「なるほどフレーズ100」の内容と勉強法を解説!

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「そう言うのか、なるほど~!」
「なるほど納得。こういう表現が知りたかった」


英語を勉強していると、こんな発見があります。

特に、日常の英会話で使える自然なフレーズがひとつ増えると嬉しいですね。英語学習には、こういったポジティブな気持ちになれることが大切ではないでしょうか。

そこで、今回の記事で紹介する参考書「なるほどフレーズ100」の登場です。

本書の表紙には、「ネイティブなら子どものときに身につける」というキャッチフレーズがあります。これだけを見ても、かなり基本の英語フレーズが載っていそうです。

「なるほどフレーズ100」は国際コミュニケーション博士であり英会話コーチのスティーブ・ソレイシィ氏による著書で、「なるほど~!」と納得の表現が凝縮の1冊です。それでは早速、”誰もここまで教えてくれなかった「使える裏技」”を紹介していきましょう!

50万部突破「なるほどフレーズ100」とは?

「なるほどフレーズ100」は、タイトルを見ただけでもとっつきやすそうな印象があります。

そんな印象どおり、ネイティブスピーカーの子ども達が自然に身につけていくフレーズ100をまとめた参考書(CD・音声ダウンロード付き)になっています。

アメリカ人が赤ちゃんのころから聞かされ成長とともに身につける表現、シンプルだけれど応用範囲が広くなる定番中の定番フレーズがまとめられています。

そのため、英語初級者はもちろん、英会話のために自然な表現を学びたい日本人に魅力的な1冊となっています。

本書の創刊は2000年。2020年には20周年を迎えたベストセラーです。日本でベストセラーとして、多くの英語学習者に支持されている理由とは何でしょう。

「なるほどフレーズ100」はスティーブ・ソレイシィ氏と彼の母親であるロビン・ソレイシィ氏との共著です。この2人は日本で一緒に3年間英語を教えたことがあります。

この経験から、日本人が英会話で必要とするシンプルな表現100個を厳選しています。これだけ覚えれば多くの会話が成り立つ、簡単な英語で話せば大丈夫という考えが込められています。

この参考書がベストセラーになり、使う人が「なるほど」と思えるのはこういった背景があるからと言えるでしょう。

「なるほど」シリーズの他、「きちんと」シリーズやビジネス英語を扱う「ペラペラビジネス」シリーズなど英会話に関連する多くの英語教材があります。

スティーブ・ソレイシィ氏についてもう少し紹介します。

スティーブ・ソレイシィ氏はアメリカ人。21歳のときに来日し、岐阜県で外国語指導助手として活動。

現在は、NHKラジオ「英会話タイムトライアル」の講師やビジネス・ブレークスルー大学の教授を務めています。また、Twitterでも英語関係の発信をしています。

日本語の弁論大会で優勝したことがあるほど日本語が堪能というところも、彼のわかりやすい解説につながっていると言えるでしょう。

「なるほどフレーズ100」は5つのステージで構成

「なるほどフレーズ100」は、以下の5つのステージで構成されています。

Stage 1 BABY
Stage 2 KID
Stage 3 CHILD
Stage 4 PRETEEN
Stage 5 TEENAGER

赤ちゃんからティーンネイジャーと成長するに従って、英語力を伸ばしていくようなイメージです。

「Stage 3 CHILD」から、ソレイシィ両氏がどのようなフレーズを厳選しているのか一部をみてみましょう。

What do I have to do?
何をしなきゃいけないの?

Sure.
いいよ。

I’m not sure.
ちょっとわからない。

See you later.
またね・ではまた・ではどうも

We should…
~したほうがいいよ。

Should I …?
~したほうがいい?

What should I…?
何を~すればいい?

We’re supposed to…
~することになっている・~するはず

Don’t worry about it.
気にしないで・だいじょうぶ

You’re lucky.
うらやましい!・いいな

いかがですか?

とっても簡単な単語、基本的な文法で構成されたフレーズばかりです。「これほどシンプル?」と感じた人もいるかもしれませんね。

しかし、日本語の弁論大会の優勝者であるソレイシィ氏による日本語訳にご注目ください。

それぞれが完全に、私たちが普段使うトーンのナチュラルな日本語訳になっています。これが学校の教科書では学べ切れない「なるほどフレーズ100」の特徴のひとつと言えるのです。

「なるほどフレーズ100」3つの解説

ひとつのフレーズを、イラスト付き見開き1ページでしっかりと解説をする「なるほどフレーズ100」。

イラスト付きだとイメージがしやすく記憶の定着のヘルプになりますね。

それぞれのページのフレーズには”POINT””BE CAREFUL””ONE MORE STEP”という3つの解説がついています。

ここで、「Stage 1 BABY」から「We’ll see.」という表現を取り上げて確認していきましょう。

ページの左上に「We’ll see.」(様子をみよう/今はだめ)とあり、そのまま右ページにいくとこのフレーズのDefinition(定義)が述べれられています。

We’ll see.の定義:「We’ll see.は「そうねぇ」と、とりあえず「様子をみよう」というときに使われる。「…かどうか様子をみよう」ならば、We’ll see whether…」

あまり気乗りしない相手に「週末、海に行かない?」などと誘われたとき、「天気も微妙だし、様子みない?」なんていうときにこのフレーズ、とっても便利ですね。

さて、ページに戻ります。お母さんと子どもが街を歩いているシーンのイラストで、こんな会話がされています。

子ども:McDonald’s? Please! Please! Please!
母:We’ll see.
子ども:マクドナルド、お願い、お願い、お願い!
母:様子をみましょう。

マクドナルドが大人気のアメリカやイギリスではよくある光景です。日本も例外ではないかもしれませんね。

でも、お母さんはYesやOKと言わないところから、100%乗り気ではない感じです。そこで使えるのがWe’ll see.です。

もしかすると、子どもの振る舞いによっては連れていってあげようという駆け引きが母子の間で起こっているのかもしれません。

ひとつめの解説POINTではWe’ll see.を使うポイントが述べられています。

We’ll see.は受け答えのNO.よりワンステップアップした表現。頼まれた時に半分断る感じでいう。つまり「とりあえずだめ」という意味。(続く)

海に行くことも、マクドナルドに寄ることも、はっきりは断らないけれど現時点では同意していません。

NO.と一言言えば済むことですが、それでは身も蓋もないといった感じですが、We’ll see.なら相手のショックも多少和らぎます。

2つ目の解説BE CAREFULは、該当のフレーズから一瞬離れて英語、英会話のコツの紹介があります。We’ll see.ページでは以下のようなコツが載っています。

- 日本人のスチュワーデスが言っていたが食事サービスの際、一番手間取るのが「魚にいたしますか、お肉にいたしますか」と聞いたときにお客さんが連れの人と相談したり、「えーと」と長く考えたりすること。

アメリカ人なら連れの人と相談するよりも、Which is better?(どちらがいい?)と質問したり、May I have dinner later?(あとでいただいていい?)といってくれるという。

外国人のコミュニケーション力など、参考になりますね。とにかく、日本語なので気軽にコラムを読むという感じで楽しめます。

さて、3つ目はONE MORE STEPです。

このパートはNHK基礎2程度または中学2年生といったレベルで、基礎から応用まで学ぶことができます。このページでは、さらに進んだ関連表現「We’ll see whether…」を練習します。

例文は、We’ll see whether I have enough money.です。

whetherは「~かどうか、~であろうとなかろうと」という意味の接続詞です。

whetherの後にはなぜ様子をみなければならないのか、その説明が続き、”お金がそこまで続くかどうか、様子をみましょう”となります。

この説明の後、英作文を作る問題でエクササイズできます。

雨になるかどうか様子をみましょう。
時間があるかどうか様子をみてみましょう。
彼が本当にできるかどうか様子をみましょう。

皆さん、エクササイズに挑戦してみてくださいね。「なるほどフレーズ100」には、ちゃんと正解も載っています。


ここで少し余談!

下記記事では、有名な英文法学習教材「English Grammar In Use」の使い方をご紹介しています!英語を英語で学べ、使用されている英語も日常会話で使われているものが多いのでおすすめですよ♪

nativecamp.net


「なるほどフレーズ100」を使った勉強法は?

最後に、「なるほどフレーズ100」を使う勉強法の提案をしましょう。

すでに述べたとおり、本書に出てくるフレーズはネイティブスピーカーの子ども達が自然に使うようになっていくものばかりです。

あくまでも英会話でコミュニケーションをとる目的で、シンプルで実用的なフレーズが厳選されています。

そこで、丸暗記してしまうことをおすすめします。丸暗記ですから、文法は一切気にせずに進めます。

さらに、負担が大きくなってしまうようであればONE MORE STEPも飛ばします。とにかく、100フレーズを暗記することに集中しましょう。

頭の中で文法で組み立てる作業をせずインプットしたら、学んだネイティブスピーカーの表現をポンポンとアウトプットします。

声に出して言ってみる、家事などしながらぶつぶつ呟く、外国人を相手にアウトプットできる環境を求めるなど、アウトプットはこのようにしてどんどん行っていきましょう。


ここでまた少し余談!

下記記事では、自身の英文を添削してもらえるサイト「Lang8」をご紹介しています!ネイティブが使うフレーズを学習できますので、活きた英語を学ぶことができますよ♪

nativecamp.net


なるほどフレーズ100まとめ

母国語でない日本語を苦労して習得したスティーブ・ソレイシィ氏が”ネイティブなら子どものときに身につける”フレーズを100厳選したのが「なるほどフレーズ100」。日本人のために作られた参考書です。

共著の母ロビン・ソレイシィ氏とは日本で英語を3年間に渡って一緒に指導したという経験があり、それが活きた形となっています。

英語を学ぶ人にとってシンプルなフレーズの数々は「そう言うのか、なるほど~!」の連続です。