英語はニュアンスの違いで使い分けよう!簡単なニュアンスの違い一覧

英語はニュアンスの違いで使い分けよう!簡単なニュアンスの違い一覧

日本語のネイティブスピーカーである私たちにとって、ある特定の状況・シチュエーション・文脈において適切なニュアンスを持つ語彙・表現を用いて会話を行うことは容易です。

例えば、友人が赤色か青色のどちらの洋服を購入しようか迷っている時、命に関わるほどその選択が需要ではないですよね。

友人として軽い気持ちでアドバイスをしたい時、「赤の服を買わないといけないよ。」もしくは「赤の服はいいと思うな。」どちらの表現でアドバイスをするのが自然で適切でしょうか。後者の「赤の服がいいと思うな。」ですよね。

このように、どの言語にもその文脈やシチュエーションに適したニュアンスを用いた表現の方法というものが存在しています。英語表現にも同じような意味を持つけれど微妙にニュアンスが異なるものがあるため、状況に応じてそれらを使い分ける必要があります。

同じような意味を持つけれど、状況・シチュエーション・文脈によってそれらを使い分けるためには、しっかりと表現の意味、そしてニュアンスを理解する必要性があります。

母語以外の言語を学習することを、第二言語習得と言います。例えば、母語である日本語以外に英語を学習しているのであれば、それは第二言語を習得しようとしているということになります。そんな第二言語の習得のプロセスや効果的な習得方法や勉強方法について探ろうとする研究分野を「第二言語習得論」と言い、世界中の第二言語習得論の研究者たちが「英語のニュアンスについて」研究を続けています。

現在発表されている研究によると、どの言語でも、ある特定の状況や場面において、相手の立場や身分、年齢に合わせた語彙や表現を使用することが求められるそうです。

その言語の初心者であれば、万が一謝ってニュアンスの異なる語彙や表現を用いたとしても多めに見てもらえることが多いですが、発音や文法使用、用いる語彙のレベルが高いのにニュアンスを謝って伝えてしまうと、相手が間違った意味でメッセージを受け取ってしまい、誤解が生じる可能性も。その言語の上級者になればなるほど、ニュアンスの勉強は大切になるということですね。

参考:旅する応用言語学
https://www.nihongo-appliedlinguistics.net/wp/archives/5447

ということで、今回この記事では身近でよく使用する似た意味を持つ英単語のニュアンスの違いについて紹介して行きたいと思います。具体的に紹介するのは以下の6つの組み合わせです。

1:みる...watch/look/see
2:話す...talk/speak
3:選ぶ...choose/select
4:大きい・小さい...big/large・ small/little
5:難しい...difficult/hard
6:〜すべきだ...should/have to/must

1:みる watch/look/see

watch, look, seeの3つの単語に共通する意味は「見る」です。ところが、用いる際に気をつけるべきニュアンスの違いがあります。

まず「watch」は動いたり変化するものを観察し、意識的に見続ける場合に用いられます。例えば、サッカーの試合や野球の試合、テレビを見るとき「look (at)」もwatchと似ていて、何かを意識的に見ようとしている時に用います。

seeのみ使用する状況が異なっており、自分が見ようとするかどうかに関わらず自分の視界に自然に入ってくるものを見るときに使います。意外かもしれませんが、劇や映画館で映画を見る時は対象が動いているものでもseeを使うこともあります。

①watch

A:Did you watch the ice hockey game last night?
昨夜のアイスホッケーの試合、見た?
B:No, I didn't. I was trying to focus on my homework last night.
ううん、昨夜は宿題に集中しようと頑張ってたんだ。

②look

A:You have something on your nose. You should look in the mirror.
何か鼻についてるよ。鏡を見てきなよ。
B:Oh do I?
え、ほんと?

③see

A:Can you see the man standing in front of the door? That's my husband.
ドアの前に立っている男の人見える?あれは私の旦那だよ。
B:I see. He looks stunning!
うん。彼、男前だね!

2:話す talk/speak

続いて紹介するのは、「話す」という意味を持つ「talk」と「speak」です。

どちらも、何かを話すという点では意味の違いはありませんが、次の2つの点でニュアンスが異なります。

「talk」は話をする相手が実際にいることが使用する際の条件です。反対に「speak」は実際に話をする相手がそこにいなく、スピーチや演説、放送のように一人で何かを一方的に話す際に用いることができます。

また、「talk」に比べ「speak」はよりフォーマルな場や状況で用いられることが多いです。

①talk

It's really fun to talk to people from other countries.
海外から来た人たちと話すのはとても楽しい。

②speak

May I speak to you right now?
ちょっとお話しさせてもらってもいいでしょうか?

3:選ぶ choose/select

続いて紹介するのはどちらも「選ぶ」「選択する」という意味を持つ「choose」と「select」です。この2単語のニュアンスの違いとは一体なんでしょうか?

「choose」を使用して「選ぶ」と言いたい時は、自分が希望していることやものを自分の意思に従って選ぶ時です。そして、そこには希望していない選択肢はできるだけ選びたくないというニュアンスも含まれます。

例えば進路や恋人、就職先、住む場所など人生の中で重要な選択をする際にもこの「choose」が用いられます。もう少し一般的て日常的なものであれば、今日の夕食は△△ではなくて〇〇が食べたい、という時にも用いることができますね。

一方で「select」を用いるのは、複数の選択肢の中から最適で最も良いもの、ことを慎重に選ぶ時です。また、chooseよりもフォーマルな場面や状況で用いることが多いです。

①choose

I chose nursing as a career path.
私は看護師になることを職業として選んだ。

②select

I was surprised that I was selected as one of the winners from hundreds of entries.
私は何百ものエントリーの中から勝者として選ばれたことに驚きました。

4:大きい・小さい big/large・ small/little

続いて紹介するのは、「大きい」という意味を持つ「big」と「large」、そして「小さい」という意味を持つ「small」と「little」です。

どちらの単語も、物の大きさを表す際に日常的に用いることの多い単語ですね。日本のレストランやカフェなどでメニューを注文するときも、サイズの表記にlargeやsmallが使われていることも多くあります。では、これらのニュアンスは一体どのように違うのでしょうか?「大きい」という意味のbigとlargeはどちらも、みたり実際に触れたりできるものの大きさを説明する際に用いることができます。

そのニュアンスの違いというと、bigは比較的存在しないものや概念の大きさを説明する際に用いられます。big mistake, big dreamなどです。

一方で、largeは個数や量を表す際に大きさの単位として用いることができます。例えば、large population, large amounts of moneyなどです。

また、bigは少々インフォーマルでカジュアルな印象を与えるのに対し、largeは書き言葉やフォーマルな場で用いることができる単語になります。

5:難しい difficult/hard

最後に紹介するのは、「難しい」という意味を持つ「difficult」と「hard」です。

一般的に言って、difficultとhardを「難しい」という意味で用いる場合に大きなニュアンスの差はありません。どちらも、

I had an entrance exam yesterday. It was really difficult.
昨日、入試があったよ。すごく難しかった。
I think it's too difficult for us to figure out this issue.
この問題を解決するのは私たちにはとても難しいと思うな。

のように「難しい」という意味合いで用いることが可能です。微妙に異なるニュアンスの差を説明するとすれば、difficultの方がややフォーマルな言い回しで、hardの方がカジュアルに聞こえます。会議や面接、目上の人と話す場合はdifficultを使った方が無難でしょう。

ニュアンスを理解して英語を使い分けよう!

ここまで、英語の日常会話で頻繁に用いられる6つの同じ意味を持つ単語動詞を比較し、そのニュアンスの違いを紹介してきました。いかがでしたでしょうか?

小学校や中学校の英語の授業でも習う同じ意味を持つ単語であったとしてもでも、ネイティブスピーカー同士の会話ではその場の雰囲気や状況、話をする相手との関係性などを考慮して適切なニュアンスを持つ方が選択し、使用されます。

その能力は、相手と円滑にコミュニケーションをとり、より仲を深めるため、信頼関係を作るためにとっても重要なのです。英語学習者として、語彙の量も増え、アウトプットの力もついてきて段々と上級レベルなってきたら、英語のニュアンスについても考慮しつつ学習を進められるといいでしょう。


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