly
Shopper:Yes. There are so many computers. I can't decide which one I should choose. I need someone to explain it more straightforwardly to me.
Salesperson:No problem! Let me explain.
Shopper:Thank you. That is very helpful.
店員:何かお探しですか?
買い物客:ええ、たくさんのコンピューターがありますね。どれに決めていいのかわからなくて。もっとわかりやすく説明してくれる人が必要です。
店員:問題ないですよ。私が説明しましょう。
買い物客:ありがとう。それはとても助かります。
最後にご紹介するのは、ちょっと面白いフレーズです。
for dummies:サルでもわかる
「dumb it down」は「誰にでもわかるように簡単に説明してほしい」ということですが、日本語で「誰にでもわかる」と言いたい場合、「サルでもわかる」というフレーズが使われることがよくありますよね。
ちょっと前に流行した言葉ですが、今でも、解説書や教材のタイトルの一部などに使われているのを見ます。
この「サルでもわかる」を英語では「for dummies」と表現することができます。「dummy」には「ばか」「まぬけ」という意味があり、直訳すると「ばかな人のための」となりますが、洋書ではいろいろなジャンルの「For Dummies」シリーズなどもあり、親近感を持たれて読まれています。
「for dummies」を日本語で「超初心者向け」と訳しているものも見かけます。
B:“Watercolor Painting For Dummies” is good!
A:最近水彩画を始めたんだ。何かいい解説書を知っていますか?
B:『サルでもわかる水彩画』がいいよ。
まとめ
いかがでしたか?今回は、スラング表現で「〜を簡単に説明する」「〜のレベルを下げる」という意味の「dumb it down」を例文とともにご紹介しました。
また、「dumb it down」と同じく「簡単に説明する」「簡単に説明してほしい」と言いたい場合のその他の英語表現についても、その一例を解説しました。
相手の言っていることが理解できなくて頭の中に「?」マークが浮かんだ時などに、ぜひ使ってみてください。
わからないことはわからないままにせず、積極的に質問することが、英会話の上達にもつながると思います。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.