"What do you do"でなぜ職業を聞けるのか?

"What do you do"でなぜ職業を聞けるのか?

"What do you do "でなぜ職業が聞けるかわかりますか?

ネイティブスピーカーとの会話で“What do you do?”と質問されたら、みなさん何と答えますか?日本語に直訳すると「あなたは何をしますか?」という意味になります。

動詞に”do”が使われているから“現在形”ということは、「今、何する?」「それとも何してるか質問されている??」「え?今あなたと会話しているんだけど?どうしてそんなこと聞くの??」と混乱するかもしれません。

“What do you do?”は「お仕事はなんですか?/ご職業は?」という英語の定番のフレーズです。

仕事・職業と言って思い浮かべる英単語は、work, job, occupationですね。中学校や高校の英文法の授業では「あなたの仕事は何ですか?」=“What is your job?”と習いました。

しかし、こちらのフレーズは実生活ではあまり使われません。”What is your job?”はストレートな質問すぎて、ぶしつけに感じる人もいるからです。日本語で初対面の良く知らない相手に「なんの仕事してるの?」「あなた職業はなに?」と遠慮なく聞くようなニュアンスになります。

日本語と違って、英語には丁寧語や敬語はないと思われがちですが、英語にもカジュアルな表現とフォーマルな表現があります。”What is your job?”に比べると “What do you do?”は間接的で失礼になることが少ないので、少し丁寧な聞き方といったところでしょうか。

それではここから”What do you do”という英文がworkや jobを使っていないのに、なぜ職業を聞くフレーズなのかをお話していきます。

再確認したい「現在形のイメージ」について

英語には過去形、現在形、未来形があり、それぞれ動詞の時制を変換して表されます。

過去形:I was a student last year.

私は去年、学生でした。

過去“去年”のことを話しています。*現在、未来のことは述べていません。

未来形:I will be a student next year.

私は来年、学生になります。

未来“来年”のことを話しています。*現在、過去のことは述べていません。

現在形:I am a student.

私は学生です。

現在のことを話しています。

この文章の人物がいつ学生なのかを考えてみてください。現在、学生であるということは、ほとんどの場合が昨日も学生だった、そして明日も明後日も学生です。現在形と言っても、“たった今”のことではなく、時間に幅があることがわかります。

I like dogs.

私は犬が好きです。

*普通は、昨日も今日も明日も犬が好きですよね。

He is Japanese.

彼は日本人です。

*今だけでなく、これまでもこの先も日本人です。

She drinks coffee every morning.

彼女は毎朝コーヒーを飲みます。

*毎朝=昨日も今日も明日もです。

どの文章も、“今”だけでなく現在・過去・未来を含んだ幅のある時間の話をしています。

過去形は過去について、未来形は未来についてと話している時間・時期が明確なのに対して、時間に幅があるのが現在形です。現在形は、今現在だけでなく過去のことや未来のことも含んでいるのが一般です。時間のグラフの上で過去形と未来形が“点”だとすると、現在形はその点をつないだ“線”といったイメージです。

現在形の使い方

現在形は、“いつも・普段”の状態や習慣、一般的な事実・法則など、現在起こっていることや変わらないことを表すのに使われます。

一般的な事実や法則

The sun rises in the east.

太陽は東からのぼります。

Water boils at 100 degrees.

水は100度で沸騰します。

The earth is round.

地球は丸い。

Hokkaido is one of the prefectures of Japan.

北海道は日本の都道府県の一つです。

New York is the largest city in the U.S.

ニューヨークはアメリカで一番大きい都市です。

Learning a new language is hard for most of us.

新しい言語を学ぶのは、ほとんどの人にとって難しいことです。

Sake is made from rice, water, and koji.

日本酒は米、水と麹から作られます。

これらはいつも同じで、昨日も今日も明日も変わりません。

状態

I live in Tokyo.

私は東京に住んでいます。

I am happy.

私は幸せです。

My father is a school teacher.

私の父は学校の先生です。

She likes her job.

彼女は仕事が好きです。

I miss you.

あなたがいなくて寂しいです。

She needs your help.

彼女はあなたの助けが必要です。

He has two kids.

彼は子供が2人います。

I have a smartphone.

私はスマホを持っています。

You look like your father.

あなたはお父さんに似ているね。

現在のすぐには変わらない状態を表しています。たいていの場合、今だけでなく前後も同じ状態が続いています。

習慣

I take the bus to work.

私はバスで仕事に行きます。

She drinks tea every morning.

彼女は毎朝お茶を飲みます。

He plays baseball every Sunday.

彼は毎週日曜に野球をします。

I check my email every day.

私は毎日メールをチェックします。

I always forget my passwords.

私はいつもパスワードを忘れます。

I exercise to maintain my health.

私は健康維持のために、いつも運動をします。

My family and I go on a trip every year.

私と家族は毎年旅行に行きます。

習慣は“いつも、普段”の変わらないことを表しています。

予定や決まっていること

Our plane leaves at 9 a.m.

私達の飛行機は午前9時に離陸します。

What time does the party start?

パーティーは何時に始まるの?

Tomorrow is Friday.

明日は金曜日です。

School starts tomorrow.

学校は明日始まる。

When does the baseball season start and end?

野球のシーズンの始まりと終わりはいつですか?

確定した予定を話す時に、未来のことでも現在形を使うことができます。

その他の現在形の使い方

今、目の前で起こっていること

Shohei Ohtani steals home!!

大谷翔平がホームスチール!

Here comes the bus.

バスが来たよ。

説明や手順

Add eggs to the cake mix and combine well.

卵をケーキの素に入れて、良く混ぜてください。

Go straight and turn left.

まっすぐ行ってから左に曲がってください。

フォーマルな手紙やメールで

I look forward to hearing from you.

ご連絡お待ちしております。

I enclose my resume.

履歴書を同封します。

What do you doで職業を聞ける理由

今日のテーマの“What do you do?”というフレーズは“状態・習慣を表す現在形”にあてはまります。

「あなたは何をしますか?」=「あなたは普段、何をしますか?」=「お仕事はなんですか?」と、職業をたずねる質問になるわけです。

“What do you do for a living?”も同じ意味です。

「あなたは普段、生活のために何をしますか?」=「お仕事は何をされていますか?」

“What do you do?”は “What do you do for a living?”の “for a living”が省略されたかたちです。

“What do you do?”という質問への返事

I’m a college student.

大学生です。

I’m a Japanese teacher.

日本語の教師をしています。

I teach English at a high school.

高校で英語を教えています。

I work for an IT company.

私はITの会社で働いています。

I work at a restaurant in Shibuya.

渋谷にあるレストランで働いています。

I’m a stay-at-home mom.

家で子育てしています。 / 主婦です。

I’m retired.

定年退職しました。

職業だけではなく、学生・主婦といった現在の状況で答えてもかまいません。

現在形の”do you”は“普段・いつも”のことを聞くのに使われる

Where do you live?

どこに住んでいますか?

Where do you work?

どこで働いていますか?

住む場所や仕事はしょっちゅう変わるものではないので”do you”を使うことができます。

What do you like to eat?

普段、何を食べるのが好きですか?

What time do you wake up?

いつも何時に起きますか?

Where do you go out to eat?

外食する時、普段どこに行きますか?

What do you do in your free time?

時間のある時、何をしますか?

What do you do for fun?

いつも楽しみのために何をしますか?=何をするのが好き? / 趣味は何?

What kind of music do you listen to?

どんな音楽を普段聴いていますか?

いつもの日常について質問する時も”do you”を使うことができます。

What do you usually do on Friday nights?

金曜の夜はいつも何してる?

What do you usually do at home?

いつも家で何をしていますか?

What time do you usually finish work?

いつも何時に仕事終わる?

上の例文と同じような質問で“do you” の後にusuallyを一緒に使われることも多いです。

What are you doingとの違い

“What do you do?”が職業を聞くフレーズだとしたら、相手に“今現在”何をしているか尋ねたい時はなんと言ったらよいのでしょう。「今、何をしていますか?」ときく場合は現在進行形を使います。

英語で「今~している」は現在形ではなく現在進行形(be動詞+~ing)になります。

What are you doing?

何してる?

”now”や”right now”をつけても同じ意味になりますが、より「今現在・たった今」という感じです。

What are you doing now?

今、何してる?

What are you doing right now?

今、何してる?

返事も現在進行形になります。

I’m watching TV.

テレビみてるよ。

I’m making dinner.

夕飯を作っているところ。

I’m doing my laundry.

洗濯しています。

Nothing.” =”I’m doing nothing.

特に何もしてないよ。

“What are you doing?”は言い方や声のトーンによって「何やってんのよ!? / 何やってるんだ!?」へとニュアンスが変わるので注意です。誰かが何かしでかした時や、驚いた時に使われたりします。

What are you doing?!?!

何やってんの!

お母さんが子供のいたずらを見つけた時や、誰かが目の前でヘマをした時などを想像するとわかりやすいでしょうか。

後ろに”here”とつけると、“What are you doing here?” (こんなところで何してるの?)という、意外な場所で思いがけない人に遭遇した時のフレーズになります。偶然会えてうれしい時にも、「なんであなたがこんなところにいるの?」というネガティブな感じにも使えます。

他にはtonight, tomorrowなどをつけると

What are you doing tonight?

今夜、何してる?

What are you doing tomorrow?

明日、何してますか?

What are you doing this weekend?

今週末、何をしていますか?

What are you doing next week?

来週、何してる?

What are you doing for New Year’s Eve?

大晦日は何をしていますか?

と近い未来の予定をきく質問になります。

まとめ

英語の現在形は“いつも・普段”の変わらないこと、現在進行形は“たった今・今現在”起こっていることを表現します。

現在形:I play the piano.

私はピアノをひきます。

現在進行形:I’m playing the piano.

私は今、ピアノをひいています。

現在形:I cook for my family every day.

私は毎日家族にごはんを作ります。

現在進行形:I’m cooking for my family right now.

今、私は家族にご飯を作っています。

現在形の”What do you do?”は相手に“いつも・普段”何をしているかを聞く質問、つまり職業を聞いていることになります。

新しい友達との会話を弾ませるために、仕事に関する質問をすることはよくありますね。そんな時に”What do you do?”は覚えておくととても便利なフレーズです。この機会にぜひ活用してみてください。


nativecamp.net

nativecamp.net