TOEIC Part5はリスニングパートが終了し、リーディングの1つ目のパートです。
TOEICの中で一番点数アップが見込めるゾーンがあります。それが、リスニングのPart1と2、そして、このリーディングのPart5です。
ポイントを理解して対策をしていくと、他のパートと比べてきちんと点数が上がっていくパートなので、リーディングの勉強の手始めにPart5から攻略していくと良いでしょう。
後ほど、Part5の解き方のコツもご紹介するので、是非参考にしてみてくださいね。
1.TOEIC Part 5の問題形式 = 穴埋め問題
TOEIC Part5は穴埋め問題です。
合計30問の設問があり、それぞれの設問に空欄を含む英文が1文と、空欄を埋める選択肢がA,B,C,Dの4つあります。4つの選択肢から英文の空欄に最適な選択肢を1つ選択します。
参考までに、Part5の例題を載せておきます。もしよければ、みなさんも一緒に考えてみてください。
【例題0】
(TOEIC公式HPより抜粋こちらから確認できます。)
No. 101 Customer reviews indicate that many modern mobile devices are often unnecessarily ------- .
(A) complication
(B) complicates
(C) complicate
(D) complicated
いかがでしょうか。
難しいと思う方も簡単だと思う方もいらっしゃると思いますが、問題形式や考え方に少しずつ慣れていくと、上達も早くなっていきますよ。簡単にですが、解説と答えを下に書きましたので、解いてみた方は参考にしてみてください。
【例題の解説と答え】
訳:顧客レビューによると、多くの現代のモバイルデバイスは大抵必要もなく複雑である。
この問題は品詞の問題です。1つ目の選択肢から見ていきましょう。
(A)は名詞の形です。be動詞で繋がれ、モバイルデバイスが「複雑性」そのものになってしまうのでNGです。
(B)は三人称単数の現在形の動詞なので、areのあとにはNGです。
(C)は、動詞の原形/現在形はbe動詞areのあとには来ないのでこれもNGです。従って形容詞のcomplicatedの(D)が正解です。
さて、皆さんはこの一問を解くのにどれくらいの時間がかかったでしょうか。
冒頭でも書いたとおり、TOEIC PART5はリーディングの3つのパートのうち最初のパートです。
リスニングセクションでは時間配分が決まっていましたが、リーディングセクションはパートごとの時間制限がなく、時間配分もキーになってきます。
すぐに分かる問題や悩んでしまう問題もありますが、平均して1問20-30秒程を目安にPart5を解いていくと良いです。
2.TOEIC PART 5で何を問われているの?
Part5では一体何が問われているのでしょうか。「aやtheの違い」や「過去形と過去分詞形の違い」はよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そういった問題は実はかなり少ない傾向にあります。このような問題は、捉え方によっても答えが異なってしまう可能性もあり、クレームのもとにもなるのでTOEIC運営団体のETSも積極的には出題しないようです。
Part5での出題が多いものとしては、頻出が語彙問題です。そして、品詞(先程の例題)や前置詞、接続詞、代名詞になります。
後ほど「コツや解き方」でも触れますが、例題で傾向を掴むと似たような問題が出た際に非常に役に立つので、是非も問題集を丁寧に解いてみてくださいね。
3.解き方やコツ
解き方としては一般的に、①空欄の前後で判断②全文を見て判断の2パターンありますが、はじめは②がおすすめです。
慣れてきたら①のみで回答できるものも少しずつ分かってきて、時間短縮ができますよ。
それでは実際にTOEIC公式ホームページに載っている問題で解き方を説明してきます。
分かりやすいように今回は、「語彙問題」など何を問われているかを書いてありますが、もしよければみなさんも「この問題はこういうことがとわれているのか」と意識しながら問題に取り組んで頂ければと思います。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
まずは語彙力を問う問題です。それぞれ全く違う単語が並んでいるのが特徴的ですね。
【例題1】
語彙問題
No. 105 All clothing sold in Develyn’s Boutique is made from natural materials and contains no ------- dyes.
(A) immediate
(B) synthetic
(C) reasonable
(D) assumed
【例題1の解説と答え】
訳:Develyn’s Boutiqueの全ての衣服は、天然素材からできており、また合成着色料が含まれていない。
選択肢の意味から見ていきましょう。
(A)は、「即座の」 (B)は、「合成の、人工の」 (C)は、「合理的な」 (D)は、「仮定した、想定した」。すべての選択肢の単語の意味を知っていたら、簡単に答えの(B)だとわかりますね。
しかし、syntheticが比較的難易度の高い単語なので、(B)以外を消去法で消していくのも良いでしょう。また、全文から読み取るとすれば、「Develyn’s Boutiqueの全ての衣服が天然素材でできている」という、ポジティブ(+)な要素なので、andで繋がっている空欄のところも意味的にはポジティブなものだと想定できます。
no(-)がついているので、空欄もネガティブ(-)要素のものを足して、ポジティブ(+)な意味として成立させるとすると、服にマイナスになりそうな要素であるSynthetic (dye)となります。
答え:(B)
語彙が無限にも近いくらいある英語では、対策が難しいと思われる方もいるかもしれません。しかし、TOEICでは過去問の対策が非常に大切です。
なぜなら、ダミーだった選択肢が今度は正解などに出てくる可能性も大いにあるからです。ですから、公式問題集などを解く場合は、答え合わせで終わらせずに、是非ダミーの選択肢まで意味を抑えるようにしておいてください。
闇雲に単語を勉強するよりもずっと効率良く対策ができます。
【例題2】
(関係)代名詞 問題
No. 104 Among ------- recognized at the company awards ceremony were senior business analyst Natalie Obi and sales associate Peter Comeau.
(A) who
(B) whose
(C) they
(D) those
【例題2 解説と答え】
訳:社内の表彰式で認められた人々の中には、上級ビジネスアナリストの Natalie Obi と セールスアソーシエイトの Peter Comeau がいた。
選択肢を見たら、関係代名詞の問題だとすぐに分かりますね。関係代名詞が苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
関係代名詞が苦手な方は、問題をたくさん解く前に、まずは一度文法の書籍やインターネットで関係代名詞のルールについてインプットしてみるのがおすすめです。
さて、ひとつずつ選択肢を見ていく前に文全体を見ると、主語と動詞が見つかりづらいですね。これは実は、倒置の文になっていて、主語は、”senior business analyst ... and ... Peter Comeau”、動詞が ”were”となります。ここがこの問題を少し難しくしているところですね。
つまり、
Senior business analyst Natalie Obi and sales associate Peter Comeau were among ------- recognized at the company awards ceremony.
が一般的な語順に直した文です。これなら考えやすそうです。
選択肢を見ていきましょう。
(A)のwhoは、関係代名詞では前の名詞を説明する時に使うので、前に名詞がないのでNGです。
(B)のwhoseは、「誰々の」という意味でその後に名詞が来なければいけないのでNGです。
(C)は、前置詞among以下が文になってしまうので不適切です。
(D)のthoseは、those who〜の短縮形として使われることがあります。学校ではthose whoのみ教わることが多いですが、短縮形もあることも覚えておきましょう。文法的にも意味的にも適切な(D)が正解です。
答え:(D)
【例題3】
品詞問題
No. 103 Gyeon Corporation’s continuing education policy states that ------- learning new skills enhances creativity and focus.
(A) regular
(B) regularity
(C) regulate
(D) regularly
【例題3 解説と答え】
訳:Gyeon社の継続的な教育方針では、定期的に新しいスキルを学ぶことが創造性と集中力を高めると述べている。
こちらも選択肢を見ると、語幹が同じ単語が並んでいるため品詞の問題だとわかります。That以下の文が文法的に成り立つようにするにはどうしたらよいかということに注目しながら見てきましょう。
(A)のregularは、learningを形容詞として修飾して一見意味が通じそうな気がしますが、new skillsがlearning(動詞)の目的語についているので、形容詞では動詞を修飾できません。
この選択肢(A)を消去できるのが、この問題のミソになります。ちなみに、regular learning “of” new skills となれば文法的にもOKですが、今回はそうならないので(A)は不適切です。
残りの(B)は、名詞系でlearningの主語的にはつけることができますが、意味的にNGです。
(C)は動詞の原形ではstates that以下の文が成り立たないのでNGです。
最後、動詞的な使い方をされているlearningを修飾できるのは副詞の(D)regularlyです。
答え:(D)
【例題4】
接続詞・前置詞問題
No. 102 Jamal Nawzad has received top performance reviews ------- he joined the sales department two years ago.
(A) despite
(B) except
(C) since
(D) during
【例題4 解説と答え】
訳:Jamal Nawzadさんは、営業部門に2年前に配属になって以来、最優秀の評価を得ている。
こちらの問題は、接続詞と前置詞の両方が含まれている問題になります。まずは選択肢を整理してみましょう。
(A) despite:前置詞
(B) excepte:前置詞・接続詞
(C) sincee:前置詞・接続詞
(D) duringe:前置詞
こうすることによって、選択肢を半分まで絞ることができます。というのも、前置詞の後には、文を置くことができないからです。したがって(A)と(D)は消去できます。
(B)(C)を見ていきましょう。(B)のexceptは「〜以外は」という意味の単語ですので、意味的にNGです。
(C)のsinceは、「〜以来」という意味があります。現在完了形(has doneなど)を勉強する時に、sinceもよく出てくるので、設問文の中ではそういったこともヒントになるかもしれません。答えは(C)です。
せっかくなので、ダミーの選択肢の情報も整理しておきましょう。(A)のdespiteは、「〜にもかかわらず」という意味で、in spite ofと同じ意味、使い方です。
ちなみにアメリカではdespiteの方がよく使われます。”despite of the fact that 〜” であれば、あとに文を置くこともできます。
(D)のduringは、「〜の間」という意味です。期間シリーズとしては、“for” “during” “while”などがありますが、それぞれあとに来る形や語が違うのがポイントです。
- for+期間の長さ (例)for an hour, for two weeks, for years等
- during+期間の名称 (例)during summer, during my stay in Tokyo等
- while+文 (例)I visited a church while I was staying in the US.
この違いを整理しておくと、空欄補充問題にも役に立ちますよ。
答え:(C)
ここで少し余談!
下記記事では、TOEICパート3の対策方法についてご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
4.Part5の対策のポイント
①公式問題集、その他問題集を解いて傾向を掴む
やはり公式のものが一番ですが、今は紙ベースでもオンラインでも問題集が豊富にあるのでまずは是非取り組んでみてください。問題を解いていくと少しずつですが、傾向が掴めてきます。傾向が掴めてきたら、自分でも大事なところがわかってより効率的に対策することができますよ。
②ダミーの選択肢も儲けものだと思って、有り難くインプットしておく
前述もしましたが、ダミーの選択肢が答えになったり、似たような問題として出題されたりといったことも大いに可能性があります。
英単語は多いですが、TOEICの問題レベルを一定にしていこうとすればするほど出題者側も似たような問題や単語を使う他ありません。特に公式問題集のPart5のダミー選択肢は有り難く勉強させてもらいましょう!
③不確かな文法知識があったら、文法書やインターネットで復習してみる
今まで文法知識などを勉強してきていても曖昧なところだったり、実は学校では教わらなかった予備知識だったりということもあるかもしれません。(例えば先程の例題2のthose who〜のwho省略など)
最近では文法書もたくさん出ていますし、インターネットの英語関連の情報量も豊富ですので是非活用してみてください。(その情報が正しいかはいくつかのサイト見て見る必要はあるかもしれません。)
ここでまた少し余談!
下記記事では、TOEICパート2の対策方法についてご紹介しています!満点を狙うコツをご紹介しているので、これからTOEICに挑戦される方は、ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
5.まとめ
みなさん、いかがでしょうか。
TOEIC Part5は、リーディングの中では特に対策をすればするほど点数が伸びていきやすいパートです。
長文読解に比べて、一問一問はすぐ終わるので隙間時間などを使って少しずつ対策していってはいかがでしょうか。きっとその一問に非常に似た問題が本番に出題されるかもしれません。
この記事が、みなさんの英語学習のお役に少しでも立っていましたら幸いです。
神奈川県で生まれ、現在は千葉県在住。上智大学卒。大学時代に船上書店で働き、世界各国を訪れ、英語と様々な文化を学ぶ。その後、外資系IT企業での勤務を経て、現在はフリーランスとして活動中。趣味は、コーヒーとパン作り。いつかカフェを開きたいと願っている。性格は前向きで少し抜けているところがあるらしい。TOEIC925点、TOEFL92点、英検準一級。現在は英検一級取得のため勉強中。