「get out」は句動詞です。ちなみに「句動詞」とは「群動詞」とも呼ばれ、「動詞+前置詞」または「動詞+副詞」で一つの動詞と同じ働きをするものです。
今回の「get out」は「get」が動詞、「out」が副詞の「句動詞」になります。
「句動詞」はネイティブスピーカー同士の会話の中では頻繁に登場するもの。細かなニュアンスを表現することができます。単語の組み合わせなので、ものすごくたくさんありますが、よく使われるものを中心にできるだけ覚えて、ぜひ使いこなしたいものです。
今回はスラング英語の「get out」の2つの意味を中心に解説したいと思います。でもその前に、まずは「get out」の、普通に使われるそもそもの意味について少し解説しましょう。
- get out:外へ出ていく
- "Get out"の意味1:出ていけ
- "Get out"の意味2:うそでしょ?
- 省略せずに表現すると"Get out of here"
- "Get out of here"の発音は?
- 同じ意味のイディオム:"Get out of town"
- "Get out of"を含む他のイディオムは?
- "Get out"の意味と使い方を覚えて活用しよう!
get out:取り出す
「get out」には「外へ出す」や「取り出す」などの意味があります。
彼はタバコを取り出した。
また、「get A out of B」で「BからAを出す」という意味になります。
私が靴箱からあなたの靴を出します。
get out:外へ出ていく
「get out」には「外へ出ていく」「去る」「逃げ出す」といった意味があります。
彼らは昼食を食べに外に出た。
「〜から降りる」や「〜から出る」などの時は前置詞「of」を後ろにつけて、「get out of」で表現します。
バスを降りたら、少し待っていてください。
「get out」の基本的な意味がわかったところで、次はスラング英語の「get out」の2つの意味について解説していきましょう。
"Get out"の意味1:出ていけ
スラング英語の「get out」、まず1つめの意味は「出ていけ」です。
上で説明しましたように、普通の使い方の「get out」にも「外に出ていく」という意味がありますので、基本的にはこれと同じです。
でも、日常会話で命令文として使われる「get out」には、これだけで独立した熟語のような響きがあり、口語でよく使われるフレーズですので、今回、スラング英語としてあらためてここで取り上げます。
まず、「get out」は、怒っている時など強い口調で言う時に使います。日本語だと「失せろ!」といったような、かなり強い言い方です。この時は表情も、やはり怒気をはらんだものになります。
ここから出ていけ!
出ていけ! そして二度と私の前に顔を出すな!
一方、意味としては同じ「出ていけ」ですが、例えば何か危険な状況が迫っている時などは「早く逃げろ」というニュアンスにもなります。この場合は、真剣な表情を伴うことが多いです。
なんてことだ、火事だ!早く逃げろ!
"Get out"の意味2:うそでしょ?
「get out」の2つめの意味は、「うそでしょ!?」「本当に!?」「マジ?」「そんなことがあるか!」など。驚いた時や信じられないことを見たり、聞いたりした時に使われます。
日本語に訳す場合は、その他にも、「信じられない話だ!」「まさか!」「ありえない!」「そんなばかな!」「冗談でしょ!」「いいかげんにして!」など、いろいろあてはまります。
また驚いた表情や嬉しい表情などを伴いながら発話することが多いです。
B:Get out! She said she didn't want to marry last month.
A:Yeah, it is just a rushed marriage.
A:ルーシーが先週結婚したよ!
B:まじ? 彼女結婚に興味がないって先月言っていたのに。
A:そうだね、まさに電撃結婚だね。
B:Get out!
A:あなたが薦めてくれたイタリアンレストランに昨日行ったのよ。でも廃業してしまっていたの。
B:そんなばかな!
省略せずに表現すると"Get out of here"
上で紹介したスラング英語の「get out」は実は「get out of here」が省略された形です。
ですので、「get out of here」でも、意味は前述した「get out」と同じです。怒っている時や真剣な時に「Get out of here!」(出ていけ)と言えますし、嬉しいニュース、また思いがけないニュースを見聞きしたりした場合にも「Get out of here!」(本当なの?)は使えます。
B:I ate it.
A:What!? Get out of here!
A:あれ? オレのケーキは?
B:食べちゃった。
A:え? もう出ていけ!
B:I said No! Go on, get out of here!
A:デートしない?
B:いやって、言ったでしょ! もう、どっか行ってよ!
B:Get out of here! When did you buy it?
A:Actually, yesterday.
B:Wow, you look good in it.
A:じゃじゃーん! 新しいシャツ買ったの。どう思う?
B:うそぉお! いつ買ったの?
A:昨日。
B:わあ、よく似合っている。
"Get out of here"の発音は?
さて、「get out」や「get out of here」は、発音がやや難しいです。
「get out」は「ゲット アウト」ではなく、「get」の「t」と「out」の「o」がくっつき、さらに「t」は日本語の「ダ」または「ラ」のような響きになり、「ゲダウト」または「ゲラウト」というような発音になります。最後の「ト」もかなり小さく発音されます。
「Get out of here」だとさらに複雑になって、やはり全体がくっつくのですが、「of」の「f」がほとんど消えて、「Getouta here」(「ゲダウダヒア」「ゲラウラヒア」)などと聞こえます。
ネイティブスピーカーの先生の発音を参考にしたりして、自分でも練習してみるのもいいでしょう。自分が発音できるようになると、リスニング力もアップします。最初はうまく言えなくても、絶対言えるようになりますよ。
同じ意味のイディオム:"Get out of town"
「Get out of here!」と同じ意味を持つイディオムに「Get out of town!」があります。「Get out of here!」と併せて覚えておきましょう。
B:Get out of town!
A:気をつけて! ビルが崩壊しそうだ!
B:早く逃げろ!
B:Get out of town!
A:宝くじにあたったよ!
B:うそでしょ!
B:Get out of town! She hated him so much...
A:ナンシーは彼と恋人同士なのよ。
B:まさか、そんなことあるわけないわ! あんなに彼のことを毛嫌いしていたのに…。
"Get out of"を含む他のイディオムは?
「get out of」を含むイディオムは他にもあります。ここでは代表的な、使えるイディオムをいくつか紹介しましょう。
get a lot out of 〜:〜から多くを得る
「〜から多くを得る」という意味になる「get a lot out of」。役立つことを得るという肯定的なニュアンスです。
B:Get out of here.
A:That’s a shame. We got a lot out of her.
A:ねえ、知っていた? 彼女は6月に転職するって。
B:まさか。
A:残念だよ。彼女からはたくさんのものを学んだよ。
「a lot」を「not ~ anything」あるいは「nothing」に変えれば、「何も得るものがない」ということになります。
B:That was terrible. I didn’t get anything out of it. Nothing!
A:あの映画はどうだった?
B:あれはひどかったよ。得るものがなかった。何もないよ!
get 〜 out of the way:片付ける
「get ~ out of the way」には「片付ける」「取り除く」という意味があります。また、他にも「追い出す」「終わらせる」などの意味もあります。
あなたの物をどかして! ここに座りたいの。
B:Ok. Let’s get this out of the way first.
A:ボス、仕事が山積みです。
B:わかった! まず、これから終わらせよう。
get out of hand:手に負えなくなる
「get out of hand」で、「手に負えなくなる」「コントロールが利かなくなる」「どうにもならなくなる」などの意味になります。
手遅れにならないうちに、慎重に計画を立てなさい。
具合が悪くなったら、手遅れにならないうちに病院に行きなさい。
get 〜 out of one's system:やりたいと思っていたことをやる、など
「get ~ out of one's system」は「やりたいと思っていたことをやる」という意味になります。これまでやりたかったことをやり、自分の内側に溜まっていた欲求を吐き出すということです。
私は長いこと留学したかった。今、その希望が叶って私は嬉しい。
また、心配事や悩み事などを「頭から取り除く、忘れ去る」という意味にもなります。そこから、「不快な気分を吹き飛ばす」「ストレスを解消する」などの意味にもなります。
さあ、食べよう! そしてそのことは忘れよう。
"Get out"の意味と使い方を覚えて活用しよう!
いかがでしたか? 「get out」やそれに関連する熟語表現はさまざまな場面で使われます。
そして、話す時の雰囲気や表情で、ニュアンスがまったく変わってしまうことも少なくありません。英語学習のちょっとしたコツですが、いろいろなフレーズを練習する時は、声だけでなく鏡の前で表情も合わせて練習してみてはいかがでしょうか。
また、今回ご紹介したフレーズは海外テレビドラマや映画などでもよく登場します。実際にどのようなシチュエーションでどのような発音で使われているか、ぜひ注意して聞き取ってみてください。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.