【対策編】TOEIC Part 6攻略のポイント

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TOEIC Part6はパート5とパート7の架け橋のようなパートです。それ故に問題の種類が混ざっていたりするので、ポイントを抑えておかないと厄介なパートでもあります。

Part7にできる限りの時間を残すために、Part6をサクッと終わらせたいのに、長文なので行ったり来たりして想定以上に時間がかかってしまうという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方でも大丈夫です。Part6は問題形式や問われていることを事前にインプットしておくと、解くスピードも正答率も上がっていくパートです。TOEICが新形式になった際の変更点もあるので、変更点もしっかりと抑えて対策していきましょう。

1.TOEIC Part 6の問題形式 = 長文の穴埋め問題

TOEIC Part6は長文の穴埋め問題です。合計16問の設問があり、100字程度の長文の中に空欄が複数個あり、空欄の選択肢はPart5と同様、A,B,C,Dの4つあります。4つの選択肢から英文の空欄に最適な選択肢を1つ選択します。

百聞は一見にしかず。TOEICの公式ホームページに参考問題が載っているので、まずは例題として見てみましょう。

【例題】(TOEIC公式HPより抜粋、こちらから確認できます。)

To: Project Leads
From: James Pak
Subject: Training Course

To all Pak Designs project leaders

In the coming weeks, we will be organizing several training sessions for -----(131)----- employees. At Pak Designs, we believe that with the proper help and support from our senior project leaders,. lLess experienced staff can quickly -----(132)----- a deep understanding of the design process. -----(133)-----, they can improve their ability to communicate effectively across divisions. When employees at all experiences levels interact, every employee’s competency level rises and the business overall benefits. For that reason, we are urging experienced projects leaders to attend each one of the interactive seminars that will be held throughout the coming month -----(134)-----.

Thank you for your support.

James Pak
Pak Designs

この長文の一問目の選択肢も見てみましょう。

No. 131
(A)interest
(B)interests
(C)interested
(D)interesting

いかがでしょうか。どこかで見たことのあるような問題と選択肢ですね。そうです、文全体はメールの形式を取っているとはいえ、このNo.131の問題はPart5の空欄補充の問題の作りとなっています。この問題は、下の一文を切り取っても答えることができます。

In the coming weeks, we will be organizing several training sessions for -----(131)----- employees.

仮に長文問題が苦手で全体の意味がよくわからない場合でも、部分的にPart5のような解き方で点数を重ねていくことができるのがPart6の戦略の一つでもあります。

【例題1の解説と答え】

訳:来たる数週間に、私達はいくつかのトレーニングのセッションを興味のある従業員のために企画しています。

Part5の記事を読んでくださった方や、すでに対策済みの方は、この問題が、品詞の文法問題だなということに気づくかと思います。Interestという語を中心に品詞などが変わっている選択肢が並んでいるからですね。

ちなみにこの問題文と選択肢を見ると、「トレーニングセッションに興味がある従業員」という文にすればいいのかなという推測がもしできていたら、問題の半分は解けたようなものです。

それでは、選択肢を見ていきましょう。

(A)のinterestは、名詞と動詞の2つの品詞があります。名詞の場合は「興味、関心」、「利害関係」という意味があります。(利子、利息という意味でもよく使われるので覚えておきましょう)動詞では、「興味、関心をもたせる」という意味でよく使われます。問題文を見てみると、前に前置詞のforがあるのでいきなり動詞にはNGです。名詞の場合は、名詞が2つ続くことはできますが、意味が通じないので名詞もNGです。

(B)のinterestsも、選択肢(A)と同様に名詞と動詞の2つの品詞の可能性があると考えられます。名詞でいうと複数形、動詞だと3人称単数の形です。選択肢(B)も、選択肢(A)と同様の理由でNGになります。ちなみに、抽象的な「興味」の場合はinterestを単数形で使い、具体的な「関心事や趣味」の場合は複数形で使います。A person with wide interests. (多趣味の人)といったような使い方になります。

残ったのは(C)interested と(D)interestingですね。どちらも形容詞として名詞を修飾できるのであとはどちらが問題文の空欄に入れて、より意味が通るかで判断することになります。

(C)のinterestedは、「興味をもった」という意味です。文脈的にもこちらが正解になります。

(D)のinterestingは、「興味をおこさせる」という意味です。日本語としてはinterestedともあまり変わりないようにも見えるかもしれないですが、たとえばinteresting personとなると「興味をそそる人」という意味になります。ちなみに、面白い人のことをinteresting personと日本人は言ってしまいがちですが、これはどちらかというと、「興味深い人だね」=(変わってるね)と遠回しに言っている意味になってしまうことがあるので注意しましょう。(You are a funny personで十分です)話はそれてしまいましたが、(D)もNGです。

2.TOEIC PART 6で何を問われているの?

Part6では一体何が問われていることはどのようなことでしょうか。

大きく分けると3つの種類に別れます。

①文法、語彙問題

②文脈問題

③文選択問題

①文法、語彙力問題

冒頭の例題の問題(No.131)もそうでしたが、Part5で出てくるような文法や語彙力の問題になっています。こちらはその一文で解けてしまうことの多い問題です。このような問題は、時間をかけずにわかるものはサクサク答えていきましょう。

Part5の対策については以下の記事で説明しているので、参考にしてみてください。

【対策編】TOEIC Part 5を対策して、大幅得点アップ
https://nativecamp.net/blog/20210308_TOEIC_Part5

②文脈問題

この問題形式がPart6では頻出です。空欄を含む文だけではわからず直前直後の文章の文脈も含めて考えることが必要です。接続詞などが選択肢になり、前後の意味合いがうまく通じるように選択肢を選ぶといったような問題をよく目にします。

③文選択問題

この問題形式はTOEIC新形式から出るようになったタイプの問題です。こちらは文脈をしっかりと理解した上で選ぶ必要があります。この形式の問題が出てきたことで、TOEIC Part6の戦略がやや変わりました。今まで部分的に読んでも対応できていたパートですが、文選択問題が出てきたことで、基本的には文章全体を読んでPart6を解いていく方が確実に得点を重ねていくことができます。

次に、例題をもとに解き方やコツを見ていきましょう。


ここで少し余談!

下記記事では、TOEIC Part5の対策方法についてご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪

nativecamp.net


3.解き方やコツ

Part6の解き方としては、文脈の理解も必要なので、基本的には文章全体を読んで答えるというのがおすすめです。時間は少しかかりますが、問題の形式によって行ったり来たりしている方が大変で不確実なので全文読むという心づもりで対策するのが良いです。

それでは実際に先程引用した、TOEIC公式ホームページに載っている問題で解き方を説明してきます。分かりやすいように今回は、「文法、語彙問題」や「文脈問題」など何を問われているかを書いてありますが、もしよければみなさんも「この問題はこういうことがとわれているのか」と意識しながら問題に取り組んで頂ければと思います。

【例題】(TOEIC公式HPより抜粋、こちらもから確認できます。)

To: Project Leads
From: James Pak
Subject: Training Course

To all Pak Designs project leaders

In the coming weeks, we will be organizing several training sessions for -----(131)----- employees. At Pak Designs, we believe that with the proper help and support from our senior project leaders,. lLess experienced staff can quickly -----(132)----- a deep understanding of the design process. -----(133)-----, they can improve their ability to communicate effectively across divisions. When employees at all experiences levels interact, every employee’s competency level rises and the business overall benefits. For that reason, we are urging experienced projects leaders to attend each one of the interactive seminars that will be held throughout the coming month -----(134)-----.

Thank you for your support.

James Pak
Pak Designs

【No. 132】 文法、語彙問題
(A) develop
(B) raise
(C) open
(D) complete

【No.132 解説と答え】

該当文意訳:経験の浅いスタッフはデザインのプロセスの理解を深めることができます。

この問題は、動詞の原形が並んでいます。文法というよりかは、語彙力を問われているでしょう。この問題のポイントは、a deep understandingに繋がる自然な英語を選ぶことです。make a decisionなど英語には名詞と合わせてよく使われる動詞があります。今回の答えのdevelop a deep understandingも良く使われる表現です。

ですが、それを仮に知らなかったとしても推測していける方法もTOEICでは大切ですので、今回はそのようなやり方で解いてみましょう。

消去法で見ていきましょう。(B)のraise「上げる」は、a deep understanding(深い理解)に対して相性は悪そうです。上に上がっていくのか、下に深めていくのかよくわからなくなってしまいそうですね。(C)のopen「開ける」は、a deep understandingに対して、開ける、あるいは広げるは不適切な印象です。(D)のcomplete「完璧にする」も、深い理解に完璧、あるいは限度はないはずですので、NG。よって、(A)のdevelop「発達させる、開く」を選択するという解き方もできます。せっかくなのでこれを機に、develop a deep understanding of 〜は色々な場面で使えるフレーズなので覚えておきましょう。

答え:(A)

【No.133】 文脈問題

(A) After all
(B) For
(C) Even so
(D) At the same time

【No.133 解説と答え】

該当文意訳:それと同時に、彼らは部門間を越えて効果的なコミュニケーションを取る力を向上させることができます。

副詞句や接続詞が出てきているので、前後の文脈を見て適切な選択肢を選ぶ文脈問題だということがわかります。選択肢の意味がわかっていることが重要なのでまずは整理していきましょう。

(A)  After all:結局、何といっても/というのも〜 
結論、結果を述べる時に使われることが多いです。たまにforと同じように判断の根拠として使われることもあります。

(B)  For:というのも〜(その後理由を表す文が来る)
判断の理由や根拠に使われます。It is not surprising you are sick. For you have eaten too much. (気分が悪いのは当然だよ。というのも、あんなに食べちゃったからだよ)

(C)  Even so:たとえそうでも
Even so, I like you. (それでも私はあなたが好きだよ) 前の文脈を踏まえて、逆のことを述べる時に使います。

(D)  At the same time:それと同時に
前の文脈と並列関係にあることを述べることに使います。文法用語で等位接続詞といいます。

前の文は、「経験の浅いスタッフはデザインのプロセスの理解を深めることができます。」というトレーニングセッションがもたらすメリットを書いています。その後の文では、「彼らは部門間を越えて効果的なコミュニケーションを取る力を向上させることができます。」というこれもトレーニングセッションでのメリットについて言及しています。よって、答えは、並列関係で使う(D)です

答え:(D)

【No.134】 文選択問題

(A) Let me explain our plans for on-site staff training.
(B) We hope that you will strongly consider joining us.
(C) Today’s training session will be postponed until Monday.
(D) This is the first in a series of such lectures.

【No.134 解説と答え】

この問題は、見ての通り文選択問題です。文章全体の文脈を見て答えていきましょう。もし時間がありましたら、みなさんも是非もう一度文章に戻ってこのメールでは何が伝えたいか考えてみてください。

以下がメールの概要です。

①経験のあるリーダー達に宛てられたメールであること

②従業員向けトレーニングセッションが企画されている

③リーダー達のような経験者の参加でよりよい効果がある(いくつかメリットが書かれている)

④締めの言葉(No134の問題部分)

TOEICはビジネス英語を想定して作られているテストなので、このように概要を掴むことはテスト対策としてはもちろんのこと、実際のビジネスシーンでも非常に役に立ちます。長文問題は大変ですが、是非今後役に立つかもしれないという気持ちももって取り組んでみてください。

さて話は戻りますが、上の概要を踏まえて選択肢を見ていきましょう。

選択肢の意訳をしてみました。

(A)   オンサイトトレーニングのプランを説明してください。→メールの終わりには不適切です。

(B)   私達は皆さんに参加の検討をしてくださるよう願っています。→リーダー達に参加を促すためのメールでの締めとして適切ですね。

(C)  今日のセッションは月曜日まで延期されるでしょう。→延期の話は今まで出てきてないのでNG。何の情報も提示していなくて延期の話を締めにするのはおかしい。

(D)  そのようなレクチャーのシリーズの第一弾がこれです。→レクチャーについては今まで触れていないし、今まではリーダーが参加することのメリットを書いていたのでこれもNGです。

よって、このメールの締めとしても相応しい(B)が正解です。

答え:(B)

4.Part5の対策のポイント

①文法、語彙問題については、Part5の対策をしっかりしていれば問題ありません。

②の文脈問題については、良い点としては、出る語句には限りがあるので、接続詞や副詞の復習をしておくと良いでしょう。

③文選択問題については、Part6の場合は全体の文章をさらっとでもいいので読むクセを付けること。そしてその文章の概要を掴むことを意識しながら解くのが遠回りのようで一番近道です。


ここでまた少し余談!

下記記事では、TOEIC学習におススメの参考書と勉強方法についてご紹介しています!これからTOEICに挑戦される方はぜひ参考にしてみて下さい♪♪

nativecamp.net


5.まとめ

みなさん、いかがでしょうか。

TOEIC Part6は、文法問題のPart5と長文読解のPart7に挟まれて対策しそびれてしまう部分でもあります。傾向を掴んで少しでも内容を理解しておくだけでも、十分得点アップを見込めるところですので、是非取り組んでみてください。また、100字程度の英文のメールはビジネスシーンでも目にします。もしこの記事を読んでくださっている方が英語を部分的にでも使うような職場を望んでいるようでしたら、TOEIC対策ということだけでなく、今後の英語力の糧となること間違いなしです。