行くだけじゃない!「가다」の活用法【韓国語学習】

行くだけじゃない!가다の活用法

 

行くを意味する「가다」は韓国語文法の初級で習う基本の動詞なので、韓国語学習に取り組んだ事がある人なら誰でも知っている単語でしょう。

「学校へ行く」「友達に会いに行く」など日常生活で頻繁に使われる가다ですが、가다には「行く」以外の意味もいくつかあるんです。

この記事では、例文やフレーズを使って가다が持つ色々な表現をご紹介するとともに、가다を含む複合語、가다が使われていることわざに至るまで、どこよりも詳しく가다を解説していきたいと思います!

 

動詞の가다

 

(一定の場所から他の場所へ)移動する

日本語の「行く」に当たります。辞書で引くと一番最初に出てくる基本の「가다」です。

人だけでなく車・船・飛行機などが運航する意味の「行く」、職業や学業に対してそこに移るという意味の「行く」なども含みます。

例)
イボン フュガ ッテ ハングゲ カㇽ コエヨ?
이번 휴가 때 한국에 갈 거예요?
今度の休暇は韓国に行きますか?

イㇽボネ カヌン ピヘンギ
일본에 가는 비행기
日本行きの飛行機

ネニョネ グンデエ カㇺニダ
내년에 군대에 갑니다.
来年軍隊に入ります。

 

(職務や職責を)移す

 

会社を移る、部署を移動するという意味で使われます。

例)
タウㇺ ダㇽブト チョンㇺカロ カゲ テオッソヨ
다음 달부터 총무과로 가게 되었어요.
来月から総務課に移動することになりました。

 

(物や権利などが)移される

 

人や乗り物以外にも、物や権利が動くときも「가다」が使われます。

例)
ジェサニ ヌグ スジュンウロ カㇽジ モルゲッソヨ
재산이 누구 수중으로 갈지 모르겠어요.
財産が誰の手中に入るかは分からない。

 

(目・視線が)いく

 

例)
ク サラㇺ オッチャリメ チャック ヌンキリ カンダ
그 사람 옷차림에 자꾸 눈길이 간다.
その人の服装にしきりに目がいってしまう。

 

(気を)つかう

 

気をつかうは「신경(이)쓰이다」という言い方とともに、こちらの「신경(이)가다」もよく使います。

例)
ナリ トウニッカ ウㇺシゲ シンギョンイ カネヨ
날이 더우니까 음식에 신경이 가네요.
暑いから食べ物に気をつかいますね。

 

(うわさや便りが)伝わる

 

소문(ソムン/うわさ)や、소식(ソシㇰ/便り)が相手方に届くことを意味します。

例)
ク ソムン タルン トンネッカジ カッテヨ
그 소문 다른 동네까지 갔대요.
そのうわさ隣町まで伝わってるってよ。

 

(損害・被害が)及ぶ

 

손해(ソンへ/損害)피해(ピへ/被害)などの名詞とセットで、それらの害が及ぶという意味を持ちます。

例)
タンシンハンテ ピヘガ カジ アントロㇰ ハㇽケヨ
당신한테 피해가 가지 않도록 할게요.
あなたに被害が及ばない様にしますからね。

 

(ある状態や状況に向かって)進む

 

例)
ボクチ クッカロ カヌン キルン アジㇰ モㇽダ
복지 국가로 가는 길은 아직 멀다.
福祉国家への道はまだまだ遠い。

 

(ある状態や状況が一方に)流れる

 

例)
イデロ カミョン ウリエ スンリダ
이대로 가면 우리의 승리다.
このまま行けば私たちの勝利だ。

 

(動力源として)作動する

 

例)
ジュンギエ ヒムロ カヌン キカンチャ
증기의 힘으로 가는 기관차
蒸気の力で走る機関車

 

(物体が)傾く

 

例)
エㇰジャガ オルンチョグロ カン コッ カッタ
액자가 오른쪽으로 간 것 같아.
額縁が右に傾いているようだ。

 

(ひび・しわ・キズなどが)できる

 

금(クㇺ/ひび)、주름(チュムㇽ/しわ)、흠(フㇺ/キズ)の後に~이 가다の形で使われます。

例)
カルビビョエ クミ カソ スㇺシヌン コッ ド ヒㇺドゥロヨ
갈비뼈에 금이 가서 숨쉬는 것도 힘들어요.
あばら骨にひびが入って息をするのも苦しいです。

セ チャインデ フミ カソ ソクサンヘヨ
새 차인데 흠이 가서 속상해요.
新車なのにキズがついてショックです。

 

(無理が)たたる

 

無理は韓国語で무리(ムリ)。漢字が同じで読み方も同じなので覚えやすいですね。
무리가 가다の形で使います。

例)
シジ アンコ イラダガ モメ ムリガ カンコッカッタ
쉬지 않고 일하다가 몸에 무리가 간 것 같아.
休まず働いたために身体に無理がたたったみたいだ。

 

(手・手間が)かかる

 

例)
チョグマナン ジャㇰプミンデ ソニ マニ カッソヨ
조금만한 작품인데 손이 많이 갔어요.
小さな作品ですけど、手間がかかりました。

 

(時間や季節が)過ぎ去る

 

例)
ボミ カゴ ヨルミ オンダ
봄이 가고 여름이 온다.
春が過ぎて夏が来る

 

(機械などが正常に)作動する

 

例)
サグリョ シゲインデ チャㇽ カゴ インネ
싸구려 시계인데 잘 가고 있네.
安物の時計なのにちゃんと動いてるね。

 

(外部からの衝撃や影響で)通常でない状態になる

 

例)
オジェヌン ソジュ ミョッ ジャヌル マシゴ ワンジョニ カッソヨ
어제는 소주 몇 잔을 마시고 완전히 갔어요.
昨日は焼酎何杯か飲んで完全に飛んでしまいました。

 

(電気などが)消えたり通じない

 

例)
ジョンギガ カンヌンジ ブリ トゥロオジ アナヨ
전기가 갔는지 불이 들어오지 않아요.
電気が止まったのか、灯りがつきません。

 

(人が)死ぬ

 

死ぬという直接的な表現を遠回しに言い表したもので、日本語の「逝く」に当たります。

例)
ジョㇽムン ナイエ カン チングガ センガㇰナンダ
젊은 나이에 간 친구가 생각난다.
若くして逝ってしまった友達が思い出される。

 

(物事に対して理解・同情などを)する

 

이해(イヘ/理解)、실감(シㇽガㇺ/実感)、동정(ドンジョン/同情)などに続いて〜するという意味になります。

例)
ウェ クロン シグロ ヘンヌンジ イヘガ アン ガネ
왜 그런 식으로 했는지 이해가 안 가네.
なんでそうしたのか、理解ができないね。

 

(心当たりが)ある

 

짐작(チㇺジャク/心当たり)には하다を使う事も가다を使う事もできます。

例)
ナヌン チㇺジャㇰ カヌン デガ オㇷ゚ソヨ
나는 짐작 가는 데가 없어요.
私は心当たりがありません。

 

(価値・金額・順位などがある程度まで)及ぶ

 

例)
ウィチド チョッコ バンヒャンド チョウニ イ チブン 5オㇰウォン チョンド カㇽ コッ カッタ
위치도 좋고 방향도 좋으니 이 집은 5억원 정도 갈 것 같아.
立地も良いし向きも良いから、この家は5億ウォンくらいはしそうだ。

 

(食べ物が)腐ったり変質する

 

例)
イ シグㇺチナムㇽ マシ カン コッ カットゥンデ
이 시금치나물 맛이 간 것 같은데.
このほうれん草のナムル、腐ったみたい。

 

(決心や状態が)維持される

 

例)
イㇽチㇰ イロナソ コンブハゲッタヌン キョㇽシミ サフㇽド モッ カンネ
일찍 일어나서 공부하겠다는 결심이 사흘도 못 갔네.
早起きして勉強するという決心も三日ともたなかったね。

 

補助動詞の가다

 

主に-어の活用形の動詞の後ろについて使われます

この時の가다は、前の動詞の動作や状態が継続している様子を表す補助動詞としての役割をします。

例)
キョンジェガ フェボㇰテオ カネヨ
경제가 회복되어 가네요.
経済が回復していきますね。

チョㇺ シオ カミョンソ イラジャ
좀 쉬어 가면서 일하자.
ちょっと休みながら仕事しよう。

 

가다を含む複合語

 

複合語とは、本来独立した意味を持つ二つ以上の単語が結合して出来た単語を言います。가다はしばしば他の動詞や名詞と結合し、別の単語を作り出します

 

動詞+가다の複合語

 

他の動詞と가다が結合した複合語は非常に多くその全部をここで紹介しきれませんが、中でも会話でよく使われるものをいくつかピックアップしてみました。

  • 들다(入る) + 가다 = 들어가다(入っていく)
  • 날다(飛ぶ) + 가다 = 날아가다(飛んでいく)
  • 따르다(従う) + 가다 = 따라가다(ついていく)
  • 가지다(持つ) + 가다 = 가져가다(持っていく)
  • 내리다(降りる) + 가다 = 내려가다(降りていく)
  • 오르다(上がる) + 가다 = 올라가다(上がっていく)

 

ほとんどの単語が上記の様に、「〇〇+가다=〇〇ていく」の形になる事がわかります。日本語の文法と同じなので分かりやすいですよね。

ただし、このルールに当てはまらない場合もあります。以下の単語については全く違う意味の単語が出来上がるので、気を付けてください。

  • 찾다(探す) +가다 = 찾아가다(✖探していく 〇訪ねていく・会いに行く)
  • 돌다(回る) +가다 = 돌아가다(✖回っていく 〇戻る・帰る)

 

名詞+가다の複合語

 

多くはありませんが、名詞と結合して動詞を作ることもあります。この2つは名詞としてよりむしろ가다が付いた動詞としての形の方がよく使われます。

  • 도망(逃亡) ₊ 가다 = 도망가다(逃げる)
  • 시집(舅姑の家) ₊가다 = 시집가다(お嫁に行く)

 

가다が使われていることわざ

 

가는 날이 장날(カヌン ナリ ジャンナㇽ)

 

直訳:行く日が市場の日
意味:장날とは、市場が出る日のことを言い、この場合の市場は、毎日同じ場所にある南大門や東大問などの市場とは違い、決まった日にだけ開く移動式の市場を指します。
用事があって出かけたら、あいにく市場の日と重なってしまい、人混みで思う様に事が進まない。すなわち、何かをしようとしたその時に限って、偶然や思いがけないことが起こる事を比喩的に言い表しています。

 

발 없는 말이 천 리 간다(パㇽ オンヌン マリ チョン リ カンダ)

 

直訳:足がない言葉が千里を行く
意味:一里は約4㎞、つまり千里は約4000㎞に当たります。東京→大阪間が約400㎞ですので、東京と大阪を5往復と考えると…とてつもない距離ですね。
言葉には足が無いけれど、あっという間にそのぐらい遠く離れたところまで広がってしまうので、話をする時には気を付けなければならないという教えです。

 

갈수록 태산(カㇽスロㇰ テサン)

 

直訳:行けば行くほど大きな山
意味:何かをするにあたって、ひとつ困難にぶつかって、それを乗り越えたと思ったらまた次の困難が現れ、行けども行けども難局がやってくるという状況を表したものです。日本語の一難去ってまた一難と同じ意味ですね。
ここに出てくる태산とは中国の泰山のいう山で、大きく険しい山を象徴する言葉として度々韓国語のことわざに登場します。

 

おわりに

 

おそらく、今回の記事を読んだだけで「가다」の全ての用法を頭に入れるのはまず不可能でしょう。

しかし、今後学習を進めて行く中で、行くという訳が当てはまらない가다に出会ったとき、この記事の事を思い出して、「確か行く以外にも訳し方がたくさんあったな」と思い出していただければ幸いです。

勉強だ暗記だと肩肘張らずに、こんな使い方もあるんだなと軽く捉えて、楽しみながら韓国語学習を続けていってくださいね。


 

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